2013年2月24日日曜日

障子岩で《ホールインワン》に触れた

障子岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。

三池ロック

超絶に調子が悪かった。これまでで一番悪かったような。前にも調子が悪かったことがあったと思ってブログを見返してみたら、第一回氷川屏風岩の時だった。その時と今回で共通するのは、2日前にハードなトレーニングをしていたこと。2日前は広背筋を鍛えるトレーニングとランジの練習で、この日は上半身が全部ばっきばきでした。加えて、先週に引き続き風邪気味で、身体は重かった。こうなると心理的にもブレーキがかかるようで、いまいち気持ちも乗らなかった。さらに、この日の目標を11aオンサイトとしていたところ、候補と考えていた11aのルートのコンディションが悪く、より一層気持ちがダウン。取り付いた11aはルートが判然とせず、ますます気持ちがダウン。最後に面白いルートに出会ってちょっと回復したのが、唯一の救いでございました。

以下、記録。


《ぺっぺっぺの羽田さん》(5.10a)

まずはアップで《ぺっぺっぺの羽田さん》。2回。


《体型だけでイレブン》(5.10c)

さらにアップでいつもの流れ、《体型だけでイレブン》。


《指切りケンちゃん》(5.11a)

もひとつ、《指切りケンちゃん》の再登を試みて、失敗。上部の核心ムーブができなかった。これは苦手。核心ホールドがめちゃくちゃ遠い。同じくらいのリーチの松氏は余裕なのに、僕には遠い。また今度。

こちらは松氏による《指切りケンちゃん》の様子。


ここで、5.11aオンサイトの対象を探りに、南西面へ。候補として考えていた《オフローダー》はコルネが氷結。《ロリータ桃子》は出だしが湿っぽい。《フィフティ・ストーム》は見たところコンディションに問題はなさそうだけれど、オンサイトトライは調子がいい時の方がよさそう。松氏のタバコ休憩中にさらに三池ロックも偵察。こちらは右半分はいいコンディション。お昼頃は岩には木漏れ日が当たる。ということで、三池ロックに移動。


《OB》(5.11a)

まずは、《OB》にオンサイトトライ。このルートも、《指切りケンちゃん》と同じくトポの記載と現状が一致しない。100岩のトポによると、3本目のまでのボルトは左の《ホールインワン》と共通で、そこから右に移って、ボルト1本で、終了点まで。現状は、直上ラインが出来ているようで、下から独立のボルトが打たれている。今回はトポに従って、3本目までは《ホールインワン》、そこから右に移るラインでトライ。

行きつ戻りつしつつ、3本目のクリップまではすごく頑張って到達。そこから右にトラバースした辺りで上方向にホールドが見当たらず、力つきて終了。

よくよく観察したけれど、3本目から右に移るラインにはホールドが見当たらず、無理っぽい。2本目から右にトラバースするラインは手頃なホールドが繋がっていて、これは自然なラインに思える。しかし、ホールドに導かれてトラバースすると右のルートの終了点に到達せんばかりの勢いで接近してしまう。しかも、岩と木の狭い隙間をすり抜ける形になる。ということで、ルートが判然としない。左の《ホールインワン》に対して右の《OB》というルート名からすると、これでもいいのかもしれないが、どうだろう?2本目から右に移る辺りは、リボルトの際にボルト位置が変わったのかもしれない。

下に打たれたボルトをどう理解すべきかもよく分からない。やはり直上ラインが作られたということか?グレードは?事情をご存知の方がおられましたら、教えていただけると幸いです。


《ホールインワン》(5.11c)

よくわからないので《OB》はまた今度ということにして、左の《ホールインワン》をトライ。松氏はけっこう苦労していたけれど、ムーブは解決。僕はムーブ起こせず。2つのムーブが遠くて苦手。

《ホールインワン》の核心部


○猫背
《指切りケンちゃん》と《ホールインワン》のムーブが苦手なのは猫背のせいではないかと、自己診断。猫背だからホールドが遠い。次回は、胸を張っていこう。


○岩場
三池ロックの右側は綺麗なフェースで、しみ出しもなく状態はいい。お昼頃には岩に木漏れ日が当たるが、ビレーヤーは風に吹かれて寒い。ビレー中に身体が冷えてしまった。左側はかなりハングしている。全面的に苔っぽい。

