昨年の秋から取り組んでいたシンクラックのプロジェクトに成功しました。 11日目でした。
この岩を発見したのは2016年10月のこと。いつものパートナー松氏とナメクジスラブにやって来た際に、スラブのあまりの難しさに心挫けて岩探し散歩に出た時でした。
尾根から一歩外れた岩の裏側に、このクラックは切れ込んでいます。尾根の上からはその姿は確認できず、何の期待も持たずに念の為と岩の裏側に回り込んでこのクラックを発見した時の驚きは、今も鮮明に覚えています。
実際に登ってみると出だしから極度に強度の高いムーブで、圧倒されました。それでもどうしても登りたくて、いろんな人にビレーをお願いしたり、一人でロープをフィックスして練習したり。一冬を越え、このためにトレーニングを積み、体重を5キロ落とし、シューズのフリクションが上がる暖かい時期を待ち、時間帯を選び、軽いハーネスに履き替え、プロテクションは最小限に絞り、チョークバッグはつけず、自分のクライミング能力を切れる寸前のゴム紐のように伸ばして、なんとか登ることができました。
この岩の発見のきっかけを与えていただいた方々、付き合っていただいた方々に感謝です。
「喜び讃えよ 主イエスは生まれぬ(Noel)」(5.12b)
クラックの経験が少なすぎてグレードのことは分かりません。5.12bとされるセンチュリー・フォー・カラーズは7日で登っていて、それよりも時間はかかっています。他方で、センチュリーは初日にムーブとプロテクションについて情報を得ていて、こちらは情報なし。しかも短い上に出だしが核心なので、登りやすいかもしれないとも思います。ということで、ひとまずセンチュリーと同じ5.12bということにしておきます。
このクラックにグレードをつけることになんの意味があるのかとも思いますが、その話はまた別の機会に。
英語名はNoelってことで、ノエルでもいいです。そういえば、シンクラック、シンクラックと言ってましたが、初手以降は右手は第一関節が入ったので、フィンガークラックです。
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