2017年6月26日月曜日

ROCK & SNOW #53

先日登った小川山・烏帽子岩本峰西面「ザ・ラストリゾート」の記録を求めて、ロクスノ53号。(2011年)。

○ザ・ラストリゾート
意外とあっさりした記録だった。1P目30m、5.10a。2P目、40m、5.10c。オール・ナチュプロ。新版関東周辺の岩場では、5.10b、5.10cとなっている。お隣の裏烏帽子の「ロケットマン」1P目、2P目の5.10c、5.10aからすると、こちらの方がしっくりくる。


特集 最新!日本のボルダー2011
○旭川周辺のボルダー
フォンテーヌブロー・グレードが採用されているのは、吉田和正さんの影響だろうか?この辺り、不勉強。

○奥日原ボルダー
トリプルダイノ、デューク、己、レインマン。

○小川山・八幡沢上部
左岸スラブの上。

○瑞牆・金山沢ボルダー

○高知・黒潮ボルダー
松風、冒涜の虹、ロマンチック野郎、仁淀川カンテなど。岩の大きさと危険度が関東とは違う。ワイルド。

○広島・戸河内ボルダー

○大分・奥岳川・尾平

○宮崎・日之影・比叡・祝子川


世界の"極難しい"マルチピッチ(前編)
○Orbayu - Naranjo de Buldes, SPAIN
ポウ兄弟。

○WoGü - Rätion, SWISS
WoGü = Wolfgang Güllich。ビート・カマランダーが設定し、アダムオンドラが2008年に完成。一般クライマーにとっては、各ピッチの難易度を示す数字を並べるだけのコメントはなんの意味も持たないと思う。もう少し何か喋れよ、アダム。

○Solo per Vecchi Guerrieri - Dolomites, ITALY
マウリオ・ザノッラ(マノーロ)。グラウンドアップ。

○Eternal Flame - Nameless Tower, PAKISTAN
1989年、ギュリッヒとクルト・アルベルトが数カ所のエイドを交えて初登。2009年にフーバー兄弟が完全にフリー化。

○Dawn Wall, El Capitan, U.S.A
トミー・コールドウェルとケビン・ジョージソンがすでに70日以上を費やしているとの報。その後、2015年になってついにルートが完成したのは周知のこと。濡れた岩にスメアリングしてレイバックで登るケビン・ジョージソンが力強い。

そのほか盛りだくさん。

○ソロクライマー・鈴木謙造の軌跡
数年に一度は読みたい記事。

○クロニクル
◇アレックス・オノルドがThe Phoenix(5.13a)をフリーソロ。

◇小川山・八幡岩「飛翔」
「空宙」(ロクスノ50号)と交差し直上。

◇小川山・八幡大滝右壁「クロスロード」
「さおなら百恵ちゃん」の派生ルートだが、こちらがおすすめとのこと。1P目は15m、5.9。2P目は30m、5.10a。3P目は40m、5.10c。ボルト&ナチュラルプロテクションのミックス。

○高瀑 日本最難の大滝登攀 佐藤祐介

○ラインホルト・メスナー ナンガ・パルバットを語る

○BMC INTERNATIONAL SUMMER CLIMBING MEET 2011 小澤信太

○5.12aでは落ちられない ギャラクシアン

2017年6月24日土曜日

ROCK & SNOW #29

ロクスノ29号(2005年)。

先日登った、と言っても片方は登るのには失敗した、小川山・烏帽子岩本峰西面と裏烏帽子の発表記事を改めて読んでみた。

裏烏帽子は、北山真さんを中心に開拓された。王冠岩の探索に失敗した敗退の最中に発見されたそう。「ボルトの使用も通常の8割程度に抑え、私が初めて小川山で登ったあの頃、80年代前半のテイストに仕上げたつもり」とのこと。もっとも、ロケットマンに関しては、2ピッチ目のボルトは不要ではないかとの意見もあり、僕も、弱点から逸れる強引なラインだと思った。上に続くクラックが脆いのか、汚れていたのか、あるいは一段上に上がるとトラバースに難ありなのか、どんな理由であのラインになったのか、気になるところ。ただ、「花崗岩のあらゆる典型(ワイド以外)を1カ所で味わうことができる」素晴らしいエリアであることは、間違いがない。

