2025年4月17日木曜日

ハンドジャムは手の甲の余った皮でキメろ!(仮)

表題の通り、ハンドジャムは手の甲の余った皮でキメろという話をします。 書き忘れていることがあるような気がするし、イラストか写真があったほうがいいような気もするので、(仮)ということで。

以降の話を理解してもらうために、まずは基本的な用語を確認しておきます。関節の名前です。

指の一番先っぽの関節がDIP関節です。指の先から数えて二番目がPIP関節です。三番目は手のひらの中に隠れているもので、MP関節です。ハンドジャムの話をするときにはMP関節が最も重要なので、MP関節を覚えておいてください。

なお、親指だけは関節の名称が他の4本の指とは異なります。親指の一番先っぽの関節がIP関節で、二番目の関節がMP関節です。親指に関してはもう一つ関節を確認しておく必要があって、手首の位置にCM関節があります。CM関節は、指を折り曲げるというよりは、指を振る動きを作ります。CM関節とMP関節の間の骨が、第一中手骨です。なお、親指とその他の4本の指はともにMP関節を持っていますが、ハンドジャムにおいては、親指とその他の4本の指とでMP関節の位置づけが異なりますので、親指に関しては「親指のMP関節」と呼び、その他の4本の指は単に「MP関節」と呼ぶことにします。

それでは、ハンドジャムの話を始めましょう。

ハンドジャムのキメかたには大きく分けて2つあって、その違いは、MP関節を曲げるか、伸ばすかです。1つ目のキメかたは、MP関節を曲げるやり方です。MP関節を曲げると、手を横から見たときに手が「く」の字に曲がります。そこで、このやりかたを「くの字ジャム」なんて言うことがあります。MP関節を曲げるのに使う筋肉は虫様筋なので、「虫様筋ジャム」と呼ぶこともあります。今回の話の要点は、「くの字ジャム」をやめようという話です。 

もう一つのキメかたは、MP関節を伸ばすやり方です。この場合、手首から(少なくとも)PIP関節まではまっすぐ伸びます。これが推奨されるハンドジャムのキメかたです。以下では、なぜMP関節を曲げてはいけないのかを説明します。なお、MP関節を伸ばすハンドジャムにはこれと言って名前がありませんが、私は吉田和正さんからこのジャミングの方法を習ったので、ここでは「吉田式ハンドジャム」と呼んでおきます。 ちなみに、宮下さんは「くの字ジャム」でマーズを登ってるので、強い人は何をしても強いようです。われわれ弱い者がいかにして弱いままでもより良く登るかを考えたときに求められるのが「吉田式ハンドジャム」であると考えてください。

以下では「吉田式ハンドジャム」について述べたいのですが、その前に、例外的に「くの字ジャム」が必要になる場面もあるということも確認しておかなければなりません。その例外的場面とは、手のひらの厚みに対してクラックの幅が広い場合です。ワイドハンドなんて言ったりもします。この場合には、ハンドジャムをキメるのに必要な手の厚みを確保するために、「くの字ジャム」をしないといけないことがあります。ワイドハンドでも「くの字ジャム」を回避するアイデアはないわけではないんだけど、検討中なのでその話はまた今度。

さて、本題に戻って、ハンドジャムにおいてMP関節を曲げてはいけない理由を説明します。ポイントは(1)接地面積と、(2)手の甲の余った皮です。

まずは(1)接地面積から。接地面積において重要なことは、岩と手の甲との接地面積を可能な限り広く確保することです。広い接地面積が必要となるのは、接地面積が広ければ広いほど、手の甲と岩との間の摩擦が増えるからです。ハンドジャムは摩擦でキマります。摩擦が増えると、第一に、力をいれる必要がなくなります。同じだけのハンドジャムの保持力を確保する際に、接地面積が広いと少ない力でよくて、接地面積が狭いと大きな力が必要になります。接地面積を広く確保することで、力を抜いて楽にハンドジャムをキメることが可能になります。それにより、ストレニュアスなクラックでも疲れずに登ることができるし、レストポイントでも楽にレストすることができます。更には、接地面積が広いと岩から受ける圧力を広い面積に分散することができるので、ジャムをキメても痛くないという副次的なメリットもあります。

接地面積の重要性を理解したところで、「くの字ジャム」と「吉田式ハンドジャム」で接地面積がどのように異なるのかを確認しましょう。ここでは2つの要素を考慮する必要があります。(1-1)MP関節とPIP関節との間の領域と、(1-2)手首からMP関節までの間の4本の骨の配置です。

第一の(1-1)MP関節とPIP関節との間の領域については、「吉田式ハンドジャム」はこの領域を接地させることができるため、「くの字ジャム」よりも広い接地面積を持つことが重要です。「くの字ジャム」では、手がMP関節を境にくの字に曲がるので、岩と手の甲との接地面は、手首からMP関節までに限られます。MP関節からPIP関節までの間は、岩から離れています。これに対して、「吉田式ハンドジャム」では、MP関節をまっすぐに伸ばすので、手の甲側の手首からPIP関節までが岩に接します。岩の形状によっては手首からPIP関節まで全部とはいかない場合もありますが、「吉田式ハンドジャム」が「くの字ジャム」よりも広い接地面積を持つことは間違いがありません。これにより、「吉田式ハンドジャム」はより効果的にハンドジャムをキメることができます。

接地面積に関わる第二の要素である(1-2)手首からMP関節までの間の4本の骨の配置については、「吉田式ハンドジャム」では4本の骨が平面上に配置されることが重要です。他方、「くの字ジャム」では4本の骨がアーチ状に配置されます。この違いは、「吉田式ハンドジャム」と「くの字ジャム」の形を作ったうえで手の甲を手首側から観察することによって理解することができます。「くの字ジャム」の場合はその特徴が顕著で、明確なアーチ状を観察することができます。このアーチ状の手の甲をクラックに挿入すると、局面と平面を合わせるわけですから、接地面積はごく僅かなものになります。より正確に言うと、4本の骨のうち、人差し指につながる骨と中指につながる骨の間の三角形の領域が岩に接することになります。

