2025年7月21日月曜日

瑞牆・七面沢上流エリア《くまのプーさん》

西條さんと示し合わせて、瑞牆。

例によって土曜日のお昼に《ウォータースパイダー》をやって、夕刻に瑞牆の植樹祭Pに入った。濡れた洋服とかを乾かしてたらいちご農家がやってきて、翌日一緒に登るかもということになった。晩ごはんの準備を始めてたら、ロジャーさんも現れて、翌日一緒に登ることになった。ロジャーさんは雷火をやりたいとも言ってたけど、ともに敗退している《くまのプーさん》を登りに七面沢上流エリアにしようかということになった。行ったことないいちご農家も乗ってきた。急展開。

日曜日、遅れて到着する西條さんをおいて、ロジャーさん&いちご農家と先にエリアに上がった。ガイドブックでは《チョップスティック》まで65分くらいになってると思うけど、途中休み休み歩いたらちょうど120分かかった。エリアは肌寒いくらいで、ありがたかった。

いちご農家は《チョップスティック》を華麗に登っていた。クラックの中はヌメヌメだったらしい。前日夕刻から山の上の方は雲に包まれていたのが原因じゃないかという話し。めちゃくちゃ立派なクラックなのにクラックの中も外もまだ泥がついていて、登られ足りないんだと思う。たぶん遠いからだと思う。なお、《即決》も《トイストーリー》も濡れてたらしい。

そうこうしてるうちに西條さんが到着して、みんなで《くまのプーさん》方面に移動した。ロジャーさんは《クリボー》をやってたような気がする。ガイドブックによると「C3サイズの広めのハンドクラックが美しい好ルート」で「手の小さな人には厳しいサイズ」らしい。自分には無理。

いちご農家がビレーしてくれたので、《くまのプーさん》に取り付いた。前回発見したTスタック前進を目指して登り始めたけど、クラックの中は水が流れてびしょびしょで、そこまで到達できなかった。テンション。カムをつかんで抜けて、終了点を工作した。《くまのプーさん》の終了点は上の方の木2本からおろしたロープ&カラビナ2枚の残置あり。ロープの結び目が擦り切れていて芯が出ていたので、ロープを交換しておいた。2点から別経路で支点をおろしてて、左右の長さが揃わなかったのでカッコ悪いけど、勘弁してほしい。

そうこうしてるうちに、ロジャーさんが降りてきて、《くまのプーさん》をRPしてた。ナイスクライミング。コツは気合らしい。そのあと自分もRP。右のフィストとTスタックが決まる手前の抜けそうなチキンウィングで頑張るところがポイントだった。フィストがキマればTスタックも予定通りにキマって、順調に登れた。

無事にRPして安堵したので、そのあとトップロープで2回登った。1回目は右挿しのフィスト禁止で。自分のような高身長&腕長クライマーは、ワイドで普通のクライマーではフィストが届かないような場面でフィストがキマったり、早めにフィストがキマったり、ありがたいことも多いけど、だからといってフィストに頼っていると、どうやってもフィストが決まらないワイドでなんとかする技術の習得が遅れるので、フィスト禁止の試みは重要。今回はライトバルブチェンジャーでなんとかなることがわかった。テンション入ったけど。なお、フィストより10倍きつい。2回目は左挿しで。こちらは下部の岩の傾斜の影響で出だしからめちゃくちゃ辛かった。ほぼサイドワインダーに近い体勢になった。中間部はフィストがキマらなかった。前回の末端の末端でわかったんだけど、左のフィストは右のフィストより3ミリ位小さい。それでフィストがキマらない。しょうがないからハンド&フィストのリービテーションで、ところどころダブルフィストスタックで、ちょっとずつズリズリずり上がった。途中、足がキマらないところで、「Tスタックやったら?」ってロジャーさんが声をかけてくれて、リービテーションにTスタックっていう組み合わせもあることがわかった。左挿しも1テンションでトップアウト。なお、右挿しフィストの10倍きつい。ついでにもう一つの発見として、リービテーションでは下を通る腕の肘の位置取りが重要ってこともわかった。めちゃくちゃ勉強になった。

