2013年5月28日火曜日

石にかじりつけ〜北川の岩場で北落師門にこんにちは〜

菊池敏之さんの、我々はいかにして「石」にかじりついてきたか。

我々はいかにして「石」にかじりついてきたか

既に絶版となり幾ばくかのプレミアムを払わなければ読むことのできないこの名著を手にした。めちゃ面白い。黎明期のフリークライミングの現場の話に、ギャグ満載。笑いが止まらん。もっとも、あー面白いでは終わらせてもらえず、最後はフリークライミングというものへの熱い思いをひしひしと感じつつ一気に読み終えてしまった。

全てのクライマーが読む価値のあるものだと感じさせるこの本が既に絶版なのは、悲しいことだ。

さて、ついに終わりを迎えた奥多摩・奥武蔵のシーズンの余韻を楽しむべく、48さんとクライミング。《北落師門》(5.12a)にリーチがかかっている48さんのビレーをすべく、場所は北川の岩場。

北川の岩場は二度目。前回は一年半前、冬の寒さに心折れ人の多さに心折れ、《謙譲の美徳》RPに失敗し、《北落師門》に至っては、一度だけ長い順番待ちの末にお触りさせてもらい、上部のハングまで到達できずに帰ってきたのでした。

みんながやってるからとりあえず《北落師門》という安易な選択をしたバカな振る舞いへの反省から、現在のマイナー岩場&マイナー・ルートめぐりが始まったというのもあるんですよ。


《北落師門》(5.12a)

さて、この日はアップとムーブ探りを兼ねていきなり《北落師門》。3便出して、リップまでテンションなしで到達。4便目、5便目はマントルの最中にどか落ち。リップの下降用のボルトにクリップしないから、マントルの最中に落ちるとかなりの落下距離で、スリル満点。5便目は、リップ下に左足を置いて右手をクロス気味にデッドで出して落ちたもんだから、空中で回転しちゃったよ。ちょうど一回転したところで壁に激突。あー楽しい

48さんは早々にRP。トゥエルブ・クライマー誕生。長い間憧れたルートだったようで、その数字以上にめでたいことです。さらにこの日は《ミンボー》(5.12a)もRPして、トゥエルブ・クライマーになったその日に二本目の5.12を登るという快挙。素晴らしい。

12クライマーの背中

こちらはというと、気持ちよいそよ風のなかで小一時間ほどお昼寝して出した最終便はもうヨレヨレで、リップまで到達したけどマントル返す体力はなく、ロングフォールすると回収が大変になるから突っ込む気力もなく、リップの終了点のチェーンを掴んでテンション。そのまま回収。

いやー、大変。何が大変って、回収が大変。ハングしてるしトラバースしてるし、回収作業でめちゃ疲れた。登るより回収の方が大変だよ、これ。

巨大なハングを辿る名課題。一日でリップまで到達したとはいえ、このルートはマントル核心。マントルを返さないと、何もできてないに等しい。惜しくもなんともない。とはいえ、1000%僕の守備範囲外の強い傾斜に対応できたのはうれしいことだ。

マントルのムーブは未だ不明。最初からリップの終了点にクリップしてぶら下がってマントルのホールドとムーブを探れば、早々にRPできる可能性はある。でも、それをせずにリハーサルなしで下から繋げてマントルに挑むという非効率的なことをしたのは、菊池さんの本を読んだからかもしれない。

ところで、見つけてしまった。めちゃカッコいいルートを。この岩場の売り物の大ハングを無視するかのように右端の薄かぶりのフェース引かれたカチカチのライン《秋葉大権現》。グレードは(5.12b)。これは強くなっていつか登りたい。


○今日の北川の岩場

僕たちの他に、3組6名。いずれもご夫婦?皆さん強かった。気温は高く、指先にはうっすらと汗。シーズンは終わりかな。


○《北落師門》

《北落師門》

みんながこの岩場でこのルートを登りたがる理由が分かったような気がする。どっかぶりの人工壁を登るようなジムナスティックな動きが魅力なんだろう。僕は守備範囲外だけど。

リップまでは比較的容易に到達できて、マントルで落ちるもんだから、惜しいと思わされる。それで次はRPだと意気込んでトライするけど、核心はマントルだからまた落ちる。みんながどハマりする理由も分かったような気がする。

果たしてこの人気ルートを再度トライする日は来るのだろうか?

