2022年12月23日金曜日

ひのはらダイレクト・完登



 飯塚さんと、ひのはらダイレクト(仮)@とうげん橋ボルダー

水を拭いたタオルが凍るくらい寒かった。寒いのを我慢しながらクライミングをするのはやめたんだけど、この日は岩場での有効な寒さ対策を考える日というマインドで臨んだので、まあまあ良かった。

水で冷やして、温めて、冷やして、温めて、これを繰り返して血行を促してみたけど、イマイチ。左壁の課題を結構頑張って登ったら温まってきた。スクワットは効果抜群。

本題のひのはらダイレクト(仮)は、飯塚さんの心づよい応援とスポットを得て、なんとか完登。

ひのはらダイレクト 7a



このグレードの課題としては秋川流域エリアではトップレベルに面白いかも。


ひのはらダイレクト(仮)

 ちょっと前のこと。ひのはらダイレクト(仮)へ。




アップで坂道を登り下りで7km。下半身がヘロヘロになる割に体はすぐ冷める。


フットホールドが悪い左手フラットホールド取りは、正しい姿勢が鍵。

2022年12月5日月曜日

障子岩から、ひのはらダイレクト(仮)

飯塚さんと障子岩。

随分と気温が下がってきたので、南東面。一本目は《ぺっぺっぺの羽田》さん。ホールドは大きいんだけど、ところどころちょっと頑張って足を上げないといけないところとかがあって、アップには最適だ。全世界のアップの5.10aはこうあるべき。《TNT》はひどいよ。

それから3階に上がって、飯塚さんが《スーパーコンダクター》をオンサイトトライ。上部の核心部でなぜかボルトに残置ビナが二枚もかかっていて、明らかにクリップで消耗していた。あれはひどいよ。その後僕もやってみたら、指先の感覚がなくなって嫌になっちゃったので終了。あの指先は岩の冷たさというより、石灰岩のトゲトゲの刺激が原因じゃないかと思う。対策を考えたほうが良さそう。

ということで二人揃って早々に終了したので、ちょっと前に掃除した《ひのはらダイレクト》(仮)に行った。飯塚さんがナイスなカチを発見してくれたのでガバへの飛び出しは成功したけど、その後で敗退。右に向かってマントル突破するか、左に向かってスローパーをおさえるか、検討しないと。

また今度。

2022年11月28日月曜日

白岩滝ボルダー・《麻生バルジ(直上)》完登

 またまた飯塚さんと白岩滝ボルダー。狙いは《麻生バルジ(直上)》。

ここのところ飯塚さんと登ると必ずi-VOUを借りてアップをするんだけど、コレがめちゃくちゃいい。指がビキビキあたたまる感触がある。《麻生バルジ》は下部に小さなホールドを保持して足を切って体を反転させるムーブがあって、指が温まらないとしんどいんだけど、i-VOUがあればあっという間に温まる。仕上げに上部の大きなムーブを試してアップを完了したら、完登を目指してトライ開始。

《麻生バルジ(直上)》には極端に難しいムーブはないんだけど、不確実なムーブが4箇所ほどある。一つ目は、小さなホールドを保持して、上の遠いホールドに右手をだすところ(写真)。


出した先のホールドは結構良いんだけど、遠い。持ってるホールドはあんなに小さいのに。


二つ目は、右手を次のホールドに伸ばすところ。出した先のホールドは更に良いんだけど、なんだかバランスが悪くて、ほとんど落ちながら右手を出して、落ちる前にぎりぎり保持する感じ。


三つ目は、左手のブラインドホールドへのデッドポイント。見えない。


四つめは、右手を寄せるところ。ブラインドホールドがちっちゃい外傾ホールドなので、これを保持してデッドポイントを出すのは苦しい。そして、この時点で相当疲れてる。


ということで、不確実なムーブが続くので、スタートからつなげるのは結構難しい。今回はi-VOUアップのおかげで比較的すんなりとすべてつなげるところまで行ったんだけど、二回目の完登トライで、四つめのポイントである右手を寄せるときに、想定と違う場所に手を出していることに気づいた。で、三回目のトライでは想定の場所に出そうとしたら、そこには届かないことが判明。あいかわらず詰めが甘い。一回のトライでものすごく疲れるし、ムーブは迷走するし、これはヤバいぞと思ったところで、飯塚さんのナイスアドバイスが有り、ムーブを丸パクリして4回目のトライで完投した。

