2023年12月28日木曜日

フラットホワイトday8


 久々にフラットホワイト・プロジェクト。2017年12月以来の6年ぶり。

背面の正規アプローチを使ったら、落ち葉斜面のアプローチに大苦戦。これから何度も通うのであれば、アプローチは考えた方がいいのかもしれない。

上まで上がって、フィックスを張って、岩の掃除とムーブ確認を行った。上部スラブコーナーに松の落ち葉が溜まっていたり、まだ掃除が必要。面白いことに、ここは重力と下から吹き上げる風の力が拮抗して、ちょっとしたコーナーの出っ張りとか小枝とかに落ち葉が堆積する。落ち葉を叩くと風に巻き上げられ、目の中に入ってくる。次回は作業用メガネを用意したい。

クラックのレストポイントから上のムーブを探ったら、やっぱりムーブはある。問題は自分に可能かどうか。レストポイントから5mのランナウトで、アヤしいマスターカム黄。ここは旧マスターカムしか効かないんじゃないかと心配してたけど新マスターカムも効いたので、安心した。フォールでヘッドが折れないかが心配ではある。そこから、紫、オレンジ、青か。で、ハング帯の最終局面は大きなデッドポイント?こんなにフィジカル的に厳しいルートは登ったことがないし、こんなにプロテクションが厳しいルートも登ったことがない。順番を間違ってるのは間違いなさそうだ。



重いロープを引きずった上部スラブも自信なし。

そもそも、ぶら下がってハング帯まで降りた時に、壁の大きさに圧倒されて、もうダメだった。普段登ってる岩と大きさが違いすぎる。このプロジェクトと真剣に向き合うのであれば、まずはこの壁の中に留まっていることに慣れるところから始めないといけない。


2023年12月25日月曜日

アメジストライト@昇仙峡

西條さんに誘ってもらって、昇仙峡へ。ガミケンさん、(会うのは)初めましての奥平さんも一緒。奥平さんは以前からこのブログを読んでいただいていたそうで、それをきっかけにセンチュリー・フォー・カラーズを登ったりしたそうで、嬉しいことです。最近はSNSがあるからってことでブログをサボってたんだけど、SNS全盛時代はもう終わりそうだし、真面目にブログを書こうと思っている。

いつもの駐車場に集合して、行き先はアメジスト。センチュリーは3パーティー?6人いたとか。センチュリーは美しいですからね。

アメジストライトは強烈だった。下部はスラブで易しくて、中間部の出だしはクラックの外のカチとピンチ。その上がジャミング主体のムーブになり、サイズは、効きの良い第二関節フィンガーの間をシンハンドかサムロックでつなぐ感じ。ハンギングブロックを挟んだ上部の入りが最大の核心か?左手のシンハンドに向かうための右手のジャムが僕には中途半端なサイズ。それから、左手の甘いシンハンドで我慢して、上部の縦カチにデッド?その後どうするかは今回はさっぱりわからない。



アメジストライトは一回だけやって、あとは周辺散策。

最近は難しい課題に何度も通ってRPするようなクライミングからはすっかり離れてしまっている。今回、アメジストライトを触ってみて、なんとなくやる気が出てきたので、しばらくこのクラックと向き合ってみても良いかもしれない。気温は低くても日当たりが良いので、このエリアは冬でも動けそうだし。

前回の兜山ボルダーに続いて、良い刺激をもらった一日であった。

北極男・兜山ボルダー

 ずっと行きたいと思っていた冒険研究所書店を訪れることができた。

https://www.bokenbooks.com/

ここは、「日本唯一の北極冒険家」荻田泰永さんが運営する書店。小田急江ノ島線という僕とは全く縁遠い場所にあるのでなかなか訪れる機会がなかったんだけど、藤沢に用事があって、ようやく。本のセレクトが素晴らしく、読んでみたい本だらけで困った。断腸の思いで10冊ほど購入した。早速、荻田さん自信の『北極男〔相補版〕』を寝る前に読み始めたら、面白すぎて寝れなくなって困った。

印象に残った話はたくさんあったんだけど、その一つは自由についての話。制約の下で自ら判断をしたときに、自分が自由であると感じる、という話。自由を感じるのは決めた後、というところが、なんか良い。

もう一つ印象に残ったのが、犬ぞりの犬は走り始めてからウンコをするという話。それで、犬ってみんなそうなのかなと思ったのが、先日の兜山ボルダーで、山森さんちのキビちゃんが、アプローチを歩き始めた途端にウンチし始めた。山森さんに聞いたところ、やはり動き始めるとウンチするらしい。犬がそうなら、もしかしたら人間もそういうところがあるんじゃないだろうか?