障子岩南西面はしみ出しと氷結でコンディションの悪いルートが多い。巨大なつららが垂れていて危険なルートもあり。ラップも氷結。南面の《ウッシー》と《ボディーウェイト》あたりは状態がいい。ここは朝日が当たる。


障子岩でいろいろ

48さんと障子岩でクライミング。

暖かい障子岩・南東面

いつも通りポカポカでした。

48さん、《ぺっぺっぺの羽田さん》(5.10a)、《ジェラシー》(5.10d)をオンサイト。さすが。僕も再登。


次に、《熱中症》という凶悪な5.9に取り付いて、48さん、落ちてました。5.11台後半を登れるクライマーが落ちる5.9ってあり?僕は必死で再登。

それから、上の階に上がって、《スーパー・コンダクター》(5.11b)。さすがの48さんもRPできず。僕も再登できず。また今度。

《スーパー・コンダクター》と《デザート・ストーム》の終了点のスリングを少々整理して、早めに終了。

48さんに障子岩の暖かさを体感してもらって、満足満足。「湯河原を超えた」とのお言葉をいただきました。



2013年2月18日月曜日

障子岩で《デザート・ストーム》をRP

「初段クライマー(笑)」です。こんにちは。

いつもどおり障子岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。

この日は某所ボルダーの開拓に乗せられたsghr師も。まずはsghr師を神戸ボルダーにデポ。そのあと僕と松氏は障子岩で《デザート・ストーム》を午前中にRP。それからsghr師をピックアップして、午後は開拓。という予定。

この日の障子岩は、朝から2パーティー4名、僕らが撤収するお昼頃にさらに1パーティー2名、計3パーティー6名の大盛況でした。

障子岩南東面

いつもより寒い朝。ダウンジャケットを着込んでアプローチをこなしても、身体が温まらない。心拍数は上がるんだけど、筋温は上がらず、大きく息をするとキンと冷えた空気が肺に入り込んできて、身体は冷えるばかり。しょうがないので、岩の周りの斜面を散歩して、アップ。ようやく汗ばんできたところで、クライミング開始。

岩の上は暖かい。信頼と実績の障子岩南東面。


《ぺっぺっぺの羽田さん》(5.10a)

前回は上の階の《体型だけでイレブン》(5.10c)でアップしようとして失敗して3回も登ることになったので、今回はその反省を活かし、《ぺっぺっぺの羽田さん》から。ガバで快適。障子岩のアップはやっぱりここから。


《体型だけでイレブン》

次は、《体型だけでイレブン》。カチとポケットで指への負荷が意外と高いので、アップ二本目がいい。フリフリして登って、温まってきた。


《スーパー・コンダクター》(5.11b)

次は、前回は再登に失敗した《スーパー・コンダクター》。中間部からフットホールドを覚えておらず、思い出しながらのクライミング。リップをとったところで足が切れてヤバかったけど、なんとか再登。


《スーパー・コンダクター》を登ってて気付いた。岩が冷たい。終了点にクリップした段階で指先の感覚はなくなっていた。空を見ると、だんだんと薄曇りになってきていた。風もあって岩は冷たい。


《デザート・ストーム》

アップも済んだところで、この日の目標である《デザート・ストーム》へ。

まずは松氏がトライし、この日の1便目で見事RP。さすが。となるとプレッシャーがかかるところ。「事前にムーブを固めておいて、その日の1便目でRP」の松氏と「終盤までもつれてRP」の僕ではスタイルが違うし、「サーティーン・クライマー(笑)」と競ってもしょうがないので、気にしない気にしない。と思っても、プレッシャーかかるよね。

1便目。下部をなんとかこなし、レストポイントへ。岩の冷たさ対策としてチョークバッグへ入れておいた使い捨てカイロで指を温める。上部、最終ボルトのクリップでてこずって、その後のピンピンムーブがわずかに届かず、フォール。

