2019年8月10日土曜日

2019年5月から7月のボルダリング

5月上旬 Burbage South


友達とその友達とボルダリング。Your Basic Mantle 6C、7 Ball 6Cを登った。

5月上旬 Rivelin


朝1時間弱、Boffwidth。ワイド登りで7A。フィストがスカスカで超厳しい。また今度。

5月中旬 Shipley Glen


Red Baron 7A+、 Smear 6A、Vim 6 A+を登った。Manson's Wall 6Cに敗退した。

5月中旬 Rivelin 


2度目のBoffwidth。またもや敗退。隣のMini Beakをやったら、あっという間に指皮がなくなった。

5月中旬 RA


Worse Habits sit start 6A+、Habitus sit start 6Bを登った。Faith Left Hand 7A+が登れなかった。

5月下旬 Curbar


友達と一緒にWalk on By 7C。右のほうのサイドプルを保持するところまで行った。

5月下旬 Curbar


Walk on By 7C。左手を持ち替えて、左足を上げるところまで。

5月下旬 Anston Stone Wood


https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=953

二家族合同ピクニック&ボルダリング。Grape Crusher 6C、Trench Warfare 6B、Unnamed 7A、Blue Circle 7A、Last Stand 7A、Blind Bat 7A+を登った。

5月下旬 Burbage North


Definitive 5.12 6Cを登った。

5月下旬 Ramshaw


Melvyn Braggは乾きが悪い。Force Nineはいいスラブ。Night of Lust Startは膝に悪い。

5月下旬 Burbage South Edge


Definitive 5.11 6C+、疲れて登れなかった。

6月上旬 Anston Stone Wood


ピクニック&ボルダリングで適当に。Dark Art 8Aは離陸が厳しく、いまいち。

6月上旬 Burbage South Edge


Definitive 5.11 6C+を登った。

6月上旬 Yarncliffe


THEM!を少しだけやった。蟻がいなくなる冬を待つ?

6月上旬 Raven Tor


Powerbandの最後のムーブの検討。今一歩。

6月中旬 Burbage South 


The Kursk 6C。雨の合間でクラックの下部はびしょ濡れだったけど、何とかなった。

6月下旬 Higgar Tor & Sheepfold


娘に付き合ってもらって夕刻のボルダリング。

Higgar Torで隙間P。フットホールドがちょうど良い感覚で見つかって、残念ながら思ったより簡単だった。6Bくらい?

時間があったのでSheepfoldまで足を伸ばして、Your Horse is Dead 7A。短いけどシンハンドでの大きなムーブが厳しい水平ルーフ。結構苦労して完登。

6月下旬 Stanage


Cowper StoneでThe Bob Marley Extension 7Cのムーブ探りを小一時間。後半のムーブはできたけど、完全な持久系で、最後の方に不安定なムーブが一つあるので厳しいかもしれない。

6月下旬 Stanage


天気が良かったので、夕刻、Cowper Stoneで家族とピクニック。The Bob Marley Extension 7Cのムーブ探り。ムーブは全部できたけど、果たして繋がるのかどうか。

7月上旬 Stanage, Raven Tor & Lees Bottom


ゲスト二人を迎えて、Stanage。二度目のGreen Traverseと二度目のNot to Be Taken Awayを登った。二日目は、Millstone EdgeでTechnical Masterを登って、そのあとはRaven TorとLees Bottom。Goose Grease 7B、敗退。

7月上旬 Stanage & Squirrel Buttress


CowperstoneでThe Bob Marley Extension 7C。後半が繋がった。そのあとは、Squirrel Buttress。

7月中旬 Raven Tor, Lees Bottom, Millstone Edge, Cowperstone & Burbage South

ゲストを迎えて、クライミングした。


Climbing at Slate Quarries:スレートの石切り場のクライミング

ニールさんに誘ってもらって、North Wales(北ウェールズ)のスレートの石切り場でのクライミングを再び体験する機会を得た。スレートの石切り場は、クライミングが面白いのはもちろんのこと、クライミング抜きでも超楽しい。グレート・ブリテン島で一番いいところなんじゃないかと思う。それにもかかわらず日本語の情報はほとんどないので、ここにメモを残しておく。