この間、いちご農家と西條さんは対岸の《マリーゴールド》に行ってて、キャッキャウフフと楽しそうな声が響いてきていた。こちらのうめき声とはえらい違いだった。あとで聞いたら、いちご農家はナッツが2本弾けとんでグラウンドフォールしたらしい。

といったところで終了。《くまのプーさん》を4回やって、帰りの歩きはヘロヘロだった。




2025年7月13日日曜日

瑞牆・前烏帽子岩・適当なマルチ

 コッシーと小川山でお気楽マルチでもと思ってたけど、西條さんに烏帽子&前烏帽子岩あたりと誘われて。

前烏帽子岩でジキルかハイドを通って上まで抜けるマルチ体験会にしようということになり、ジキルとハイドのアプローチピッチを登ろうとしたら、湿っていたこともあり意外と悪く、フォローが落ちたらブランと振られて大変なことになりそうと判断して、中止した。

かわりに、一つ右のルンゼを登ることにしたら、一段上に短いけどキレイになればキレイなワイドが出てきた。その下でピッチを切って、ビレー。キレイになればキレイなワイドは、本当に短いスクイーズを抜けた先でオフウィズスになり、その出だしはハンド&フィストのリービが唯一の解決策だった。ワイドを抜けたところでピッチを切ってビレー。リービ未体験のコッシーは苦戦し、何とか引き上げた。

ワイドを抜けた先、右には巨大なチムニー。後でガイドブックを確認したら、多分これは掲載されている5.6のチムニー《迷道》。左には泥ルンゼ。プロテクションが取れなそうな濡れたチムニーほど怖いのもはないので、迷わず簡単そうなルンゼを選択した。明るいところに抜けたら、そこはたぶんジキルとハイドの終了点。ここでピッチを切ってビレー。

そこから、《新緑荒野》の4P目と思われるボルダーの重なりを登って、テラスに出た。

その先、予定では、さらに上のテラスに上がって《イージー・スタート》を登ろうかと思ってたけど、晩秋荒野と共通の木の上はけっこう難しいのと、手持ちのビレイデバイスの都合でラペルが面倒なことになりそうだったので、テラスから歩いて降りた。

ここで昼寝。前夜は睡眠時間4.5hだったので眠気が強く、ぐっすり眠れたけど、寒かった。

そのあとは、志賀ランドと入口岩を見学し《あげこまるルート》5.10aにとりついたけど、湿っていたのもありコッシーには難しいかもしれないと判断し、方向転換。隣の《奈香良クラック》にとりついた。ガイドブックにはやや苔むしていると書かれているが、思ったよりキレイだった。しかし、ガイドブックにはやさしいワイドクラックと書かれてるのに、全然そんなことなかった。中間部、キャメ6番はギリギリ効かず、体は入らず、こんなにちょうど良く不都合なサイズのワイドは初めてだった。泣きながらクライムダウンで敗退。なお、ガイドブックにはキャメ2から5を1から2セットとあるが、キャメ5は使えなかった。中間部の終わり頃まで到達したら使えるのかもしれない。キャメ1は奥の側面にキマった。ガイドブックの記載は何一つ参考にならなかった。どうかしてるよ。

と言ったところで終了。コッシーは登りの面では物足りなかったようだが、マルチ体験でシステムは理解してくれたみたい。

また今度。

2025年7月6日日曜日

瑞牆・末端のまったん《トラベルチャンス末端の末端》

 どうして、岩の名前は末端のまったんで後半はひらがななのに、ルートの名前は末端の末端で後半も漢字なのか?

例によって土曜日の夜に西條さんと行き先を相談して、末端のまったんへ。

アプローチがちょっとわかりにくい。ガイドブックには、「岩小屋から左の踏跡に入り屋根〔ママ〕を越えると石垣が見える」とあるので、岩小屋の左を進むと、大変危険な崖だった。崖の先には石垣が見えるが、これは不正解。正解は岩小屋の右上に上がって、岩小屋の上に右から回り込んで、左に進む。左への折り返しポイントにはケルンあり。左の石垣よりもっと立派な石垣がこちらにはある。屋根はおそらく尾根の誤植。

道に迷いつつたどり着いた頃には汗でびっしょり濡れていたが、岩場は日陰で、たいへん快適に登ることができた。ただし、取り付きは崖の上の斜面で、落ち着ける場所は少ないので注意。

