2013年7月30日火曜日

《PTA》をRPの小川山合宿

1泊2日で馬場グラビティ・メンバーと小川山合宿。

天気予報に踊らされ、いろいろと考えた結果、初日はまずは屋根岩2峰の右下で、後からボルダー、2日目は午前中おむすび山スラブで、午後はボルダー、という動き。

○初日

2峰の右下で《これがジャックの結婚記念ルートではあんまりでせうか?》を再登。何度登っても面白いね、これ。終了点手前で落ちたらグラウンドフォールは避けられない気がするけど、これがミニマム・ボルトってやつなのか?

《コグレ大サーカス》(5.10c)はオブザベミスでテンション入ってしまった。上部もちょっと悪くて、出した答えはリーチムーブだったような気がする。リーチがない人はどうするんだろう?その後のマントルもなかなかの面白さ。100岩のコメント通り、「なかなかの好ルート」。回収便でRP。

それから、これまで2日にわたってちょっとづつ触ってきた《PTA》(5.11b)にトライ。1便目はボルト1本目付近で早々に失敗。すぐにロープを抜いて結び直して再トライ。この日2便目でRP。通算4便かな?花崗岩のスラブのRP最高グレードを更新。これは嬉しい。下部はスラブ内でステミングのイメージ。中間部はスメアリングのどスラブ。特に中間部の1歩目の右足はちょっとしたふくらみを右足の親指の腹で押さえつけて立ち上がる楽しい1歩。足裏感覚抜群のTENAYAのIntiがその性能をおおいに発揮してくれた。全体を通して、不安定なまま次の足を出してしまうっていう新たなスラブの登り方だった。

最後は《星と光》(5.12a)を触ったみた。こりゃ凄い。まず離陸困難。数度のトライの後どうにかこうにか離陸したものの、2本目のボルトまで到達できず、敗退。地道に実力を上げないとこのグレードは登れないぞ。

それから、ちょっと移動して、ソラマメ下部スラブで《甘食》(5.10b)。上部のハングを巻くところのフェースが核心だけど、全く問題なし。マスター・オンサイト。前の人の登りを見てたからフラッシュか。

ついでに、見た目に反して悪いと噂の《ワイルドタジヤン》(5.10c)も触ってみた。確かに悪かった。ジャックと同じグレードのルートとは思えない。でも良く観察すると踏めるエッジがあって、何とかなる。見た目に反してエッジング系だった。ムーブは全部できたから、次回は登れるはず。

あとはボルダー、のつもりが、家族対応が発生したため不参加。


○2日目

前日18時頃の土砂降りにより登れるかどうか危惧されたものの、朝になったら続々とクライマーが屋根岩方面へ向かって出発していく。我々も遅れて出発。おむすび山スラブへ。

到着すると、ガイド・パーティー3名が先着。僕らが狙っていた《無名ルート》(5.10a)を登るとのことだったが、トップロープを貸していただいて助かった。とても感じのいいガイドの方で、お客さんを褒めまくって登らせるのが斬新だった。「その一歩、最高ですね!」

《無名ルート》を待っている間に、僕は《ほんにゃらごっこ》(5.10c)を登ることに。《リメンブランス》、《ラベンダー》は《無名ルート》と終了点を共有するので避けての選択。出だしと中間部にカムが必要ということで、じゃらじゃらと大量のヌンチャクとカムをぶら下げてトライ開始。前日の豪雨にも関わらず風が強くて岩はカラッカラ。

出だしでちょっと緊張するけど難しくはなく、1本目のボルトに到着。ポケットにカムを入れなくても、ボルトに届くじゃないか。てことで、ヌンチャクをかけてクリップ。そこから左に回ってマントルで2本目のボルトにクリップして、その後のマントルが激しく難しかった。テンションかけつつ、長ーい時間をかけてさんざんムーブを探った結果、出した答えはハイステップで右足でエッジを拾って、左右の手はほとんどホールドがない状態で、右足一本で立ち上がる。これはシビレタ。そこから先のスラブもなかなかのランナウトっぷりで、緊張感たっぷり。いろいろズルしながら終了点に到着。