烏帽子岩本峰西面は、大岩夫妻を中心に開拓された。「純一がいつものように暇になるとうろうろと歩き回って壁を探しているうちに見つけた」そうだ。同時期にすぐ近くの岩が別のグループによって別のやり方で発見されたのが面白い。この時点では、ザ・ラストリゾートは登られておらず、その初登は2011年まで待たねばならない。何故に大岩夫妻ともあろうベテラン開拓クライマーがこのラインを見過ごしたのか。あるいは、クラックでグレードも高くないので、登るに値しないと判断したのだろうか。現在、トポの上では烏帽子岩本峰西面のナチュラル・プロテクションのルートはザ・ラストリゾートのみだが、なんかようかいもオールナチュプロで登れるとの情報がある

どちらのエリアも、また再度訪れる価値のあるエリアだ。

その他、盛りだくさん。

○日産・エクストレイルの広告
この時期はクライミング界は羽振りが良かったのかもしれない。

○平山ユージによる空知(カラチ)5.14d

○久須美ボルダー・バトルゾーン崩壊の報告
木の根が入った岩はまずい。

○山井泰史・ポタラ峰北壁単独初登攀

○野口啓代インタビュー

○デナリ南壁「デナリ・ダイヤモンド」第3登、ハンティントン南西壁新ルート「志士」 横山勝丘・一村文隆
「『ボルト』。この記述ひとつで、どれだけそのクライミングの旨みが失われてしまうことだろう。それは、ボルトの存在もさることながら、その情報ひとつで、自分のクライミングが制限されてしまうかもしれないからだ。もしそこにボルトがなかったら?登攀終了?ボルトを打つ?バカげてる。ボルトでなくたってそうだ。(例えばトポなどから)与えられた情報をそのまま壁に求める。地形、支点、氷の有無、グレード……。それはもはや壁を登るのではなくて、ルート図を登る行為にほかならない。僕はそんなクライマーになりたくない。」
「海外ではとうの昔に行われていたし、われわれのレベルは遠く世界に及ばない」状況にあった日本のアルパイン・クライミング。それを、ジャンボさんが、一人ではないけれど、世界でもトップレベルの水準に引き上げた。その源となる思いをこうやって読むことができるのは、素晴らしいことだ。

○FATIMA マリの岩峰群

○A DAY IN LIFE 小笠原浩・鏡子

○OLD BUT GOLD 第11回 大聖堂

○クロニクル
瑞牆・カンマンボロン、Xanadu(5.9)、Joker(5.12c).

○登別港のボルダー 吉田和正
いわゆる、アヨロ・ボルダー。多分僕の大好きな岩質、砂浜の平らなランディング、海。味のある手書きのトポを持って、一度は訪れたい。

○「ブラックホークダウン」を登って 柴田MAX晃一

○山口県・霜降山・観音岳ボルダー

○日本の板場を斬る! 甲府ピラニア

○ハードコア人体実験室 第8回 新井裕己
ケトジェニックダイエット

2017年6月20日火曜日

ロケットマン敗退から、親指岩下エリア・ボルダリング@小川山

子連れボルダリングを目論んだけど、子供から多忙と断られ、一人でクライミングに出かけた。これも一種のパートナー難民。

で、未体験の一人でマルチピッチでもやってみようということで、裏烏帽子岩のロケットマン。

前回のザ・ラストリゾートでのソロの反省を踏まえて、ロープを全部ぶら下げて運ぶシステムに変えてみたら、超大変だった。重い、邪魔になる、手間がかかる。

1P目は、プロテクションも渋く、厳しいレイバックとスメアで、両手両足をパンプさせつつオンサイト成功。

そのあとのユマールが下手すぎて、時間はかかるし、疲れるし。この時点で全ピッチの完登は諦めた。降りるかもう1ピッチ登るか悩み、2P目だけは登ることにした。

2P目は、ライン取りに悩みつつ、オンサイト成功。ここで、岩全体が雲に包まれはじめ、寒くて体調はすぐれず、肺炎(あるいは喘息?)の症状もあり、敗退決定。あらん限りの言い訳を探しての敗退は、要は登りたくなかったということだ。