このエリアのルートは5本。

一番左の《まったりクラック》5.6は、ピナクルに上がるところがノープロの予感がするし、ハイパーランナウトして隣の岩に飛び移らないといけない予感がする。

左から二番目の《まったりチムニー》5.6を石井さんが登ってた。終了点は立木のみらしく、下降は懸垂。チムニーの中を懸垂で下降するとロープスタック不可避。リード&フォローでフォローがプロテクションを回収して、左のフェース面を懸垂で下降するのが良さそう。。

三番目と四番目はルート図が逆じゃないかと思う。ルート図Cの《クリスタルクイーン》5.9が奥のチムニーに吸い込まれるやつで、Dの《クリスタルキング》5.10cが手前のルーフ部分をトラバースして外のワイドを登るやつなんじゃないかと思う。登ってないからわからないけど。そうだとしたら、ルーフ部分がなかなか手ごわそう。魅力的だが、取り付くには勇気がいる。なお、上部は日が当たる。


五本目はフィックスロープを登った先の《トラベルチャンス末端の末端》5.10c。こちらはほぼ真っすぐに伸びたワイドで、ルート図とは逆で下が広くて上は狭まる。ガチむりん氏は、瑞浪のアームロックに似てると言ってたが、そのとおりだと思った(本物を見たことないけど)。《クリスタルキング》と同じグレードだけど、難しかったらエイドで抜けるのも容易そうなので、ラブリー。ということで、こっちをやることになった。こっちは終日日陰。

追記:《トラベルチャンス末端の末端》の終了点は立木。スリングやカラビナの残置なし。下降は懸垂。

最初に西條さんが取り付いて、厚い胸板にサイズが合わず降りてきた。その後、自分の番。

西條さんも石井さんも左挿しに違いないと言ってたけど、どう見ても右挿しだと思ったので、右挿しでやってみた。出だしは見た目以上に狭くて、体がギリギリ通るか通らないかのサイズだった。ここは体をナナメに倒して、右のチキンウィングと左のプッシュでずり上がった。上部でチキンウィングがキメづらくなったところで、上半身もクラックの中に押し込んで、ナナメから縦に切り替えて、Tスタック。このまえ七面沢プーさんで学んだ前進用Tスタックムーブを再現して、ずりずりと上がると、右のフィストが入った。ここは腕が長いとお得。右のフィストと左のガストンで数手進んで、右フィストを進めるための左ガストンに耐えられなくなったところで、強引に左フィストをねじ込んで、下半身を一度外に出して下半身を左挿しに切り替えて、右足をフェース面のフットホールドにおいたら、ぐいっと伸びて、左膝をねじ込んだ。あとは左膝をジリジリ上げながら広がるワイドに体をねじ込み、上部ルンゼに立った。完登。


その後、石井さんが左差しでやっていいところまで行ってたので自分もTRでやってみたら、左のほうがう難しかった。フィストがスカスカ。なんでかなと思ったら、フィストのサイズが、右より左のほうが数ミリ小さいみたい。で、左差しだったらリービ。問題はリービで数手上がったあとに最後は左フィストを指すことになると思うんだけど、その切り替えができるかどうか。

更にその後、もう一回右挿しでやってみたら、やっぱりこっちのほうが楽だった。前進用Tスタックが有効。

で、帰り際にガイドブックを読んだら、右挿しでも左挿しでも登れるとか、リービが必要とか書かれてて、登る前にちゃんと読まなくて良かったと思った。読んでたらたぶんリービしようとして失敗してた。

といったところで終了。

急なルンゼの下りはつかれた帰り道ではラペルしたくなるくらい注意が必要。

一日涼しく登れて最高だった。


追記

中尾さんのブログで末端のまったんの記事を発見して、やっぱりCとDは逆だった。岩小屋の右っていう地図もあるので、見てほしい。

https://gecko2005.exblog.jp/28943819/

2025年7月2日水曜日

瑞牆・不動沢屏風岩周辺からボルダー

西條さんとコッシーと、瑞牆不動沢屏風岩。

よろめき対岸の《凍る月》はおもしろい。最下部のハンドセクションがちょっと登りにくくて、そこをがんばるのも楽しいけど、左から迂回すると楽に登れるので、それもいい。その先のワイドも楽しい。最後のワイドの入口も悩ませる。どっちも背が高いと楽。背が低いとより一層楽しめて良い。コッシーは奮闘していて、最高だった。