ここで、レストの体勢を試したり、別の手順を考えてみたり、クリップ動作を1手前にやって流れに乗ってピンピンムーブに突入することを考えてみたり、最後のヌンチャクのゲートの向きを変えようか悩んだり、いろいろしたけど、結局そのままもう1回トライすることに。

2便目。下部をこなし、レストポイント。ながーーーいレスト。レストのポジションも楽ではないので、早く出発したくなるんだけど、耐えて耐えてレストで息を整える。よし!と思って、次の一手を出したら、指先の感覚がなくなっていた。戻って再度レストして、カイロで指を温める。再出発。最終ボルトのクリップは今度はそこそこスムーズに行って、ピンピンムーブ。届かない、目標のポイントの少し手前、もうひと伸びして、届いた。そこから、リップまでのつらい4手をこなして、マントル返してトップアウト。

《デザート・ストーム》RP。

これは嬉しい。1手目からリップをとるまで厳しいムーブが連続する三ツ星の課題。障子岩南東面で積み重ねてきたものを発揮することができた。ムーブを作るのは楽しかったし、石灰岩の苦手意識はある程度克服できた。同じグレードの《イクイノシシ》は3日目の終盤にもつれ込んだのに対して、こちらは3日目早々に登れた。少しは成長してるかな?

さて、目標を達成したところで12時くらい。早々に撤収して、sghr師の応援へ。

sghr師

sghr師は調子が悪いようで、こちらも早々に撤収。ボルダー開拓へ向かいました。

で、向かった先で登ったのが、この課題。


バランシーなムーブがあって、意外と面白かったです。ちなみに、スタートのガバにダブル・トーフックで右手はハングの奥のホールドからスタートする「檜原村のThe Story of Two Worlds low start」はプロジェクトです。

スタート

我こそはと思う腕に自信のある方は、是非どうぞ。この写真、背中は5ミリくらい浮いてます。

ナイスな課題ができたところで、「奥多摩の指人形」へ移動。指人形のマントルムーブが不可能なことは早々に分かり、左のスラブから入ることに。水流で磨かれたフリクションが全くない石灰岩のスラブのわずかな凹みを足の親指で押さえつけて登る。この岩で鍛えたら、不可能スラブなんぞ地面を歩くに等しく感じることでしょう。

結局、右から入る何の面白みもない2級くらいのラインを松氏が登ったところで、終了。あの2級は裸足で川を渡ってまで登る価値はなかったな。


○レストについて
疲れた後で回復するレストがここまで大事なルートを登ったのは初めてかも知れない。つらいからすぐに出発したくなるけれど、耐えて回復を待つ。勉強になりました。

○開拓について
誰も登っていない岩はホコリまみれでザラザラ。いつも快適なクライミングを楽しめているのは、開拓者の方々のおかげです。感謝。

○障子岩の別の壁
ラップの右面、ウッシーあたりは朝日が当たる。踊る蒟蒻あたりはお昼頃陽があたる。襖岩と三池ロックも、木漏れ日。

2013年2月15日金曜日

御岳で遼と亀返しと忍者返し敗退

ちょっと時間ができたから、御岳でボルダー。

6時半過ぎに到着し、まずは《遼》(2段)。

《遼》

右手の飛ばしの後、ダイレクトに上の縦カチを取りに行くオリャー君ムーブを試してみる。カチカチ動くフットホールドに左足を置くとめっちゃ立てるんだね。知らなかった。しかし、縦カチの位置がわからずつかめない。そうこうしているうちに飛ばしの精度が落ちてきて到達点がだんだん下がってくるいつものパターンに突入。敗退。