散々なクライミングだったけど、各ピッチのクライミングは力を出し切った良いものだったし、マルチでのソロシステムを経験し問題点も発見できたし、懸案だったトラバースが入るルートでの下降とユマールも経験できたし、一応は2ピッチ登ったのでマルチ初体験ということで、今後につながるクライミングではあった。ロケットマン1P目はとてもいいルートだった。関東周辺の岩場には、岩が脆くて2P目以降は登られていないと書かれているけれど、少なくとも2P目は脆くはないし、登る価値があると思う。他のルートも魅力的なものが多い。それにこのエリアは静かで、一人でユマールでもたついてても誰にも迷惑をかけないので、とてもいい。

敗退後は、キャンプ場までアプローチの下り道を駆け下りて、ボルダリング。トポを持ってきていなかったので、なんとなく課題がわかる親指岩下エリア。思いがけずリカさん御一行とSENさん夫妻に混ぜてもらって、楽しいボルダリングだった。

以前敗退した露岩の3級のスラブは、相変わらず難しかったけど、右手のホールディングをよくよく考えて、解決した。これも、ここのところずっと悩んでいた人差し指問題だった。人差し指を使うためには、虫様筋。今回の課題について言えば、親指の配置によって虫様筋を効かせることに成功したように思う。

最後はフィロソフィーをちょっとだけやって終了。

ついに梅雨入りしてしまい、今後の岩のコンディションが気になるこの頃。

2017年6月13日火曜日

ロープのマーキング

ロープのマーキングの話しです。

ロープソロ・クライミングに際して、ロープにマーキングをしようと思ったんですけど、何を使うかが問題です。

セオリー通りに行けば、市販のマーカーということで、すぐに思い浮かぶのはべアールのロープマーカーです。税込み1620円。
http://www.lostarrow.co.jp/store/g/gBE16085/

しかし、塗るとロープが硬化するという話がありました。
http://daishizen-boys.blogspot.jp/2014/01/2014-01-15-beal.html

さらに、もっと安いでの良いよねって話は当然出てくるわけです。アルコール系のぺんてる・タフネームが良いという記事を目にしました。
http://mountain-equipment.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-7fda.html

ここでNorlys女史から示唆を受けて知ったのが、BlueWaterRopesのコメント。いわく、「昔はsolvent based markerを使ってたんやけどね。今はwater based laundry markerならなんでもええわ。SharpieのRub a Dub(ラバダブ)とか、ええんちゃうん?」
https://www.bluewaterropes.com/faqs/

で、そのラバダブ、何だかよくわからないけど、用途的には上記のぺんてる・タフネームと同じようなもののようです。これ有力。

しかし、僕が最も注目したいのは、もびさんがかつて使っていたという、ポスカ。何が良いって、色が色々あります。1mおきにマークするとして、5mと10mは別の色、とかだと超使いやすそうです。
http://www.mpuni.co.jp/products/felt_tip_pens/water_based/posca/standard/pc_17k.html


ポスカで行こう!

ところで、BlueWaterRopesって、今回初めて聞いたんですけど、何これ?後でゆっくり調べることにします。

2017年6月12日月曜日

ナメクジ周辺から、瑞牆ボルダー

天気がよくわからん週末、キャンプは自粛して、岩へ。

午前中はナメクジ周辺の散策。この森の新緑を目にしたいとずっと思っていて、ようやく訪れることができました。しかし、時宜に遅れた感は否めず、少々薄暗い雰囲気。秋の紅葉を楽しみに待ちたいと思います。