西條さんは《よろめきクラック》に奮闘していた。

最後に《不動の日々》に取り付いてみたら、上部のクラックもスラブ面も濡れていて、泣きながら敗退した。ハング部の左側には2つのホールドがあるけど向きがイマイチで、ハング下の面にはフットホールド乏しく、あっても高すぎて位置がイマイチで、ジャミングをキメたいハングの右寄りのクラックは遠く、たいへん厳しかった。

最後は不動沢下流の岩場の下のボルダーで遊んだ。駐車スペースのちょっと上の課題が秀逸で4回登った。クロスでスタートするやつ。駐車スペースすぐ上の大きな岩の左端のスラブの課題も秀逸だった。ビビり倒しながら登った。

次の瑞牆はどこに行こう?

2025年7月1日火曜日

小川山・砦岩東門《海中エレベーター》&《伊賀のガバ丸》

小川山に木を燃やしに行った。

小川山は暑かった。かつて、小川山は避暑地だった。夏でも涼しく、朝晩は寒い、そんな場所。今や、小川山は6月でも暑い。大量の木を頑張って燃やしたが、とにかく暑かった。夕方から始めて、夜にはなんとか全部燃やし終わって、安堵した。

翌日はいつものポイントで泳いで大満足だった。小川山の水は冷たい。暑くなっても変わらず冷たい。最高だった。

合間にクライミングもした。

砦岩東門《海中エレベーター》はフォローで登った。

裏の《伊賀のガバ丸》はRPした。これはめちゃくちゃいいクラック。とても短いけど、クラックが広がったり狭まったりして、自分にとっていいサイズのところを選んでジャミングをキメる登り。練習に最適。ワイドに入るところも短いけど楽しい。こっちから登ってトンネルをくぐってあっちに行ってこっちに戻って来るところもシュールで楽しい。しかもずっと日陰で、風も通って、涼しい。


久々の小川山は結構楽しかったので、また機会があれば行きたい。


瑞牆・よろめきクラック

瑞牆・不動沢屏風岩周辺

よろめきクラックを登りに行ったら、上部は燦々と日を浴びていた。気温の高い一日で、今日は登らなくても良いかなと思って、よろめき右の洞窟にもぐったり、手前の汚いワイドを登ったりした。汚いワイドは意外とムーブがあって楽しかった。

そうこうしてるうちに太陽がよろめきの裏に回って日陰に入ってくれたので、登った。三日目だと思うけど、ようやくRPに至った。

そのあと、TRで上部と下部をそれぞれ5回づつくらい登って、楽しかった。上部は北平さんはリービと聞いたので、リービもやってみたら、確かにこれは楽だと理解した。

ワイドはまだまだ習得すべき技術があるし、技術と岩のマッチングも理解しないといけないし、一番楽しいのは、必死こいてRPしたあとにトップロープでしゃぶり尽くす時間。

2025年6月23日月曜日

ピークディストリクト・クライミング遠征のこと(仮)

【この記事は作成中です】


UKクライミングは楽しい。とりわけピークディストリクトのクライミングは素晴らしい。何よりも、トラッドクライミングの本場でのクライミング体験が素晴らしい。トラッドクライミングの本場といえばヨセミテと思うクライマーもおられるだろうが、そのヨセミテのトラッドがピークディストリクトから持ち込まれたものであるといえば、本物の本場がどこかご理解いただけるだろう。ヨセミテのトラッドクライミングは終了点のボルトがしっかり打たれたスポーツ的トラッドが多いようだが、ピークディストリクトのトラッドは終了点さえボルトのない本物のトラッドで、素晴らしいトラッド体験が約束されている。

最近、ピークディストリクトへのクライミング遠征を予定されている方からご連絡をいただいたこともあり、ピークディストリクト・クライミング遠征のことを書いておきたい。

移動

飛行機での移動

ピークディストリクトに向かう空港の候補は2つある。

第一は、一番近いマンチェスター空港。マンチェスター空港からピークディストリクトの西側はレンタカーで30分程度。クライミングのメインエリアである東側までは1時間程度。マンチェスター空港だったら、レンタカーも安いし、種類も豊富。ただし、日本からの直行便はない。マンチェスター空港を利用する場合には、乗り継ぎに注意が必要だ。ヒースロー空港での乗り継ぎは絶対に避けなければならない。ヒースローの乗り継ぎはターミナル間のバス移動が入って面倒な上、場合によっては乗継便に間に合わない。

