2019年7月10日水曜日

カムを3本なくしかけた:プロテクションの回収とスタック防止について考える

この前のスレートの岩場のクラックでプロテクションの回収とスタック防止について考える機会を得た。というのも、1本のルートでカムを3本もスタックさせて失うという大事故を起こしかけたから。

この機会に、回収方法とスタック防止方法について考えておきたい。ちなみに、ここに書くことは、トラッド・クライミングを誰かにちゃんと教えてもらってやってる人にとってはごく当たり前のことかもしれない。僕は完全に独学でやってるので、当たり前の知識が備わっていない。主として自分のためのメモとして残したい。

3本のカムがスタックした状況、事後対応、事前予防策を順番に整理しよう。

ケース1:タイトセット


  • 状況

黄色のC4。タイトセットしたカムがスタックして、トリガーを引いても出てこないケース。これはトラッドをやってる人の多くが経験したことのある話しだと思う。

  • 事後対応

(1)スリングに輪を二つ作る(なんでもいいけど、ラビット・ノットあたりがいいかも)、(2)輪をトリガーに一つづつかける、(3)輪の反対側をハーネスのビレイループに連結する、(4)スリングにぶら下がってトリガーに全体重をかける。これが僕の定番の対応で、多分トラッド・クライマーはみんなやってる。

今回もこれで回収成功。

  • 事前予防策

タイトセットでスタックの予防策は、タイトセットしないこと。いうまでもない。しかし、カムの番手の中間サイズのクラックで、タイトセットするか、ゆる目にセットするかは悩みどころ。僕はかつて、「スモールカムについては常にタイトセットなんだけど、ハンド以上になるとユルユル」という指摘をいただいたことがあって、大きめのカムのセットは気をつけるようにしていて、それで今回のような事態になったというわけ。個人的な感覚としては、ユルユルでカムが抜ける心配をするより、タイトにセットして安心した方がいい。タイトセットでスタックしたカムは多分上記の方法で大抵回収できるから、問題なし。スタックを恐れずブチ込むのが正解。


ケース2:ルーフの抜け口


  • 状況

緑(か黒?)のマスターカム。ルーフの抜け口にセットしたカムがウォーキングで奥に入っちゃったケース。今回は随分奥に入って、カラビナまでクラックの中に吸い込まれ、しかもクラックはシンハンド・サイズで、ロープのアンクリップさえ危ぶまれたくらい。

真ん中のカムが奥に入っちゃった

  • 事後対応

奥に入ったカムは、緩めのセットだった。奥に入りすぎて、クラックに手が入らず、一本目と同じスリング・メソッドは使えなかった。そこで、スリングの先にカラビナを一枚つけて重りにして、それをクラックの中のカムのさらに奥を目がけて投げ入れた。そしたら、狙い通りにスリングがカムローブに引っかかって、カムはポロっとルーフの下に抜けてきた。

  • 事前予防策

リード&フォローの時はこのケースが起こるとフォローが登れなくなるので、事前予防がとても大事。

ルーフの抜け口のカムが奥に入るのは、その部分でロープが屈曲していて、ロープが上に引かれるたびにウォーキングするから。



予防策(1)としては、この屈曲の角度をなるべく少なくするために、ルーフ下のプロテクションを延長するとか、セットの位置を下げるとか。そうするとそこまで奥には入らないような気がする。


予防策(2)としては、ロープの動きを少なくすること。ロープの動きが激しいと、屈曲部のカムが大きく振られてウォーキングしてしまうので、ルーフを超えたらクリップ時のロープの引き込みはソフトに。少しは予防になりそうな気がする。しかし、落っこちそうになりながらクリップするときにそんな配慮ができるかは知らない。あと、リードの最中にはウォーキングしなくても、フォローが登ってる最中にウォーキングする可能性もあるから、フォローのビレーも張りすぎないようにした方がいいかもしれない。しかし、フォローが怖い思いをしそうだから、判断が難しい。