終了点のボルトはサビサビ。ハンガーはケービング用のアルミハンガーで、左はクルクル回ってた。これにトップロープをセットしていいものかどうか判断できなかったので、右のルートの立派な終了点から一応バックアップを取っておいた。あれ、どうなんでしょうか?そうそう、中間支点もケービング用のアルミハンガーでしたよ。

さて、ロワーダウンして、9氏とつ氏にトップロープでトライしてもらって、雨が降ってきたので回収のため僕もトップロープで登って、降りて、ふと気付いた。カムを1個も使ってない。ほんにゃらごっこ》を登るつもりが、左隣の《ジェイコブズラダー》を登ってたよ

ということで、以上のルート情報は《ジェイコブズラダー》(5.11a)のものです。ボルトがあればクリップして、ボルトに導かれて登ってしまうってのは、まだまだ甘いですね。

最新の100岩で従来の5.11aから5.10dにグレードダウンされた直後にホールドがかけて5.11a相当に難しくなったという《ジェイコブズラダー》。確かに難しかった。しかし、5.10cだと思ってたら登れるもんで、トップロープで登った回収便はノーテンでサクサク登ってしまいましたよ。やっぱりスラブは信じる心だね。ルートを間違ってたのは9氏とつ氏には秘密。

後はボルダー。KINGの4年来のトラバース課題があるということで、水晶スラブ下エリアの犬岩へ。
前回僕が敗退した犬岩のトラバース(6級)。早速セッション開始。が、僕は岩の前で家族対応のため不参加。

KINGが落ちる、9氏が落ちる、ShigeEriが落ちる、つ氏まで落ちる。みんなが落ちる姿をよーく観察して、オブザベして、ムーブを読み切った。この日は一撃。しかし、ぜーぜーはーはー息があがった。体感3級。

その後は、前回僕が敗退したホワイト・ティアーズ(4級)。早速セッション開始。が、僕は岩の前で家族対応のため不参加。

KINGが落ちる、9氏が落ちる、ShigeEriが落ちる、つ氏まで落ちる。みんなが落ちる姿をよーく観察して、オブザベして、ムーブを読み切った。この日は一撃。しかし、とても難しかった。体感3級。

以上、グラ・メンバーとのクライミングはいつ行っても楽しいなー。


○岩場の選択

日常的に岩場に行かない人たちと行くのに良いエリアってどこなんだろう?やっぱり難しいのにトライするより、比較的簡単のをたくさん登る方が良いのだろうか?今回はみんな経験が少ないスラブだったから、もっと簡単なところでも良かったのかもしれない。そうなると、ガマスラブとか?


○スラブ内マントルのセオリー

スラブ内マントルのセオリーが分からない。これまでいくつかのパターンを経験したけど、どういう場面でどういう技術を使うのか、さっぱり。とりあえず思いつくのは次のものだけ。マントル・ポイントの上に良いホールドがあったらなんとでもなるので、上にはホールドがない場合の話し。

・両手プッシュマントル
両手でプッシュできる良いホールドがあって、そのすぐ近くに足をあげる場所もあるとき。先に両手でプッシュの体勢に入って、それから片足をあげる。その後は、片手プッシュで反対の足を手に足であげる。これがいちばん楽チンで確実。

・片手プッシュマントル
片方だけプッシュできる良いホールドがあって、そのすぐ近くに足をあげる場所もあるとき。片手プッシュで足をあげて、もう片方の手は悪いホールドをおさえる。そのまま立ち上がる。これもまあまあ楽チンで確実。

・足先行マントル
手だけで完全に身体を持ち上げてプッシュできる良いホールドがないとき。足を手と同じ高さに先にあげる。そのあとは、手に足プッシュできるくらいのホールドがあれば、手に足。この場合、手に足プッシュの手の平がスリップしたら大惨事。プッシュできなければ、そのまま立ち上がる。これがいちばん難しい。ジェイコブズラダーはこれだった。

こんな感じかな?よくわからん。プッシュできる/できないも、技術によって変わってきそうだし。うまくなれば何でもプッシュできるようになるのか?教えて!強い人!

