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2019年7月10日水曜日

カムを3本なくしかけた:プロテクションの回収とスタック防止について考える

この前のスレートの岩場のクラックでプロテクションの回収とスタック防止について考える機会を得た。というのも、1本のルートでカムを3本もスタックさせて失うという大事故を起こしかけたから。

この機会に、回収方法とスタック防止方法について考えておきたい。ちなみに、ここに書くことは、トラッド・クライミングを誰かにちゃんと教えてもらってやってる人にとってはごく当たり前のことかもしれない。僕は完全に独学でやってるので、当たり前の知識が備わっていない。主として自分のためのメモとして残したい。

3本のカムがスタックした状況、事後対応、事前予防策を順番に整理しよう。

ケース1:タイトセット


  • 状況

黄色のC4。タイトセットしたカムがスタックして、トリガーを引いても出てこないケース。これはトラッドをやってる人の多くが経験したことのある話しだと思う。

  • 事後対応

(1)スリングに輪を二つ作る(なんでもいいけど、ラビット・ノットあたりがいいかも)、(2)輪をトリガーに一つづつかける、(3)輪の反対側をハーネスのビレイループに連結する、(4)スリングにぶら下がってトリガーに全体重をかける。これが僕の定番の対応で、多分トラッド・クライマーはみんなやってる。

今回もこれで回収成功。

  • 事前予防策

タイトセットでスタックの予防策は、タイトセットしないこと。いうまでもない。しかし、カムの番手の中間サイズのクラックで、タイトセットするか、ゆる目にセットするかは悩みどころ。僕はかつて、「スモールカムについては常にタイトセットなんだけど、ハンド以上になるとユルユル」という指摘をいただいたことがあって、大きめのカムのセットは気をつけるようにしていて、それで今回のような事態になったというわけ。個人的な感覚としては、ユルユルでカムが抜ける心配をするより、タイトにセットして安心した方がいい。タイトセットでスタックしたカムは多分上記の方法で大抵回収できるから、問題なし。スタックを恐れずブチ込むのが正解。


ケース2:ルーフの抜け口


  • 状況

緑(か黒?)のマスターカム。ルーフの抜け口にセットしたカムがウォーキングで奥に入っちゃったケース。今回は随分奥に入って、カラビナまでクラックの中に吸い込まれ、しかもクラックはシンハンド・サイズで、ロープのアンクリップさえ危ぶまれたくらい。

真ん中のカムが奥に入っちゃった

  • 事後対応

奥に入ったカムは、緩めのセットだった。奥に入りすぎて、クラックに手が入らず、一本目と同じスリング・メソッドは使えなかった。そこで、スリングの先にカラビナを一枚つけて重りにして、それをクラックの中のカムのさらに奥を目がけて投げ入れた。そしたら、狙い通りにスリングがカムローブに引っかかって、カムはポロっとルーフの下に抜けてきた。

  • 事前予防策

リード&フォローの時はこのケースが起こるとフォローが登れなくなるので、事前予防がとても大事。

ルーフの抜け口のカムが奥に入るのは、その部分でロープが屈曲していて、ロープが上に引かれるたびにウォーキングするから。



予防策(1)としては、この屈曲の角度をなるべく少なくするために、ルーフ下のプロテクションを延長するとか、セットの位置を下げるとか。そうするとそこまで奥には入らないような気がする。


予防策(2)としては、ロープの動きを少なくすること。ロープの動きが激しいと、屈曲部のカムが大きく振られてウォーキングしてしまうので、ルーフを超えたらクリップ時のロープの引き込みはソフトに。少しは予防になりそうな気がする。しかし、落っこちそうになりながらクリップするときにそんな配慮ができるかは知らない。あと、リードの最中にはウォーキングしなくても、フォローが登ってる最中にウォーキングする可能性もあるから、フォローのビレーも張りすぎないようにした方がいいかもしれない。しかし、フォローが怖い思いをしそうだから、判断が難しい。

ケース3:1本目のカム


  • 状況

青のマスターカム。1本目のカムがウォーキングで奥に入っちゃったケース。トリガーがクラックの中に入っちゃって、フィンガーサイズだからトリガーを引けず、回収不能。これも多分、トラッドをやってる人は一度は経験したことのある良くあるやつ。