アクセス


スレートの石切り場があるのはウェールズの北部。おそらく、マンチェスターの空港からアクセスするのが便利。車で2時間くらいだと思う。あるいはリバプールでもいいのかもしれない。ヒースローからは車で5時間くらいなので、乗り継ぎの煩わしさとリスクを考えると、運転が苦でない人はヒースローから車でアクセスしてもいいだろう。

観光情報


城巡り


まずはウェールズの歴史を感じる城巡りに出かけよう。北ウェールズにはイングランド対ウェールズの戦いの舞台となった中世の城がある。今の感覚でいうとロンドンに近い南ウェールズが戦いの舞台になりそうなものだが、イングランドの軍勢はチェスターから北ウェールズに攻め込んだらしい。その歴史を知ると、UKの皇太子がPrince of Walesと呼ばれる理由もわかって来る。

特に重要な城の4つがConwy、Caernarfon、Beaumarisともう一つどこからしい。Conwyは地形と城壁が守りを固めているのが理解できてとてもいい。Caernafonも堅固さを感じられてすごくいい。Beaumarisはまあまあ。

ウェールズの城だとかアビーだとかを巡ることができるパスがあって、超オススメ。
https://cadw.gov.wales/visit/places-to-visit/admissions

ビーチ


天気が良ければ、ぜひビーチを訪れたい。北ウェールズのビーチは広くて美しい。Llandudnoは典型的なUKのビーチリゾートらしく、80年代に貧乏なクライマーが万引きして警察に追いかけられた街を散策するという楽しみもあるようだ。落ち着いたビーチがお好みの方は、Anglesey Islandがオススメ。僕はグーグルマップで見つけたTraeth Lligwyというビーチに行った。引き潮の時は海がはるか先まで遠ざかって広大な砂浜が現れる。超いいところだった。なお、UKの海は全般的に言って生き物は少ないのが残念。

スレートの岩場はSnowdoniaという山岳地帯の端にあって、天候は少々不安定だ。岩場は雨だが北の空を見ると青空が見えるということはよくあるみたい。海がキラキラ光って、その先にはAnglesey Islandが見える。そんな時なクライミングを切り上げてビーチに向かうのもいいだろう。

Welsh Food Center

https://www.bodnant-welshfood.co.uk

ウェールズもイングランド同様飯はうまい。ウェールズの食品を扱う小さなフードセンターに行くと、ウェールズの食に触れることができる。チーズは特に品揃えがいい。あと、肉製品も良さそう。美味しいパンも手に入る。僕が行った時にはその他はイマイチな感じだったけど、その後オーナーが変わったようで、もっといいところになっているかもしれない。

National Slate Museum

https://museum.wales/slate/

いよいよスレートに近づいてきた。スレートの岩場はLlanberis(ランベリス)という街のすぐ脇にある。その街のはずれにあるのが、National Slate Museum。スレートの石切り場の歴史に触れることのできる素晴らしい博物館だ。北ウェールズを訪れるのであればここは絶対に外せない。スレートの岩場に向かう前にぜひ訪れておきたい。スレートの岩場で目にする様々なものをよく理解できるはずだ。

Snowdon Mountain


スレートの岩場のあるSnowdoniaという山岳地帯の誇る山が、Snowdon。ウェールズの人は、ここがUKで最も美しい山であるという誇りを持っている。UKで一番高い山はスコットランドにあるが、一番美しい山はウェールズにあると。ぜひ登っておきたい。山といっても日本の基準からしたら大したことはなく、ハイキング程度。ハイキングルートはいくつかあるようだ。クライマーはみんな歩くのは嫌いだろうから、そういう人はLlanberisの街から汽車に乗ってしまおう。Snowdon Railwayが山頂まで運んでくれる。

https://snowdonrailway.co.uk


スレートの岩場


北ウェールズの海と山と食を満喫したところで、いよいよスレートの岩場に向かおう。岩場はLlanberisの街のすぐ脇だが、アプローチは反対側から。車で近寄った時点で度肝を抜かれること間違いなし。Bus Stopに車を置いて、水平のアプローチだ。