2013年5月26日日曜日

《お局様》RPの障子岩

いつもの障子岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。午後から用事があるので2時撤収予定ということで、6時集合の予定が、結局いつも通り7時集合。

狙いはもちろん前々回に取りかかった《お局様》(5.11c)のRP。

襖岩右面の《鹿ノ子》(5.10c)でアップして、早速本題へ。


《お局様》

結果は、いつも通りどはまりしてRP失敗が頭をよぎる中、4便目でようやくRP成功

上部の苦手ムーブを回避して、右手のカチの保持力勝負でポケットスローパーを左手で取りに行く得意系に持ち込んだ。

よかったよかった。5.11cは2日で登れるの法則を継続中。夏の間に実力をつけて、秋シーズンには1日で登れるようにしたいところ。

《大奥》でも使うので、ムーブメモ。ハング下は、左手カチ、右手サイドプルで、左足を上げて、右手を奥の出っ張り。ここは、正面からアンダーピンチ。右前腕を岩に当てて、てこの原理でアンダーを効かせて、右足を上げる。次の1手は、左足を3センチ上に上げてから。


《大奥》(5.11d)

本日2便目で早々に《お局様》をRPして時間を持て余していた松氏がお隣の《大奥》のムーブを探っていたので、参戦。撤収までに2便を出して、ムーブは一応の解決を見た。

下から見ていて想定したムーブが大当たり。ハング下の外傾した小レッジへの立ちこみが核心の変態ムーブ。《ロリータ桃子ダイレクト》(5.11c)に続く、久々の爆笑系ルートであった。

《大奥》


○意思の力

《お局様》のRPには多大な時間を要した。中間部の核心部、苦手の足が効かないデッド・ムーブは、さっさとデッドでドッカンと出せば失敗はしないのに、それができない。躊躇する。

これとは対照的に《大奥》の核心ムーブは嬉々としてムーブを試して、早々に解決。

松氏は僕とは全く反対の状況だった様子。

苦手か、得意かで、こんなにも変わってしまうものか。いやいややるのか、ノリノリでやるのか、意思の力は大きい。苦手ムーブも思い切って出してみることがRPへの近道なのかもしれない。




○シーズンの終わり

コンディションは良かったものの、気温は上がり、確実に奥多摩のシーズンの終わりは近づいている。いや正直なところ、早く小川山でスラブを登りたいから、奥多摩のシーズンは終わりということにしたい。次は秋、5.12を登る。


○どはまりの理由

どはまりの原因は、つめの甘さ。この日もまたそれが出た。

上部ハング下のムーブは、前回は右足を先に上げて、左足をねじ込む予定だった。これを、左足を先に上げて、右足をあとから上げるムーブに変更。それにより、その後の2手のムーブも変わったのに、それを確認していなかった。足上げムーブだけを確認して、ロワーして、次のトライではその後の2手が出なくて失敗。

つめが甘い。


そうそう、《お局様》と《大奥》の共通の終了点の上に大きな浮き石がありましたよ。


2013年5月21日火曜日

小川山のスラブ

小川山2013のスラブの予習中。

スラブのまとまった情報と言えば、新井さんのラボラトリズムだけど、そこにないものも含めて、トポからスラブと思しきルートをピックアップ。

使ったのは、『関東周辺の岩場』。★もそこから。グレードもとりあえずそこから。100岩は情報が少な過ぎて予習向きではなかった。

以下、エリア別に。昨シーズンに登ったものは除く。

○父岩周辺
・兄岩
 タジヤンⅣ 5.10a ★★★ クラックからスラブ
 三日月のピン・クリップ 5.10b
・ままこ岩
 スラブ 5.10d
・おばさん岩
 トンビにアブラアゲさらわれた 5.10d クラックからスラブ
・父岩
 タジヤンⅡ 5.10a ★★★ 浮き石があるとの情報
 岩壁の父 5.10b ★★
 レタス畑でつかまって 5.10d