《麻生バルジ(直上)》FA、たぶん7Aくらい。

飯塚さんは《麻生グルーブ》に取り組んで、うっすいピンチを保持してリップにドッカンするパンチの効いたムーブに可能性を見出していた。すごい。僕もやってみたけど、麻生バルジのトライで完全に体が終わっていた。

また行かないと。

2022年11月22日火曜日

障子岩・《TNT》とか《大御所》とか《穴 part2》とか

 また飯塚さんと障子岩。

《TNT》(5.10a)を5.10aらしく登ろうというという取り組みを継続中。今回は一回目でまあまあうまく行った気がするけど、まだまだ改善の余地あり。あと、出だしはやっぱり気持ち悪い。そこは改善できるかどうか不明。

襖岩に移動し、飯塚さんが《大御所》(5.11b)をオンサイトトライ。下部の厳しいところを突破して、上部でテンション入ってた。上部ホールドが粉々orドロドロで、オンサイト向きではありません。今度掃除しとく。僕もちょっとやったけど、難しい。

次は、前回敗退した《穴 part2》(5.11b)。薄皮をかぶったコルネを掃除して、前回と違う中継ホールドを使うムーブを試して、なんとなく可能性が見えてきたような気がするけど、でも前回探ったムーブを発展させてブラインドのポケットにダイノしちゃうのが手っ取り早い気もしなくもない。また今度。

ここのところ飯塚さんとスポーツルルーとを一緒に登っていて、学ぶことが多い。飯塚さんはオンサイトトライに疲れてきたと言ってたけど、一緒に登っていると粘りのクライミングに刺激を受けた。レッドポイントクライマーはちょっとつらいとすぐテンション入れてしまう。アップのルートでも。そこを少し頑張って粘ってみると、落ちないクライミングにつながるんじゃないかという気がする。

あと、ホールドの向きを考えてセオリー通りにやるとこうだよねという動きをできていない。インドアでの動きをそのまま再現すればいいだけなんだけど、そうはなっていないのが反省点。


障子岩・《TNT》とか《穴 part2》とか

ちょっと前のこと。飯塚さんと障子岩。

《TNT》(5.10a)を5.10aらしく登ろうというテーマで何回か登った。少しずつかたちになってきたような気がする。

飯塚さんは《ニトロ》(5.11b)をオンサイト。上部は《TNT》と共通だけど、下部のガツンとくるボルダームーブをねばって押し切るナイスクライミングだった。こんな良いクライミングは久々に見た。

残った時間で、襖岩の《穴 part2》(5.11b)。ムーブも解明できず、ド敗退だった。

また今度。

2022年11月12日土曜日

白岩滝ボルダー・麻生バルジまた前進

 事前にリップ上の掃除を済ませた5度目の白岩滝ボルダー。飯塚さんと朝練で行ってきた。

前回の記録はこちら。https://lowfatclibmer.blogspot.com/2022/11/blog-post.html

中間部のムーブの強度が高くて朝イチだと辛いので、上部のムーブ確認から。右のガバを取ってから2手すすめるムーブを確認。いまいちしっくりこないけど、低い棚に右足を置いて右手を寄せる方向で一応決定。

つなげトライで右ガバから左リップの外傾ホールドを取るところまで行ったけど、右手寄せを失敗。

飯塚さんは右抜けのラインで完登。すばらしい。7aくらいじゃないかという話し。右抜けは下地の岩が恐ろしい。直上は素直なランディング。僕は直上で行きたい。

またこんど。


右抜けの飯塚さん









2022年11月6日日曜日

白岩滝ボルダー・麻生バルジ前進

 白岩滝ボルダー、多分四回目。

以前の記録はこちら。

http://lowfatclibmer.blogspot.com/2021/05/blog-post.html

この後、一人で一回行って、飯塚さんと一回行って、今回が一年数カ月ぶりの四回目、たぶん。

まずは左の《白岩カンテ》。スタートの左手のホールドがトゲトゲしてて最初は痛いけど、一日のクライミングを終える頃には痛みは感じなくなっているのが不思議。6Cくらいと言ってたけど、6Bくらいかも。

