2024年1月24日水曜日

河又ボルダー・右奥のP

雨の日、若手の一流B面クライマーと、河又ボルダー。前日に10ミリ、当日に44ミリの雨だったが、洞窟内はカラカラに乾いていた。 



右から来るハツタケのムーブ探りでアップ。核心部は困難にも程がある。



で、奥のP。出だしはインバージョンで解決した。そこからちょっとした空間を越えて遠いガバを取るムーブに悩んで、有朋…の後から見つけた右足先行ムーブで右手を出すムーブにたどり着いた。そこから左手を寄せるところでも悩んで、右足そのまま逆さ吊りになった状態で寄せることになった。大幅先進。

しかしその後が解明されなかった。また行かないと。

若手のB面クライマーは、有朋…aka順子ルーフで悩んでいた。大いに悩んでもらいたい。

ところで、このエリアは暗い洞窟の中というイメージで、それは正しいんだけど、晴れた日の午後は太陽の光が洞窟の中まで差してくる。さらに洞窟の中に入った光が床を流れる水流で反射して、さらに奥に届く。順子ルーフの壺チムニーあたりまでキラキラと照らされてとてもいい感じ。

2024年1月16日火曜日

ナメクジ周辺へ

奥平さんと、ナメクジ周辺。

ゲート下のワイドボルダーをさらっと登って、これは基本技術を学ぶのに素晴らしい課題だと再確認した。左の膨らみの足を限定したらなお勉強になりそう。

下のフィストも奥平さんはさらっとオンサイト。右のクラックから入っていた。これもアリ。僕はフォローで、左から入ったら、ホールドになるはずの棚の割れ目が砂利で埋まってて、這々の体で登った。これまた、コーナーのフィストクラックの練習に良い。

上のワイドと呼んでいた《怪気炎》を奥平さんはサラッとオンサイト。

それから、ナメクジスラブ。こちらは完登ならず。難しいですよね。僕も、右足を挙げるところまで。

最後は、下のフィストの左のカンテにロープを張って掃除してやってみた。ムーブはなかなか厳しく、ボルダーだと初段くらい?プロテクションはセットできないので、ムーブを固めてフリーソロか、あるいはハイボルダーと理解するか。何もないカンテのパーミングがめちゃくちゃ面白いので、またやろうと思う。

2024年1月5日金曜日

ブッダという男とチョックストーンと私

 清水俊史『ブッダという男−初期仏典を読みとく』(筑摩書房、2023年)

色んな意味で話題のこの本を読んだ。前半は現代の我々の願望をブッダに投影してはいけないという話がとても面白くて、後半はバラモン教や他の沙門宗教との違いが説明されとても面白い。

 「業法輪廻の苦しみを終わらせるために、インドの諸宗教はそれぞれ独自の思索を重ねた。そのなかでブッダは、原因と結果の連鎖によって個体存在が過去から未来へと輪廻していること、そして輪廻が起こる根本原因が煩悩であることを突き止めた。」(188-189)

「輪廻の苦しみを終わらせるためにには、無知(無明)をはじめとする煩悩を断じなければならないとの主張は、他宗教には見られない。つまり、縁起の逆観こそが、インド史上におけるブッダの創見であると評価できる。」(189)

ブッダは「突き止め」、他の宗教の宇宙観とは異なる仏教の宇宙観を築き上げた。それはわかった。

わからないのは、なぜ他の宗教ではなく仏教の宇宙観が当時のインドで受け入れられたのか。他の宗教の宇宙観も仏教の宇宙観も証明は不可能なのだから、それ自体の説得力の差はないように思える。もしかしたら、この見方がもう現代的な見方で、当時のインドの人たちにとっては説得力に違いがあったのかもしれないが。でもないような気がする。で、もしそれぞれの宇宙観のコンテンツ自体に説得力の差がないのだとしたら、なぜ仏教の宇宙観が受け入れられたのか。すぐに思いつくのは、ブッダが言ったからというものだろう。コンテンツではなくて、それを言った人に説得力があったということ。たとえば、ブッダの実践に説得力があったとか、弁がたったとか、ものすごいイケメンだったとか。