《遼》は暗いと手も足もホールドが見えないから登りにくい。

あと、マットからはみ出て横向きに落ちて頭打って脳震盪起こして気絶したら、翌朝まで発見されなくて低体温症で死亡って可能性もあるから気をつけましょう。

あ、ここで1つ、とっても役に立つ情報。1人で《遼》を登る方法。

マットをこんな感じに敷くと1人でトライできます。

《遼》の登り方

これは明るい時に登ることにして敗退を決めてから、sghr氏と松氏のいる忍者返しの岩へ。《亀返し》(初段)をトライ。前回惜しいところまで行っていたし、ムーブも固まっていたからどうにかなるかと思ってたけど、ムーブは覚えてないし、覚えてるムーブも細部の微調整が必要だし、ぜんぜんだめ。ムーブが固まってきた頃には全身がよれ始めるいつものパターンに突入。敗退。

勉強になったのは、《亀返し》の1手目の保持の仕方。指が4本ちょうど収まるへこみがあって、そのすぐ左下に親指がかかるへこみがある。これまでは、ここをガストン気味にアーケで持っていた。sghr氏は、親指はすぐ左下のへこみじゃなくてそのさらに下のへこみに置いて、アーケじゃなくて、オープン。これで下に体重をかけると、手の平全体のフリクションが効く。パーミング?

この話を聞いて、オープンで持とうとしたら、1手目の掴みの確実性が上がった。でも、そのままオープンで保持はできなくて、一旦オープンで止めてから、アーケに移行して次のムーブを起した。

スローパーでも何でもクリンプするクリンプ人間の僕としては、オープンというオプションも増やしておきたいので、次回は最後までオープンで勝負してみる。毎度ながらsghr氏と登ると勉強になる。これから彼のことはsghr師を表記することにしよう。

最後は2011年2月22日に登ったはずの《忍者返し》(1級)にトライして、マシンガントライの末、敗退。2年前より弱くなってる。

以上、夜の御岳は以外と暖かかった。風があたると寒いけどね。休憩中はダウン着れば問題なし。あと、体が冷えないようにマシンガントライし続ければ大丈夫。

2013年2月14日木曜日

障子岩南西面《ロリータ桃子》の謎

面白いと噂の障子岩南西面のロリータ桃子ダイレクト。

100岩のトポを見ると、出だしから左上して、踊るこんにゃくのスタートあたりが終了点になっている。7番がロリータ桃子ダイレクト。

100岩

岩と雪に掲載された小林敏さんのトポでも同じ。4番がロリータ桃子ダイレクト。

岩と雪の小林敏さんのトポ

ところが、最初に発表された時のトポを見ると、そこからさらに左にトラバースして、左の立木まで行っている。4番がロリータ桃子ダイレクト。

最初のトポ

後半は無駄だから後日削られたのかな?


ところで、話は変わるが、「ハンドトラバース」という言葉を時々耳にする。この言葉に触れるたびに違和感を持っていたのだが、その正体に昨日、気づいた。

それは何かというと、トラバースするのに手を使うのは当たり前なのになんでわざわざ「ハンド」って付けるの?ってことだった。手を使わないトラバースなんて、小川山・屋根岩2峰の《ジェットストリーム》くらいのもので、むしろそっちが例外だから「フットトラバース」で、「ハンドトラバース」はただの「トラバース」だろ、というのが違和感の源。

でも、山登りの延長線上のクライミングでは横方向に歩くのがトラバースで、手に頼って横移動するのはむしろ例外だったのかもしれないと、思ったり、思わなかったり。

2013年2月11日月曜日

障子岩で《デザート・ストーム》RP失敗

障子岩でクライミング。

暖かい障子岩南東面の上の階

まえに書いた指の痛みはなかなか抜けず、前回の障子岩から、指に負担のかかるクライミングは自粛。体幹&インナーマッスルのトレーニングのみ。

アイシングしてもロキソニンテープを貼っても痛みは抜けない。手のひらをいっぱいに開いて手の甲を反らすとMP関節あたりがコリコリいうので、腱と腱鞘の動きが悪くなってるのかと思い、マッサージしてみた。

りんむーからもらったヴェレダのスポーツ用マッサージ・オイルを塗って、痛いところとDIP関節を優しくサスサス。それと、MP関節周りをモミモミ。寝る前にやったら、翌朝には少し痛みが減退していた。数日続けてかなり改善。関節もよく曲がるようになった。