それからその右の《サンライズ・クリスタル・フェイス》。右手のホールドがまだ落ち着いていなくて、今回も変化があった。そろそろ落ち着きそう。こっちが6Cくらいかも。

そして本題の麻生グルーブあらため《麻生バルジ》(仮)。グルーブから外れて右に抜けるので、仮称を改名。《麻生グルーブ》は左に抜けるライン。




懸案であった右のガバ取りに成功した。使えないと思っていた左手の斜めアンダーに寄せて、左足は遠目のフットホールドで右足は三つのうちの一番右のフットホールドで、ドカンで成功。7Aくらい?しかし、意外なことにそれで終わりではなくて、今回は時間切れ&掃除不足で終了。

次回、掃除道具を用意してリップをきれいにしないといけない。近々また行きたい。


サンライズ・クリスタル・フェイス、結構むずかしい



2022年8月14日日曜日

妹岩でいろいろ

 山森さんと小川山。

妹岩で、カサブランカ。10年くらい前に敗退して以来の二度目の挑戦でRP。カサブランカといえば小川山レイバックをやったあとの2歩目のステップというイメージがあるんだけど、それにしてはプロテクションのセットが難しすぎる気がした。ムーブ的には、上部のダブルクラックを移るあたりのフェースっぽいムーブが核心な気がする。

ジャックと豆の木をオンサイト。核心部はたぶん下部のワイドで、しかしムーブはワイドではなくて、左手のカチの保持力と左足のスメアリングの踏みつけ力の勝負か。

次はパピヨン2P。2P目が美しいと聞いていて、僕が1P目をリードして、山森さんが2P目をリードするっていうオーダーでやったんだけど、2P目は確かに岩が汚れていないと言う意味では美しかったけど、クライミングの内容的には普通で、1P目の方がワイドっぽくて悩みがあって面白かった気がする。奥多摩でB面クライミングをやっていると、岩の汚れは人より気にならないのかもしれない。

泳いで終了。

バードウォッチング・エリア

 山森さんと小川山。

バードウォッチング・エリアで、キビタキを山森さんがオンサイト、僕がフラッシュ。左に傾いて斜めに走るクラックに左足をフットジャムすると急に安定感が増す。

オオルリを山森さんがオンサイト、僕がフラッシュ。山森さんが右向きで登ってたので、僕は左向きで登ってみた。結局中間部あたりで体が出てダイクに立ったので、大差なかったかもしれない。ダイクを全部限定してワイド登りで通したらいい練習になりそう。

ちょっと移動して、ポケットマントルを山森さんがオンサイト。

またちょっと移動して、完全なる酒乱にド敗退。

泳いで終了。

2022年6月17日金曜日

アメリカのスポーツクライミング(2)

スポーツクライミングにおけるリスクを考える第二弾。 


アレックス・ホノルドのClimbing Goldから、アメリカにおけるスポーツクライミングの生みの親であるアラン・ワッツ(Alan Watts)との対談。


https://www.climbinggold.com/episodes/cheater-cheater


スミス・ロックでラップボルトによるスポーツルートの開拓を始めたワッツは、当時すでにクラック・クライミングの分野では世界のトップレベルだった。対談では、スミスにはクラックがあまりないのでフェースをクライミングの対象として見始めた、スミスにクラックがいっぱいあったらスポーツクライミングをやってない、なんてことを言っていた。

この点については、スミスも少ないながらクラックはあって、高難度のものもあるので、文字通りスミスにクラックが無いと理解するよりも、ワッツが強すぎでクラックを登り尽くしちゃったと理解するほうが良さそう。と言う話を木織さん教えてもらった。