クライミング観は、コンテンツと同じくらい、そのクライマーによる実践が大事、なんてことはあるだろうか?先日のボルダリングでくさのさんと話したんだけど、岩のクリーニングをするときには、このフレークが剥がれると登れなくなるなとか、このフレークがここで割れたら良いホールドになるなとか、こっち向きに割れたら悪過ぎて登れないかもとか、そういうことを考える。そういうことを考えると、無意識にでも自分の都合の良いようにクリーニングをしてしまいかねない。そうすると、岩に自分を合わせるのではなく自分に岩を合わせることになる。そもそもそんなことを考えながらクライミングをしたくない。というわけで、脆いところもそのままに触れないように登ってしまう、極端な話をすると苔も落とさない、という実践をしているのがくさのさんで、そこには独特の説得力がある。が、僕には無理。

ちょっとまえに、発見したクラックを掃除しに行った。このクラックは前傾ワイドで、クラックの中にはチョックストーンが詰まっている。不安定なチョックストーンは危険だから登る前に除去したいんだけど、そのときにも、このチョックは登るのに邪魔だからどけてしまおうとか、これはホールドになるしこれをどけるともう登れなくなるんじゃないかとか、そういうことをどうしても考えてしまう。それがいや。だったら掃除せずにそのまま登ってしまえばいいじゃないかという話なんだけど、不安定なチョックストーンは危険。でも、危険という言い訳を盾に岩を自分に合わせるのもいや。だけどそのまま登る実力はない。という終わりのない問い。


あ、ヒマラヤ登らないけど日本一ヒマラヤ登山を理解している池田常道さんみんたいな例はあるか。


2023年12月28日木曜日

フラットホワイトday8


 久々にフラットホワイト・プロジェクト。2017年12月以来の6年ぶり。

背面の正規アプローチを使ったら、落ち葉斜面のアプローチに大苦戦。これから何度も通うのであれば、アプローチは考えた方がいいのかもしれない。

上まで上がって、フィックスを張って、岩の掃除とムーブ確認を行った。上部スラブコーナーに松の落ち葉が溜まっていたり、まだ掃除が必要。面白いことに、ここは重力と下から吹き上げる風の力が拮抗して、ちょっとしたコーナーの出っ張りとか小枝とかに落ち葉が堆積する。落ち葉を叩くと風に巻き上げられ、目の中に入ってくる。次回は作業用メガネを用意したい。

クラックのレストポイントから上のムーブを探ったら、やっぱりムーブはある。問題は自分に可能かどうか。レストポイントから5mのランナウトで、アヤしいマスターカム黄。ここは旧マスターカムしか効かないんじゃないかと心配してたけど新マスターカムも効いたので、安心した。フォールでヘッドが折れないかが心配ではある。そこから、紫、オレンジ、青か。で、ハング帯の最終局面は大きなデッドポイント?こんなにフィジカル的に厳しいルートは登ったことがないし、こんなにプロテクションが厳しいルートも登ったことがない。順番を間違ってるのは間違いなさそうだ。



重いロープを引きずった上部スラブも自信なし。

そもそも、ぶら下がってハング帯まで降りた時に、壁の大きさに圧倒されて、もうダメだった。普段登ってる岩と大きさが違いすぎる。このプロジェクトと真剣に向き合うのであれば、まずはこの壁の中に留まっていることに慣れるところから始めないといけない。


2023年12月25日月曜日

アメジストライト@昇仙峡

西條さんに誘ってもらって、昇仙峡へ。ガミケンさん、(会うのは)初めましての奥平さんも一緒。奥平さんは以前からこのブログを読んでいただいていたそうで、それをきっかけにセンチュリー・フォー・カラーズを登ったりしたそうで、嬉しいことです。最近はSNSがあるからってことでブログをサボってたんだけど、SNS全盛時代はもう終わりそうだし、真面目にブログを書こうと思っている。

いつもの駐車場に集合して、行き先はアメジスト。センチュリーは3パーティー?6人いたとか。センチュリーは美しいですからね。

アメジストライトは強烈だった。下部はスラブで易しくて、中間部の出だしはクラックの外のカチとピンチ。その上がジャミング主体のムーブになり、サイズは、効きの良い第二関節フィンガーの間をシンハンドかサムロックでつなぐ感じ。ハンギングブロックを挟んだ上部の入りが最大の核心か?左手のシンハンドに向かうための右手のジャムが僕には中途半端なサイズ。それから、左手の甘いシンハンドで我慢して、上部の縦カチにデッド?その後どうするかは今回はさっぱりわからない。