第二の選択肢はヒースロー空港。ロンドン近郊のヒースロー空港からピークディストリクトまで3時間ちょっと。ヒースロー空港までに日本から直行便があるので、楽ちん。ただし、レンタカーはマンチェスターよりちょっと高くて、ハイエースクラスの大きなクルマは少ない(もっとも、少人数のグループなら、選択肢の少なさは問題ではないだろう。大所帯の場合は注意)。ちなみに、ヒースローとピークディストリクトのちょうど間くらいにForest Rockという有名なクライミングエリアがあって、立ち寄るのにちょうどいい。ものすごく小さなエリアなんだけど、ハードなボルダー課題でUKの洗礼を浴びるのもよし、比較的マイルドなトラッドルートを登るもよし。ここはスレートなので、北ウェールズのスレートの岩場までは足を伸ばせない場合でも、ちょっとしたスレート体験ができるのは嬉しい。

https://www.leicestershirebouldering.co.uk/forest-rock.html


現地での移動

これはレンタカー一択である。UKの自動車は右ハンドルで、道路は左側通行なので、日本人にはありがたい。厄介な点の一つはラウンダバウトで、これは予習した方が良い。コツは、ラウンダバウトの各入口と各出口のすべてを個別の交差点と理解すること。あと、縦列駐車を多用することになる可能性があるので、練習しておいたほうがいい。それから、ワイパーと方向指示器の操作バーが左右逆で、絶対間違える。

駐車スペースは有料の駐車場と路肩の駐車スペースがある。ガイドブックの記載に従おう。有料駐車場はPAY AND DISPLAY方式のところが多い。料金支払い機で先払いして、出てくる紙をダッシュボードあたりに置いとく方式。2018年頃までは支払いがコインの現金のみのところが多かったけど、2019年頃からだんだんクレジットカードのコンタクトレス(日本で言うタッチ決済)で支払えるところが増えていた。今はどこもコンタクトレスで行けるんじゃないかと思う。HathersageのOutsideの裏手のPAY AND DISPLAYは依然としてコインのみだった。ただし、PayByPhoneというアプリを使うとスマホでオンライン決済ができる(ただし、日本のクレジットカードで決済できるかは知らない)。


宿泊

クライマーはStanageとHathersageの間のNorth Lees Campsiteでキャンプすることが多いのかもしれない。

https://www.peakdistrict.gov.uk/visiting/things-to-do/camping/camping-northlees

しかし、エアビー的なやつでキッチン付きの部屋を借りたほうがだんぜん楽しい。エアビーか、Booking.comか、Sykes Cottageあたりを使おう。

https://www.sykescottages.co.uk/

宿泊エリアはピークディストリクトの東側ならどこでもいいだろう。Hathersageという街がクライミングエリアに近いので、目印になる。HathersageにはOutsideというクライミングギアショップがあって、何でも買える。シェフィールド市内でもいいだろう。その場合、City Centerより西側が便利だ。治安も西側のほうが良い。市内でも、Ecclesall Roadあたりからだと、岩場まで車で20分程度で行ける。パブの近くに宿泊すれば、クライミング後にパブでビールを飲みながらその日のクライミングを振り返ることができて、最高だ。

なお、UKの家は日本と違ってセントラルヒーティングで、ヒーターはラジエーターだ。暖房は中央のスイッチと家の中の各所のラジエーターの二重管理なので、使い方を予習しておこう。中央のスイッチの形態は様々で、結構難しい。たとえばこんな感じ。使い方を理解できるだろうか?液晶画面でデジタルのものもある。

冷房はない。あと、バスルームのライトと換気扇のスイッチは入り口辺りにぶら下がっているヒモだ。かなり引きが硬いヒモなので引いていいものかどうか緊張するが、思い切り引くとスイッチが入る。ドアの鍵も難しい。