りんむーに感謝。

さて、コンディションも整ったところで迎えたこの日、気温は低いけれど岩場はポカポカ。安心のブランド、障子岩南東面です。もちろん狙いはデザート・ストーム。


《体型だけでイレブン》(5.10c)

まずはアップで、《体型だけでイレブン》。出だしから動きが硬く、中盤でテンション。なんとか上まで抜けて、もう一回。

出直してみたものの、やっぱり動きが硬く、またもや同じところでテンション。なんとか上まで抜けて、もう一回。

三度目でようやく登れた。


《スーパー・コンダクター》(5.11b)

前回の《ショアー》のRPトライ時にアップ不足でどはまりしたので、今回はアップは入念に、ということで、お隣の《スーパー・コンダクター》の再登を目論む。



終盤までうまく進んだと思ったけど、核心ムーブに成功した後に前腕が売り切れて終了。再登はならず。残念。ビデオを見て気づいたんだが、まだまだ体が固い。しかしいいアップはできた。


《デザート・ストーム》(5.11d)

と言ったところで、本題の《デザート・ストーム》へ。前回は一応ムーブをこなしたものの、3本目のボルトのクリップが怪しかった。

《デザート・ストーム》

で、この日の一便目は、下部でどはまり、3本目のクリップがいっぱいいっぱい。その後もうまくいかず、テンション。その後もテンション多数でムーブを確認しながら上まで。

二便目もテンション多数でムーブを確認。

三便目、最後のクリップ・ポイントまで到達するも、クリップする余裕はもはやなく、ヌンチャクをつかんでクリップ。ワンテンで上まで。

ここで、持ってきた水筒のお湯がなくなり、歩いて里までおりて水を調達。橋を渡ったところの工場脇に自販機があって、助かった。長らくお待たせして、松氏にはご迷惑をおかけしました。

四便目はこの日の最終便。最後のクリップに成功し、上のホールドを伺うものの、身動きとれず、少し粘ったけどなんともならず、テンション。

ぶら下がって確認すると、左手の指先の感覚がなくなっていた。半分はガビガビのコルネを掴む痛さから、半分は岩の冷たさから。

日当たり最高の南東面も、2時過ぎには太陽が尾根の向こうに隠れて日陰になる。ここから一気に空気は冷たくなって、ビレー中に手が冷える。岩も冷たくなって、登っている際中に指の感覚がなくなってくる。ここまで一気に岩が冷たくなるとは思っていなかったので、指先の冷え対策を考えていなかった。登り始める段階で手は冷えていたし、レスト中も指先を温めることをしなかった。

これが敗因、と思いたい。次回は日が陰る2時前に本気トライを繰り出せばRPできる、はず。日が陰っても、寒さ対策を施せば大丈夫。次回が楽しみだ!

松氏もRPならず、ともに次回のRPを狙う。

デザート・ストーム、面白い。正真正銘の三ツ星だ。

以下、ムーブメモ。

--------------------------------------オンサイト狙いの方は読まないでください-----------------------------------

