2018年7月28日土曜日

Burbage NorthでThe Sentinelを登りそこねて、Now or Neverを登った。

夕刻からニックとクライミングに行った。行き先は前回と同じBurbage North。前回行ったところよりも先まで行ってみようということで、僕はThe Sentinel E2 5bをやろうと思ってた。

Lieback HS 4b


まずはアップで、ニックがLiebackを登った。次に登ったThe Grazerと隣り合ったルート。とっても低い上部のハングの左の広めのクラックがThe Grazer、右のフレークがLieback。下部のアプローチも左右にルートが分かれてるんだけど、狭いスラブを左右に分けるのはイマイチ。下部は共通で上部で別れるってことでもいいんじゃないかという気もする。ピークティストリクトはこういうのが結構多い。

僕も快適にフォロー。

The Grazer VS 5a


次は僕がThe Grazerをリード。ハングのクラックにカム2本を入れて、ハングの上に乗り上がるところにヘックスを叩き込んで、突入。と思ったけど、結構難しくて、2回くらい行きつ戻りつしてしまった。オンサイト。

ニックはテンション入りつつ、抜けてきた。

Now or Never E1 5b


で、いよいよThe Sentinelをやろうというところで、ニックが雷雨が来ると言う。実際遠くから雷鳴が響いてきて、間も無く土砂降りの雨が降ってきた。と言ってもこのたりの雷雨はそう長くは続かない。The Sentinelの下に入って雨がやむのを待った。左を向けば大粒の雨が降り、右を向けば陽光が燦々と降り注ぐと言うなんとも奇妙な天気だった。予想通りに雨はすぐにやんだけど、 The Sentinelの右半分はびっしょりと濡れていた。The Sentinelは細く突き出たカンテを登るルートで、見た目が超かっこいい。ぜひ登りたいので、乾くまで待とうかと思ってたら、ニックが隣のカンテを見て、こっちは登れるんじゃないかと言ってきた。

Now or Never。これも細いカンテを登るルート。確かに、The Sentinelの陰に隠れてさほど濡れてない。で、やったみた。出だしは側壁の顕著なフレークで、そこからカンテに飛び出した。ちょっと自信がないカムを2本入れたら、一見してわかる核心のムーブ。カンテを抑えて足を上げたらバーンドアで振られて落ちそう。5回くらい行ったり来たりして楽なムーブを探ったけどどうにもならず、振られないように全身で耐えると言う選択肢しかなかった。危ういカムが足下でのこのムーブはシビレた。オンサイト。

普通だったらUK式で僕が上でアンカーを作ってニックがフォローで回収するんだけど、アンカーを作ったところで2度目の雷雨。さっきより酷くてあっという間に岩はびしょ濡れ。こりゃフォローも無理ということでラペルで回収した。マスターカム紫がスタックして回収不能が危ぶまれたけど、ナッツキーとハンマーで叩きだしてことなきをえた。

まだ明るかったけど、さすがに登れる岩はないということで、ここで終了。全身びしょ濡れで車に戻った。

久々の雨で、Burbage Valleyも潤いを得て喜んでいるようで、美しく輝いていた。





2018年7月25日水曜日

Robin Hood's Strideでファミリー・ピクニック

サイモン一家に誘ってもらって、ファミリー・ピクニック(&ちょっとだけボルダリング)に行ってきた。

この前行ったCratcliffeのお隣のRobin Hood's Stride。

予定通りクライミングはほどほどで、サイモンに案内されるがままに簡単な課題をいくつか登ったり、難しすぎて登れない課題をちょっとだけやったり、あとは子供達と一緒に木の枝で家を作って遊んだり。

充実の1日であった。

登れなかったスラブのハイボールが面白かったので、また行きたい。

Burbage Northでトラッドクライミング

夕刻からニックとクライミング。集合時間がちょっと遅かったので近いところがいい&ちょっと場所を変えてみようということで、Burbage Northへ向かった。トポを見ながらトレイルを歩き、良さげな岩を見つけて登ることにした。

ニールはAsh Tree Wall S 4aとAsh Tree Crack VDをオンサイトした。ニールはトラッドルートのオンサイトトライは初めて。すごく喜んでいた。そして、これは全くもって意見が一致したんだけど、Burbage NorthはStanage Popularよりも景色がいい。Burbage Valleyを一望しながら岩の上でビレーしてフォローを迎えるのは最高に気持ちがいい。下を走るトレールを散歩する人、マウンテンバイクで走る人、犬を散歩させる人、いろんな人がアウトドアの活動を楽しんでいる姿を見るのも心地いい。