岩探し&掃除を少々。小ぶりな岩をいくつか登っときました。


ナメクジの右の谷を上ったところ。ダブルカンテの挟み込み。SD5級。


右カンテとフェース。マントルまでしっかり悪くていい課題。5級。


その間のこの右カンテも、以前登っています。典型的なカンテ登りでとてもいい。5級。


谷の正面に出てくるこの岩。もやっとしたホールドはあるけど、僕には無理。以前、右カンテを持って、リップに飛びつきスタートで登ってます。5級。

そのあとは、尾根まで上がって岩探し。尾根上はハイボールしかなくて、一人でやるのは憚られました。今度誰かと一緒に登りに来たいですね。なかなかのハイボール・エリアになりそうです。

最後はナメクジに戻って、ナメクジ直上をお試し。一歩前進しかけたところで終わり。いれて来たコーヒーを楽しんで、瑞牆に移動しました。林道を突っ切って、1時間弱。

久々の瑞牆ボルダーはトポを忘れて何が何だかわからず。前からやりたかった十六夜は山形県エリアだったような…という記憶を頼りに上がると、阿修羅がありました。初手が取れず敗退。ポッケが痛いです。それから十六夜。記憶通りに発見したものの、離陸できずに敗退。エリアを移動して、SEN夫妻に出会ってご挨拶し、百里眼を登り、倶利伽羅だかからくりだかの離陸に失敗し、竜王はケツをつけてスタートなのかと頭を悩ませ、終わり。

久々に真面目にボルダリングをやって、自分の弱さを教えられました。記録を見返すと、ここ数年初段の課題は登れてないし、一級も登れてなくて、下手したら2級さえ数年登れてません。ボルダリングがすべてのクライミングの基礎だとしたら、これは非常にまずいです。なんとかしないと。

2017年6月6日火曜日

ジルマ・ルセフ・インタビュー

少し前のことですが、ジルマ・ルセフのインタビューを聞いて、感銘を受けました。

自らを失脚させた政敵のmisogynyを批判し、信頼できる人物ではないと批判し、その腐敗を批判します。

他方で、アメリカ人であるチョムスキーからブラジルは腐敗していると批判されると、お前らに言われたくない、サブ・プライム・ローンを見てみろ、と拒絶します。

内に向けては呵責のない批判を行い、外に向けては批判を拒絶する。しかもそのどちらもが、ブラジルという価値を擁護する一貫した態度に支えられているように思います。

さて、ブラジルという国家を、クライミングのコミュニティに置き換えた時に、何がい
言えるでしょうか?我々はどのように振る舞うべきでしょうか?

2017年6月5日月曜日

白州尾白川ボルダー・キャンプ

前の週にボルダー・エリアの公開イベントに参加した白州尾白川がとても気持ちの良い場所だったので、翌週に早速家族でキャンプしに行きました。

2日目の午後、木立の中に張ったハンモックに子供達が気を取られている小一時間ほど、ボルダリングに成功しました。

頂いたトポを自宅に忘れるという痛恨のミス。岩の場所は大体覚えてたので、見た目の印象でラインを選んで登ります。で、家に帰ってトポを見ると、ほうほう、そういう風に岩を見るのかと、大変勉強になりました。

登ったのは、まずは、玉手箱の25(10級)、19(8級)、リュウグウノツカイ(4級)。

リュウグウノツカイは、登るラインが一目瞭然の美しい課題。ただし、この明瞭なライン上のどこをどう使うかは、見た目ほどには明瞭ではありません。カンテ、凹角、クラックの面白さの一つ。

それから、神蛇岩の烏蛇(2/3級)。左手の薄いダイクがヌメッとしていて、いやらしい。そのいやらしいダイクのホールディングをいかに効かせるかをロジカルに考えて解決できたことは、とても嬉しいことでした。

白州マングース(初段)は、あの左手の甘いホールドで体を引き上げるのかと思うと、マット10枚を要求したいです。あいにく、僕のマットはハンモックの下地。


もちろん敗退。是非とも登りたい課題のリスト入り。

といったところで終了。

前の週は結構暑かったのに、今回は終始涼しく、朝晩は肌寒いくらい。まだまだいけそうです。