2025年6月9日月曜日

瑞牆・七面沢上流エリア・《キャップスロック》&《くまのプーさん》

 西條さんと瑞牆。

前日はWaterSpiderProjectに行くか、JETSETで開催された松島さんショートムービー上映会に行くか一瞬悩んで、松島さんの方に行くことにした。1時間だけ登った。それから家に帰ってお風呂に入って、諸々準備して、9時すぎだったかに瑞牆に向けて出発した。眠気と戦いつつ運転して深夜に到着。眠りは浅かった。

行き先は朝になってから西條さんと相談して、七面沢上流エリアに決定した。不動沢屏風岩でよろめきをやるとか、よろめきに人がいたら不動の日々をやるとか、考えてたけど、西條さんが《マリーゴールド》を見てみたいということで、乗った。

七面沢上流エリアはひたすら遠い。フロンティアスピリッツのガイドブックでは《マリーゴールド》まで60分ということになってるけど、アプローチ力が低いことで定評のある自分の足では、60分では済まない。クラック地獄までがまず辛い。そこから始まる上りがまた辛い。コルを越えた先の急登がまた辛い。辛い辛いで、到着したときにはたどり着いただけでもう大満足してしまった。しかも寒い。

西條さんは前回も登ったという《キャップスロック》(5.9)でさらりとアップしていた。自分も、せっかく来たのでなにか登っておこうということで、登った。上部が抜けそうなフィストサイズになって、めちゃくちゃ辛かった。最後のマントルは、右の方のカチを握り倒してなんとか切り抜けた。フラッシュ。しかし寒い。

帰りに山を下りながら西條さんと話したんだけど、苦手なサイズってのがある。西條さんは0.75らしい。自分は大きめのフィスト。いつすっぽ抜けるかわからなくて、思い切って体を動かすことができなくなる。手が小さいから一般的なフィストサイズが苦手という苦手意識がさらにこのサイズを苦手にしている。なんとかしたい。

その後は、西條さんは二度目の《チョップスティック》(5.10b)を登ってた。自分は寒くて動けそうになかったのでやめておいた。《くまのプーさん》(5.10b)に移動。

《くまのプーさん》は短いけどきれいに割れたナイスなワイドだった。下部は下開きで、体がすっぽり入るサイズ、中間部で狭くなって、上部はまた広がる。狭くなってるところを超えるのが一見したところの核心で、一回目はムーブがわからず敗退。二回目はテンションかけまくってムーブを探り、一応理解した。登り始める前は寒くてもう無理かと思ったけど、ワイドに挟まると体が温まって、元気も出てきた。不思議。

そして、まえまえからこの手の傾斜のないワイドにはハサマリングでは身につかない基本技術が隠れているはずと思ってたけど、やっぱりあった。

狭くなってるところを超える核心部は、下開きなので足が効きにくい。スクイズチムニーの基本姿勢の両膝フリクションでは上がれなかった。使ったのはTスタック。Tスタックは止まっていることはできるけど進むことはできないかと思いきや、できた。帰ってからピート・ウィタカーのCRACK CLIMBINGを確認したら、Tスタックはレストには最適だけど前進するには向いていないと書かれていた(イギリス版143頁)。進めたけど。

やり方はTスタックで立ったら、上半身を固めて足ブラになれる体勢を作る。今回は、右挿しで、右手がフィスト、左手はガストン、そしたら胸を前壁にくっつけてフリクションを出す(なお、フィストが効かないともっと難しくなるので、フィスト無しで練習したい。アームバーかライトバルブチェンジャーになりそう)。そしたらTスタックを解除しても落ちないので、右足を上げる。具体的には、右膝を上げて、膝を曲げて、右足を左足のふくらはぎ位の高さに置く。そしたら、左足を上げて右足に合わせて、Tスタックが完成。そこに立つ。その繰り返し。