スタート右手は高い斜めアンダー。左手はいつも濡れているコルネの濡れがさほどでなければ使う。(1)右のつぶつぶのもっこりに右足をあげて、(2)パワー全開で左足を正面へ。(3)コルネ左のサイドガバを左手。(4)右足を左において右に体を振った体勢で、2本目のクリップ。足は忘れたけど、(5)コルネ右のポチを右手でとって、(6)右足はスタート右手、左足はコルネにヒールフックで、(7)コルネ左の手前に引けるホールドを左手で。(8)左足をコルネに左の見えないでっぱりにおいて、(9)右足を右に張って、(10)3本目のクリップ。(11)右上のL字ホールドを右手で保持して、(12)左足をかきこみで体を上げて、(13)左上のコルネを左手で。ここは、コルネの末端をピンチだけど、鷲掴みではなくて、指先がかかる位置を探る。そうすると、次の右手が出しやすい。(14)右足を左足の左上の斜め面ホールドにおいて、(15)左足は左の遠いポッチで、(16)コルネの上の方を右手で。(17)足位置は忘れたけど、左に身体を振って、4本目のクリップ。ここで少々レスト?(18)そのまま左の棚の奥の隠れたガバ。このガバは思ったより左下にある。4本目のクリップは左ガバをとってからとどちらが良いか、要検討。(19)右手を左手のすぐ右上のガストン気味のカチ。誰しもがここでレストできると思うのだけれど、実は大して休めない。(20)左足を左手のすぐ近くヒールフックして、(21)左手で左上の斜めアンダーをとって、ぐいぐい身体を上げて右足も棚の上。(22)5本目のクリップ。ここでいったん(23)右手を右手をアンダーに出して、右足を右足をコルネに置いて、レスト。ここのレストがとっても大事。(24)右足を棚から一歩上げ、左足も上げて、(25)右上のコルネの上端の水平ホールドを右手で。足位置は忘れたけど、(26)左のアンダーを左手で。(27)左足を左のちょっと遠い棚の一つ下の突起に置いて、(28)右足で右の曲面をキョン気味に蹴って、(29)左上のコルネを右手。ここは、コルネがくびれたところを持つと左に引けないので後のムーブを起こせない。その下の、指先がかかる位置を狙う。(30)右足を棚に置いて、(31)左足を棚の一歩上の突起に置く。ここは、左足も棚でも可だが、一歩上だと後が楽ではないかと。要検討。(32)右足を右のコルネの上端の水平ホールドに置いて、(33)コルネの上端を左手ピンチで鷲掴み。(33)右足に立ち込み気味に、(34)右足フレークの中央に右手を添えて、体勢を整え、(35)6本目のクリップ。(36)右上の遠い遠いお猪口。ここが問題。テンションかけた後だと問題なくできるけれど、下からつなげると辛い。リーチの限界。左手を左奥に回してピンチをやめて右に引ければかかりが良くなるんだけど、奥には回せないかな?要検討。(37)右手をすぐ左の水平ホールドに左手。(38)左足をコルネの右の下に踏めるところを踏んで、(39)右足を切って、(40)左足に乗り込んで左上の水平ホールドを左手。(41)右のフットホールドに右足を上げて、(42)左足を切って、(43)右上のナナメホールドを持って、(44)左足を左のコルネの右にキョンして、(45)終了点右のリップをに左手を出す。(46)右手をその右に出して、終了。終了点のビナへのクリップは、(45)の左手保持で右手をやっても、(46)の右手を保持で左手でやっても、どちらにしても辛い。

---------------------------------------------------------ムーブ・メモはここまで-------------------------------------------

思い出しながらムーブをメモしてたら指先が汗ばんできた(笑)。

○ウォーミングアップ

今回もアップに失敗した。まず、気温は低くて、アプローチの歩きで十分に身体が温まらなかった。アップについて考える必要がある。

○レスト

デザート・ストームは繋げ核心。レストをうまく入れるのが大事。こんな感じのルートは登ったことがない。スティンガーも繋げ核心だったけど、ガバの下部で疲れないよう腕をフリフリゆっくり登るのが有効だった。デザート・ストームは下部がパワー全開なので、ゆっくり登る作戦はできない。中間部で回復するレストをいれないと。難しい。

2013年2月5日火曜日

デザート・ストームの研究

障子岩南東面の三ツ星課題《デザート・ストーム》について。

リップの一段下の水平ホールドから終了点のカラビナにクリップして終了とすることもできるこのルートをいかに登るかが問題だ。クリップしたら完登というコンペ・ルールを適用すればそれでいいんだろうし、僕らが《スーパー・コンダクター》を登っている時に隣で登っていた強いクライマーの方もそうしてた。

しかし、気持ちよく登るためにはリップはとりたい。なんて考えていた時に見つけてしまったのが、岩と雪154号に掲載された障子岩のトポ。

障子岩南東面

小林敏さんが執筆したこのトポを見ると、《デザート・ストーム》は最後で《スーパー・コンダクター》に合流している。

トポのコメント

コメントを見ると、
やや湿ったガバからスタート。上部はやや甘いためパンプする。終了点は37と同じ。
となっており、やはり《スーパー・コンダクター》に合流していたことが分かる。だとすると、この当時は《デザート・ストーム》を登る時は、リップの一段下の水平ホールドからさらに数手をつないで《スーパー・コンダクター》の終了点付近のリップを掴んで終了点にクリップして終了としていたはず。