食事

UKの飯は超絶うまいので、なんの心配もいらないのだが、いくつかシェフィールド近辺のおすすめを書いておく。

フィッシュ&チップスはシェフィールドのSharrowにあるTwo Stepsに行っておけば間違いがない。ここは開業以来同じ店舗で営業しているチッピーとしてはUK最古だとか聞いたことがある。

それから、Two Stepsのすぐ近くのパン屋Seven Hills Bakeryもめちゃくちゃ良い。ここのSourdoughとFougasseとバターだけで生きていける。2025年夏、Seven Hills Bakeryはなくなっていた。ほかに美味しいのは、Forge Bakehouse。ここはもともとAbbydale Roadにあったのが最近拡大して、3店舗。クライマーがアクセスしやすいのはBeauchiefのお店だろう。スーパーで売ってるバターがうまい。ちなみに、生クリームも濃くてうまい。

コーヒーも美味しいところが多い。おすすめはOak Brook RoadにあるLa Coppola。マキアートがめちゃくちゃ美味い。

酒はエールだ。シェフィールド周辺ではAbbeydale BreweryとThornbridge Breweryが良い。前者はシェフィールド市内にあり、市内のパブでは比較的広くタップが提供されている。おすすめはMoonshine。後者はピークディストリクト内のBakewellという街にあり、結構たくさんのパブを買収している。おすすめはAM:PM

https://www.abbeydalebrewery.co.uk/

https://thornbridgebrewery.co.uk/

パブはとにかく楽しいので、外せない。ピークディストリクトの真ん中あたりにあるPack Horse Innというパブが200年くらい前からあるパブでとても良かったんだけど、最近経営が変わったようで、いまはどうなっているかわからない。

インド料理もうまい。ビリヤニが普通にある。テイクアウェイも多くて便利。

スーパーに行くとレンジでチンするだけのシェパーズパイとかラザニアとか売ってて、うまい。鶏一羽がまるごとパックに入ってるのが売ってて、温度設定したオーブンに放り込むだけで鶏の丸焼きができるので楽しい。ポテトチップスもうまいので、毎日食べたい。

お昼はサンドイッチを作って岩場に持っていくのがいいと思うが、HathersageのOutsideの2階のカフェに行ってもいい。Derbyshire Oatcakeは野菜がとれるのでとてもいい。せっかくなのでかの有名なChip ButtyをたべてUKの食を満喫するのもいいだろう。

https://www.outside.co.uk/

あと、Curberに近いCalverという村にはSparがある。このSparはただのコンビニではなく、地元産のうまいものをいろいろ売ってるので、ぜひチェックしたい。フォカッチャがめちゃくちゃうまい。ビールも多種多様。


クライミングエリア

ピークディストリクトは広大な国立公園で、そのなかに多数のクライミングエリアが点在している。選びたい放題ではあるが、よほどのこだわりがない限り、Eastern Gritと呼ばれる東寄りのエリア群で登るのが良いだろう。ここはシェフィールドからも近く便利だし、古くから登られている歴史あるエリアが多く、クラシック課題が多数揃っている。ガイドブックは、ROCKFAX社のEastern Gritがあれば十分だ。デジタル版もある。

https://rockfax.com/climbing-guides/books/eastern-grit/

こだわり派の人は、BMCのガイドブックを買い揃えるのも良い。こちらはエリアごとにいくつかに分かれている。

主たるエリアは、Stanage, Burbage, Millstone, Froggatt, Curbar, Baslowあたり。ROCKFAX社のEastern Gritにはルートにスターグレードが付されていて、おすすめ度が明瞭。さらにTop50のルートも選定されていて(改版で変更なければ)、Top50を登るだけで大満足するはず。

他のエリアのことも一応書いておこう。

まず、ピークディストリクトにはグリットストーンと石灰岩(ライムストーン)がある。ものすごく大雑把に言うと、グリットストーンがあるのは東側と西側。東側の北側が上記の有力エリアで、南側にはBlack Rocksがある。有名なGaiaがあるところ。ボルダーだとThe Angel's Shareがある。西側のエリアは南部のRoachesとかRamshawが有名で、このあたりのグリットストーンのエリアをStaffordshire Gritなんて言うこともある。シェフィールドからは少し離れてるけど、とてもいいエリアだ。Eastern Gritよりも高さのある岩が多い。Staffordshire Gritについては、以下のビデオがおすすめ。これ見ると行きたくなること間違いなし。