それに対して、「吉田式ハンドジャム」の場合は、「くの字ジャム」に比べるとアーチがゆるくなります。手首の側から見ると、手の甲の平面に近い形状を観察することが可能です。この平面に近い形状により、人差し指につながる骨と中指につながる骨の間の領域から更に薬指につながる骨の方に向かって広い領域が岩に接することになります。なお、「吉田式ハンドジャム」においても、完全は平面にはならず、僅かなアーチを観察できるはずです。しかし、この僅かなアーチは、押しつぶすことが可能です。「吉田式ハンドジャム」の形を作って、手のひらを上に向けて平らな面に乗せ、手のひらを反対の手で押しつぶしてみてください。押しつぶすことで、手の甲がより平面に近づきます。それによって、更に広い接地面積を確保することが可能になります。手の甲を押しつぶして平面に近づける際に重要なのは、手のひらの脱力です。手のひらに力が入っていると、押しつぶそうとしても、4本の指の配置が固定されて、潰れません。手のひらを脱力することにより、4本の骨の配置が固定されず、より平面に近い手の甲を作ることができます。それによって、手の甲と岩との接地面積を広く確保できます。さらに、この脱力は、岩の微妙な凹凸に手の甲をフィットさせることを可能にします。ハンドジャムをセットする手のひらの脱力は非常に重要なポイントで、ハンドジャムはキメようキメようと努力するとキマらず、フッと脱力したときにキマります。ちなみに、ここで、「吉田式ハンドジャム」と比較して、「くの字ジャム」のアーチは堅固で、反対の手で押しても決して潰れることがないことも確認しましょう。

ここまでが(1)接地面積の話で、次は(2)手の甲の余った皮の話です。要点は、「吉田式ハンドジャム」は手の甲の余った皮を使ってハンドジャムをキメめることができるということです。では、手の甲の余った皮の役割を理解するための実験をやってみましょう。

右手でハンドジャムをキメると想定して、右手を「吉田式ハンドジャム」の形にして、体の前で構えてください。そうしたら、左手の人差し指から薬指までの3本の指を、右手の手の甲の真ん中あたりに強く押し当ててください(3本じゃなくてもいいんですけど、3本がわかりやすいのでここでは3本にします)。そして、この3本の指を右の手の甲に押し当てたまま、右手の指先に向けてずらします。最初に起こるのは、右の手の甲の皮のズレです。3本の指は右手の皮膚を滑らず、手の甲の皮を指先に向かって1cmほど寄せあげるはずです。そこから更に3本の指を右手の指先に向かってずらします。そうすると、3本の指が右手の甲の皮膚の上を滑り始めます。このとき、右の手の甲のMP関節とPIP関節の間のMP関節よりの位置に、寄せられた皮が湾曲して溜まっています。3本の指が右手の指先に向かって移動して、この湾曲した皮を押しつぶすときに、引っ掛かりが生じるのを感じてください。ハンドジャムはこの引っ掛かりでキメます。

「くの字ジャム」ではこの引っ掛かりが生じないことも確認しましょう。右手で「くの字ジャム」を作って、同じことをやってください。寄せられた皮はMP関節とPIP関節の間にたまりますが、手がくの字になっているので、3本の指は溜まった皮に触れることなく、MP関節の上から空を切ります。この仕組みにより、「くの字ジャム」では手の甲の余った皮を使ってハンドジャムをキメることができません。

手の甲の余った皮を使う「吉田式ハンドジャム」で注意すべきことが一つあって、それは、クラックに手を入れた位置と、ハンドジャムがキマる手の位置は異なるということです。クラックに手を入れて、手の甲を岩に当て、そこから1cmほど手前に手を引いた位置で、ハンドジャムはキマります。それは、1cmほど手の甲の皮が寄るからです。手を入れた場所でハンドジャムを決めようともがいても、ハンドジャムはキマりません。1cmほど手前に引いたところで、手の甲の皮が寄り、皮の湾曲が生まれ、その湾曲が引っかかって、ハンドジャムがキマります。

以上の、(1)接地面積と、(2)手の甲の余った皮の要素により、「吉田式ハンドジャム」は「くの字ジャム」よりも遥かに小さな力で大きな保持力を生み出すことができます。むしろ、手のひらの力を抜けば抜くほど、ハンドジャムは決まる仕組みになっています。

この「吉田式ハンドジャム」はワイドハンドを除いてどんな場面でも有効ですが、特に有効な場面が2つあります。第一は、シンハンドです。シンハンドサイズのクラックにおいては、「吉田式ハンドジャム」なら、手の甲の真ん中くらいまで手が入れば、手の甲の余った皮を寄せることができるので、さほど大きな力を加えなくてもハンドジャムをキメることができます。それに対して、「くの字ジャム」であれば、虫様筋を最大限に出力して力任せにジャムをキメることになってしまいます。

「吉田式ハンドジャム」が特に有効な場面の第二は、水平クラックです。水平クラックに「吉田式ハンドジャム」をキメると、手首からPIP関節までをベッタリとクラックの上面に当てることができ、広い接地面積を確保することができます。ハンドジャムはしっかりとキマり、痛くありません。他方、「くの字ジャム」だと、岩との接地面は、人差し指と中指のMP関節の膨らみの2点に限定されます。再度、「くの字ジャム」の形を作って、手首側から観察してみてください。人差し指と中指のMP関節がフタコブラクダのように出っ張っていることがわかるはずです。この2点のみがクラックの上面に当たり、ジャムの保持力は弱く、めちゃくちゃ痛いです。なお、ここでもやはり、「吉田式ハンドジャム」をキメるコツは手のひらの脱力であることを確認しましょう。力を抜くとハンドジャムはキマります。