  • 事後対応

色々やろうとしたけど、結局回収できなかった。初めてのカム・ロスト。ナッツキーがあればなんとかなったかもしれないけど、離れた場所に置いてきちゃってたので使えず、断念。無念。

  • 事前予防策

ウォーキングの原因はロープが屈曲することなので、予防策(1)はもちろん、ビレイヤーが1本目のカムと2本目のカムを結ぶ直線上に立つこと。しかし、諸々の事情でそれができないことはよくある。レッジに上がってスタートとか、落石の恐れがあって離れてたいとか。

予防策(2)は、ケース2のルーフの抜け口と同じで、クリップするときにロープをソフトに引き込むこと。それができるかどうかは知らない。

予防策(3)は、カムのウォーキングが起こりやすい1本目のプロテクションにはカムを使わないこと。ここでナッツは最悪で、ロープの屈曲部ではいともたやすく抜ける。ジッパリングっていうのかな?やはり、カム効果のあるプロテクションでないといけない。そこで考えられるのが、トライカム。カム(というかスプリング・ローデッド・カミング・デバイス)と違ってウォーキングはせず、ナッツと違ってパラレルでも効く。

1本目のプロテクションはトライカムでいこう(効果は保証しません)。

考察は以上。ひとまずの仮説であって、正しいかはわかりません。コメント歓迎。

2018年8月1日水曜日

ブリティッシュ・トラッド・クライミングのグレードを理解する

分かりにくいと言われるブリティッシュ・トラッド・クライミングのグレード。俗にEグレードと呼ばれるやつ。


形容詞グレードとテクニカルグレードのミックス。ガイドブックを見ると、例えば"E2 5c"みたいに書かれている。このシステムについては、ちょっと前のロクスノに詳細な解説があるのでそれを読むとして、ここではこのシステムをどう運用しているかを言語化してみたい。

僕が登るルートを選ぶときに知りたいことは、そのルートがどのくらい危険なのか。UKトラッドはマジで危険なので、そこは知っておかないとまずい。そこで、どうやってルートの危険度を読み取るか。例えば、ガイドブックを見てそこに"E1 5b"と書かれていたとしよう。上の表の通り、E1の形容詞グレードがつけられたルートのテクニカル・グレードは5a、5b、5cの三通りある。5aだとbold、5cだとsafeとされる。5bは標準的。

これはどういうことかというと、E2という形容詞グレードにはルートの危険度もムーブの難易度も両方加味されていて、同じ形容詞グレードの中でテクニカル・グレードが低いということは、ルートの危険度の高さで形容詞グレードが上がっているということ。

ということで、まずは形容詞グレードを見て、次にテクニカル・グレードを見て、そこから逆算してルートの危険度を判断するという過程を辿ることになる。それってちょっとめんどくさいので、最初からテクニカル・グレードを主たる軸にして考えた方が楽チンなんじゃないかと思って描いてみたのが、これ。



テクニカル・グレードごとに、形容詞グレードを配置してみた(3c、4aあたりは実際はSとかHVDとかも入ってくるんだろうけど、省略)。

例えば、テクニカル・グレードが5bだと、形容詞グレードはHVS、E1、E2、E3の4通りある。で、ものすごく大雑把な予想としては、HVSだと核心ムーブでのプロテクションは膝下くらい、E3だとグラウンドフォールするって感じじゃないだろうか。例えば、ちょっと前に登ったSunset SlabはHVS 4c。ルートの三分の一くらいのところにカムをセットしたらあとは上までランナウトするので、実感としてはこれに合ってそう。もしかしたらプロテクション・セットの難しさとかもあるのかもしれないけど、今の所わからない。今後の課題ということで。

一番右に描いたのは、テクニカル・グレードをソロバングレードに換算したもの。ブリティッシュ・テクニカル・グレードは、ルート中の核心ムーブまたは核心セクションの難易度を表しているのでボルダーのグレードに読み替えるのが分かりやすい。ルートのブリティッシュ・テクニカル・グレードはボルダーのブリティッシュ・テクニカル・グレードより一つ上と言われてるようで、ボルダーグレードを介してソロバングレードに換算した。4cから5bくらいを登った感触としては、だいたい合ってそうな気がする。上の方は知らん。

例えば、テクニカル・グレードが6bだと、ボルダー3級程度のムーブが出てくる。その時にプロテクションが膝下で全くもって安全だと、E4。核心ムーブに失敗するとグラウンドフォールして大怪我するのが、E6。

超分かりやすい!!