これを見てしまった以上、リップの一段下の水平ホールドから終了点のカラビナにクリップして終了とするわけにはいくまい。そこで、可能性は2つ。岩と雪トポに従って左にトラバースして《スーパー・コンダクター》の終了点まで行くか、あるいは、いまある終了点に向かってリップまで到達するか。ここは後者を選択して直上するのが、もっとも充実したライン取りではないだろうか。

どうでしょう、松氏?


ところで、話は変わるが、以下の3つの障子岩南西面のトポ。1つ目は100岩、2つ目は上記の岩と雪、3つ目は関東周辺の岩場(だったと思う)。

100岩の障子岩南西面
岩と雪154の障子岩南西面
関東周辺の岩場の障子岩南西面

どれが一番見にくいかは一目瞭然。この中で一番最後に作られたのは100岩。僕は100岩を最初に手にしたのでこれが普通だと思っていたけれど、100岩が最初に出た時にこれを手に取った人は、岩の形状もライン取りもボルトの位置も大胆にデフォルメしたトポのクオリティの高さに腰を抜かしたんじゃないだろうか。


さて、《デザート・ストーム》。次回の本気トライが楽しみだ。思い返すと、前回登った《ショアー》もムーブを作る楽しみあり、絶妙なホールドありと、素晴らしいルートだった。障子岩の11台のルートの質の高さには驚かされる。なんでみんな来ないんだろう?他の人気の岩場はもっと面白いのか?

2013年2月4日月曜日

石灰岩苦手克服は道半ば〜障子岩南東面でショアーどはまりからRP〜〜

障子岩でクライミング。

土曜日の4月並みの気温から日曜日は一気に冷え込む、という予報に触れ、覚悟をしつつもいつも暖かい障子岩だから大丈夫、と期待して、岩場へ。行ってみると、いつも通りぽかぽかで、むしろ暑い。ダウンを着ていると立っているだけで汗が出てくる。

信頼のブランド、障子岩南東面。

《ペッペッペの羽田さん》(5.10a)

この日の目標は、前回ムーブを探った《ショアー》(5.11c)。ということで、まずは下のフロアの《ペッペッペの羽田さん》でアップ。ガバで快適。

松氏は、この後さらに《ジェラシー》(5.10d)でアップ。

こちらが松氏による《ジェラシー》の様子です。


安定した登りですね。デカコルネでバック&フットからコルネを股で挟み込む僕の変態ムーブとは大違い。ジェラシー感じます。

《ショアー》(5.11c)

僕は今回は《ジェラシー》はスキップして、早速、この日の課題である《ショアー》へ。前回、個々のムーブにはひととおりの目処を付けていたので、今回はRP狙い。

このルートの最大の見所は、突起のあるカチの処理。核心部のカチの中に、突起が2つ。不用意に持って荷重すると指に穴があくこと請け合い。突起を避けて繊細なホールディングをするか、より持ちやすい逆の手で持つか、突起とのおつきあいを考えたムーブの組み立てが必要。これがこのルートを面白くしていると思う。邪魔な突起を削らなかった開拓者の方のセンスがすばらしい。

以下ムーブについての覚え書き。

--------------------------------------------------オンサイト狙いの方は見ないで下さい--------------------------------------------------

前回組み立てたムーブはこちら

ヒールフックに備えて、いつものTENAYAのINTIを脱ぎ、ブラックウィングを履いてトライ開始。しかし、前回できた遠いアンダークラックをとるムーブができない。フットホールドの位置も間違っていないし、できるはずのムーブができない。ここで気付いた、アップ不足で力が出ない。

松氏はこの日の1便目で見事RP。さすが。松氏ムーブは、アンダークラックは使わず、右手の親指ポッケピンチから突起のあるカチをガストン。クリップして、凹角の最上部のカチを右サイドプル。