ついでに言うと、手のひらの脱力はシンハンドサイズのクラックに手を押し込む局面でも重要です。手のひらに力が入っていると、手の甲にアーチができ、シンハンドサイズのクラックに手を最大限押し込むことができません。シンハンドサイズのクラックに手を押し込む際には、手のひらを脱力し、岩の形状に骨が自然と沿うようにねじ込んで、脱力したままハンドジャムをキメましょう。

ここまででハンドジャムにおける手の甲の使い方を理解したところで、もう一つの鍵である親指の使い方を確認しましょう。

親指の使い方において重要なことは、CM関節を動かさないことです。もう少し正確に言うと、CM関節を動かしてCM関節と親指のMP関節の間の骨(=第一中手骨)を手のひら側に畳み込む動きをしないことです。ジャミングをキメるため手の厚みを増す効果を期待して第一中手骨を手のひら側に畳み込むやり方がありますが、おすすめしません。

そうではなくて、CM関節と親指のMP関節の間の骨は、4本の指の手首からMP関節までの骨と同一平面にキープするのが望ましいやり方です。この場合、MP関節とIP関節のみを折り曲げ、MP関節より先の部分のみを手のひら側に折りたたみます。

第一中手骨を畳んではいけない理由の第一は、第一中手骨を手のひら側に畳むと、自動的に4本の指の手首からMP関節までの骨にアーチができるからです。手の甲のアーチはハンドジャムをキメる際に妨げになることを思い出してください。アーチができると、接地面積は少なくなり、ジャムはキマりにくくなります。

理由の第二は、アーチができることとの関連で、手の甲の皮が親指側に引っ張られ、皮の余りが少なくなってしまうことです。ハンドジャムは手の甲の余った皮を使ってキメるものであり、皮の余りが少なくなると、ハンドジャムはキマりが甘くなります。

第一中手骨を手のひら側に畳むハンドジャムがとりわけトラブルを起こすのが、シンハンドサイズのクラックです。第一中手骨を手のひら側に畳むことで手の厚みを出そうとすると、親指のMP関節とCM関節の間くらいまでがクラックに入っていなければなりません。それより細いクラックでは、第一中手骨による厚みだしが機能しません。

これに対して、MP関節とIP関節のみを折り曲げ、MP関節より先の部分のみを手のひら側に折りたたむというやり方だと、親指の先がクラックに入ればハンドジャムはキマります。もっというと、更に細いサイズで親指が全く効かなくても、手の甲の余った皮だけでハンドジャムをキメることも可能です。第一中手骨に頼るハンドジャムをやっていると、その技術も使えません。

以上述べたとおり、4本の指についてはMP関節を伸ばし、親指についてはCM関節を動かさず、親指のMP関節とIP関節のみを曲げ、手のひらは脱力し、手の甲の余った皮を引っ掛ける、これがハンドジャムのキメかたです。冒頭で例外を示した通り、ワイドハンドでは「くの字ジャム」に頼らざるを得ない場面がありますが、それ以外の場面ではだいたいこの「吉田式ハンドジャム」のほうがより良くキマりますし、痛くないです。

ということでここで終わりにしてもいいんですけど、ついでにテーピングの話もしておきます。

まず、「吉田式ハンドジャム」をキメる際には、ジャミンググローブは邪魔です。ジャミンググローブは手の甲の余った皮を使うことを不可能にするからです。ジャミンググローブをする場合でも接地面積は重要なので、「くの字ジャム」より「吉田式ハンドジャム」が望ましいことに変わりはありませんが、手の甲の余った皮を使うという「吉田式ハンドジャム」の最大の利点を殺してしまいます。シビアなハンドジャムが要求されるときには、ジャミンググローブはおすすめできません。

また、ジャミング初心者がハンドジャムを学ぶ際にも、ジャミンググローブは妨げになります。手の甲の皮を使う練習ができないからです。さらに、ジャミンググローブは手の甲の保護効果が高いので、力任せの「くの字ジャム」をしても手の甲があまり痛くないので、力任せでないハンドジャムのキメかたを学び機会も失われます。初心者はジャミンググローブは使わないようにしましょう。

そこで活躍するのがテーピングです。「吉田式ハンドジャム」ではテープの貼り方にも工夫をすることができます。最も重要なポイントは、手の甲の余った皮を最大限活用できるようにテープを貼ることです。

まず、「吉田式ハンドジャム」では手首からPIP関節までを岩に接地させることが可能なので、テープはPIP関節の下まで貼りましょう。そのため、よく使われる指の付け根でループを作って折り返す方法は不適切です。単純に、手首からPIP関節下まで一枚のテープを張ってしまいましょう。テープの上端は、PIP関節下に細いテープを巻くことで止めます。親指も同様の貼り方をすることで、フィストまで対応できるテーピングが可能です。

テープを貼る際には、MP関節を曲げた状態で貼る必要があります。その理由は、手の甲の余った皮を潰してしまわないようにするためです。MP関節を伸ばしてテープを貼ると、MP関節周辺の皮が縮んだ状態でテープを貼ることになり、皮の余りが小さくなってしまいます。

テープを貼る順番としては、先に親指に2枚、次に人差し指、中指、薬指、小指の順番がいいです。それぞれに、手首から、4本の指についてはPIP関節下まで、親指についてはIP関節下まで、テープをまっすぐに相互に重なるように貼ります。なお、この6枚のテープのみだと、親指と人差指の間にV字状の隙間ができてしまいますので、最初に人差指のMP関節から親指側の手首にむけて斜めにテープを張っておくと、隙間を埋めることができます。同じように少しずらして中指のMP関節からも貼っておくと、手の甲をより保護することができます。全部のテープを貼れたら、各指に細いテープを巻いて上端を止め、手首に細いテープを巻いて下端を止めます。下端を止める際には、テープはゆるく巻きます。手首のテープがきついと、手首の動きが制限されますし、手首を曲げたときにテープが破けます。なお、ハンドジャムは素手が一番というマッチョな人もいますが、私は痛いのは嫌いなのでその立場には立ちません。