なお、ピート本にTスタックは進むのには不適と書かれてるのは、もしかしたら他にもっと楽な方法があるということなのかもしれない。例えば、レッグバーとか(イギリス版142頁)。これはまだうまくできないので、基本のレッグバーの使い方も練習したほうがいい。

なお、合間にいろいろ見学して楽しかった。《マリーゴールド》(5.11c)はボルダームーブ炸裂という感じじゃないかと。《パプリカ》(5.10b)は、わずか5mでもルートを設定したくなるのもうなずけるきれいな割れっぷり。悪いシンハンドが楽しそう。そのうち登りたい。《即決》(5.12a)は、すっぱり割れたきれいなフィンガーに見えた。ワイドの《トイストーリー》(5.10b)は広くなったり狭くなったりで悩みそう。長さもあって苦労しそうだったので、今回はパス。

西條さんも一回やって、終了。フラフラになりながら下山して、駐車場にへたり込んだ。寝不足と、長いアプローチの疲労と、寒さと、ワイドクラックが原因だと思う。夜の移動はやめておいたほうがいいのかもしれない。

また今度と言いたいところだが、この日は梅雨入り前最後の週末で、次回はしばらく先になってしまうかもしれない。

2025年6月2日月曜日

瑞牆ボルダーで秘密の森とかちびぼるあたり

 瑞牆ボルダー。しっかり雨の翌日で、どこが登れるだろうかと駐車場で相談して、まずはロジャーさんが登りたい岩があるらしい秘密の森に行くことになった。

猫頭ントルの左上(だっけ?左下?)の小さな岩のスラブを登った。ドルフィントラバース(3級)が秀逸だった。膝くらいの高さで横に続くダイクをフットホールドにしてトラバース。先に進むほどフットホールドが小さくなって、右足でわずかな感触を得る。

で、視界の先のホールドに飛びつく。

秀逸だった。

なお、ダイクが外れやすいようで、欠けた痕跡があったし、我々が登ってる最中にも欠けた。

あと、ドルフィントラバースの左の丸っこいカンテを両腕で抱いたら、10年くらい前にダイバーさんと一緒に抱いたカンテであることを思い出した。あれはたしか、八千穂高原ボルダーのルーフクラックが濡れてて転戦して来たんだった。今回は雨後の湿り気が極度の乾燥肌にちょうどよくて、まあまあ可能性を感じたので、また行きたい。

それから、ロジャーさんが宿題にしている課題があるらしいちびぼるのあたりに移動した。ロジャーさんは宿題をさらっと登っていた。自分もやってみたけど、スタートのホールドが痛くて3回くらいでやめた。

それで、西條さんがいたちっちゃなスラブの岩を登った。丸っこいカンテが6級らしいけど、落ちるかと思った。6級のスラブってこんなに難しいっけ?その左のフェースも6級らしいけど、左のフレーク状ホールドを使うのか使わないのかわからない。使うとカンテと同じグレードにはならないし、使わないとめちゃくちゃ難しい。謎。右は7級だったか、そんなに難しくない。

最後は丸っこいカンテの右側をやってみた。さっき登ったのはカンテの左側。右側指定課題はトポにはないらしい。UKだとカンテがあったらその左と右に課題が作られるのが常なんだけど、ここではそうではないらしい。右も面白そうだからやってみたんだけど、めちゃくちゃ難しくて、しかも面白かった。また今度。



2025年5月28日水曜日

正統派でいろいろ

 午後から雨予報かつ朝の動き出しは遅めということで、正統派に向かった。

メインは左からのトラバースで、左カンテからはじめて、きょじんが登ったカチカチの課題を横切って、正統派も横切って、右の岩に移って、そこからさらに過呼吸の岩に飛び移ってスラブを登る設定。

予想通りきょじんが登ったカチカチ課題のカチカチがちっちゃくって厳しく、ひとまずカチカチに半ば手をかけたところから右下の岩に飛び降りて終了という中間的な到達点課題を登っておいた。