2013年7月21日日曜日

2013年4度目の小川山・敗退祭りの記録

先日は小川山のスラブを登り尽くしたいとか大風呂敷を広げてしまいましたが、前言撤回。スラブでも、なにがなんでも登りたいものもあれば、さほどでもないものもあるようです。



2013年4度目の小川山。いつものパートナー松氏&sghr師と。狙いは、三ツ星のスラブ《メルトダウンダイレクト》。グレードは、5.11b。前回はマラ岩で《オレンジロード》をRPして花崗岩のスラブの最高グレードを更新したので、調子に乗って更なるグレード更新を狙う。

長いアプローチにヒイヒイ言いながら3峰に到着。暑い。早速1便目。

このルート、長いです。取り付きは3峰にもたれかかったどこかから落ちてきたように見える岩から。ボルトは11本。上部は取り付きからは見えません。オブザーベーションなど意味をなさないので、とりあえず登る。

基本的にはエッジング系のスラブですね。手前の岩はスメア主体、3峰本体に移ってからはクラックを鷲掴みにしてグイグイ。クラックが途切れるところがちょっと悪い。そこから先は、悪いカチを保持してつま先でエッジを拾って身体を引き上げて行くムーブが、核心部まで続く。長めのランナウトを挟みつつ、ひたすら同じようなエッジング&カチを持って引き上げのムーブが続く。核心は上部。9本目のボルトにクリップした後に悪い立ち込みが1つ。これを越えて、リップまであと数十センチというところで、バランスを崩してフォール。

めちゃ疲れました。とにかく長い。

松氏はフラッシュ。お見事。

僕は、気乗りがしないながら2便目を出して、今度は核心部でフォール。回収。

長いです。ひたすら長いです。正直言って登るのが面倒です。ムーブも単調。うすうす気付いてはいたものの、僕は長いルートが好きではないということを明確に認識することができたのは、大きな収穫と言えるでしょう。今後、長いルートに付けられたトポの星は信じないことにします。このルートは封印。5.12のスラブが登れるようになったらまた来ます。

そうそう、長いのでロワーも回収も面倒です。中間の結び変えの支点はしっかりしていて、60mロープでぎりぎりそこまでロワーできます。そこで結び変え&再度ロワーで降りました。ロープを落とす時に下手をすると、手前の岩と3峰の本体の間に落ちてしまってフリーソロで回収に行くことになりますので、気をつけて。あと、日当りの良い場所にあるので、天気がいい日はめちゃ暑いのでオススメできません。取り付きの左のルンゼから終始落石があったので、こちらも気をつけて。マルチの下降路になっているようで、結構大きなのも落ちてきましたよ。



早々に諦めたので、移動。そら豆スラブあたりを眺めつつ、人が多くて、たどり着いたのは2峰の右下の小さな岩。昨年一度だけやってみて敗退した《PTA》(5.11b)を見に。

《PTA》の右は昨年RP済みの《DDT》。これは下部垂直が核心。左は《星と光》。5.12aのどスラブ。これはいつか登りたい。その左、小さな岩の端っこのボルトわずか2本のルートを見ると、面白そうじゃないですか。《これがジャックの結婚記念ルートではあんまりじゃないでせうか?》(5.10c)。このグレードは僕の実力だと十分挑戦のしがいがある。

早速オンサイトトライ。2本目のボルトにクリップするまでは少々悪いスメアリングをこなして問題なし。その後が分からず、テンション。気を取り直して、右上に見えるガバに無理矢理手を伸ばす激リーチムーブを解禁。右手が届いてもその後身動きが取れないので、左手も無理矢理伸ばして、後は足を切って全身をスラブにこすりつけてガバにしがみついてぶら下がる酷いムーブを発動。1テンで上まで。

このムーブでRPしてもRPした気になれないので、下降中にムーブを確認。左手で甘いカチをプッシュして右足をスメアしているところに左足を踏み替えるという爆笑系ムーブを開発。これはめちゃ面白い。

こちらはこのムーブを完パクしてフラッシュする松氏。



僕は3便目でRP。


それから、《PTA》をトライ。しかし、もう足下がヨレヨレ。テンションかけかけ、何とかムーブを作って、上まで。下部は左足はポケット&極悪エッジを拾って、右足はフットジャム。中間部はスメアリングのどスラブ。これはめちゃ面白い。やっぱりこういう短い中にムーブが詰まっている密度の高いルートが好きだ。次回はRPトライを繰り出したい。