以上で、ハンドジャムの話は終わりです。次回は、「フィンガージャムはなぜキマるのか」という話をしようと思います。

2025年4月13日日曜日

太刀岡山からの転戦。昇仙峡でルーフを見つけて、牙王初トライ

 この日は西條さんと一緒に太刀岡山へ。登る気満々で現地に着いたものの、駐車場はすでに満車。まさかの駐車場敗退となった。


気を取り直して、西條さんと相談しながら昇仙峡ボルダーへ移動。のんびり岩場を見て回っていたら、西條さんのプロジェクトの隣で、岩と岩の隙間にできたルーフを発見。自然にラインが浮かんできて、「これ、やってみたいかも」とその場でトライ開始。ホールドの配置も独特で、ムーブを組み立てる時間が面白い。


ひとしきりルーフを触ったあとは、牙王を初めてトライしてみることに。名前は前から知っていたけど、今回が初めてのチャレンジ。実際に取り付いてみると、ムーブが思った以上に複雑で、いまいち核心が見えない。いろいろ試してみたけど、ムーブの解明に至らずこの日は敗退。


ルーフも牙王も登れなかったけど、西條さんとあれこれ話しながらトライできて、新しいラインも見つかって、充実した一日だった。登れてなくても、こういう日ってやっぱり楽しい。


2025年4月10日木曜日

洞窟ボルダープロジェクトday4くらいから

たまった宿題は片付けていかなければならないんじゃないかということで神戸LOVERSを登って、次に片付けに入ったのが洞窟ボルダープロジェクト@河又の岩場。

3月下旬

洞窟内は染み出しと結露で真っ黒だった。大雪の影響か。外にはスポーツルートに取り組むクライマー1組3名がいた。外の空気はよく乾いていたので、扇風機で風を送れば洞窟内も乾きそうな気配であった。

前回ここに来たときは、《有朋・・・》と交差する穴から右足を抜くのが困難で、抜くと真っ逆さまに落ちていた。今回は左手をスローパーではなくサイドに変えて解決。サイドだと、抜いたあとにニーバーをかける場所を潰してしまうんだけど、別の場所にかけることでなんとかなりそう。体勢は悪くなるけど、頑張れるはず。

ニーバーで左手ピンチを持ったあとに右の遠いカチを右手で取るん。以前はできていたこのムーブができなかった。もしかしたらニーバーの位置が前回と違うからかもしれない。前回はニーバーを途中でかけかえていた。

ムーブの解読に取り組む際には指に巻くテープが重要。右手は、右足を抜く際のアンダーホールドで中指に穴があく。左手は、同じく右足を抜く際のサイドで小指と薬指に穴があく。本当は中指もテープを巻きたいけど、次のピンチが持てなくなるので、巻かないようがよい。


4月上旬

洞窟内はところどころ染み出し。結露は抜けていた。乾燥してコンディションは良好であった。気温は高く、アプローチでは汗をかくが、洞窟内は冷たい風が吹き出て、肌寒いくらい。

前回のセッションで不明だった最初のニーバーからのムーブ探りに取り組んだ。ニーバーで左ピンチを持ったら右足を左の丸棚に戻すと、体が右に倒れて、右のホールドに近づける、そんな仕組みらしい。一つ解決。

そこからニーバーを解除して足ブラで体を反対側に振るんだけど、足を外したときの振られに耐えられない。

しょうがないので、耐えられたと見立てて、その後のムーブ探りに移行した。右足トーフックで右手を出すのは元気なら問題なく、そこから二度目のニーバー。ここはかけどころがわかりにくいので、頑張る。左手を寄せるポイントがわかりにくかったけど、なるべく右。その後の右手のカチへのとばしでかなり悩んだが、ここもまた、右足をはずと体が右に倒れて、ニーバーがより良く効く、という仕組みらしい。ニーバー難しいよ。

右カチをもったら、ルーフの下に潜っていくんだけど、左手を出すムーブが不明だった。ここは以前一度できたような気もするんだけど、何も覚えてない。

左手を持てたら、三度目のニーバーで左手を送って、四度目のニーバーで右手もルーフ奥に。そこから右に出てくる。という感じ。

二箇所のブランクセクションを残してしまったけど、進歩があった。

テープはやっぱり大事。ニーバーのあとのピンチで左手の中指第一関節上左側に穴があく。人差し指第二関節上左側にも穴があく。結局、左手は全部の指にテープ。右手は中指。

また今度。


2025年4月6日日曜日

久々のスポーツルート@太刀岡山・小山ロック

 ものすごく久しぶりにスポーツルートを登った。太刀岡山・小山ロック。山森さん、村井さん、養蜂家さんと一緒。

スポーツクライミングを真面目にやっていたのは10年くらい前で、そのころは秋から春は奥多摩・秋川でスポーツルートをやって、夏は小川山でスラブをやっていたので、スポーツルートのシーズンに山梨に登りに行くという発想がなかった。さらに、その頃は太刀岡山の小山ロックは大人気の岩場で、行ってもルートに行列ができていて待ち時間が長いから楽しくないだろうという判断もあった。今回、初めて行ってみて、小山ロックは左右のルートが近くて隣のルートを登っている人がいると登れないので、当時の判断は正しかったのだろうと感じた。もっとも、今となっては小山ロックの訪れるクライマーは少ないようで、快適に登れるようになっているそうだ。