本来のラインはまた今度。

あとは正統派を左挿し&右挿し、スタンド&シット、奥抜け&手前抜け、レイダウン・リービスタート・インバージョンとか、いろいろやってトレーニングして、終了。

2025年5月22日木曜日

瑞牆・前烏帽子岩・晩秋荒野

 石井さんと、瑞牆・前烏帽子岩・晩秋荒野。

一日目

短いアプローチピッチを上がった先のテラスは快適で素晴らしかった。ただし、強風でめちゃくちゃ寒い。コーヒーは温かくて正解。高速のPAで買ったクッキーを一緒に食べようと思ってたけど、寒すぎてゆっくり休んでる場合じゃなかった。

一回目、先にとりついて途中で降りてきた石井さんが残してくれたカムを使って登り始めた。一見したところ、下部の下開きのフレアしたワイドが核心部で、ここは右挿しだろうと思って右を入れてみたら、なんだかかぶりを食らって違うみたい。で、左差しにしたらそれはそれで辛い。石井さんによると手の大きい人はフィストで抜けるらしいけど、自分の小さい手ではスカスカ。ところどころ僅かに引っかかるところがなくはないけど、イヤなかんじ。助けになるポケットは1本指分で縁が立ってて指先が痛くなるからイヤなかんじ。リービテーションに可能性を見出して、降りてきた。

二回目、石井さんはトップアウトしてカムを回収して降りてきたので、カムをセットしながらリード。リービは大変、左差しはやっぱりイヤなかんじ。テンション。ここでもう一回右挿しを試してみたら、ずるずると上がっていった。左フィストより右フィストのほうが効くみたい。ただし、wideboyzのジャミンググローブを付けて。素手orテーピングだったらフィストは効かないと思う。その場合は、リービか。いろいろ試して練習してみたい。下部を右フィストで抜けたら、あとは上まで抜けて、懸垂で回収して、終了。

自分の都合で遅めの集合時間になったので2回ずつで終わりだったけど、久々の瑞牆ワイドでとても楽しかった。

駐車場でクッキーを食べて、解散。

また今度。


二日目

前回と同様に遅めのスタート。前回より気温が高くて、前回と同じ強風が涼しさを運んでくれてありがたかった。

石井さんの1回目、スカスカの左ファストを挿して、時折ズリズリと滑り落ちながらもジリジリと高度を上げ、ロープにテンションをかけることなく登りきった。ナイスクライミング。

で、自分の番。右フィストを挿したら、前回よりも更に効きが良く感じた。下半身をなんとか固定して、フィストを突き上げ、完登。とっても久々にルートを完登して、終了点のテラスで喜びを噛み締めた。

後は、下部の核心部の練習。左フィスト&右手ポケットのコンビネーションは、フィストがスカスカで嫌&一本指ポケットが痛くて嫌で、やっぱりダメ。これやった石井さん凄い。右挿しリービは、右膝が効くとスルスルと登れて、実は一番楽かも。もう一つ見つけたオプションは、左アームバー&右手プッシュ。問題は、核心の抜け口で上部ハンドに左手を入れることになってその体勢がいまいちなのでハンドをキメたはいいもののという事態になりかねない&アームバーはスペースを要するのでカムを乗り越えるのに難あり&めちゃくちゃ疲れる。

いろいろ試して、楽しかった。長い目で見ると、こういうセクションをアームバーで突破できるようになった方が良いのだろうと思う。

これで終了。帰りはルーフロックで東京粉末のチョークといい感じのチョークバッグと赤いジャミンググローブを手に入れた。



2025年5月18日日曜日

洞窟ボルダープロジェクトDay16くらい

この先しばらく天気が悪そうだから最後のチャンスだろうかと思いつつ、雨の中傘を指して洞窟に向かった。洞窟の中は空気中を漂う水の粒が見えるくらいに湿気ていた。岩は染み出しと結露でびっしょり。