疲労の色を隠せないので、ルートはここまでにして、後はボルダー。

登ったのは、犬岩の黒本22番レイバック(9級)、23番(10級)、24番(8級)、25番(10級)、26番(10級)。左の方は高さがあって、ムーブも悪くて、危険な香り。初心者には絶対にやらせてはいけない10級たちですね。27番のトラバース(6級)はよれて敗退。

不可能スラブの7番スラブカンテ(6級)、3番《湿りの海》(8級)。9番のカンテ右(5級)はめちゃ面白い予感はするものの、湿り気MAXで不可能カンテと化していた。《静かの海》(3段)をちょっとだけ触ってみたが、リップの上には何もありませんでした。

それから、角岩の16番カンテ(6級)。カンテ奥のカチを使ってリップに左手を出して、カンテを触らずに登りましたけど、問題あります?12番(7級)、13番左カンテ(8級)。

お昼寝を挟んで、最後に涙岩の《ホワイトティアーズ》(4級)で敗退。めちゃ上手い人がいて、これは勉強になった。

以上で終了。ボルダーもいっぱい登れて大満足。しかし5級以上は登れず、このエリアは夏に来るところではない様子。ボルダラーもほとんどいなかった。


○海への道 #3

《静かの海》は難しい。4年くらいやったら登れるだろうか?

2013年7月18日木曜日

夏の障子岩で少しだけ

往復4時間ちょいの移動で2時間登って帰るさっちゃんのビレーヤーを請負って、障子岩へ。



現在トポにはない、リンクものルートでアップ。昔のトポでは5.8になってるけど、そんなに簡単じゃない。5.9、あるいは5.10aあるかもしれない。でもTNTが10aだとすると5.8でもいいか。TNTは悪い。

次はTNT。ずいぶん前にRPしてるんだけど、ムーブがわからずテンションはいってしまった。ガバを追いかけて行くと袋小路に迷い込んで進めなくなるトラップ。

さっちゃんはトップロープでやるつもりだったらしいけど、間違ってロープを抜いちゃったからリードで。1便目でムーブを作って、2便目で見事RP。最高グレード・タイらしく、効率良く成果を出して羨ましい限り。

さっちゃんに貰ったパンがうまかった。ありがとう。

2013年7月15日月曜日

オレンジロードRP

スラブを登りに小川山へ。いつものパートナー松氏と、sghr師と。

二転三転する天気予報は、結局13時頃から雨の予報に落ち着いた。昼まで登れれば良いかというつもりで、いつもの道を廻り目平へ向かった。

9頃、廻り目平着。3連休の中日でキャンプ場は大混雑。駐車場は満車という情報を得ていたものの、荷物だけでもあげておきたいので入場して、一応上の駐車場を見に行くと、空いた駐車スペースを発見。奇跡的に駐車できた。


この日のねらいはマラ岩の《オレンジロード》(5.11a)。ついに、5.11のスラブにトライする時が来た。


《オレンジロード》(5.11a)

ボルトはRCCが3本。1本目までは簡単。1本目をクリップして、両足ガバフットホールドに立ってから一気に意味不明に。手で持って身体を上げることができるようなホールドは皆無。足もいいのがない。早々に敗退。ここがルート全体の核心部であることは明白。

一旦松氏に交代して、次のトライ。ガバフットホールドから、左のポケットを使うムーブを発見。左手の指一本くらいの浅いポケットと、右手の浅いポケットで身体がはがされるのを防ぎつつ、左の浅いポケットに左足で立ち上がる。そこから、左手を上の大突起に上げて、右手を右のエッジに移して、右足を斜めの長いエッジに上げて立ちこみ。左足をクロスで斜めエッジの上の方へ。さらに、右足をハイステップで悪いエッジに上げて立ちこもうとして、失敗。

