2018年8月29日水曜日

初トラッド@Stanage Plantation

ニックと一緒にStanage Plantationでクライミングしてきた。家族も一緒にピクニック。Plantationではボルダリングは何度もやってるけど、トラッドは初めて。

Paradise Crack HVD 4a


まずはニックがParadise Crack HVD 4aを登った。登っている最中に隣でクラックを登っているクライマーがフォールして、ナッツが弾け飛んだ。グラウンドフォール。クライマーはルートの下に露出していた岩に側頭部を強打したが、ヘルメットをかぶっていたので頭は軽傷。ただ、腕を痛めていて、パートナーが救助を要請した。

ニックがリードを終えた段階でこちらのクライミングは中止して、救助の手助けをした。ほどなくしてヘリが飛んできたので、岩の上に上がって場所を知らせたり。

色々と学びは多かった。

・ヘルメットは必須
・レスキューは岩場の場所を把握していない
・駐車場の名前も把握していない可能性あり

などなど。

で、救助が終わった後は、ニックがリードして設置したプロテクションが残っていたので、僕がリードして、ニックがフォローで回収した。

Millsom's Minion E1 5b


次は、僕がMillsom's Minionを登った。この岩の下の目立たない場所に、最近設置されたばかりと思われる新しいプレートを見つけた。そこには、二人の人物の名前と、生年月日、亡くなった日。トポを見ると、一人はMillsom's Minionというルートの初登者、もう一人は奥さん?ルートは、Eastern GritのTop50。これは登らないわけにはいかないということで、やってみた。

出だしのハングを越えた後は、スラブ。数本の水平クラックが走っていて、プロテクションを設置できそう。クラックの間にはポケットホールドがちらほら。ここにプロテクションを設置できるかどうかで、危険度が大きく変わる。設置できますようにとお祈りをしてスタートした。

二つ目の水平クラックにカムを入れて、ポケットホールドを探ると、あんまりよくない。プロテクションセットなど無論不可能。というのがいくつか続いて、落ちたら確実にグラウンドというところで、次の水平クラックにカムをセットできた。

そこから右にトラバースして、次のムーブが難しかった。右手にほどほどの斜めカチ。左手は頼れるホールドはない。フットホールドは右。バランスが悪い。左上に斜上する岩の膨らみが見えるので、ここにホールドがあるはず、と思って左手で探るけど悪い。数度探ってもないので諦めた。これは悪いスロパーで耐えるしかないやつだと判断して、体勢を整えて、左手で耐えて右手を見えない部分に伸ばした。ぼちぼちのホールドを掴んで一安心。ちなみに、もっと右にトラバースしたらもう少し楽に登れる可能性もあって、それが正解という可能性もある。

後はまたランナウトしつつ、落ちたくないスラブを登って終了。オンサイト。

納得のTop50。素晴らしい。ニックも核心ムーブをこなしてフォローしてきた。

この時点で既に2時。ここから子供にトップロープを張ってあげたり、ご飯を食べたり。で、後はちょっとだけボルダリングをして終わり。

2018年8月14日火曜日

Green Traverseを登った@Stanage Plantation

土曜日の午後、家族でピクニックに出かけた。行き先は、Stanage Plantation。この日は絶好のアウトドア日和で、ピークディストリクトはどこも駐車場が満車に近かった。Plantationの駐車場には運よく空きがあった。

狙いは、Green Traverse 7A。

Green Traverseは、Stanage Plantationの大きな木の下にある。暑い日にはボルダラーにとってはオアシスのような課題だ。この日も暖かくて、木陰がありがたかった。

三日目のGreen Traverseは、ムーブを軽く確認してやってみたら、あっさり登れてしまった。暖かいといっても、前に来た時よりは随分と気温が下がっていたからかもしれない。

何れにしても、2本目の7A(変な隙間以外では)。やはりだんだんと登れるようになって来てる。嬉しいことだ。

ちなみに、そのあとにDeliverance 7B+をやったら、リップまでの距離に愕然とした。しかし、リップを掴めたら超気持ちいいに違いない。

子供達はずっと楽しそうに遊んでいた。また行くよ。

Tracksideを登った@Curbar

ちょっと前のこと、天気が良かったので夕刻から娘一人を連れてCurbarに向かった。

狙いは、前回来た時に登れなかったTrackside 7A。ムーブを忘れていて苦労したけど、なんとか登れた。超面白かった。


UKでに来てから初めてこのグレードの課題が登れた(変な隙間以外で)。ちょっとずつ登れるようになってる気がする。

2018年8月13日月曜日

RAC boulder in Wales

ウェールズ観光のついでに、RAC boulderに立ち寄った。ロードサイドで下地は真っ平ら。難しい課題はない。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=1634