前日の雨により快適にアップとして登れそうなルートは限られていて、最初に取り付いたのは《チェリーブロッサム》(5.10b/c)。これは厳しかった。ボルト一本目あたりがかなりシビア。上部は苔で汚れているけど快適なスラブ。テンション混じりでチェーンへ。岩の上に立って終われるので、天気の良い日に登ったら気持ちいいと思う。グレードは怪しい。

それから、《ルートキラー》(5.11c)。これは難しかった。特にボルト5本目(6本目だっけ?)のあたり。左から入るとクリップは容易だけど、向きの悪いホールドにクロスで出して耐える事になりそう。右から入るとムーブはより素直になるけど、クリップが厳しい。3回やって、登れなかった。

なお、この日はめちゃくちゃ寒くて、コンディションは最悪だった。登り始めてまもなく指先の感覚がなくなって、ダメ。テンションかけて指先を温めて、各駅停車のクライミングになった。そして、登り終わって地面につくと、指先が温まってくる。ところが、ビレーと休憩してる間に指先が冷えて、冷えた指先の登り始めて、すぐに感覚がなくなって、ダメ。地面に降りると温まる。この繰り返し。登り始める前に指先を温める方策を考えないといけない。

また今度。

2025年3月16日日曜日

神戸LOVERS・4日目&5日目

 神戸LOVERS、4日目。山森さんはスポーツルートをバシバシ登ってた。

まずは前回失敗した後半1/3の繋げから。ナイスなレストポジションを発見して、成功した。その後、3/5の繋げにも成功。さらに、クライムダウンセクションでレストスポットに向かって斜めに真っ直ぐ降りて一挙に5手くらいショートカットするナイスなムーブを発見した。完登に向けて大きく前進。

最後は、序盤の厳しいセクションのムーブをコネコネして、染み出しホールドを回避するムーブを考えた。左手で持ってたアンダー近くのサイドプルを右手で、上のコブを左手、右手をひとつ先のアンダーへ、左手アンダー寄せ、右手右下、左手クロス。うまくいくかどうか、よく分からない。



5日目。

中間部のムーブ確認を兼ねてアップして、スタートからトライ開始。一回目、前回確認した序盤のムーブがうまく機能して、最終レストポイントまで到達した。そこでのレストで我慢しきれず飛び出して、左手のナイフブレード、譲り合いマッチ、左手ローズムーブからサイドに持ち替えまでいったけど、右手を出す態勢が作れず、出してはみたものの案の定2本指ポッケにはささらず、ドボン。譲り合いマッチは右手の保持力がないと耐えられないので最後に右手を休めて核心部に突入したんだけど、やっぱり2本指ポッケを指すには左手の保持力が残ってないとだめみたい。あと、レストすればするほど足がヨレてきて、我慢できない。およそ60手目でのフォールはメンタルに響く。

1時間ほど昼寝しての二回目、序盤のセクションでなぜか指先の感覚が失われて、途中のレストポイントで首に手をまわして感覚の回復を図りつつ、最終レストポイントに到達した。前回よりも長いレストを意識して、最後は左手の回復を意識して、核心部に突入して、左手のナイフブレード、譲り合いマッチ、左手ローズムーブからサイドに持ち替え、で、2本指ポッケに捨て身のデッドがささった。一回目のレストは3分くらい、二回目のレストは4分くらい。我慢のレストが効いたみたい。


ということで、プロジェクトは完登。名前がないと不便なので、とりあえず神戸LOVERSを課題名ということにする。読み方は、「かのとらばーず」。

左から右のトラバースを登ったので、必然的に右から左のトラバースが課題になるんだけど、ひとまずは別の岩場に向かうことにする。そのうち戻ってくるかも。


2025年3月11日火曜日

鏡餅スラブ・その裏のチムニー

若手一流B面クライマー奥平さんと、昇仙峡。かねてより懸案であったセンチュリーバレーの鏡餅スラブを登りに行った。前回はちょうど1年前、1本目のボルトに決死の覚悟でクリップして、立ち上がったところで断念したのだった。

今回は、トップロープで確認することにした(妥協してゴメンナサイ。ほうぼうに宿題を大量に抱えていて、そろそろ解消していかないと)。左から岩の上に回って、終了点に最適な木からロープの切れ端で支点を下ろすこと8mくらいか。そこから60mロープで懸垂して、地面まであと1m。ということは、地面から木まで39mくらい?

地面から12mほどのところの松の木の一段下の右のテラスをビレー点とした。1本目のボルトがビレー点から8mくらい上なので、間にカム。奥平さんがZ4(だっけ?)の青いのを入れといてくれた。フレアしたクラックで、ちょっと不安。もう一つ小さいサイズでもいいかもしれないなんて話をした。2本目のボルトの左にはキャメ赤が入る。なお、ボルトはいにしえのRCCなので、できるだけカムでバックアップを取りたい。

一回目、一本目のボルトのところに立ち上がって、このルートに特徴的なダイクをこねくり回していたら、薄いダイクが吹き飛んだ。トップロープで良かった。その後も、テンション混じりで、ムーブが可能であることを確認した。

二回目、迷ったけど、奥平さんがもうやらないというので、じゃあこの際ということでリードした。久々にめちゃくちゃ緊張したけど、完登。なお、Z4の青はプリプレースで登った。キャメ赤は登りながらセットした。どうせボルトを使うんだから、カムはプリプレースでいいんじゃないかと思う。登りはすこぶる面白い。小川山あたりに出しても恥ずかしくない。ビレー点までの12m程はブッシュまみれだけど、そこから先は車道から見上げる通りのスッキリしたスラブになって、素晴らしい。