Artificial Stimulant E2 5b


僕はというと、隣にあったE2のルートを登った。左右のクラックに挟まれた狭いスラブを登るルート。目の前のクラックのカンテに手を出さないクライミングで、どうしても気持ちの上で狭苦しい。取り立てて良いルートではないが、これが初めてのグリットストーンのE2になった。オンサイト。

最後は、Ash Tree Variation VS 5cの下部でワイワイやっておしまい。

Froggatでトラッドクライミング

ニールさん&ポールさんと夕刻からクライミング。行き先はFroggatt。Froggattには、ナイスなスラブがいっぱいある。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=22

Three Pebbles Slab HVS 5a


スラブ大好きなニールさんのオススメは、Three Pebbles Slab、Tody's Wall、Sunset Slabということで、まずはThree Pebbles Slabをやることになった。

ルートのちょうど真ん中あたりのポケットにプロテクションをセットしたら、一度行ったら戻れない予感がするちょっと嫌な感じの乗り込みムーブを滑りそうなペッブルをプッシュしてこなして右にスライド。


あとは上までフリクションスラブをランナウト。非常にUKらしい素晴らしいルートだった。オンサイト。

Tody's Wall HVS 5a


お隣のFour Pebbles Slab E3 5cをフォローした後、2本目に移動した。Tody's Wallは、下部のハングを豪快なマントルムーブで超えたらスラブを登って、最後の傾斜の増した壁に快適なクラックが待っているという、ただただ爽快なルート。


写真の右のほうのブロックが挟まってるところを超えていく。マントルはボルダラーにとってはさほど難しくない。オンサイト。ニールさんが登っている左のカンテは、Grip E2 5c。フォローで登った。

Sunset Slab HVS 4c


最後はSunset Slab。形容詞グレードは前の2つと同じだけど、ブリティッシュ・テクニカルグレードは一つ下。ということは、プロテクションの具合は1段階悪いということになる。どんなものかというと、ルートの下部3分の1くらいのところのクラックにカムを入れたら、あとはランナウト。当然、上部で落ちたらグラウンド・フォール。

ソロしたらいいじゃないって言われて断って、ロープを結んでプロテクションを抱えて登ったけど、ぶら下げたカムの束が邪魔だったので、ソロの方がまだ難易度は低いことに気づくという、とてもUKらしいアホかと言いたくなるルート。素晴らしい。オンサイト。

ということで、名ルート3本を1日で登るいいクライミングができた。誘ってくれたニールさん&ポールさんに感謝。

2018年7月20日金曜日

初めてのCratcliffe

久々のナショナル・トラスト巡りで、Kedleston Hallに行った。工事中だったMarble Hallが公開されたというので。大変素晴らしいところだった。


https://www.nationaltrust.org.uk/kedleston-hall

で、その帰りにCratcliffeに立ち寄った。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=11#overview

3段クライマー一家のママがオススメしてくれたFern Hill E2 5cがあるところだけど、今回はボルダーのみ。アプローチは徒歩10分。

Razor Roof 6C



子供がいるのでなるべく近いところということで、まずはRazor Roofを登った。ルーフから出てきてフェースのカチを握り込んでリップに跳ぶっていう充実の内容。超いい課題。


Look at Me 7A



次は、隣になった岩と岩の隙間の課題。UKでこのグレードがついた課題を登るのは初めてだけど、この手の課題はスタートの位置とか色々あるから、グレードについてはよく分からんので、気にしてもしょうがない。

Jerry's Traverse 7B


水平クラックをつなぐ綺麗なトラバース課題。フットホールドが乏しくて難しい。また今度。

Egg Arete 6B


何もない丸っこいカンテをペシペシしたりプッシュしたりする課題。超面白い。


Egg is Egg 7B+



Egg Areteの右。スタートのいちがいまいち分からない。合理的なラインとトポのに引かれた線がずれているように思う。が、好きなようにやった。それでも何もないところをペシペシするのが超難しかった。また今度。

初めてのCratcliffeは、木陰で涼しくて、子供の遊びもたくさんあって、素晴らしいところだった。また行きたい。

Slate Quarry@North Wales - 二日目

North Walesのスレートの岩場、二日目。すでに僕はポンコツだった。

Rainbow Slab Area


最初に行ったのは、Rainbow Slab Area。このエリアのメインの岩であるRainbow Slabには、ジョニー・ドウズによる高難度のスラブがずらりと並んでいる。