さて、本題の兜山ボルダーは、今回は山頂下のコルのエリア。東面はめちゃくちゃ寒くて途中で動けなくなるかと思ったけど、なんとか復活して頑張って登った。正直言って僕のクライミングは相変わらずぱっとしなかった。しかし、一緒に登ったくさのさんとお話したり、くさのさんのクライミングを見たり、くさのさんにスポットしてもらったりして、学ぶことがめちゃくちゃ多かった。落ちそうなホールドが落ちないように優しく登ることとか、立って手の届くところから自然なラインで登る贅沢なクライミングとか、こりゃマットなんかいらんよなと思わされるスポット技術とか、いろいろ。《ひも》とか《にら》とか個性的なネーミングが有名だけど、課題に名前をつける発想も面白かった。写真の課題を登って名前をつけてて、その名前はホールドの形状に由来するんだけど、登った後に下に降りてくる最中に名前が思い浮かんだそうだ。多分、登ってる間に目に入ってくるいろんなものが、登ってる間は登ることに一生懸命だから情報として処理されず、わずかな時間をおいて下降中に情報が処理され、イメージを結んで、そのイメージから名前がつけられる、ということなんじゃないかと思った。すごい面白い。




この課題は登れなかったので、また行かないと。2023年も終わりかけ。とてもいい刺激を受けた一日だった。

そういえば、くさのさんが山の斜面を駆け下りるスピートは犬並みに速かった。

2023年12月8日金曜日

北秋川ボルダー・2024年12月

 ようやく隙を見て、北秋川ボルダー。対岸の課題の可能性を探った。

乾燥した手に乾燥したスローパーの相性が悪く、全然持てない。ホールドを川の水で濡らしてなんとか前進が可能になった。ちょっと遠いアンダーホールドに右手を出すときの右足のフックのかけ方に工夫ができて、わずかな進歩を得られた。

岩は冷たく、本当ならばもっと暖かい時期に行くべきだが、この岩は夏は結露していることが多い。4月頃がちょうどいいのかもしれない。

何しろ下地がこれなので思い切って動くことができないのが難点である。川を渡って取り付くのもつらい。


最後は川に流されてフィニッシュ。





2023年12月4日月曜日

白岩滝ボルダー

 山森さんと白岩滝ボルダー。

山森さんは《麻生バルジ》をさらっと完登していた。しかも、悪いホールドで耐えることで安定したムーブを選択して。流石である。

その後は、《サンライズ・クリスタル・フェイス》。今回ようやくこの課題の下部のライン取りが定まった。左の顕著なホールドマッチから。そこから、右手左手と出した後に右の遠くて悪いホールドを取りに行くのが難しくて、できるんだけど、捨て身のデッドで良いところを保持するのが難しい。そこで良いところを持たないと、左足のハイステップから左手を出すムーブができない。途中ホールドがパキパキ割れたりして迷走し、二手目のホールディングに2つの選択肢が出てきて、山森さんは左の方の斜めホールドだったら右手がスタで出ると言うんだけど、僕は全然できなくて、右足の書き込み力の不足と診断された。そのムーブを頑張ったんだけど、結局僕の場合は斜めホールドじゃなくてすぐ右の水平ホールドでえいやとデッドで右手を出してうまいところに当たることを願うほうが近道なんじゃないかという話に。ハイステップからの左手だしムーブは左膝が痛い問題との折り合い。



また行かないと。

ところで、左端のカンテの《白岩カンテ》はなかなかいい課題なんだけど、今回、前はそこまでじゃなかったはずの丸い葉っぱの植物が繁茂していた。放っておくと岩は自然に帰るというとても深刻な事態が迫っている。地球温暖化の進行ととともにこの問題は更に深刻なものになるだろう。どうしよう。









ナメクジスラブ2023

ひとりひとりのクライマーがどういうクライミングを追求するかは、クライミングを始めた頃に出会ったクライマーに影響を受けるんじゃないかと、なんとなく思っている。僕の場合は松島さんの存在は大きく、腕が上がらないとか言いながらいつまでも登り続ける姿は、クライマーとしての理想形の一つだ。僕がいつまでも登り続けたいと思っている課題が2つあって、一つは秋川の水滴穿石で、もう一つはナメクジスラブ。どちらの課題も何歳まで登れるかだろうかと考えると、これからのクライミングライフが楽しみで仕方ない。水滴は2022年の冬に登っているが、ナメクジスラブは2020年以来登れていない。敗退した年もあり、登りに行くことさえできなかった年もある。

2023年10月下旬から11月上旬の二日間、ナメクジスラブに取り組み、なんとか完登することができた。ナメクジスラブを何歳まで登れるかチャレンジの記録を43歳に伸ばした。嬉しいことだ。


この冬は久しぶりにフラット・ホワイト・プロジェクトに戻りたい。