正面の高い課題をいくつか登ったのが気持ち良かった。裏面のリップトラバースはPump Traverseという課題で、リップに縦クラックがいくつか走っている。グレードは6B+なんだけど、ジャミングができない人がつけたグレードだと思う。

ちょっと立ち寄るにはとてもいいところだった。

2018年8月5日日曜日

初めてのStanage North

ここのところ一緒に登っているニックと、夕刻からクライミングに行ってきた。最近二回はBurbage Northに行っていたが、今回はちょっと足を伸ばしてStanage Northに向かった。

Stanage Northは、ピークディストリクトの女王たるStanage Edgeの北の三分の一くらいのエリアを指す。ちなみに、真ん中はStanage Plantationで、南の三分の一はStanage Popularだ。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=99

Stanage Northはそこだけで600以上のルート・課題がある巨大なエリアだが、今回向かったのは、Stanage Northの中でもど真ん中に位置するHigh Neb。Quietusという三つ星のルートがあるので、あわよくばそれを登ってやろうと目論んでいた。

僕が持っているRockfaxのガイドブックではHigh Nebは徒歩12分ということになっていたが、実際は30分弱はある。なんで12分なんて書いちゃったのか、全くもって謎である。

High Neb Buttress VS 4c


https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=9995#overview

まずはニックがHigh Neb Buttressをリードした。初登はなんと1914年。すごすぎる。ニックはプロテクションセットに苦労して、核心と思われるセクションのスラブのムーブがなかなかできず、ビレーヤーの方が緊張した。粘りに粘って突破して、そのままオンサイトを決めた。これは最高のクライミングだったに違いない。超いいルート。僕はフォローだったので、また行ってリードしたいくらい。

Jeepers Creepers HVS 5b



次は僕がJeepers Creepersをリード。こちらはいかにも簡単そうなスラブの上にルーフがかぶさっていて、そこに一本のクラックが走っている。超かっこいい。想定通りにルーフの付け根まで楽々とたどり着き、ルーフにカムを2本突っ込んだ。で、クラックに手を突っ込んでルーフを越えようとしたけど、一筋縄ではいかない。行きつ戻りつしてよーく岩を観察し、ルーフの付け根から足を離して突き進んだ。ルーフの上がどうなっているかは下からは全く見えないので、出たとこ勝負。右手でつかんだ水平ホールドがヌメヌメですっぽ抜けそうだったけど、一瞬早く左手がガバをつかんでいた。オンサイト。超いいルート。

ここで、前に書いたブリティッシュ・トラッド・グレードの運用方法と照らし合わせてみたい。このルートのテクニカル・グレードは5b。そろばんグレードに直すと、5級。まあそんな感じ。HVSは、5bの中では最も低い形容詞グレード。先日立てた仮説ではプロテクションはひざ下ということになるけど、実際はそんなことはなかった。ルーフに入れたカムは、ロープドラッグ防止のために長スリングで伸ばしていたので、足下。ただ、UKのスタンダードであるダブルロープで登ればそこまで伸ばす必要はないだろうから、ひざ下くらいにはできる。ってことで、今のところ仮説は破られていない。

Inaccessible Crack VS 4c



二人ともリードにものすごく時間をかけてしまったので、あと一本だけということで、ニックがInaccessible Crackをリードした。初登は1915年。これもすごい。そこそこ苦労しつつ、ニックはオンサイト。僕はフォローした。

Stanage Northはこれまでに行った岩場の中では一番景色の素晴らしいところだった。岩の上に立って左を向けば、Stanage Edgeのほぼ末端まで見渡すことができる。右を向けた咲き始めたヘザーが地面を紫に染めている。日が暮れる頃には、正面にはHathersageの街の明かりが輝いている。控えめに行って最高だ。