ケース3:1本目のカム


  • 状況

青のマスターカム。1本目のカムがウォーキングで奥に入っちゃったケース。トリガーがクラックの中に入っちゃって、フィンガーサイズだからトリガーを引けず、回収不能。これも多分、トラッドをやってる人は一度は経験したことのある良くあるやつ。



  • 事後対応

色々やろうとしたけど、結局回収できなかった。初めてのカム・ロスト。ナッツキーがあればなんとかなったかもしれないけど、離れた場所に置いてきちゃってたので使えず、断念。無念。

  • 事前予防策

ウォーキングの原因はロープが屈曲することなので、予防策(1)はもちろん、ビレイヤーが1本目のカムと2本目のカムを結ぶ直線上に立つこと。しかし、諸々の事情でそれができないことはよくある。レッジに上がってスタートとか、落石の恐れがあって離れてたいとか。

予防策(2)は、ケース2のルーフの抜け口と同じで、クリップするときにロープをソフトに引き込むこと。それができるかどうかは知らない。

予防策(3)は、カムのウォーキングが起こりやすい1本目のプロテクションにはカムを使わないこと。ここでナッツは最悪で、ロープの屈曲部ではいともたやすく抜ける。ジッパリングっていうのかな?やはり、カム効果のあるプロテクションでないといけない。そこで考えられるのが、トライカム。カム(というかスプリング・ローデッド・カミング・デバイス)と違ってウォーキングはせず、ナッツと違ってパラレルでも効く。

1本目のプロテクションはトライカムでいこう(効果は保証しません)。

考察は以上。ひとまずの仮説であって、正しいかはわかりません。コメント歓迎。

2019年6月19日水曜日

Stanage Popularでやさしいのを四本

普段はボルダラーの友達がイタリアでトラッドのマルチをやるに際してちょっとギアに慣れておきたいってことで、二日間にわたりトラッドに行ってきた。行き先はStanage Popular。The most popular section of the most popular crag in the UKらしい。

初日は、Right Twin Crack VS 4c。初登は1950年代。トラッドが久々の友達が途中で降りてきたので、途中までロープがかかってる状態から、僕が登った。やはりトラッドはメンタル。とうか、慣れか。僕は核心部にカムを二本足すことで心理的障壁を下げて突破した。核心部は真っ向勝負のジャムが求められて超楽しい。

で、登ってる最中から雨が降ってきて、初日はここで終わり。奇跡的な風向きによりルートは濡れずに済んだので一本登れてよかった。

二日目は、Manchester Buttress HS 4bから。初登は何と1930年代。僕はフォロー。左にトラバースして右にトラバースしてと、顕著な岩の膨らみの弱点をぬって露出したムーブを繰り返す超ナイスなルートだった。

次は、Narrow Buttress VS 4c。初登は1949年。これまた顕著な岩の膨らみの弱点を突くライン。スラブに水平のクラックが走ってるんだけど、プロテクションのセットは限定されていて、随分ランナウトする上に、受け付けてもらえるプロテクションがマスターカムの紫とか青とかで、結構緊張する。最後にキャメ青を叩き込んで安心した後に、ハングを超えての露出感満点のマントルが待っているという最高に爽快なクライミングだった。

最後は、Inverted V VS 4b。初登は何と1922年!僕は前にリードしているルートで、今回はフォロー。RockfaxのEastern GritのTop50に選ばれているルートで、やっぱり良い。

ということで、短時間だったけど、久々にトラッドを楽しんだ。

2019年5月19日日曜日

Shipley Glenという岩場

Shipley GlenはYorkshire Gritの岩場。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=1343

Yorkshire Gritっていうのは、その名の通りヨークシャーに散在するグリットストーンの岩場を一まとめにした言い方。北のほうにはCypherで有名なSlipstoneが、中央部には景色のいいAlmscliffeがある。南の端は、シェフィールドの境界線あたり。Total Climbingが出版したYorkshire Gritstone Boulderingというガイドブックの収録範囲が大体それ。
https://www.ukclimbing.com/logbook/books/yorkshire_gritstone_bouldering-513