前日の酷暑の経験から、日陰の岩場がいいねと言って向かったものの、直射日光をもろに浴びて、黒いスレートは火傷しそうなほど熱くなっていた。しかし、岩は素晴らしく、どうしても登りたくなったので、リードすることにした。


Pull My Daisy E2 5c


僕が挑んだのは、Rainbow Slabに架かるRainboの左脇に走るシンクラックを辿るルート。ちょうど真ん中あたりにダイナマイトの穴があって、そこに鉄の棒が刺さっている。それにスリングを巻いてプロテクションにしたら、あとはひたすらランナウトするらしい。その少し下はクラックが広がっていて、ハンドサイズで休めそう。さらに下部はクラックが細くて難しそう。と見立てて登り始めたら、やっぱり難しかった。細いクラックにはプロテクションがなかなか合わず、マスターカムの紫が半身飛び出ているのとマイクロ・ストッパーの一番小さいやつを祈るようにセットした。その上は、メトリウス・カーブナッツの最小サイズ。で、その上のムーブがわからず、断念。泣きながらプロテクションを回収しつつクライムダウンした。オンサイトトライ継続中ということで、また今度。

Catrin E2 5c


次はニールさんがBela Lugosi SlabでCatrinをやった。下部はカムで上部はボルト。最近登れていなかったニールさんは調子が上がらないようで、途中で降りてきた。僕はカムとクイックドローが残った状態の途中までトップロープスタイルで登った。スラブの中でのアクロバティックなムーブが超面白い。ムーブの強度的にもプロテクション的にも、Pull My Daisyと同じグレードなのはどういうことなのか理解できないが、スレートの岩場なりのディシプリンがあるのだろう、きっと。

Twll Mawr


場所を変えて、ポールさんも合流して、Twll Mawr。なんて読むのか全くわからないこのエリアには、かの有名なThe Quarrymanがある。と言っても、巨大な穴の縁を岩が取り囲んでいるエリアの対岸にあったので、すごく遠くて小さく見えただけだが。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=636

Imagine Dragons 6b


登ったのは、Imagine Dragonsというスポーツの2Pのマルチ。1P目はカムでプロテクションが取れそうでもあるが、スレートはそういうものなんだろう、きっと。一本のロープをダブルで使って三人で登るという変則スタイルで、僕は両ピッチともフォローした。どっちもムーブが楽しくて面白いルートだった。

ということで、帰りの運転があるので僕はここで離脱。3時間の快適ドライブで子供が寝る前には家についていた。遠いようで実は意外と簡単に行けてしまうNorth Wales。スレートのスラブは最高に面白いので、また近々行くことになるでしょう。


2018年7月12日木曜日

初めてのSlate Quarry@North Wales - 初日

ニールさんに誘ってもらって、North Walesのスレートの岩場に行ってきた。Llanberisという街に近い岩場。スレートの岩場は、かつての石切り場だ。小さな石切り場が点々としているのかと思っていたら、全然違った。信じれらないくらい巨大な石切り場が、ドカン。


Australia


最初に行ったのは、Australiaというエリア。スレートを輸出していた先の地名がエリアの名前になっているそうだ。ここだけでルートが250本以上ある。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=10#maps

Looning the Tube E1 5a


最初にやったのは、かつての送水管からトラバースするルート。以前はこの錆びた送水管がずっと奥まで繋がっていたそうだ。途中に残された錆びたチェーンにスリングを巻いたら、クラックを上がる。


スレートの石切り場でのクライミングの面白いところの一つは、こういう産業遺構が残っていて、時としてそれをクライミングに使うところだった。

オンサイト。

Exhuming the Tube E3 5c


次は、ニールさんが同じスタートからさらに右にトラバースするルートをやった。僕はフォロー。こっちはラインどりがいまいち分からず、消化不良。

Turn of the Century E2 5c


それから、顕著なコーナーを登るルート。15mか、もう少しあるくらいだろうか。ボルトが2本打たれている。加えて、下部にカムを1本。プロテクションはそれだけなので、かなりランナウトするんだけど、それほど難しくはなく、怖くもない。


スレートの岩場は、スポーツ・ルートとトラッド・ルートが混在している。それも、エリアごとに分かれているわけでもなく、すぐ脇に隣り合っていることも多い。さらに、トラッド・ルートとして形容詞グレードがついていてもボルトが打たれているものもあって、グリット・ストーンとは全く異なる規範が通用しているようだ。