アメジストライトは一回だけやって、あとは周辺散策。

最近は難しい課題に何度も通ってRPするようなクライミングからはすっかり離れてしまっている。今回、アメジストライトを触ってみて、なんとなくやる気が出てきたので、しばらくこのクラックと向き合ってみても良いかもしれない。気温は低くても日当たりが良いので、このエリアは冬でも動けそうだし。

前回の兜山ボルダーに続いて、良い刺激をもらった一日であった。

北極男・兜山ボルダー

 ずっと行きたいと思っていた冒険研究所書店を訪れることができた。

https://www.bokenbooks.com/

ここは、「日本唯一の北極冒険家」荻田泰永さんが運営する書店。小田急江ノ島線という僕とは全く縁遠い場所にあるのでなかなか訪れる機会がなかったんだけど、藤沢に用事があって、ようやく。本のセレクトが素晴らしく、読んでみたい本だらけで困った。断腸の思いで10冊ほど購入した。早速、荻田さん自信の『北極男〔相補版〕』を寝る前に読み始めたら、面白すぎて寝れなくなって困った。

印象に残った話はたくさんあったんだけど、その一つは自由についての話。制約の下で自ら判断をしたときに、自分が自由であると感じる、という話。自由を感じるのは決めた後、というところが、なんか良い。

もう一つ印象に残ったのが、犬ぞりの犬は走り始めてからウンコをするという話。それで、犬ってみんなそうなのかなと思ったのが、先日の兜山ボルダーで、山森さんちのキビちゃんが、アプローチを歩き始めた途端にウンチし始めた。山森さんに聞いたところ、やはり動き始めるとウンチするらしい。犬がそうなら、もしかしたら人間もそういうところがあるんじゃないだろうか?

さて、本題の兜山ボルダーは、今回は山頂下のコルのエリア。東面はめちゃくちゃ寒くて途中で動けなくなるかと思ったけど、なんとか復活して頑張って登った。正直言って僕のクライミングは相変わらずぱっとしなかった。しかし、一緒に登ったくさのさんとお話したり、くさのさんのクライミングを見たり、くさのさんにスポットしてもらったりして、学ぶことがめちゃくちゃ多かった。落ちそうなホールドが落ちないように優しく登ることとか、立って手の届くところから自然なラインで登る贅沢なクライミングとか、こりゃマットなんかいらんよなと思わされるスポット技術とか、いろいろ。《ひも》とか《にら》とか個性的なネーミングが有名だけど、課題に名前をつける発想も面白かった。写真の課題を登って名前をつけてて、その名前はホールドの形状に由来するんだけど、登った後に下に降りてくる最中に名前が思い浮かんだそうだ。多分、登ってる間に目に入ってくるいろんなものが、登ってる間は登ることに一生懸命だから情報として処理されず、わずかな時間をおいて下降中に情報が処理され、イメージを結んで、そのイメージから名前がつけられる、ということなんじゃないかと思った。すごい面白い。




この課題は登れなかったので、また行かないと。2023年も終わりかけ。とてもいい刺激を受けた一日だった。

そういえば、くさのさんが山の斜面を駆け下りるスピートは犬並みに速かった。

2023年12月8日金曜日

北秋川ボルダー・2024年12月

 ようやく隙を見て、北秋川ボルダー。対岸の課題の可能性を探った。

乾燥した手に乾燥したスローパーの相性が悪く、全然持てない。ホールドを川の水で濡らしてなんとか前進が可能になった。ちょっと遠いアンダーホールドに右手を出すときの右足のフックのかけ方に工夫ができて、わずかな進歩を得られた。

岩は冷たく、本当ならばもっと暖かい時期に行くべきだが、この岩は夏は結露していることが多い。4月頃がちょうどいいのかもしれない。

何しろ下地がこれなので思い切って動くことができないのが難点である。川を渡って取り付くのもつらい。


最後は川に流されてフィニッシュ。