残る課題はボルトレスのオールNPでの完登だけど、我々はしばらくやらないので誰かやってください。

なお、アプローチは、センチュリーバレーに入ってすぐ左に上って、メゴスの左のルンゼを上がる。木に残した白テープが目印。

ということで首尾よく鏡餅スラブを登ったので、次は右裏のワイドを登った。こちらは優しすぎたようで、奥平さんがアプローチシューズでオンサイトしてた。終始8番サイズ。



最後は移動してナメクジスラブ。行くたびに苦労するし敗退したりもする課題で、何歳まで登れるかチャレンジ中なので、いつ行っても何度行っても楽しい。今回は1時間位で登れた。左足のいかにも使いたくなる凹みの右上のL字型の凹みを発見できたのが良かった。ここはいつ行ってもどこを踏むかわからなくなるので、メモしとく。たぶん次行ってもわからなくなるけど。あと、右足を上げるときに結晶をおさえる左手の中指が破けたので人差し指(だっけ?薬指だっけ?)に変えたのも良かった。ともかく、ナメクジスラブ自己最高齢記録を44歳と5ヶ月に更新して、最高だった。







2025年3月10日月曜日

神戸LOVERS(仮)、3日目までの様子

 神戸LOVERS(仮)のこと。

初回は随分前、雨の日(だったか雨後だったか)にヅッカーさんとスポーツルートを登りに行って、岩が濡れてたのでスポーツルートは早々に諦めて、トラバースでもやるかって始めた。このときは、左から右トラバースの最終局面に手を付けて、ヅッカーさんは後半1/3位をつなげてたような気がする。

最近になって2回目。最高気温は17度、木漏れ日、微風で、最高のボルダリング日和だった。全体のムーブ確認で、左から右まで全部つなげることは可能であることがあることがわかった。全部で約70手。65手目くらいの2本指ポッケへのデッドが核心か。長袖肌着と半袖Tシャツ。

で、第3回。大雪の数日後、染み出しの様子を確認に行ってきた。染み出しは序盤のホールド一箇所のみ。雪解けの水がまだ下まで届いていないのかもしれない。濡れていたのは序盤の核心部のホールド。長い目で見ると、このホールドを使わないムーブを作っておいたほうがいいかもしれない。気温は最高気温は10度、木漏れ日、時々東からの強風で、結構寒かった。長袖肌着、半袖Tシャツ、ネルシャツ。レスト中はダウンジャケット。中盤1/3でウォーミングアップ。ここは落ちはしないけど、最適化が必要。後半1/3のつなげを試みて、核心の2本指ポッケへ手が届かず失敗。


またこんど。


2025年2月21日金曜日

バイソン周辺三たび・《木だけに気になる、なんてね》、逆さまカンテ

 ガミケンさん、西條さんと山頂ボルダー。

今回はともだちの側から登った。ともだち周辺でアップして、ガミケンさんはともだちの岩のラインを登ってた。

それから、後ろの木が気になる課題を登った。《木だけに気になる、なんてね》ってことで。

で、大きく移動して、逆さまカンテへ。前回到達したマッチからの一手がわからなかったけど、ガミケンさんのナイスアドバイスにより解決。ホールドを持ったら引くことが必要らしい。ただ、この一手を出してもその次に動けない。ガミケンさんはそこも楽々とこなしていた。


最後にフィンガークラックを登った。ガミケンさんが端正なジャミングで一抜け。私が力任せのレイバックで続き、最後に西條さんが締めた。最高だった。


また今度。



バイソン周辺再び・ダブルカンテ・逆さまカンテ

 山森さんとバイソン周辺再び。

少ないアテンプトでプロジェクト完登を目指す山森さんは昼頃到着するということで、先にエリアに上がって、前回目をつけていた丸っこいダブルカンテに着手した。

デッドでバシバシを数手で、行き詰まった。岩自体はそんなに大きくないんだけど、下地が斜面で、落下距離がそこそこ。万一斜面を滑り落ちると崖で、緊張感が高まる。

あーでもないこうでもないといくつかのムーブを試していると、山森さんが登場した。ムーブについて意見交換して、山森さんは少し離れたプロジェクトに向かった。

右手を出すか、左手を出すか、何度か両方を試して、左カンテの奥のV字状ホールドに狙いを定めた。ブラインドホールドへのデッド。なんとかホールドを捉えたものの持ちどころが悪かったアテンプトでは、強引に右手を頂点に伸ばしたが、そこから動けずフォール。斜面に敷いたマットでバウンドして、一段下にとばされ、ヒヤリ。次のアテンプトでブラインドホールドの良いところに手が届き、完登。上の方にガバがあるねと山森さんが言ってなかったらアウトだった。このガバもブラインド。一か八かで手を伸ばしたら指がかかって、岩の上にずり上がったら、プロジェクトの山森さんが見え、完登の喜びを叫んだ。

この課題、今の実力にマッチしていて、良い取り組みができた。掃除は木の棒につけたブラシで。棒が届かないところは掃除なし。苔まみれのカンテで中継したり、ビクトリーガバには落ち葉が積もっていたり、グラウンドアップの難しさに負けずに登れた。次に登る人(いれば)は、自由に掃除してください。

午後は山森さんPの横の逆さまカンテ。前回は逆さまムーブでヒールをかけていたブロックがごっそり落ちて、振り出しに戻ったのだった。ヒールがかからなくなって一気に難しくなってたけど、ピンチフックでギリギリムーブができることが確認された。