Turn of the Centuryも、E2とはなっているけれど、登った感触としてはスポーツルートの5.10+と言った方がしっくりくる。初めてのE2なのにそんな気にはならない。面白いけどね。

オンサイト。

Serengeti


場所を変えて、途中でかの有名なThe Quarrymanを見学して、たどり着いたのはSerengeti。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=633#maps

Seams the Same E1 5b


この日は暑かった。とても気温が高い上に、黒いスレートは直射日光を浴びると火傷しそうなほど熱くなる。日陰の岩場を探したいねと言って歩いたのに、僕にとって面白そうな岩は、思い切り日向にあった。時間はお昼すぎ。対岸の日陰の岩で陽気なイタリア人集団が初手核心のスポーツルートを賑やかに楽しんでいるのを眺めながら、熱々のスラブに走ったクラックを登った。

これは超いいルートだった。オンサイト。

Bus Stop Quarry


いよいよ暑すぎてもう無理ということで、日陰の岩へ移動。ニールさんが気になっていたというスラブを見に言ったけど、ちょっとイメージと違ったようだ。さらに移動。バス停から丸見え、徒歩3分のエリア。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=5

Fool's Gold E1 5c


日が傾き、ちょうど日陰に入ったスラブのクラックを登った。下部はグルーブを辿るんだけど、プロテクションはその右のフェースのクラックで、半分ブラインドでスモールカムを突っ込むことになる。それと、あやしいワイヤー。で、その状態でハング下のグルーブから右に飛び出すところが、ムーブがわかりにくくて、ちょっと難しかった。


これはいいルート。オンサイト。

初日はこれでおしまい。

2018年7月11日水曜日

Staden Main Quarry

土曜日のお昼。ベンが木織さんを紹介してくれて、一緒にクライミングに行くことになった。

僕は木織さんのファミリー・トリップの記録が大好きで、とりわけ、「デビルズタワーのてっぺんにはウサギさんがいるんだよ。一緒に見に行かないかい?」と言って小学生の娘さんをだまして家族でデビルズタワーを登った話に大変感銘を受けたのだった。その後のスネークダイクも、モンキータワーも、何度も読み返した。

お会いできて本当に嬉しかった。

で、行き先はStaden Main Quarry。石灰岩のトラッドの岩場だ。このところピークディストリクトは天気が良すぎて雨は一滴も降らず、クライミングには気温が高すぎる。日陰の岩じゃないとクライミングにならんということで、ベンが選んだ岩場がここ。


車を止めて3分も歩くと、地面に野球場くらいの大穴が開いていて、その底が平らな草原になっている。その先に岩。岩とその手前の数メートルだけが、綺麗に日陰になっている。さすがである。

クライミングは、石灰岩のスラブのトラッドルートで、プロテクションはナッツ主体。ハーケンもあったか。僕は家族の前でトラッドのリードをしたことはなくて、怖いことをやりたくなかったので、フォローで一本登っただけ。あとはこの大草原でクリケットをして遊んでいた。娘たちもトップロープを初体験。出だしが難しくて、少ししか上がれなかったけど、楽しんでいたようだ。

なんとも贅沢なクライミングだった。


2度目のStanage Popular

ずいぶん前のことだけど、夕刻から、2度目のニックとのクライミングでStanage Popular。ニックは今回はリードするだろうか?

Inverted V VS 4b

まずはこれ。ガイドブックにはTop50の表記。名作らしい。到着すると数名のクライマーが登り終えたところのようで、様子を伺ってみると、このルートはspectacularだぜ!って連呼してた。イギリス人は何を聞いてもnot so badかせいぜいlovelyくらいしか言わないのかと思ってたけど、クライマーは例外のようだ。

ニックはリードを見合わせるということなので、僕がリードでオンサイト。ニックもフォローでノーテンで上がってきた。

これは確かに素晴らしい。初登はなんと1922年。初登者はCyril Ward。

僕がリードしてる最中に通りかかったクライマーがニックと話をしてて、このルートが彼の初リードだったそうだ。そして彼の背中には今、このルートの全景がしっかりと彫り込まれている。


Hollybush Crack VD

2本目はこれ。これもTop50。ニックはフォローでプロテクションと上部のアンカーセットを確認してからリードするかどうか決めるということで、僕がリードでオンサイト。そのあと、ニックがリード。初めてのトラッドのリードだそうだ。プロテクションセットは怪しいし、上部のアンカーも少々怪しかったけど、ともかく初リードを成功させた。

最高のクライミングだった。