2018年8月2日木曜日

Burbage Bridgeでボルダリング

Burbage Bridgeはうちから10分ちょっと。車を停めて30秒歩けばもうボルダーの前に立っている。超ありがたい。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=1874

夕刻から娘を連れて登りに行った。

Wobble Block 6B+、Bobble Block Direct 6C、Little Roof 6B+を登った。

1時間くらいで完了。

そろそろ7Aくらいを登れるようになるといいんだけど。

2018年8月1日水曜日

ブリティッシュ・トラッド・クライミングのグレードを理解する

分かりにくいと言われるブリティッシュ・トラッド・クライミングのグレード。俗にEグレードと呼ばれるやつ。


形容詞グレードとテクニカルグレードのミックス。ガイドブックを見ると、例えば"E2 5c"みたいに書かれている。このシステムについては、ちょっと前のロクスノに詳細な解説があるのでそれを読むとして、ここではこのシステムをどう運用しているかを言語化してみたい。

僕が登るルートを選ぶときに知りたいことは、そのルートがどのくらい危険なのか。UKトラッドはマジで危険なので、そこは知っておかないとまずい。そこで、どうやってルートの危険度を読み取るか。例えば、ガイドブックを見てそこに"E1 5b"と書かれていたとしよう。上の表の通り、E1の形容詞グレードがつけられたルートのテクニカル・グレードは5a、5b、5cの三通りある。5aだとbold、5cだとsafeとされる。5bは標準的。

これはどういうことかというと、E2という形容詞グレードにはルートの危険度もムーブの難易度も両方加味されていて、同じ形容詞グレードの中でテクニカル・グレードが低いということは、ルートの危険度の高さで形容詞グレードが上がっているということ。

ということで、まずは形容詞グレードを見て、次にテクニカル・グレードを見て、そこから逆算してルートの危険度を判断するという過程を辿ることになる。それってちょっとめんどくさいので、最初からテクニカル・グレードを主たる軸にして考えた方が楽チンなんじゃないかと思って描いてみたのが、これ。



テクニカル・グレードごとに、形容詞グレードを配置してみた(3c、4aあたりは実際はSとかHVDとかも入ってくるんだろうけど、省略)。

例えば、テクニカル・グレードが5bだと、形容詞グレードはHVS、E1、E2、E3の4通りある。で、ものすごく大雑把な予想としては、HVSだと核心ムーブでのプロテクションは膝下くらい、E3だとグラウンドフォールするって感じじゃないだろうか。例えば、ちょっと前に登ったSunset SlabはHVS 4c。ルートの三分の一くらいのところにカムをセットしたらあとは上までランナウトするので、実感としてはこれに合ってそう。もしかしたらプロテクション・セットの難しさとかもあるのかもしれないけど、今の所わからない。今後の課題ということで。

一番右に描いたのは、テクニカル・グレードをソロバングレードに換算したもの。ブリティッシュ・テクニカル・グレードは、ルート中の核心ムーブまたは核心セクションの難易度を表しているのでボルダーのグレードに読み替えるのが分かりやすい。ルートのブリティッシュ・テクニカル・グレードはボルダーのブリティッシュ・テクニカル・グレードより一つ上と言われてるようで、ボルダーグレードを介してソロバングレードに換算した。4cから5bくらいを登った感触としては、だいたい合ってそうな気がする。上の方は知らん。

例えば、テクニカル・グレードが6bだと、ボルダー3級程度のムーブが出てくる。その時にプロテクションが膝下で全くもって安全だと、E4。核心ムーブに失敗するとグラウンドフォールして大怪我するのが、E6。

超分かりやすい!!

これを作ってみてわかったことの一つ目は、Eグレードのおどろおどろしいイメージに反して、ムーブの強度はそれほど高くはないということ。1級が登れればE5からE8。E5だったら多分ドッカンドッカン落ちても問題ないだろうから、初段くらい登れるクライマーにとっては十分に登れるだろう。実際には、E5 6cなんてのはそう多くはないっぽいけど。

もう一つは、6c以上のグレードの詰まりっぷり。HVSからE5くらいまではグレードの上昇は早くても、そこから先グレードを伸ばすのは超難しそう。

てことで、なんとなくUKトラッドグレードがわかったところで、もりもり登ろう。