まずは歩きながら耳をよくすませてみよう。地面に散らばったスレートの破片を踏んで歩くと、カランカラン、チャリンチャリンと楽しい音が響く。それから、足元のスレートの破片を見ると、時々エメラルドグリーンの模様が入ったスレートを見つけることができる。美しいスレートの破片を探すのも、楽しみの一つ。

クライミングエリアもすぐそこだが、登るのはまだはやい。まずは壮大な景色を堪能し、それから残された石切り場の施設にも目をやろう。いくつかの小屋には石切り場が閉鎖された当時の道具が未だに残っている。石切り場全体が博物館のようなものだ。石切り場の労働者をモデルにしたアートが各所にあるので、探してみよう。


可愛らしい植物を眺めるのも良い。


クライミング


ガイドブック


スレートの岩場は構造が複雑で、幾層にも別れた岩場が階段やトンネルで繋がっている。地図がなければあっという間に迷子になれるが、クライミングのガイドブックがあれば大丈夫。


2018年にはRock Fax社から新しいガイドブックが出た。例によって、とてもわかりやすいけれど、インタビューとか歴史とかの記述はない味気ないガイドブック。

情緒たっぷりのガイドブックがGround Upから2011年に出ているけれど、今は入手できないようだ。
https://www.ukclimbing.com/logbook/books/llanberis_slate-1370

ルート


スレートの岩場には、トラッド・ルートとスポーツ・ルートが共存している。それも、エリアごとに別れているというわけでもなく、トラッド・ルートのすぐ隣にスポーツ・ルートがあったりする。さらに、Eグレードが付いているにも関わらず、部分的にボルトが打たれているルートもあってそのエシックスを理解することは難しい。ここでは難しいことを考えるよりも、クライミングとして面白いものを登るのが正解だろう。

スレートの特徴は、フリクションのないツルツルの岩質。その岩質を堪能できるスラブはぜひ登っておきたい。それから、スパッと切れたカンテも面白い。カンテはスポーツルートが中心になるだろう。あと、コーナー。フリクションがないのでレイバックに逃げるのが厳しくて、面白いクライミングになる。最後に、ぜひ注目してもらいたいのが、人工物の存在。この地でクライミングが始まる前の石切り場の時代の人工物がルート上にも残されていて、それをホールドにしたり、プロテクションにしたりする。スレートの岩場ならではのクライミングなので、そういうルートはぜひ登っておきたい。

では、おすすめルートのご紹介。



岩場に横たわる錆びた送水管からスタートするスラブ。かつてはもう一本の送水管の上をトラバースしてから直上だったらしいけど、その送水管は下に落ちてしまったので、今は普通のトラバース。トラバースした先に巨大な錆びたチェーンがぶら下がっていて、そこにスリングを回してプロテクションにする。スレートの岩場らしいルート。

Pull My Daisy E2 5c

https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=6611


スラブのトラッドルート。中間部まではシンクラックにスモールナッツだのスモールカムだのをねじ込んで登る。ルートの3分の2くらいのところに鉄の棒が刺さっていてそこにスリングを巻いてプロテクションにしたら、あとはひたすらランナウト。これもスレートの岩場らしいルート。レインボーという超有名な岩にあるのも良い。

Dinorwig Unconquerable E3 5c

https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=8163


ガイドブックに'Indian Creek comes to the slate quarries'と書かれているルート。シンハンドのコーナークラックで、クラックの外にはホールドが全然ないので、ひたすら手とつま先をクラックにねじ込み続ける。

German Schoolgirl E2 5c

https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=8262


閉じたコーナー。コーナーの脇にシンクラックが走っていて、そこにスモールナッツをねじ込んで登る。ガイドブックには'well protected by wires'と書かれている。極小ナッツを信じるか否かはあなた次第。

とうことで、超楽しいスレートの石切り場のクライミングを紹介した。本当に超楽しいので、ぜひ登りに行ってもらいたい。





ここから先は個人的メモ。今回登ったルート。

German Schoolgirl E2 5c オンサイト
Dinorwig Unconquerable E3 5c 初めてのE3、オンサイト
G'Day Arete 6c たぶんUKで初めてのスポーツ・ルート、オンサイト