足抜きのあとでなんとかレストの態勢を作れないだろうかといろいろやってみたけどダメだった。つなげトライはなし。

よほどの好天が6月になって続かない限り、シーズンは終わりだろう。

4月以降、かなり頑張ったし、惜しいアテンプトもあったし、チャンスはあった。でもキメきれなかった。たいへん悔しい思いもあるが、久しぶりにこれだけ時間をかけて完登にこだわったクライミングができたことは良い体験だった。

ひとまず、洞窟を出て、渓谷に向かおう。

2025年5月14日水曜日

洞窟ボルダープロジェクトDay15くらい

今度こそいよいよ登るぞってことで、ひとりで河又洞窟ボルダープロジェクト。

山全体がしっとりしていて、洞窟内も染み出しが抜けない。一週間前の38mの雨か。セパレートスタートの両手と足抜きアンダーガバとマッチからカチが湿り気。コンディションはバッドだった。

最初のアテンプトは、スイングに失敗。湿り気が原因。2回目と3回目は入念にホールドを乾かして臨んで、ダウンクライムで左手が出なくて失敗。右手の保持力がなかった。ここはきれぎれにムーブを練習するときは問題なくできるようになったけど、最初からつなげると保持力が売り切れていて無理。ここのところ毎回ここで落ちてる。

飯塚さんのアドバイスに従って即席持久力アップに励むのがいいようだ。

スタートからの湿り気でスムーズに登れないのも消耗につながっていると思うので、コンディションが改善したら事態は打開されるかもしれない。

完登は近い(って前回も思ったけど今回も思った)。

ところで、この洞窟のシーズンオフはいつから?前回は洞窟内がカマドウマパラダイスに近づいていてシーズンオフは近いかと思ったけど、今回は一匹も見なかった。どこに行ってしまったのか?洞窟内はまだ肌寒いくらいなので、気温は問題ではない。カマドウマによるシーズンオフまであとどれくらいあるだろうか?梅雨入りまで大丈夫なのか?


2025年5月11日日曜日

洞窟ボルダープロジェクトDay14くらい

前回のムーブ探りで可能性を感じたので、いよいよ登るぞってことで、飯塚さんと一緒に。前日のびっしょりからの乾きを期待したけど、朝はびっしょりだった。

アテンプト1

結露で湿ったままトライして、失敗だった。完登態勢に入ったらコンディションの良い時を狙うべきと学んだ。

アテンプト2

飯塚さんが帰ったあと、お昼ごろになって随分乾きが進んでから。マッチまで行った段階で左手の指先の感覚がなくて、アウト。感覚がなくなるのは初めてのことだったのでなんでなのかわからなかったけど、多分、足入れで左手サイドガバをもって右手をシェイクする時間が長かったからか。サイドガバはガビガビだから。あと、左手薬指にテープを巻かなかったのも良くなかった。小指と薬指はテープ必須。

アテンプト3

右手カチから左手を寄せてスイングに耐えてた。ところが左足のフットホールドが視界に入らなくて消耗し、ようやく置けたけど時すでに遅し。右手の保持力不足で失敗した。原因はたぶん体が十分に下がっていなかったこと。あと、左手で持つ場所を間違った。左手は一番右、人差し指は右端のフラットで、中指薬指はエッジを意識するのが正解。ここは前回確認したホールディングを忘れてた。ムーブはちゃんとメモに残すべき。そして毎回読むべき。一応これまでで一番いいところまで行ったので、良しとする。

最後はムーブの確認&途中からつなげる練習。右手をマッチホールドに飛ばしたら胸を岩にこすりつけるのがいいみたい。右手カチを持ったら体を引き上げると左手の右端ホールディングをやりやすいみたい。右足トーフックをかけたらその段階で体を下げるのがいいみたい。最初のニーバーからゴールまでつなげることができて、大いにいい感じ。次回は登れそう(って毎回思ってる)。

また今度。

なお、今回、どうせ乾くの時間がかかるだろうから読書&コーヒーでゆっくりしようと思ってたのに、全部家に置き忘れた。大失敗。次回から対策を考える。