これを作ってみてわかったことの一つ目は、Eグレードのおどろおどろしいイメージに反して、ムーブの強度はそれほど高くはないということ。1級が登れればE5からE8。E5だったら多分ドッカンドッカン落ちても問題ないだろうから、初段くらい登れるクライマーにとっては十分に登れるだろう。実際には、E5 6cなんてのはそう多くはないっぽいけど。

もう一つは、6c以上のグレードの詰まりっぷり。HVSからE5くらいまではグレードの上昇は早くても、そこから先グレードを伸ばすのは超難しそう。

てことで、なんとなくUKトラッドグレードがわかったところで、もりもり登ろう。

2017年5月16日火曜日

主観的でもいいんだよ

ボルダリングのグレード


ずいぶん前になりますが、ミキペディアさんがボルダリングのグレードについて書いて、とても面白かったです。先日、Noelと名付けたシンクラックPを登ったことで、グレードについて考えることがあったので、今更ながら取り上げてみたいと思います。

ミキペディア方式


ボルダリングのグレードの決定方法~前編:グレードの定義、前提となる考え~
 ボルダリングのグレードの決定方法~後編:難易度の構成要素~

グレードの決定方法に関するミキペディアさんの考え方は、僕がこれまで触れたことのないもので、とても興味深いものでした(と言っても、僕が触れたことがないだけで、みんなそう考えていたのかもしれないし、あるいはセッターの方々の間では共通の理解なのかもしれませんが)。その考え方は、以下の一節に端的に現れています。

理想的には「全クライマーがこの課題にチャレンジしたら何%のクライマーが完登できるか(もっと理想的には、合わせてアテンプト数がどのくらいになりそうか)」という思考実験の元に難しさを決めるべきだと思います。

非常にわかりやすい、極めて客観的な決定方法ですね。ちなみにこれは、ボルダリングのグレードに関する見解ですが、スポーツ・ルートやトラッド・ルートでも同じことがいえるでしょう(たぶん)。ということで、この見解に立って、Noelのグレードを考えてみたいと思います。

Noelのグレード


ここに書いた通り、Noelのグレードは5.12bとしています。これは、センチュリー・フォー・カラーズと同じくらいの難易度だからです。これは、僕が感じる難易度です。

では、ミキペディア方式ではどうなるか?

Noelの核心部は出だしで、フィンガーティップのレイバックからの第一関節ジャムが2発続きます。特に1発目の第一関節ジャムは、人差し指がギリギリ入るサイズです。僕の指はとても薄いです。普通の太さの指の人は、ジャミングできません。ここに指が入るクライマーは、男性では10人に1人もいないはずです。指が入らない人にとっては、ひたすらフィンガーティップのレイバックで、フットホールドもなく、超難しいはずです。しかも、プロテクションもとれず、短いけれども下地は悪いので、超危険です。他方、指の細い女性ならどうかというと、背の低い人は僕がスタート・ホールドとしているところに手が届きません。僕の身長は177cmで、僕の腕は日本人としては結構長いです。背の低い人は、スタートホールドに到達するまでに、さらに厳しいムーブが加わることになります。

このことからすると、Noelを登れる人はとても少ないはずです。ミキペディア方式を採用すれば、5.13は堅いでしょう。クラックとしてはもはや日本国内にはほとんど存在しないレベルのグレードです。

では、Noelに5.13というグレードをつけると、何が起こるでしょう?

僕と同じ身体的条件を持つ人にとっては、5.13というグレードを期待して登りに行ったら、実際には5.12b程度で、期待はずれと思うことでしょう。指が太い人は、5.13だと思って登りに行ったら、実際には5.14相当であったり、あるいは不可能であったり。背の低い人にとっても同様です。背が低くて指の太い人にとっては、何が何だかわからないことでしょう。いずれにせよ、5.13という数字が意味を持つ人は一人もいません。

グレードはクライマーに難易度を伝えるためにある(と僕は思っている)のに、5.13という数字は、誰にとっても正しく難易度を伝えることのない、全く意味のない数字です。客観的なグレードは、時になんの意味もない数字になってしまいます。

グレードが主観的とはどういう意味か?