アンダークラックに届かないのは靴のせい?と、御岳の立ち鵜での経験を思いだし、いつものTENAYAのINTIに戻してトライ開始。アンダーはとれたが、その後のムーブが起こせない。そこで、松氏のムーブを導入。右手の親指ポッケピンチから突起のあるカチをガストン。ガストンは持てるけれど、クリップの体勢を作れず苦労。結局、考えたムーブは以下の通り。


4.左ガストンのあと、5に右足を置くと左腕を伸ばした体勢で安定してクリップできた。ガストンは小指側をしっかり巻き付けて持つと突起が比較的食い込まない。松氏はもっと右上に足を置いて乗り込んだ体勢でクリップ。

6.右サイドプルの後、松氏は11のリップ上のカチを左手でガストン。それだとかなりの数のムーブを省略出来るけど、その後に悪い足でリップ上のカチをいくつかつないでチクタクしたり、結構大変。

ここは11を右でとると後が楽なので、8のポケットを使って、9.左のポケット足と10.ヒールフックを使うことに。

4.左ガストンのすぐ左のアンダークラックを使うのが前回のムーブ。

--------------------------------------------------以上--------------------------------------------------

僕の失敗トライの後、松氏は南西面へ偵察に。僕は三池ロックへ偵察に。散歩で暖まったところで、前回のムーブと今回修正したムーブのどちらがいいのか迷いつつ取り付き、なんとかRP。

《デザート・ストーム》(5.11d)

この日の課題の《ショアー》をお昼過ぎにRPできたので、岩の下で珈琲とともにしばし休息。木漏れ日の林の中は涼しいそよ風が通り、気持ちいい。この日の障子岩は今までで一番暖かかったようだ。陽の当たる岩の上より、林の中の方が快適。

午後のプランについて松氏と相談した結果、次回に備えて《デザート・ストーム》のムーブ探りに出ることに。南東面を離れて5.11台の前半を登るというナイス・アイデアも出たものの、それはもっと暖かくなってから。

まずは松氏。テンションかけつつ、あっという間にムーブを繋げて上まで抜けてしまった。さすが。

次に探りに出た僕は長時間のハングドッグの末にようやく上まで。一応全てのムーブはこなせたかな?クリップの体勢をどうやって作るかはもっと練らないと。あと、終了点直下のムーブも。できればリップまでとりたいし、トップアウトして気持ちよくRPしたい。リップをとらずにその下から終了点のビナにクリップして終わりというのは、いまいちすっきりしない。

《デザート・ストーム》は面白い。コルネを使う石灰岩らしいルート。大きなムーブ。終了点直下の悪いホールド。前腕がプルプルすること間違いない。


○悩み
《ショアー》のトライは悩みのトライになった。アップが足りない。アップからやり直すべきか?このままトライすべきか?どちらのムーブが正解だ?右?左?と悩みながらのトライ。メンタルのコントロールを学ばねば。

○学んだこと
アップは多めに。本気トライするルートで使う筋肉を同じように使うルートが好ましい。次回《デザート・ストーム》をトライするなら、《体型だけでイレブン》と《指切りケンちゃん》か《スーパー・コンダクター》か。

○栄養補給
この日の食料は、コンデンスミルクとチョコレートバー。コンデンスミルクを終始チューチューしつつ、お昼の珈琲タイムにチョコレートバー。これはなかなか上手く行った。なにより、コンデンスミルクはうまい。コンデンスミルクをチューブから直接チューチューしたいという子供の頃に誰しもが夢見たことを効率的な影響補給という大義名分をもって実現する素晴らしいアイデアだ。

○岩場
岩場へのアプローチを塞いでいた倒木が撤去されました。林業の方でしょうか?狩猟の方でしょうか?クライマーの方でしょうか?いずれにせよ感謝です。

《デザート・ストーム》の終了点のスリングが劣化していたので、松氏にスリングを追加してもらいました。よく分からなかったので4mのロープを買っていったんだけど、ちょっと短かった様子。