シェフィールド周辺の岩場はヨークシャー・グリットからは除外されていて、シェフィールドはヨークシャーの南西の端に収まってはいるものの、クライミングの観点からするとピークディストリクトっていう一大エリアに近い(一部は重なっている)からだと思う。

ちなみに、ヨークシャーにはグリットストーン以外の岩もあって、西側にはMalham CoveとかKilnseyとかの石灰岩があって、北東に行くとNorth York Moorの砂岩がある。


今回行ったのは、ヨークシャー・グリットの中でも中央部の南寄りに位置するShipley Glen。Total Climbingのガイドブックによると、Almscliffeと並んで人気の岩場らしい。すごく難し課題は多くなくて、ほとんどは7Bくらいまで。日本にはなかなかないスパッと切れたカンテの課題が豊富。

エリアの特徴は、初登された時にヨークシャーでは当時の最難に近い課題だったクラシックがあること。Manson's Wall 6C、Red Baron 7A+、Millstone Grit 7Bあたりがそれ。5あたりの優しい課題にも、明瞭なラインのクラシックが多い。課題の数は250くらい。アプローチは最短の岩で30秒。

岩場は西向きの斜面のてっぺん。岩の前には森が広がっていて、夏には木陰が提供される。冬は夕陽を浴びながらのクライミングを楽しめそう。下地は概ね平らから少々ナナメくらいで、フレンドリー。緊張する高さの課題も結構多い。

岩場の近くには、Cable Tramwayがあるので、子供はおおよろこび間違いなし。世界遺産に登録されているヴィクトリア時代の産業地域であるSaltaireもすぐ近く。
https://www.shipleyglentramway.co.uk
http://www.saltairevillage.info

ということで、誰が訪れても、いつ訪れても楽しめるエリアだと思う。

今回登ったのは、Manson's Wallの岩とそのすぐ隣のRed Baronの岩だけ。

最初にやったのはManson's Wall 6C。初登はAl Mansonで1970年代。垂直とスラブの間の壁に極小ホールドが散りばめられていて結構厳しい。その上、上部はチョークが一切付いていないので、どれがホールドかもわからない。かなり頑張ってムーブに進展は見たけど、一旦パス。

次にやったのは、Red Baron 7A+。初登はMike Hammillで1976年。小さなハングの上にカンテ。出だしがパワフルなムーブで消耗するので、慎重にムーブを考えて、完登。さすがクラシック。超面白い。


それから、Vim 6A+。初登はKen Woodで1960年代。こちらは垂直のスラブ。一見したところ全然難しそうじゃないのに、やってみると難解。Yorkshire Mountaineering ClubのYorkshire Gritstone Vol.2というガイドブックには、「プライドを捨ててローカル・クライマーにムーブを聞け」というコメントが掲載されている。残念ながらこの日はローカルはいなかったが、Total Climbingのガイドブックには、John Dunneが登っている写真がある。この写真からヒントを得て、完登。隣のManson's Wallにボルダラーが来てお話しして、一回やってダメならそっちに合流しようと思った最後のトライで登れた。諦めなくてよかった。


で、もう一度のManson's Wallはやっぱり難しかった。太陽が岩の正面に回って日差しを受けてコンディションも悪化して、結局敗退。

宿題を作ってしまったし、この岩場には楽しそうな課題が山ほどある。また行くことがあるかもしれない。

2019年5月8日水曜日

2019年2月から4月のボルダリング

2月上旬 Stanage Plantation & Burbage West


友達とBrass Monkeyに行ったけど、前日の雪でリップのホールドが凍結していた。Burbage に移動してWest Side Story(14日目)をちょっとだけやって終了。

2月中旬 Burbage West


午後か1時間だけWest Side Story、15日目。寒くて全然ダメだった。午前中の日当たりのいい時間帯が吉。

2月中旬 Burbage West


前回の短いセッションで完登態勢に入った友達と一緒に、West Side Story、16日目。三つ目のサイドプルを保持できない。

2月中旬 Stanage Plantation 


友達とBrass Monkey。前に感じた力強さを全く感じず、だめ。

2月下旬 Raven Tor


Powerband、初日。最後のクライムダウン以外は一応ムーブが理解できた。

2月下旬 Burbage West


West Side Story、17日目。全然ダメ。次回はアップを済ませてから。

2月下旬 Curbar


アップでBuy Buy 6B+を登った。その後、Walk on By 7Cは、極小ホールドで耐える保持力が必要。Sean'S Arete 7Bは、とてもいい。また今度。