ではなぜこのような事態が起こるのか。それは、グレードは客観的でなければならないという観念があるからだと思います。そして、グレードは客観的でなければならないという観念の背後にあるのは、グレードは主観的であってはならないという観念です。このことは、ミキペディアさんのブログを受けてのTwitterでのやり取りでも明らかになりました。



それでは、グレードが主観的であるとは、どういう意味なのでしょうか?

グレードが客観的であるべきと考える見解は、グレードが主観的であるとは、直感でグレードをつけることや、合理的な根拠を持たずにグレードをつけることを意味すると考えているようです。グレードに「主観が入る」という表現は、このことの現れです。

しかし、「主観的」には別の意味もあります。おそらく、グレードの主観/客観論争は英語圏から来ているものです。主観的の原語はsubjective。subjectiveには、「気分や好みに依拠する」という意味の他に、「subject(=主体)に関する」という意味もあるます。主体とは、ここでは個々のクライマーです。主観的なグレードとは、クライマーと課題やルートとの関係性に付けられたグレードと理解することもできます。身長170cm以上の人にとっては5.10で、それ以下の人にとっては5.10、といった丁寧な説明がなされた「主観的な」グレードが付されたトポが、かつてありました。間をとって5.10+という表記よりも、そのような「主観的な」グレードの方が、情報として価値があることは疑いようがありません。クラック・クライミングの場合にはその傾向はさらに顕著で、指の細さや手のひらの厚さで難易度は大きく変わってしまいます。グレードは人によって異なる、クラック・クライミングでは常識かもしれません(僕は経験が少ない上に、クラック・クライマーと話したことがあまりないのでよくわかりませんけど)。

客観志向の意味


翻ってみるに、ミキペディアさんがなぜグレードの客観性にこだわるのか。それは、ジムの課題としては、身体的特徴によって著しく難易度が異なる課題は良くないと考えられるからではないでしょうか(実際はそうなってない、いい加減なジムもありますけど)。誰が登っても同じような難易度に感じる課題を目指し、それが実現されるならば、「主体に関する」主観的なグレードと、登れるクライマーの割合を指標とする客観的なグレードは、一致します。そこでは、客観的なグレードは情報として価値を持ちます。

セッターによる客観的なグレードの志向は、誰にとっても同じ(くらいの)難易度になる課題を作って提供するという、セッターの意気込みの現れとみるべきでしょう。ありがたい限りです。

あ、絵を描くのを忘れた。

2017年5月14日日曜日

カンテで切れるロープ、の続き

カンテで切れるロープ(http://lowfatclibmer.blogspot.jp/2017/04/blog-post_17.html)の続きです。

山と渓谷社のクライミング・ネットが、Michele Caminatiのロープ切断によるグラウンドフォールを紹介しています。5月14日の更新です。


これを受けて、「今更?」と周囲では軽く盛り上がっています。僕も、今更?と思ったのですが、掲載手続きに時間を要するのではとのご指摘をいただきました。


で、他のメディアはどうかと調べてみると…

第一報は、レスキュー・チームでしょうか。事故の2日後、3月30日です。
https://www.facebook.com/edalemountainrescue/posts/1581494401879301:0

それから、いち早く報じたのが、planetmountain。Caminatiさんの地元メディアですね。3月30日。
http://www.planetmountain.com/en/news/climbing/michele-caminati-survives-gritstone-ground-fall-in-england.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

お膝元のUKCもかなり早く、3月30日のよう(コメント欄の日付から)。
https://www.ukclimbing.com/news/item/71015/elder_statesman_and_a_ground_fall_for_michele_caminati

カナダのGrippedも3月30日。
http://gripped.com/news/watch-grit-stone-whipper-cuts-rope-climber-decks/

英国BMCによる分析が、3月31日。
https://www.thebmc.co.uk/rope-shear-could-happen-to-anyone

ドイツkletternも3月31日。
http://www.klettern.de/news/sportklettern-bouldern/kante-schneidet-seil-durch.1677776.5.htm

スイス、LACRUXも3月31日。
https://www.lacrux.com/klettern/michele-caminati-ueberlebt-10-meter-sturz-nach-seilriss/