それから、ホノルドのコメントとして、ワッツが当時のメインストリームであったクラック・クライミングにおいてトップレベルにあったということが、ワッツが始めたスポーツ・クライミング(と言う名称は後から付けられたのだろうが)にcredibilityを与えた。

強いから新しい取り組みを初めて、強いからその取組が承認される。強さって大事と理解した。

その他、スミスでラップボルトがそこまで問題にならなかった理由として、スミスのクライマーはバラバラでメンターのような存在がいなかったことをワッツは挙げている。やめろと言われたときにその忠告に従わないといけないと感じるような存在がなかったと。

本題であるスポーツクライミングにおけるリスクについては、ホノルドのコメントがある。スポーツクライミングは「安全すぎる」との批判があることに対して、そういうことを言うやつはスミスのクラシックを登ったことがないのだろうと。スミスのクラシックは、ボルト間隔はとんでもなく離れていて、安全ではあっても登ってみると安全とは感じられない、とホノルドは言う。こういう反応が出るということは、少なくともホノルドはスポーツクライミングにおいて「安全とは感じられない」ことに積極的な価値があると考えているということだろうか?

2022年4月13日水曜日

アメリカのスポーツクライミング(1)

ラップボルトの スポーツクライミングにスパイスを求める倫理はアメリカのスポーツクライミングから出てくるのではないかという仮説のもとにアメリカのスポーツクライミングを理解する試み。

話としては、スポーツクライミングのボルトはいかにあるべきか、スポーツクライミングにスパイスは必要か、ボルトの打ち替えや打ちたしにはどのような手続きを設けるべきか、という感じで、テーマは色々あるけど、まずはアメリカのスポーツクライミングについて雑駁に勉強してみましょう。まずは、ランナウトするスポーツクライミングとして日本でも報告されているスミスロックから。

PUTTING UP A NEW CLIMBING ROUTE OR REMOVING EXISTING HARDWARE AT SMITH ROCK? NEW RULES
https://smithrock.com/news-all/putting-up-new-climbing-route-or-removing-existing-hardware-smith-rock-new-rules

2021年に確定的なルールができるけど、暫定的な措置として、2020年8月31日以降、スミスロックでのボルトの設置および除去にはpark mangerもしくはpark managerから授権された者による明示的な書面による許可が必要となるという記事。この措置は、Oregon Administrative Rule 736-010-0040 (4)という法的な根拠があるもの。違反した者は最悪の場合は州立公園への立入禁止になるとか。

フォーマルなルールに基づいて規整をするアメリカらしいやり方。おそらく、その前提となるのは、park managerがクライマーと意思疎通をしクライミングのことを理解して許可の可否を判断する仕組み。日本では容易ではないでしょう。

次。スミスロックの開拓者の姿を伝えるレポート。

Dust, Sweat, and Tears at Smith Rock - A firsthand look at the little-understood art of establishing new sport climbs. JANUARY 12, 2019 by TODD YERMAN
https://www.climbing.com/people/dust-sweat-and-tears-at-smith-rock/

The history of new-route development at Smith is inextricably linked to the rise of American sport climbing. It was here in 1983, when Alan Watts rappelled down a gorgeous pocketed face in the Dihedrals and placed expansion bolts on Watt’s Totts(5.12b), that sport climbing in America was born.
Smith Rock’s sport-climbing “Golden Age” reflected the growth of the sport not only from the standpoint of new boundaries, but with respect to a community redefining itself. Ethical debates raged over rap bolting, hangdogging, chipping, gluing, pre-placing gear, and retro-b
olting.


A related question is, How many bolts should a route have? Early sport lines at Smith Rock had as few as possible, with natural protection to fill in the blanks. Some, like Heinous Cling, the airy 110-foot, eight-bolt 5.12c in the Dihedrals, were even bolted on lead. The transition from the trad mentality was slow, and a “ground-up” attitude persisted. Even Ruana’s Forbidden Fruit project still requires a couple of cam placements. At the other extreme, some routes had bolts placed an arbitrary, uniform distance apart, turning clips into cruxes. “The problem with the way things were done at Smith is it sucks, when you think about it now,” says Thompson, who moved to the area in 1982 and witnessed the sport revolution firsthand. “There was this attitude that is has to be runout. Why?! Put the bolts where they need to be.”


