スポーツクライミングにおけるリスクを考える第二弾。
アレックス・ホノルドのClimbing Goldから、アメリカにおけるスポーツクライミングの生みの親であるアラン・ワッツ(Alan Watts)との対談。
https://www.climbinggold.com/episodes/cheater-cheater
スミス・ロックでラップボルトによるスポーツルートの開拓を始めたワッツは、当時すでにクラック・クライミングの分野では世界のトップレベルだった。対談では、スミスにはクラックがあまりないのでフェースをクライミングの対象として見始めた、スミスにクラックがいっぱいあったらスポーツクライミングをやってない、なんてことを言っていた。
この点については、スミスも少ないながらクラックはあって、高難度のものもあるので、文字通りスミスにクラックが無いと理解するよりも、ワッツが強すぎでクラックを登り尽くしちゃったと理解するほうが良さそう。と言う話を木織さん教えてもらった。
クラックあるっちゃーあるんですが、数は確かにない。アランは早々に全部登ったからなあ。中にはEast Face of Monkey Faceとか13dのクラックとかあるぞ。
— Tak Kiori (@takcrux) June 16, 2022
それから、ホノルドのコメントとして、ワッツが当時のメインストリームであったクラック・クライミングにおいてトップレベルにあったということが、ワッツが始めたスポーツ・クライミング(と言う名称は後から付けられたのだろうが)にcredibilityを与えた。
強いから新しい取り組みを初めて、強いからその取組が承認される。強さって大事と理解した。
その他、スミスでラップボルトがそこまで問題にならなかった理由として、スミスのクライマーはバラバラでメンターのような存在がいなかったことをワッツは挙げている。やめろと言われたときにその忠告に従わないといけないと感じるような存在がなかったと。
本題であるスポーツクライミングにおけるリスクについては、ホノルドのコメントがある。スポーツクライミングは「安全すぎる」との批判があることに対して、そういうことを言うやつはスミスのクラシックを登ったことがないのだろうと。スミスのクラシックは、ボルト間隔はとんでもなく離れていて、安全ではあっても登ってみると安全とは感じられない、とホノルドは言う。こういう反応が出るということは、少なくともホノルドはスポーツクライミングにおいて「安全とは感じられない」ことに積極的な価値があると考えているということだろうか?
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