米国ROCK & ICEのweekend whipperが3月31日。
http://www.rockandice.com/weekend-whipper-video/michele-caminati-rope-cutting-ground-fall-elder-statesman

同じく米国、IFSCボルダリング・ワールドカップの独占放映権でけちょんけちょんに言われてたFLOCLIMBINGは3月31日。
http://www.floclimbing.com/article/54117-michele-caminati-survives-gritstone-ground-fall-after-rope-shears

さらに同じく米国のClimbingが、少し遅れて4月1日。
http://www.climbing.com/videos/video-arete-cuts-rope-resulting-in-groundfall-for-michele-caminati/

で、5月14日のクライミングネット、という流れ。

2017年5月8日月曜日

人と登ること

人と登ると様々なフィードバックを得られ、成長に寄与することを、最近になって感じています。

ちょっと前の「影の軍団」では、珍しく僕がリードした後にフォローで回収してもらいました。そしたら、「フィンガーサイズのカムはタイトにきまってるけど、大きめサイズがゆるゆるです」と、のりさんからありがたいコメントをいただきました。キャメの3番がほぼ開ききっていたそうです。

言われてみれば、心あたりはありました。

4番がギリギリ入るか入らないかのサイズの時に、ユルユルの3番を入れてしまうこと、あります。

気をつけないといけません。頑張って4番を入れるか。そもそも3番と4番のサイズが離れていることに根本的な問題があるのだと思うので、3番を2本持っていくくらいなら、3番と4番の間のサイズのヘリウム・フレンズ4番を1本持っていくことにしましょう。


その他いろいろ、勉強になってます。

2017年2月28日火曜日

奥多摩トラッド&奥多摩クラック

近場でも上達できる、奥多摩のトラッド・クライミング&クラック・クライミング(一部、奥武蔵を含む)。

随時加筆する予定。

2017年2月 zの岩場・COMPASSIONを追加。鳩ノ巣ダイノを追加。
2017年2月 障子岩・チーム・レッドボルトを追加。

◆御岳ボルダー

東京からもっともアクセスの良い岩場。まずはお手軽なボルダーで練習しましょう。

既発表課題としては、丸こんにゃく岩のチョックマン。その他、デッドエンド一番左、発電所対岸のA岩・B岩の隙間が2本(こちらを参照)、ロッキーボルダーとin Tokyo!の台座の隙間(こちらを参照)など。

A岩・B岩

クライマー返しは、世にも珍しいナックルジャム。


◆大丹波ボルダー

ちょっと足を伸ばして、クラックらしいのも登ってみましょう。

山野井さんによって紹介されたボルダークラックが3本。フィンガーとハンドの入門にいいです。下地がよろしくないのが難点。上に支点になる木がないので、トップロープするならカムで支点構築。日本登攀クラブのウェブサイトを参照。

ダイバーさんブログから

そのすぐ近くに、松氏と一緒に掃除してダイバーさんと一緒に登ったワイドクラック。場所は、行けばすぐわかります。チキンウィング、アームバー、ヒール&トー、Tスタックと、ワイドの基本技術を練習できてとてもいいです。カムでリードも、トップロープも可。情報はこちら



◆鳩ノ巣ダイノ
鳩ノ巣渓谷の遊歩道脇のボルダー課題。フィンガージャムからランジ。ここを参照。



◆天王岩

アクセスの良いスポーツ・クライミングの岩場。

看板ルートの一つであるクラックジョイはボルトルートで普通はフェースムーブですが、上部はカムでプロテクションが取れ、ワイドムーブでも登れるかも。

左スラブと右の岩のコーナーにクラック(5.7)。


◆聖人岩

こちらもスポーツ・クライミングの岩場。

貂が見ていたの左のチムニー。バック&フットの練習ができます(こちらを参照)。

《モモンガキッド》。ボルトが打たれた前傾クラック。ジャミングでも登れる。たぶんカムでプロテクションは取れる。


◆白妙橋

これまたスポーツ・クライミングの岩場。可能性はいたるところに眠っています。

ケンシローなどがあるカワラフェイスの右に、数本のクラックがあります。チキンウィング、アームバー、リービテーション、フィスト、ハンドと、クラックの各種技術の練習ができます。クラックを登る練習をしたければとりあえずここに行っておけばいいと思います。こちらを参照。