2月下旬 Stanage Far Right & Burbage West


West Side Storyでアップ不足を感じていたので、Stanage Far Rightまで歩いてZippattrocity 7B+をやってみた。前半はスローパーのトラバース。後半はフレアしたハンドジャムのトラバース。瑞牆のナーガを横に5つ繋げたような感じ。後半のムーブを理解した頃にはもうヨレヨレで、West Side Storyに疲労を持ち越した。18日目、進展なし。

2月下旬 Raven Tor


Powerband 7C、2日目。ラストのパート以外はムーブがわかった。前半は手数は増えてもちびっこムーブで行った方が楽っぽい。

3月上旬 Curbar


友達に誘われてCurbar。アップでDressed Arete 6A。その後、Walk on Byに行ったけど、風は強いわ、友達は指が痛いわで早々に諦めて、Sean's Arete 7B。まあまあいいところまで行ったので、また今度。

3月上旬 Burbage West


しばらく続きそうな悪天候の前の好天を楽しむために、West Side Story、19日目。スクール・ルームのムーンボードでアップしてから行ってみた。超いい感じ。しかし、三つ目のサイドプルはとまらない。また今度。

3月中旬 Raven Tor


Powerband 7C、3日目。最後のムーブを検討。超難しい。

3月下旬 Burbage West to North


West Side Story、20日目。気温は13度から上昇。日当たり良好で全然持てなかった。Northに移動して、Small is Beautiful。前はできなかった初手のダイナミックなムーブができた。超嬉しい。

3月下旬 Raven Tor


Powerband 7C、4日目。右手のクロスをとった状態から、最後のポケットを取るところまで繋がった。

3月下旬 Burgabe West


West Side Story、21日目。スクール・ルームで、ムーンボードで軽く登って、フィンガーボードして、軽く玉でキャンパして、その後向かった。

3月下旬 Raven Tor

Boot Boys Start 6Cに敗退して、A Little Extra Direct 7Aを登った。

3月下旬 Raven Tor


Powerband 7C、5日目。最後のムーブの検討。

4月上旬 Curbar


Walk on By、2日目。右手のサイドプルに向かって手を出した。

4月上旬 Curbar & Raven Tor


Curbarでは、Geocacheを一つ手に入れた後に、Walk on By 7Cと、右のプロジェクト?子連れだったのでぼちぼちやって、お昼を食べにRaven Torに移動した。Powerband 7C、6日目。スタートから2本指ポッケまで繋がった。あとはピラーに降りるのみ。左足ヒールフック(アナサジじゃないとできない)から、左手をピンチにおろして、それからがばフットホールドに飛び降りる作戦。

4月上旬から中旬 Northumberland


Hepburn

13. Photo Opportunity Arete 5:FL
14. Photo Opportunity Wall 6B:敗退。
17. Rheumatology 7A:敗退。外傾ホールドの保持が厳しい。
23. Arete 6A:FL
24. Shallow Groove 5+:FL
27. Short Crack 3:FL
28. Long Crack 3:FL
29. Hard 6B:FL
57. A Northern Soul 7A+:3日間で完登。
63. Titanic Arete 7A:完登。

Bowden Doors

7. Y-Front 6A+:完登
51. Cave RH Problem 6B+:完登
53. Cave Central RH 6C+:敗退
54. Cave Central LH 7A:敗退
55. Cave LH Problem 6B:完登