また今度。


2025年2月10日月曜日

スクワマとジェネレーターミッドのリソール

 もっとかかるかと思ってたら数日後には到着したので、前回また今度って書いたもう一足のスクワマとジェネレーターミッドの話し。

こっちはバーチ。

12月13日:発送

12月16日:到着連絡

14日に到着、現状確認&見積もりまで一ヶ月くらいとの連絡

1月10日:見積もり

スクワマは、基本リソール6,700円と両足のトーパッチの接着660円×2で、8020円。安い。なお、ソール中央の穴はなし。

ジェネレーターミッドは、基本リソール6,700円のみ。安い。

1月12日:決済

クレジットカード。

2月6日:発送連絡

2月8日:到着

こちらの発送から戻ってくるまで、約8週間。

見たところ、出来は良い。ただ、こういうところの処理は凜靴のほうが丁寧なように見える。


左が凜靴、右がバーチ。機能の点でどうかはわからない。

2025年2月4日火曜日

スクワマのリソール

ずいぶん久しぶりにクライミングシューズをリソールに出した。

スクワマのリソールを凛靴さんにお願いした。 

 もう一足のスクマワとジェネレーターミッドも同時に別の業者に出したけど、そっちの話はまた今度。

12月13日:発送

12月14日:先方からの電話で見積もり確認

翌日対応はありがたい。ソール真ん中の穴あり、脇のノーエッジなしで、8690円。安い。

12月14日:銀行振込で支払い

2月3日:到着

こちらの発送から戻ってくるまでの期間は7週間と半分くらい。充分な速さ。

見た感じは素晴らしいでき具合。岩を登るのが楽しみだ。

近々、久々にナメクジスラブに行って、早速ソールをすり減らしてこようと思う。




2025年1月19日日曜日

バイソン周辺

 ガミケンさんに案内してもらって、山森さんとバイソン&その周辺。

バイソンは難しかった。


その下の岩の左のコーナークラックを登った。

で、その右の被ったカンテ。足が悪いって言うので、バイソンスタートでできるんじゃない?ってことでああでもないこうでもないとやってたら、できそうになった。ミラクルなライン。ガミケンさんはトップアウト寸前まで迫ってたけどヨレて落ちてた。




で、そのあとグラついていた巨大なブロックがおちた。今後どんなムーブになるかはわからない。なお、巨大なブロックが右足の親指にヒットしたけど、いまのところ問題はなさそう。それより、白岩滝のカンテの落下衝撃を受けた膝が瀕死。

終日陽当り最高、眺望良し、課題は無尽蔵、徒歩40分という好条件で、最高だった。秋川にもこんなところがあればいいのに。




2025年1月14日火曜日

白岩滝ボルダー・麻生グルーブ(仮)の完成と、カンテラインのひとまずの完登

 山森さん&キビちゃんと、白岩滝ボルダー。

まずは手前のサンライズ・ボルダーで、山森さんが《麻生グルーブ(仮)》を登った。前回はリップに手が届いて大いに可能性を感じさせるセッションがあり、今回は早々にリップをコントロールして、下からつなげてのトライにも成功。課題を完成させていた。すごい。


この課題のいいところは、壁にあいたポケット。いかにもホールドとして使ってくださいと言わんばかりの奥深いポケットを本当に使って登るのがめちゃくちゃいい。サンライズボルダーにまた一ついい課題ができて嬉しい限りだ。残るは、サンライズ・クリスタル・フェイスの左スタートバリエーションと、リップトラバースと、(たぶんやらないけど)左面か。背後の岩もあり。

それから、上のヘンプ・ボルダーまで上がって、僕がカンテラインに挑んだ。前回はリップに手を出す態勢を整えられなかった。デッドで出すことはできるけど、失敗すると左に大きく振られて落ちることになりそうで、しかも次のホールドは見えづらくほとんどブラインドになる。できればスタティックに手を出す態勢を整えたい。

で、いろいろやってみて、山森さんがナイスなホールド&ムーブの提案をしてくれたおかげで、スタティックにリップを保持することに成功した。上部は蔦を使ってトップアウト。個人的にはクライミングにおいて木や蔦は使っていいと思ってるのでこれでひとまず完成。バリエーションとして蔦なしバージョンもあってもいいので、いずれロープを使ってムーブとホールドを探りに行きたいと思う。今は、緊張感を保ってこの課題を登れたことを喜びたい。掃除とホールド探しで一度ロープにぶら下がってるから、主観的でわずかな満足だけど。



追記

《麻生グルーブ(仮)》は、《ワームホール・パッシン》と命名された。パッシンはpassin'とリップを叩く音のダブルミーニングで、アクセントはシにあるそうだ。グレードは7b。


サンライズ・クリスタル・フェイスの右下スタートは7a+。

2025年1月9日木曜日

甲府の岩場にはじめまして

陽当たりが良くて暖かいともっぱらの評判の甲府の岩場に行った。山森さんと村井さんとキビちゃんと一緒。

ここはスラブが多いらしい。《アラベスク》に備えてスクワマビーガンを買ったので、スラブで試してみようというのが今回の趣旨。

駐車スペースから徒歩10分の至近でアクセス良好。前回の御前山砦とは大違いだ。

まずは、たぶんCエリアの真ん中あたりの複合カンテ状スラブ。なんだけど、ここで早速トラブル発生。スクワマビーガンが片方見つからない。しょうがないからTNプロで登った。ルートは、カンテをどう使うかが悩ましくて面白い。たぶん5.9くらい。FL。TNプロは柔らかすぎて極小エッジに負ける。

それから、その左のリングボルトをトップロープ。たぶん5.10くらい。

で、たぶんDエリアの馬の背状ルート。背を越えるラインの採り方が悩ましくて面白い。たぶん5.10くらい。FL

ここで、一旦車にもどってスクワマビーガンを持ってきた。

そのあとは、たぶん馬の背の左にあったRCCボルトのルートをトップロープ。二本目の左ボルト直上は無理だった。右のボルトに寄って登った。二本目の左ボルトは打ってはみたものの不可能だったということじゃないかと、山森さんの弁。

次は、村井さんが《デザイア》(だっけ?表記は知らない)をやってた。スカスカフィストとの格闘がめちゃくちゃ面白そうだった。僕は今回はスラブのつもりで来てたので触らなかったけど、次に来たらやりたい。