以上のクラックを横切り、左上に抜ける課題が、山野井さんによって紹介されています。山野井通信を参照。ルーフ・クラックのムーブを体験できる貴重な課題です。

正面壁左のスラブのルート《カーチェイス》は、ボルトルートですが、カムとナッツで登れます。ナッツの練習にはいいと思います。情報はこちら



◆障子岩
南東面のボルトルート《ぺっぺっぺの羽田さん》、《ジェラシー'95》は、ムーブは完全にフェースですが、ナチュラルプロテクションの練習ができます。

《ワイルドハート》もカムで登られているようですが、たぶん危険です。日本登攀クラブのウェブサイト参照。

南東面3階のボルトルート《チーム・レッドボルト》はナチュラルプロテクションで登れます。

南東面1階のアプローチを1P目と見立てると、2P目に《ぺっぺっぺの羽田さん》あるいは《ジェラシー'95》、3P目《チーム・レッドボルト》とし、ビレー点も含めて全てナチュラルプロテクションで登るマルチピッチの練習に使えます。冬の奥多摩で暖かい空気に包まれて練習ができる貴重な岩場です。


◆ヒドゥン・ロック

秋川・障子岩近くのヒドゥン・ロックに、ハンドサイズのクラック(5.10a?)。ハンドジャムの練習に最適。こちらを参照。ヒドゥン・ロックについては、RCTさん。



◆河又

シュテファン・フェイスの左奥の短いワイドクラック。簡単です。下地が崖なので、ボルダーは危険。こちらを参照。

洞窟の中のルーフをつなぐボルダー課題《朋有自遠方来》、通称「順子ルーフ」。フィンガー、ハンド、オフウィズス、チムニーなどで、初段。こちらを参照。



◆むかしクラック

山野井さんによって紹介された、むかし道沿いのどっかぶりのクラック(5.10c)。日本登攀クラブのウェブサイト参照。



◆三峰ボルダー

いろいろ可能性あり。こちら



◆奥多摩の岩場

奥多摩某所のスポーツ・クライミングのエリアの片隅の前傾水平クラック( 5.10+?)。こちらを参照。



◆北秋川

水滴穿石の左の小さなワイド、腹ジャム。


近くの山のフィンガークラックは、プロテクションの練習ができます。


◆Zの岩場

某所で復活中。今あるルートは1本。スモールナッツとスモールカムのプロテクションがいい感じ。SOLIDARITY。ここを参照。


2017年2月、1峰正面のエイドルートをフリー化し、2本目のルートを追加。COMPASSION。上部カンテのムーブがとても楽しい。ここを参照。



◆Iの岩場
トラッドのエリアとして開拓された滝の裏側の岩場。僕は一度見に行っただけ。


2017年2月13日月曜日

トッド・スキナーのプロジェクト

トッド・スキナーのプロジェクト。
http://www.climbing.com/people/the-unfinished-projects-of-todd-skinner/

Climbing誌のweb版を読んで、いろいろと考えちゃいました。

There is an unwritten rule in the climbing world; when someone is working on a project you don’t touch it until they’ve finished. Climbers respectfully stay off a route while the finder cleans it, studies it, and sometimes makes countless failed attempts to figure out how to make it go.

これは鈴木英貴さんのスティングレイの初登にまつわるエピソードを思い出させますね。また、日本にもこの慣習は存在するようで、しかもプロジェクト単位ではなく、公開前の開拓中のエリアには丸ごと手を出さないという暗黙のルールがあるようです。

さらに、場所によっては公開されてるのに初登禁止というエリアまであるそうで、少し前に話題になってましたね。

サルモネラ登攀日記:公開プロジェクトとは何なのか、
http://saruzaemon.exblog.jp/22715749/

他方で、豊田の岩場では誰のプロジェクトでも登るのは自由という伝統があるとの見解も示されています(本当にそうなのかは知りませんので、豊田で他人のプロジェクトを登って殴られても僕は責任を取りません。)。

豊田・大田の煌(KIRA)初登セッション & 豊田の岩場開拓の伝統
http://jiyujinclimbing.blog2.fc2.com/blog-entry-780.html

少なくともナチュラル・プロテクションのルートとボルダリングの課題に関しては、誰でも登っていいことにするのがいいと思うので、僕がやってる最中のクラックを誰かが登っても殴りません。自分で登りたいルートのありかは人には教えません、ケチなので。自力で探した人が登るのを妨げることはできません。どうしても自分で登りたいクラックを誰かが発見してしてしまった場合には、「ご勘弁を〜」と土下座して懇願します。それでも登られてしまったら、自分の弱さを悔いるのです。

もうひとつ考えたこと。

But what happens when a route’s original pioneer dies before its finished? 