Bowden Doors Boulder

8. Scooped Wall 6B:FL

Kyloe in the Woods

31. The Pearler SS 6A+:完登
35. Jock's 6C:敗退
38. Thin Hand Special 5+:FL

4月中旬 Raven Tor


Powerband、7日目。

4月中旬 Robin Hood's Stride


ピクニックで2度目のRobin Hood's Strideに行った。

4月下旬 The P


ピクニック。結構面白くて登れそうな7Aくらいのを二つ登り損なった。あと少しの強さが欲しい。

4月下旬 Stanage Popular


Savage Me Softly 6C+を登った。小さなルーフのオフウィズス。ワイドボーイズ・ファンだけのための課題。

4月下旬 The Forest Rock


https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=1171
スレートのボルダーっていう珍しいクライミング。Saucy Sit 6B+を登った。















2019年4月16日火曜日

Northumberlandのボルダリング

イースターの休暇を利用してNothumberlandに行って、そこで少しだけボルダリングをすることに成功した。Nothumberlandは超いいところなのに、日本語で探すとほとんど情報が出てこない。そこで、Northumberlandのボルダリング事情を少しだけ紹介しておきたい。ちなみに、Northumberlandはカタカナにするとノースアンバーランドかノーサンバーランド。

Northumberlandの場所


Northumberlandは、イングランドの北東部に位置している。すぐ北はスコットランドという国境のエリアだ。つまりローマ人がここまではやってきたということでもあって、歴史的に超面白いエリアだ。


アクセスは、シェフィールドからM1(A1)モーターウェイをただひたすらまっすく3時間半。ロンドンからは6時間くらいだろうか?

観光情報


The Holly Island of Lindisfarne

https://www.lindisfarne.org.uk


Holly Islandは北海に面した小さな島。島なんだけど、アクセスは車で、干潮時に海の底から道路が現れる。この道路を使って車で島に渡るところから興奮が収まらない。水没時に突っ込んで動けなくなる車が時々現れるらしい。


でっかい駐車場に車を置いて、島で唯一の小さな村を歩いて抜けると、Lindisfarne Castleが見えてくる。ここはNational Trustのサイトの一つ。城に向かうアプローチが、風情があってなんとも良い感じ。右手には海とその先にBamburgh Castle、左手には羊。城は、かつては要塞、その後に別荘として使われたもので、中も結構面白い。4月はまだ寒いけど、暖かい時期は城の下の草地でピクニックをするのがいいだろう。

村に戻ったら、Pilgrims Coffeeという珈琲屋が大繁盛しているのに気づくはずだ。ここのコーヒーはうまい。店の中で温まるのも良いし、外のピクニックテーブルでくつろぐのも良い。あるいは、コーヒーをテイクアウェイして次に行くPrioryで楽しむのも良いかもしれない。今回はタイミング的に逃したけど、チャパタのサンドイッチが大人気のようだった。


コーヒーを楽しんだら、徒歩3分でLindisfarne Prioryに向かう。Prioryというのは小さな修道院のことなんだけど、ここは果てしなく古い修道院で、今は廃墟。一部の壁とアーチが残るのみ。遠くにはLindisfarne Castleが見える。暖かい時期は、芝生に寝転んでゆっくり過ごすと最高に気持ちいいはず。ここはEnglish Heritageのサイトで、レセプションの奥に小さな展示が用意されている。この展示はこの島がイングランドの歴史と強く結びついていることを理解するのにとても良い。

Lindisfarne Prioryのすぐ隣には、今も生きている教会がある。ここも超おすすめ。入り口をくぐるとすぐに目に入る彫像は一見の価値あり。

Cragside

https://www.nationaltrust.org.uk/cragside

National Trustサイトの一つ。ヴィクトリア時代の建物がとてもいい。まず、外観がいい。ロード・オブ・ザ・リングに出て来そう。見たことないから知らんけど。建物の中もいい。特にキッチンは素晴らしい。肉をくるくる回転させるメカの動きなんか、とてもいい。家具もいい。ビリヤード台は実際に打てるし。

建物の背後の丘もいい。裏に回ると、小さな湖があって、その脇の砂岩の岩盤にベンチが置かれてて、その佇まいがとても可愛らしい。暖かい時期はなお良いにちがいなない。シャクナゲっぽい植物の密生地を利用して巨大な迷路が作られてて、超楽しい。子供達は大喜び。


