リップの一段下の水平ホールドから終了点のカラビナにクリップして終了とすることもできるこのルートをいかに登るかが問題だ。クリップしたら完登というコンペ・ルールを適用すればそれでいいんだろうし、僕らが《スーパー・コンダクター》を登っている時に隣で登っていた強いクライマーの方もそうしてた。
しかし、気持ちよく登るためにはリップはとりたい。なんて考えていた時に見つけてしまったのが、岩と雪154号に掲載された障子岩のトポ。
障子岩南東面 |
小林敏さんが執筆したこのトポを見ると、《デザート・ストーム》は最後で《スーパー・コンダクター》に合流している。
トポのコメント |
コメントを見ると、
やや湿ったガバからスタート。上部はやや甘いためパンプする。終了点は37と同じ。となっており、やはり《スーパー・コンダクター》に合流していたことが分かる。だとすると、この当時は《デザート・ストーム》を登る時は、リップの一段下の水平ホールドからさらに数手をつないで《スーパー・コンダクター》の終了点付近のリップを掴んで終了点にクリップして終了としていたはず。
これを見てしまった以上、リップの一段下の水平ホールドから終了点のカラビナにクリップして終了とするわけにはいくまい。そこで、可能性は2つ。岩と雪トポに従って左にトラバースして《スーパー・コンダクター》の終了点まで行くか、あるいは、いまある終了点に向かってリップまで到達するか。ここは後者を選択して直上するのが、もっとも充実したライン取りではないだろうか。
どうでしょう、松氏?
ところで、話は変わるが、以下の3つの障子岩南西面のトポ。1つ目は100岩、2つ目は上記の岩と雪、3つ目は関東周辺の岩場(だったと思う)。
100岩の障子岩南西面 |
岩と雪154の障子岩南西面 |
関東周辺の岩場の障子岩南西面 |
どれが一番見にくいかは一目瞭然。この中で一番最後に作られたのは100岩。僕は100岩を最初に手にしたのでこれが普通だと思っていたけれど、100岩が最初に出た時にこれを手に取った人は、岩の形状もライン取りもボルトの位置も大胆にデフォルメしたトポのクオリティの高さに腰を抜かしたんじゃないだろうか。
さて、《デザート・ストーム》。次回の本気トライが楽しみだ。思い返すと、前回登った《ショアー》もムーブを作る楽しみあり、絶妙なホールドありと、素晴らしいルートだった。障子岩の11台のルートの質の高さには驚かされる。なんでみんな来ないんだろう?他の人気の岩場はもっと面白いのか?
う~ん、初登者の強い意志が窺えるルート(最低限のボルトしか打ってない低脂肪や、グラウンドアップで拓かれたラベンダーなど)は、全く同じように登る事で彼らが何を考え、何を感じたかを追体験出来るので、とても価値あるクライミングだと思います。
返信削除でも、デザートストームの場合は初登者の意志と言うより、終了点打つの手間だし隣のルート近いから共有しちゃおうと言う合理性の結果ではないかと。今の終了点の方が自然ですよね。
僕もムーブの途中みたいなとこで終わらすのはスッキリしないのでリップを取りに行きますが、そこでカ尽きるとダメージ大きいので、妥協点として終了点にヌンチャク垂らす事にします。
ご指摘の通り、左に抜ける意味はないでしょうね。スティンガーの時もイクイノシシの時もそうでしたけど、僕は必要なくてもマントル返してトップアウトするのが好きなので、リップを目指します。
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