ここで、山森さんは行方不明になったキビちゃんを探しに行った。

さいごは《ミ・アモーレ》(だっけ?表記は知らない)。人気のルートらしいけど、その理由を容易に理解できる面白さだった。たぶん5.10くらい。OS。

スクワマビーガンは硬くて最初は違和感があったけど、履きなれるといいんじゃないかと思う。1サイズ小さいスクワマと違って、スラブを登っても足が痛くならない。

なお、岩場はちゃんと寒かった。気づいたんだけど、陽当りがいいと言っても、体の半分は必ず日陰。



2025年1月1日水曜日

第三回・御前山砦ボルダー

 初回は一人で岩探し。手前の小ピークの小ぶりなボルダーを登ったのだった。

小ピークボルダー

左は結構いい課題。右の課題は石にノーハンドスタート。


第二回はiwa-rockさん&ジョシュ君と。

ここでトラブル発生。手前の小ピークの小ぶりボルダーの左課題のフットホールドがスコンと抜けて、顎を岩に強打した。左課題はこれで大幅に難易度が上昇した。

消えたフットホールド

メインのエリアでは、ルーフの左手の岩の左寄りの課題と、その右のビーストメーカーみたいなカチスタートの課題を登った。なんかしらんけど、初手を右手で出すか左手で出すか、僕とiwa-rockさんで逆だった。

ビーストメーカー

そして第三回、山森さんと。

まずは手前小ピーク小ボルダー。山森さんは左課題を右抜けで登っていた。確かにそのラインも良い。勉強になった。僕は登らなかったので、左抜けはまた今度。この小ピークボルダーはアプローチの休憩にちょうどいい。

小ピークボルダー左・右抜け

で、メインエリア。

まずは手前のハイボル壁から。左の方の課題は難しいみたい。で、右寄りの課題をやった。前回まで上に木が乗ってたけど、今回はそれがなくなっていた。ありがたい。しかし木が乗っていたところにたまった砂が流れ落ちてきていて、ホールドはジャリジャリで、トップアウトは不可能だった。

なくなった木

とりあえず、途中のガバまで山森さんが登った。僕は敗退。右足のひねりで膝が痛むので、ひねらない登り方を習得しないといけない。またこんど。次回はロープを持っていく。

なくなった木の下課題

それにしても、陽当り最高で、最高だった。

それから、更に上へ。山森さんはビーストメーカーをさらっと登ってた。強い。僕は本題のルーフ。ああでもないこうでもないとホールドをこねくり回して、やっと下部のムーブを発見した。初手はキャンパ、それから右足を添えて右手寄せ。多分ここで落ちる。落ちなかったら、右足ヒールを右手のスタートホールドにかけて、右手クロス。そのまま左手を先に。右足ヒールをかけかえて、左手をとばし。右足でフットホールドを踏んで、左足トーをかけて、右手を寄せる。みたいなかんじ。

このプロジェクトを大筒ルーフPと呼ぼう。


大筒ルーフP

なお、大筒ルーフPは北向きで陽が当たらない。そして爆風の抜け道になっていて超寒い。上部は掃除が必要。次回はロープを持っていく。またこんど。

白岩滝ボルダー・上の岩とか

某日、山森さん、飯塚さんと白岩滝ボルダー。山森さんと飯塚さんはサンライズ・クリスタル・フェイス右下スタートをやってた。盛大にホールドをぶっ壊してた。僕はサンライズ・クリスタルフェイス・左下スタート。めちゃくちゃ難しかった。あとでビデオを確認したら、動き出しで脇が開く弱点が思いっきり出てた。


また某日、山森さん、村田さんと白岩滝ボルダー。

山森さんはサンライズ・クリスタル・フェイス右下スタート、村田さんは麻生バルジをやってた。僕はちょっと応援したあとで、上のボルダーへ。

上のボルダーの本題はカンテなんだけど、まずは易しいほうからということで、4本登った。あとから山森さん&村田さんも合流。さらに飯塚さんも登場。賑やかでよい。山森さんはサンライズ・クリスタル・フェイス右下スタートを完登したそうだ。すばらしい。村田さんは麻生バルジに敗退したそうだ。強かったけど。

山森さんと村田さんは上の岩の左面右側のSD課題をやってた。惜しくも敗退でまた今度。本題のカンテは最後にちょっと触っただけ。

上の岩をヘンプ・ボルダーと呼ぶことにしょう。


さらに某日、山森さんと白岩滝ボルダー。

まずはヘンプ・ボルダー。山森さんは左面右側SD課題を完成させていた。下部の核心を越えるとあとは易しそうだけど、結構高い。ナイスクライミングでした。


僕は本題のカンテ。上部まで到達したけど、リップに手が出ず、敗退。上部左手取りは左足の乗り込みで、リップ取りは右足で同じことか?またこんど。

帰り際にサンライズ・ボルダー。麻生グルーブをやったけど、やっぱりピンチが強烈。山森さんは左手穴&右ピンチからリップに手をかけてた。すごい。


山森さんが麻生グルーブのかっこいい写真を撮ってくれた。遺影にしたい。


とりあえず、ヘンプ・ボルダーの裏面&左面の課題。




A 《裏面スラブ左》 裏面スラブの左のカンテ状ホールドを使って登る。Font 3くらい

B 《裏面スラブ右》 裏面スラブの右のカンテ状ホールドを使って登る。4くらい。

AとBの間の狭いスラブは掃除不足。

C 《グレートルーフ》 左面左のクロワールからグレートルーフに向かう。結構面白い。5くらい。

D 《第一バルジ》 グレートルーフ右のバルジを登る。結構面白い。

E SDスタート。

DとEの間のバルジもあるかも。