この立ち込みが難しくて、何度やってもダメ。左足が斜めのエッジなので力が入らなくて、腰が上がらず、右足への立ちこみの発射ができない。

左の方のポケットを使うムーブとか、右のボルトの下のポケットを使うムーブとか、いろいろ試したものの、全部失敗。午前中はずっと僕も松氏もここで敗退を続けて、RP失敗がほぼ確実な雰囲気が漂った。

左端カンテ状のスラブが《オレンジロード》

お昼の休憩を挟んだ午後、作戦を変更。これまでグラウンドアップで挑んでいたけど、2本目のボルトに先にクリップしてしまって、安心して練習できるようにすることにした。スラブはグラウンドアップでやりたいねなんて話をしてたものの、やっぱり無理。効率的に実力を上げることと成果を出すことの前には、グラウンドアップの思想は吹き飛んでしまうのだった。

松氏に2本目のボルトにクリップしてもらった後、核心部のムーブ解析へ。ガバフットホールドから、左足の浅いポケット、右足の斜めエッジまでは同じ。そこから、左足を斜めエッジにクロスではなくて、右足の真上の結晶が1つあって傾斜が落ちているところに上げて、立ち上がる。これが立ち上がれるとは信じ難いような、フットホールドとは到底言えないような代物なんだけど、立ち上がれる。そこから、右足を悪いエッジに上げて、右手を上の極小ガストンに上げて身体がはがされるのを防ぎつつ、右足をさらに一つ左上の少々良いポケットに。そこで、右手を上のダイクに伸ばして保持。身体を引き上げつつマッチ。左足を上げたら、核心部の終了。ここで2本目のクリップが可能に。

ひとたび可能性が出てくれば、一気にテンション上げ上げ。早々にRPトライを繰り出す。

が、核心部の5歩目、右足のとばしあたりで落ちること数度。ここで落ちると結構怖いんだよね。横に振られるし、ボルトはRCCだし。しかし、テンション上げ上げなのでそんなことは気にせず、マシンガントライ。

数度のトライの末、5歩目から上のダイクを取ることに成功。左足を上げて、2本目にクリップ。

そこから先は手が良くなるので、グイグイ登れる。1カ所バランスの悪いところがあるけど、左足の大きなクロスムーブで解決。最後はポケットマントルでいやという程やった両手プッシュマントルでレッジに立ち上がって、レッジを歩いてトラバースして、終了点にクリップ。

これは嬉しい初めてのスラブの5.11をRP

午前中は難しすぎてこんなの無理と思ったけど、スラブ足は乗れると思ったら乗れるものだね。必要なのは、乗る勇気。

松氏もRP。松氏は当初の左足クロスムーブから右足の悪いエッジへの立ちこみで解決。これは僕には無理だな。

《オレンジロード》良いルートだった。核心部の6歩(松氏は5歩)は秀逸。


《ホリデー》(5.8)NP&B

時間があったので、お隣の《ホリデー》をトライ。クラシカルな名作の雰囲気漂うこのルートを登りたいと前から思っていた。

このルート上の唯一のボルトであるRCCが信じられないくらい高いところにある。出だしからノープロでグイグイ登って、クラックの始まりのところで、ベロ状のアンダーにちっちゃいカムを1つ。その上のフレアしたクラックにも1つ入れたけど、これは効いてなかった。RCCにクリップした後、そのすぐ上のクラックに下のカムを移動。上のフレークに到達したら、大きなカムががっつり決まる。が、アンダーのフレークを鷲掴みにして右上に登るセクションの出だしが意外と悪かった。力ずくでねじ伏せて、後は快適に登ってオンサイト成功。

グレードにかかわらずこういうのは凄く楽しいね。


雨予報もあり、撤収が楽なボルダーへ方向転換。

黒豆(1級)

まずは既に2度敗退している《黒豆》(1級)へ。はい、いつも通り敗退

何もない黒豆のリップ上

ボルダーでも何か登って帰りたいということで、初めての親指岩下ボルダーへ。

まずは、漆岩の縦ダイク(6級)。これは出だしのバランスがめちゃ悪い。右のスラブ(7級)。スタートのポケットが持ちづらくて、それで強引に足を上げないといけなくて、出だしががめちゃ難しい。

