2012年9月30日日曜日

ジェットストリーム

この夏の集大成、松氏とジェットストリームのオンサイトトライを決行すべく、小川山へ行きました。
トライしたのは、《ダーク・クリスタル》、《ジェットストリーム》、《DDT》、《PTA》。


《ダーク・クリスタル》(5.9)
久しぶりの小川山ということで、ジェットストリームの前にアップ。マスター・オンサイト。スラブのスメアリングの感覚とランナウトのメンタリティを思い出して、準備万端。


《ジェットストリーム》2P(5.10b、5.10a)

屋根岩2峰の左肩から取り付いて、特大サイズのダイクをだとってトラバースする個性的なルートで、最高に面白いです。1P目はダイクを手で持ってトラバース。1P目の終了点目前でダイクに乗って、2P目はダイクの上を歩いてトラバース。スリル満点という噂通り、高度感最高のクライミングでした。2P目でルートファインディングを誤り、命を削りました。

1P目は松氏リード、僕フォロー。2P目は僕リード、松氏フォロー。

ムーブについては後回しにして、まずはちょっと厄介な下降について。

下降方法その1
トラバースしてきたルートを逆にたどって取り付きまで戻る
命を燃やして来た道を引き返せるわけがないというこの方の意見に賛成。却下。

下降方法その2
2P目終了点から、クラックを登って上に抜ける
(たぶん)上まで抜けて歩いて降りられます。大きめのカムが必要なのと、登る気力も実力もなかったので、却下。

下降方法その3
懸垂下降
2P目の終了点から蜘蛛の糸のビレイポイントを経由して2峰の最下部まで懸垂下降。50mロープ一本だと、蜘蛛の糸のビレイポイントまで届きません。60mだと届くとか、届かないとか。
今回は、まずはパートナーを蜘蛛の糸のビレイポイントまでロワーして、その後、2P目の終了点の5mほど下にある蜘蛛の糸の終了点まで懸垂。そこでロープを懸けかえて、蜘蛛の糸のビレイポイントまで懸垂。そこから、セレクションの1P目の終了点まで懸垂。蜘蛛の糸のビレイポイントからセレクションの1P目の終了点までは、50mロープ一本でぎりぎり。今回はロープの中心がずれていたので届かず、ちょっと上でロープを外して、クライムダウンしました。クライムダウンは問題なし。左のダーククリスタルの中間の懸垂支点だと50mロープでも余裕ですが、足場が悪いです。セレクション1P目の終了点の方がオススメ。最後は短い懸垂で、地面へ。計4回の懸垂で、下りも楽めるいいルートでした。

ツインロープで登れば懸垂2回で下降できるので、一番楽かもしれません。



では、ムーブについてメモ。オンサイト狙いの方は読まないで下さい。

〈1P目〉

1P目の最初の難所はルンゼを超えて最初のダイクを取るところ。フットホールドは乏しく、かかりの悪いホールドを保持して、一つ目のダイクの右肩をエイヤと取ればOK。リードの松氏も僕も、ムーブが分からずルンゼを行ったり来たり。

中間部は特に難しいところはなく、持久力勝負です。ダイクとダイクの間にジャミングするのがポイント。

2つ目の難所は、最後。左手のかかりの良いサイドホールドから、右のガバのガストンが遠いです。その間には、かかりの悪いホールドがいくつか。スメアリングの足を信じて悪いホールドを右左とつないでガストンを取りに行くのが正解のようです。僕は、左のサイドホールドを持って、右手で悪いホールドを中継して、ガバのガストンにとばして、ぱっつんぱっつんの状態から左手を離して、マッチしました。サイドを持った左手を離した瞬間、振られて落ちそうになりました。ここを越えたらダイクの上にマントリングして数歩で終了点へ。

出だしからずっと足が信用できず、全身に力を入れっぱなしだったので、マントリングした段階で息も絶え絶え。腕は激しくパンプ。終了点まで数歩にも関わらず、その場で10分ほど松氏とお話ししながら休ませてもらいました。


〈2P目〉

1P目の終了点から1本目のボルトが見えませんが、ダイクはしっかりしてるので、特に問題なし。ただ、スリルは満点。

大きなダイクが途切れたところで、本来ならば斜めにクライムダウンして、トラバースし、クラックを登って終了点までたどり着きます。しかし、僕はそれを忘れてて、終了点までダイレクトにスラブを登ってしまいました。このスラブが、乾燥した岩茸がびっしりで、ホールドは皆無のどスラブ。岩茸を払いのけてスメアリングして、なんとか終了点にたどり着きました。10aではないです、間違いなく。終了点で下を見てボルトを発見し、ルートを誤ったことに気付いて苦笑い。フォローの松氏は、正規ルートで終了点までたどり着き、二人揃って完登しました。ルートを誤ったものの、一応完登ということにします。


高度感満点のトラバースを楽しめる、最高に楽しいルートです。ただ、限界グレードが10台のクライマーが挑むと大変なことになりそう。


ジェットストリームを終えて、残った時間で2峰下部のショートルートに挑みました。


《DDT》(5.11a)
下部はフェースっぽいムーブ、上部はスラブとマントリング。下部でちょっと苦戦して、上部のマントリングは《JECCルート》に比べれば全く問題なし。2トライでRP。

《PTA》(5.11b)
11台のスラブはさすがに難しい。実力不足で敗退。このエリアは歩いて終了点まで行けるので、回収の心配がなく安心。








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