Alnwick


読み方がわからなかったんだけど、アルニックって感じでいいらしい。この街の見所はAlnwick CastleとAlnwick Garden。城の方はハリー・ポッターが箒で飛ぶ授業の撮影が行われたところらしく、子供には大人気。ショップもハリー・ポッターグッズがたくさん。商業化されていて、フェイクの装飾で覆われてたり、大人には物足りない。庭園は今回は行かなかったけど、結構いいらしい。

しかし、この街で何よりも見逃せないのが、古本屋。かつての駅を改装した巨大な古本屋が素晴らしい。入り口を入ると暖炉が部屋を温めていて、頭上の本棚の上をミニチュアの汽車が走っていて、カフェもあり、丸一日過ごせる。いや、一日では足りない。

Bamburgh Castle


海辺の城。外観が勇壮でカッコいい。中はまあまあ。宿泊もできるっぽいので、大金持ちの方はどうぞ。


Hadrian's Wall


ローマ人がスコットランドとの国境に築いた長大な城壁。ブリテン島版の万里の長城みたいなもの。Northumberlandの中でも少し南側に位置していて、今回は行きに立ち寄った。イングランドの歴史を感じつつ、よくもまあこんな辺境の地まで来たもんだとローマ人に感心するのにうってつけ。いくつかのEnglish Heritageサイト(https://www.english-heritage.org.uk/visit/places/hadrians-wall/)とNational Trustサイトがあるんだけど、時間がなくて、Birdoswald Roman Fortだけを訪れた。なお、Hadrians Wallの一番の楽しみ方は、Hadrian's Wall Pathという、城壁に沿ってイングランドを横断するロングトレイルにちがいない(https://www.nationaltrail.co.uk/hadrians-wall-path)。時間と健康な膝がある方はぜひ。

宿泊


宿泊はコテージを借りるのが融通がきいて俄然おすすめ。キッチン、洗濯機、その他なんでも揃ってるところが多い。僕が泊まったところは大量のゲームがあって、ガレージには子供用のビリヤード台まであった。お昼はサンドイッチを作って持っていけば、安く済む上に岩場でピクニックできるので、最高。家族の目を盗んでクライミングに行くタイプの方は可能な限り岩場に近いところの方がいいだろう。海辺の街中から、周りに何にもない牧場の一角まで、いろんなロケーションのいろんなところにコテージを見つけることができるので、登りたい課題のある岩場の近くを狙おう。

クライミング情報


Northumberlandの岩は砂岩でフリクションバリバリ、たまにジャリジャリ。スラブのフリクション・クライミングからルーフまでなんでもある。多くの岩場が西向きで、夕日を浴びながらのクライミングが最高に気持ちいい。山ほどエリアはあるけれど、今回訪れたのは北部に位置するHepburn、Bowden Doors、Kyloe in the Woodsの三つ。他にも、Bowden Doorsのすぐ隣のBackbowden、ちょっと南の方のQueens Crag、Shaftoe、Simonside Hillsあたりが人気っぽい。

ガイドブック


Northumberland Bouldering Guide

https://www.ukclimbing.com/logbook/books/northumberland_bouldering_guide-458
Northumberlandのクライミング・クラブが発行したガイドブック。この地でのクライミングの歴史に触れることができるナイスなガイドブック。

クライミング・クラブのウェブサイト

http://northumberlandclimbing.co.uk
膨大な情報が収められている。

Northern England

https://www.ukclimbing.com/logbook/books/northern_england-443
Northumberlandから北部YorkshireまでカバーしたRock Fax社のガイドブック。ボルダリング課題も紹介されているっぽい。中を見てないから知らないけど。Rock Fax社のガイドブックは見易さには定評があるけど、岩場の歴史とか初登情報とかは弱くて味気ない。

Hepburn


https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=9654

ここにはA Northern Soulというこの地のクラシック課題の一つがある。それを目当てに三日間ここで登った。最初の2日は、朝の観光の出発前に家族が朝が朝ごはんを食べている隙に登りに行った。3日目は家族を海岸散歩に向かわせて3時間ほど登った。