哲学岩のフィロソフィーの左のマントル(7級)。これは激ムズ意味不明敗退

コブ岩の《コブ頭》(7級)。これは面白い。

さらに、露岩の9級マントル(8級)。8級の隣のマントル(7級)意味不明。8級から離れると超絶難しくて、不可能。8級に近づくと登れないことはない。一度マントルの最中にヒールが抜けて死ぬ思いをしたけど。でも身体が岩の上に乗った時に自然と8級のクラックに手が伸びるので、近づき過ぎの気配。しかし離れると不可能。

露岩のマントル(5級)。これは秀逸。めちゃ低い位置でマントル返すだけなんだけど、見た目に反してめちゃ難しい。しかもムーブが面白い。今回登ったボルダー課題の中では一番面白かった。

こちらは松氏によるマントルの様子。



最後は葉月岩。左奥のカンテ9級は簡単だけど面白い。右のカンテ(9級)は結構悪い。声が出た。《オハチ尾根》(8級)も面白い。どこまで行ったら良いのかが分からなかったから、左のカンテ(9級)のゴールまで行ってみたら、めちゃ長くて疲れた。あと、後半は苔だらけで怖かった。どうもそこまでは行かなくて良かったみたい。当たり前か。

最後に葱岩で敗退した段階で6時を回ったので、撤収。

あれ?雨はほとんど降らなかったな。最後まで登れちゃったよ。

帰りは境川でご飯を食べて、25キロの渋滞を避けるために、大月で高速を降りて上野原まで、上野原から檜原村を経由して帰宅。檜原村経由は、高速の渋滞に突っ込むのと比べて+30分というところか。

2013年7月10日水曜日

スラブの計画

僕はスラブが好きだ。

何にもない花崗岩の傾斜にシューズの前半分全部を押し付けて一歩二歩とスラブを登っていると、空中を浮遊しているような不思議な感覚に包まれる。日常の生活とはかけ離れた世界に自分の身を置いていると感じる。

クラシカルなルートのランナウトも好きだ。普段の自分には出せない力を出させてくれる。

小川山のスラブを登り尽くしたい。一つ残らず全部登ってしまいたい。

この夏はまずは5.11台のスラブを登れるようになることが目標だ。




5.11以上のスラブ(と思しきルート)をトポからピックアップして、グレード別に並べてみた。


5.12以上
ロリータJUNKO 5.12a 八幡沢左岸スラブ
YMO 5.12a 八幡沢左岸スラブ 
アルピニスト 5.12b 八幡沢左岸スラブ
星と光 5.12a 屋根岩2峰下部


5.11d
バイシクル・ダイク 屋根岩東面下部スラブ
メルドー 屋根岩1峰頂上周辺
ふんころがし 屋根岩4峰南面左壁
チャンス 八幡沢左岸スラブ
ビッグモー 八幡沢左岸スラブ


5.11c
ときめきをありがとう マラ岩
ガンコおやじ マラ岩
オリオン 妹岩
ホップ・ステップ・ジャンプ オーバーヒート下の岩
小川山シャンツェ 金峰渓谷・砦岩東門
ヤリイ!なぎなたア 金峰渓谷・砦岩
国師夢想 雀卓スラブ


5.11b
てんかちゃん マラ岩
ズイノ 金峰渓谷・ロストワールド
PTA 屋根岩2峰下部 →完登

スラブの逆襲 そらまめスラブ

ぶっぽうスラブ 屋根岩3峰露岩帯
帰ってきたタジヤン そらまめスラブ
メルトダウンダイレクト 屋根岩3峰南面 →封印中
私の傾斜 屋根岩5峰中段
雨がやんだら 八幡沢左岸スラブ →薄かぶりのフェースみたい


5.11a
幻を追う人 スラブ状岸壁
オレンジロード マラ岩 →完登
ラリグラス 妹岩
ウォーターシュート 金峰渓谷・元気が出るスラブ
オフロード 金峰渓谷・砦岩(核心部は垂直?)
ノイズ 水晶スラブ
ジェイコブズラダー おむすび山スラブ →トライ中
宝さがし 雀卓スラブ
ナデシ 廻り目平周辺・最高ルーフ左の岩
ブルーアイランド 八幡沢左岸スラブ
寒冷前線 八幡沢左岸スラブ
スコッチ 八幡沢左岸スラブ




さて、どれから登ろうか?