石灰岩のエリアは基本的にスポーツルート。あとボルダー。有名なのはRaven Tor。かの有名なHubbleがある。ルートの岩の基部のボルダーも楽しめる。


クライミングのシーズン

まず確認しなければならないのが、雨季と乾季が日本とは逆ということ。UKは冬に雨が降る。夏は比較的晴れていることが多い。これが厄介だ。

グリットストーンはフリクション頼りのクライミングが多いので、シーズンは気温の低い冬とされている。ちなみに、UKの気候は穏やかなので、冬もそんなに寒くない。ここで問題なのが、冬は雨が多いという事情だ。運が悪いと、せっかく行ったは良いものの全然登れないということになりかねない。そこで、雨を避けて夏を狙うのも悪くない。UKの気候は穏やかなので、夏もそんなに暑くない。というより、日本人基準だと、全然暑くない。とりわけ早朝だと岩はキンキンに冷えていると言っても良い。昼間は流石に暑いかもしれないが、その場合は以下で述べる石灰岩のボルダーエリアに行けば良い。夏のグリットストーンで注意が必要なのが、虫。ミッジ—と呼ばれる吸血系の羽虫が現れる。これは強烈で、数が多いので出現すると避けることはできない。吸われてるあいだはちょっと煩わしい程度だが、時間差で皮膚が赤く腫れて強烈なかゆみが出る。ミッジーが現れたら退散するしかない。風の吹くエリアには現れないようなので、風向きとかを考えて場所を選ぶことはできるが、限界はある。

石灰岩のシーズンは夏(と春と秋)。冬は基本的にずっと染み出しで登れない。日本からわざわざUKの石灰岩のスポーツルートを登りに行く人はほとんどいないだろう。Hubbleとかの歴史的ルートを登りたい人に限られると思う。スペインの明るい石灰岩の岩場を想像してUKに言ってはいけない。常に暗くてジメジメしている。石灰岩ボルダーも見た目は良くない。だいたいがスポーツルートの岩場の基部か、斜面の側壁というイメージ。課題は面白いものも多い。ガバマッチで終了でトップアウトしないものが多い。ボルダリングのイメージを刷新してくれるという意味では登ってみる価値はある。


トラッド・クライミング

グリットストーンのトラッド・クライミングの話。もちろんクライミング自体はどの国の岩場でも同じなのだが、ピークディストリクトのグリットストーンの岩場では、日本では見られないビレーの方法が実践されていて、あるていど学習して行く必要がある。

まず、グリットストーンの岩場には終了点のボルトがない。従って、自分で支点を構築しないといけない。しかも、登った先には木が生えていない。カム、ナッツ、岩角にスリングかロープが基本だ。ルートによっては登った先の地面にステークと呼ばれる棒が刺さっていることがあるし、登った先のずっと先のフェンスの支柱を支点にすることもあるが、これは例外。問題はその支点が登り終わった地点から数メートル離れていることがある点。それと同時に、セカンドのビレーは岩のリップで行わなければならない点。リップから離れたところでビレーすると、セカンドがテンションをかけたときにロープがリップにこすれて、グリットストーンのフリクションであっという間にだめになる。従って、支点からに接続したメインのロープを数メートル伸ばしてリップまで持ってきて、リップに座って(あるいは立って)ビレーすることになる。そして、リップでロープがこすれることを防ごうとすると、ビレーデバイスをマスターポイントに設置してセカンドのビレーモードを使うという日本で一般的に行われている方法がやりにくい。どうするかと言うと、下向きにATCでビレーする。言ってることがわからないと思うが、とりあえず、以下の資料を読むあたりから始めたらいいと思う。

https://www.gritstoneclub.org.uk/site/wp-content/uploads/2014/09/climbing_outside_leading.pdf

リード&フォローで登ったら、脇のガリーとかを歩いて降りることが多い。イギリス人はクライミングシューズのかかとを踏んで歩くことが多いようだ。私はゆるめのクライミングシューズを履くことが多かったので、そのまま歩くことが多かった。裸足で歩くこともあった。ただし、羊の糞には注意。