エリアは、一部は松林の中で瑞牆っぽい雰囲気、一部は林の外の傾斜地でまあまあ眺望が良い。ナタリーさんのビデオを見ると雰囲気がわかるかも。



目玉の課題はスラブにカンテとクラックという構成のA Northern Soul 7A+と、その隣のスラブのThe Governor 7C。A Northern Soulはこのためだけに3時間運転して訪れる価値あり。


Bowden Doors


https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=824

Holly Islandの帰りに立ち寄って小一時間ほどボルダリングを楽しんだエリア。

ここは10-15mくらいの高さの岩が続くエリアで、ボルダリング課題はその下部に設定されているものがほとんど。トップアウトしないものが多い。左の方のBoulder Areaは小さめのボルダーが多くて、トップアウト。真ん中のエリアの上部は風で浸食された砂岩が波のような造形をなしていて、見るだけで楽しい。西向きで、夕陽に照らされる岩が大層美しい。下地も真っ平らで草地なので、子連れで訪れるにも最適。

Y-Front 6A+は70年代に登られたクラシック。高さもあって、岩の上に立つことができるので、超おすすめ。

かぶった壁で大きなムーブを楽しめるのが、Cave RH Problem 6B+と、Cave LH Problem 6B。Boulder AreaのScooped Wall 6Bも、その名の通りの形状とムーブで超面白い。ただし、雨の後は下地が泥っぽいかも。

難しいのだと、Jerry MofatとかMalcolm SmithとかAndy Earlとかの課題がある。

Kyloe in the Woods


https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=838

最終日の朝に抜け出して40分だけ登った。林の中の静かなエリア。10-15mくらいの岩の下部にボルダリング課題が設定されている。ガバを保持して終了か、トラバース。7Bから上あたりのナイスな課題がいっぱいあるっぽい。



今回は時間がなくて、The Yorkshiere Manの左右のクラックを2本登って終わり。

まとめ


Northumberlandは超良いところだった。その中でもHolly Island/Lindisfarneは格別。イングランドで行ったところの中では一番好き。ウェールズのスレートの岩場と同じくらい気に入った。いつかまた訪れたい。できれば夏に。夏は砂岩のクライミングは難しいかもしれないけど、イングランドの夏は大して暑くないので、日本人は多分大丈夫。日本からもたくさんの人にぜひ訪れてほしい。

2019年2月21日木曜日

乾坤一擲 Goliath’s Groove

イングランドのほぼど真ん中に位置するピークディストリクトは、イングランドで最初のナショナル・パーク。広大なピークディストリクトには無数の岩があって、クライミングのガイドブックの出版で有名なRockfax社は、ピークディストリクトのクライミングのガイドブックを4冊出している。Eastern Grit, Western Grit, Peak Limestone, Peak Boulderingの4冊。最初の三つがルートのガイドブックで、最後はボルダリングのガイドブック。それぞれが厚さ3cmくらいある軽い鈍器だ。

Eastern Gridはその名の通りピークディストリクトの東側の岩のガイドで、有名どころだと、Stanage、Burbage、Curbarあたりが含まれている。南の方のBlack Rockも。このガイドブックの冒頭にはTop500のおすすめルートが紹介されていて、その中にさらにTop50のルートも選定されている。

その一本がStanageのGoliath's Groove。初登は1947年。


ずっと登りたいと思っていたこのルートを、ようやく登ることができた。

下部で落ちたくないロープソロだと、出だしのオフウィズスが核心。行きつ戻りつのノロノロしたクライミングで、会心のオンサイト。

これまで、Eastern GritのTop50を10本ほど登ったけど、その中でも頭一つ抜けて素晴らしい。久々のトラッド・クライミングで、幸福感に包まれた。

さて、次は何を登ろう?

2019年2月19日火曜日

School Room day 13

2H; 2 problems in each grade; open-hand only up to 6B.


まだ余力あり。出し切るための工夫が必要。