・5.12は左岸スラブ 
 →左岸スラブの5.11はアップ用に残しておいて良い

・5.11dは屋根岩
 →屋根岩の5.11cまではアップ用に残しておいて良い

⇒5.11a-5.11cはマラ岩周辺と金峰渓谷

・金峰渓谷の5.11a-5.11bはコンディションが怪しい
 →小川山シャンツェ5.11cまで残しておいて良い

⇒5.11a-5.11bはマラ岩

まずはマラ岩のオレンジロードから行ってみよう。

2013年7月6日土曜日

ポケットマントルOS & 海への道#2

今シーズン2度目の小川山。いつものパートナー松氏と。狙いは名クラシック《ポケットマントル》。

9時過ぎに廻り目平着。金峰渓谷へ向けてアプローチ開始。カモシカサイドロックは思ったほど遠くなかった。

まずは《発熱の街角》(5.10b)でアップ。これはあっさりオンサイト、のつもりが、2本目のボルトの右を行くか、左を行くかで迷って、落っこちた。ここで敗退。2トライ目でRP。その後もう1回、3本目までかかった状態で練習で登った。

《発熱の街角》

これは難しい。右を行くべきか、左を行くべきか、どちらを行くべきか分からないと、思い切ってムーブを起こすことができなくて、ビビって心折れてしまった。結局ここは左のクラック沿いに登るのが正解の様子。分かってしまえば5.10bらしく登れる。

4本目のボルトの位置は理由が分からない。3本目から遠いので、4本目付近で落ちるとロングフォール。もう1段下のダイクに立ちこんだところで両手を離せるんだから、1段下でも良かったのではないか?しかも、今の4本目の位置と同じ高さの左のクラックにカムがきまるんだから、なおさらのこと。1段下にボルト&上にカムが妥当なような気がするが、なぜなんでしょう?


次は《ポケットマントル》(5.10d)。こちらはオンサイト成功

《ポケットマントル》

《発熱の街角》でグレード感覚を理解していたこと、両手プッシュマントルのムーブを経験していたことが効いた。《発熱の街角》が《ポケットマントル》のアップに最適ってのは、さくっと登って身体を温めるって意味じゃないんだね、きっと。

ルート名の由来のポケットは洗面器状態でした。そこに手を突っ込んでびしょ濡れ。使う人もいれば使わない人もいるというカムは、サイズが分からないので持って行かなかった。必要だったら敗退してやり直すつもりで。結局、不要でしたよ。落ちるところじゃない。使うとしたらフィストサイズかな?ムーブはだいたいマントル。一カ所だけ結晶をつまんでスメアでスラブ登り。全体を通してランナウトだったけど、集中してたから全然怖くなかったな。

そうそう、途中の下降支点として使うべきものらしい中間支点に残置のカラビナが1つ。しかし、支点は1つで、しかもハンガーはクルクル回ってた。これで懸垂なんてロシアンルーレットみたいなもんじゃないか?初登時よりも下げられたという終了点からの回収は、スリングを足したりいろいろして50mロープで可能だった。イレギュラーなやり方ではあるだろうけど。

《発熱の街角》で手こずって時間を要したのと、松氏共々《ポケットマントル》のトライにじっくり時間をかけたので、この時点ですでに良い時間。最後にハコヤ岩へナチュプロの練習。登ったのは《森林浴》(5.8)

右が《森林浴》

ナッツがよく効いた。登り始めたらすぐに雨が降り始めたので、最後はランナウトで急いで登ってオンサイト。ジャミングはほとんどなしでフェイスの登りだったので、ラクチンだった。

ここで撤収。

駐車場に戻って、黒豆岩でボルダー。

《黒豆》

前回登った右の2級と左の2級を再登してから、真ん中の黒豆(1級)。小一時間ほど粘って、右手出し、左手プッシュの体勢まではいけたけど、敗退。また今度。

○海への道 #2

マントルむずかしい。肩周りのこれまで使ったことがない筋肉にビキビキ響く。黒豆をやってたら海に近づけそうな予感。