アメリカのスポーツクライミング発祥の地であるスミスロックでは、ランナウトが善とされた時代が確かにあったようです。それに対して、当地のlegendary local crewの一人とされるTedd Thompsobは、今になって考えるとバカみたいだと言っている。"Put the bolts where they need to be."というのだけれど、問題は「必要なボルト」とは何かだろう。怪我をしなければいいのか、それなりに恐怖感を和らげてくれる間隔で打たなければならないのか?

ケミカルアンカーが主流となっていることに関して、

“I know glue-ins are better,” says Alan. “But my routes are new, and I don’t know if the clips are gonna work for everyone. What if I have to move them?” Caldwell concurs: “You just have to do what’s right for your routes, and go with glue-ins [later] if you need to make changes.” The message is clear: A new route is a work in progress, even after the FA.




2022年3月5日土曜日

氷細工の竹とんぼ

秋川エリアでトラッドクライミングを行った。

このエリアは、2021年1月の岩探し山歩きで発見した。1月中にクリーニングをして、翌2月に山森さんと登りに行った。山森さんのオンサイトトライを皮切りに、はじめはグラウンドアップでの完登を目指したけど、プロテクションの不確実性のために断念した。岩が安定していないのだ。誰かを誘ってクライミングをするなら岩は徹底的にクリーニングすべきであったと反省した。そういうことで、トップロープでワークアウトすることになった。

帰り道

2021年12月には、ボルダリングでエリアを再訪。大きなサイファーで失敗して、臀部を負傷した。
ボルダリング

続いて、2022年1月にはトップロープで完登。

核心部

いよいよRPを狙って再度エリアを訪れた3月、ようやくこのルートを完成させることができた。最初のRPトライでは、核心部のフットホールドが練習の時よりも小さく感じ、突入できずにテンション。ここはプアなプロテクションでランナウトするので、思い切りが必要。登ったあとに山森さんと話していて気づいたけど、核心部手前のレストポイントまでで足の疲労が溜まっていて、うまく足に力が入らず、それでフットホールドが小さく感じたようだ。

僕の失敗のあと、山森さんがRPし、ルートを完成させてくれた。僕はその後にゆっくり昼寝をして回復して、RPに成功した。フットホールドはやっぱり小さく感じたけど、もうやるしかないと決心して突っ込んだ。

核心部

トップロープを使うという決して良いとは言えないスタイルでの完登だったけれど、嬉しさに顔が緩んだ。数年ぶりにRPを狙うクライミングをしたこと、ブラインドホールドにデッドを2発叩き込むダイナミックなクライミングをナチュラルプロテクションで実践できたこと、そして何より、自分で歩いて発見したエリアで岩塔を突き上げる素直なラインを引けたこと、とてもいいクライミングだった。何度も付き合ってくれた山森さんに感謝。


ルートには山森さんが「氷細工の竹とんぼ」という素敵な名前をつけてくれた。

2022年3月3日木曜日

久しぶりの障子岩

スポーツルートやろうということで、山森さんと障子岩。石灰岩のスポーツルートを登るのいつ以来だろうと記録を見返したところ、2016年1月以来だった。6年前。信じられない。

これだけ間があくと全然登れないことがわかった。一つには、石灰岩のスポーツルートのムーブが出てこない。もしかしたら、石灰岩のスポーツルートのムーブというより、障子岩のムーブと言ったほうがいいかもしれないけど。もう一つは、石灰岩のホールドになれていない。冬の石灰岩の冷たさと、ところどころ出てくるガビガビのホールドを握る痛さ。

ということで、散々な結果だった。障子岩のルートを全部登るというクライミングにおける目標が実はあったことを思い出したし、これからしばらくまじめに障子岩に取り組もうという気になった。

ペッペッペの羽田さん 5.10a  ◯(快適)

筋違い 5.11a ✕(ムーブができず)