これで思い起こされるのは、やはり吉田さんが残したルートや課題のことですね。とりわけデイドリームを誰が完成させるのかは、誰しも気になることでしょう。そのデイドリーム、1980年代半ばにはすでに「デイドリーム」と呼ばれていたようです。池田功さんがトライしていたという話も聞きました。吉田さんがデイドリームへの挑戦を始めたのは、コブラクラックへの挑戦から帰ってきた後、2007年頃のことのようです。池田さんはもちろんdieしてませんが、このクラックは「オープン」だったのか、それとも了承を得たのでしょうか。もうクライミングはやめてしまっていたから、その必要もなかったのかもしれませんが。

記事の中で紹介されているプロジェクトのひとつ、Strawberry Roan。



このルート一本を見ただけで、トッド・スキナーがいかにvisionaryであったかを想像することができます。

それから、アレックス・ホノルドが登り、A Gift from Wyomingと名付けたプロジェクト。
https://vimeo.com/groups/gryftrek/videos/62627696
https://vimeo.com/channels/500578/62628710

visionを持ってクライミングに取り組みたいものです。

2017年1月18日水曜日

Brexit

トラッド王国UKはどこへ行くのか。長いから後でちょっとずつ。




"A little over six months ago, the British people voted for change.


They voted to shape a brighter future for our country.


They voted to leave the European Union and embrace the world.


2016年11月1日火曜日

Tomさん、家族とクライミングを語る。

Wide Boyzの一員として有名なTom Randallさんが、人生と家族とクライミングについて話しています。家族を持つクライマーは必見です。

https://rab.equipment/uk/basecamp/periodicals/commitment/tom-randall-obsession/


ロンドンでの証券トレーダー(?)としての非人間的な生活を切り上げ、シェフィールドに戻ったこと。奥さんと二人の娘さんの家族のこと。

「家族とクライミングのどっちが大切かは、人生で一番大きな問題だね。どっちも大切なもので、でもその大切さって違うものなんだよね。家族を持つクライマーだったら分かってくれると思うんだけど、家族とクライミングを完全に切り離して考えることはできないし、いつもどっちを取るか葛藤があるんだよ。正直な話し、僕にとってはクライミングがいつも少しだけ上にあって、毎朝起きた時に心から向き合いたいと思うのは、どっちかというとクライミングなんだよね。で、僕はそのことをいつも申し訳なく思ってる。でも自分にとって家族もクライミングも大切なものだってことはよく分かってるよ。」

そうそう、わかるわかる、と頷きながら聞き入ってしまいました。普段はニコニコのトムさんの悩ましい表情もとてもいいです。

2016年10月7日金曜日

ナッツがポロリ

Peak DistrictのDovedale CragでJoe Heeley氏がEyes Wide Shutを初登した際の映像を見ました。

Eyes Wide Shut - E9 6c/7a - Joe Heeley from Ace Film and Photography on Vimeo.

9分5秒に注目。最後のナッツがポロリ。

膝で押されたのが原因ではないかと思います。

ナッツはボトミングが効けば落ちても安心ですが、上方向に力がかかるとポロリと行っちゃいます。スリングを伸ばしてカラビナの動きがナッツ本体に伝わらないようにするという手段はありますが、今回のようにワイヤーを膝で押してしまえば、無意味です。

根本的には、ナッツと岩の接地面積を大きくして、外れにくくすることが有効なんだと思いますけど、それにも限界があってこんなことになっちゃったんでしょうね。

バックアップは大事ということで。

ちなみに、Dovedale Cragは、Peak District最南端のエリア。その中でも、Eyes Wide Shutがあるのは、The Watch Blockというエリア、というか岩。この辺り。



なお、Lake DistrictにもDovedaleという岩場があるようで、ややこしいです。