ジェラシー'95 5.10d ◯(スムーズではない)

穴 5.11a ✕ (ムーブが思い浮かばない。テンション混じりでトップアウト)

野生の風 5.11c ✕(ムーブができない)

ジョン・ガーバー 5.11a ✕(ムーブが思い浮かばない&もうヨレヨレ。テンション混じりでトップアウト)


2022年3月2日水曜日

数馬の岩場のアクセス

随分前に登った数馬の岩場のアクセス。まだ登ってない岩がありますが、最近いけてないのでとりあえずアクセスを紹介します。

以下は、登ったときの記録。

エイドルートのフリー化@数馬の岩場から、ランジの課題@鳩ノ巣エリア

エイドルートのフリー化完成@数馬の岩場

エイドルートのフリー化に挑むその2@数馬の岩場

奥多摩トラッド@数馬の岩場から、フィンガージャム&ダイノ・ボルダー

完成・COMPASSION@数馬の岩場から、鳩ノ巣ダイノ


アクセスと既存ルートの記録は山と渓谷387号(1970年)に掲載されています。しかし、50年前なのでアクセスには変化もあります。



「案内図」では、西側の沢からアクセスすることになっています。これは今も可能です。また、白丸駅の駐車場からアクセスすることも可能です。その場合、数馬の切通の手前から右に入って、広葉樹の樹林帯を上がって、杉の植林帯を適当に登ることになります。「案内図」にある「マツの木」はわからず、「プレート」はありません。岩がありそうなところの目星をつけて、適当に左の斜面を降ります。


たぶん下の十字の場所です。


2022年1月21日金曜日

クライミング・コミュニティなど存在しない

 There is no such thing as climbing community

と、マーガレット・サッチャーが言ったとか、言わなかったとか。

最近、Giuliiano CameroniのOff the Wagonのロースタートの動画を見た。


この課題は岩の下に置かれたワゴンから登るのでOff the Wagonと名付けられていて、今回はそのワゴンをどけて登っている。ワゴンをどける行為については、どけてももとに戻せるんだから誰にも迷惑をかけていない、だから全然問題ない、ということも言えなくもない。しかし、その行為がカッコいいかどうかという目で見ると、カッコよくはないと言わざるを得ないだろう。なぜならそれはOff the Wagonなんだから。

カッコいいか良くないかなど主観的な判断に過ぎず、そんなものは存在しないという考え方もあるかもしれない。クライミングのスタイルなど理解できない、迷惑をかけない限り何をしても良いのだ、というあれだ。しかし、僕はそれには与しない。クライミングの良し悪しなど存在せず、迷惑をかけなければ良いという考えは、共通の価値と価値をめぐる共通のコミュニケーション手段を持つクライミング・コミュニティなど存在しないと言っているに等しい。そしてそこでは、迷惑をかけないクライミングという世界さえ実現する可能性は低い。

共通の価値と共通のコミュニケーション手段を欠いたとき、何が迷惑であるかについてさえ、そして誰が迷惑をかけているのかについてさえ、合意することは不可能になる。極端な話し、クライミングにおいて最大限に悪い行為とされているチッピングにおいてさえ、チップする者がチップされていない岩を登りたい者に迷惑をかけているのか、チッピングを悪とする者がチップしたい者に迷惑をかけているのか、わからなくなる。チップする者には、自由にチップしたいのにチッピング否定派のせいでやりたいようにチップできない、そんなふうに見えているのかもしれない。種々のクライミングの価値についてコミュニケーションの可能性を否定しておいて、チッピングとか迷惑行為と自分がみなす事柄についてだけ選別的にコミュニケーションが可能である、そして彼らは我々の話を聞いて納得してくれる、なんてことはないのだ。

だから、必要なのは、クライミングの価値についてコミュニケーションが可能であると信じること、そして、クライミングの価値について様々な場でコミュニケーションを行う練習をすることだ。その意味では、「ノーマットなんてありえん!危険だ!」という時々現れる発言も、「そんなわけねーだろ!」と突っ込まれるところまで込みでコミュニケーションの練習としては意味があるのかもしれない。