○マラ岩周辺
・マラ岩
 ときめきをありがとう 5.11c
 てんかちゃん 5.11b ★★
 ガンコおやじ 5.11c/d
 オレンジロード 5.11a
・妹岩
 マンズマグナム 5.10d
 ラリグラス 5.11a
 オリオン 5.11c
 カシオペア軌道 5.10b ★★★
・オーバーヒート下の岩
 ホップ・ステップ・ジャンプ 5.11c ★
 無名ルート 5.11b/c
・リバーサイド
 ブラックシープ 5.9 ★★★ 
 ジョコンダ 5.10d ★★
 アウト・オブ・バランス 5.9
 マダム・バタフライ 5.10b

○屋根岩
・水晶スラブ
 ノイズ 5.11a ★★
・東面下部スラブ
 バイシクル・ダイク 5.11d ★★
 河 5.11c ★
・東壁下部
 ビレニィプリズン 5.10d
・1峰頂上周辺
 メルドー 5.11d
・雀卓スラブ
 宝さがし 5.11a
 国師夢想 5.11c ★★
・おむすび山スラブ
 メイストリーム 5.10c
 無名ルート 5.10a ★★
 リメンブランス 5.10c ★★
 ジェイコブズラダー 5.11a ★★
 ほんにゃらごっこ 5.10c ★★★
 パイプライン 5.10d ★★★
・2峰南面
 ヨーソロー 5.11a
 PTA 5.11b
・3峰露岩帯
 ぶっぽうスラブ 5.11b
・ソラマメスラブ
 ロング・ロング・アゴー 5.10b ★★ ロワー不可能
 帰ってきたタジヤン 5.11b
 スラブの逆襲 5.11c
・4峰南面左壁
 ふんころがし 5.11d
 サラダむし 5.10b ガメラさん推薦オリジナル・ルート
・3峰南面
 メルトダウンダイレクト 5.11b ★★

○金峰渓谷
・元気が出るスラブ
 ウォーターシュート 5.11a
・カモシカ遊歩道側壁
 けものみち 5.10d ★
 ポケットマントル 5.10d ★
 発熱の街角 5.10c 
 気になるカンテ 5.10a 汚い?
 オフサイド 5.11b/c 汚い?
・砦岩東門
 森林エスカレーター 5.10c ★★
 小川山シャンツェ 5.11c ★★★
・砦岩
 ヤリイ!なぎなたア 5.11c
 オフロード 5.11a 
 巨石伝説 5.11

○八幡沢上部
・無名岩峰周辺
 タイニースラブ 5.10c

○八幡沢左岸スラブ
 ロリータJUNKO 5.12a ★
 YMO 5.12a 
 アルピニスト 5.12b
 ジャーマンスープレックス 5.10b ★★★
 他多数?

○スラブ状岩壁
・スラブ状岩壁
 ウィスキーキャット 5.10a
 幻を追う人 5.11a
 KC’s Banana Cake 5.10a

さて、どれだけ登れるでしょう?

2013年5月19日日曜日

ワイドクラックの聖人岩

久々に聖人岩でクライミング。

聖人岩

期待の新人のmrkmくんが外岩に行きたいということで、ご案内。sghr師も同行となったので、ルートもボルダーもできる岩場チョイスで、聖人岩。いつもの松氏も。

大人気岩場の聖人岩なので混雑も覚悟していたけれど、この日は常連さんとおぼしき2人組と、楽しそうな男女4人組との3パーティー、9名であった。


《おっとりマミちゃん》(5.9)

まずは《おっとりマミちゃん》でアップ。

悪いよこれ。下部のホールドが小さい上にフットホールドは磨かれてツルツル。落ちるかと思った。

さらに上部はシカで固められた(はずの)巨大なフレークがカタカタ動いていて、めちゃ怖い。

動くフレーク

終了点にたどり着いたら工業用のアイボルト×2のプアな終了点

周りを見回したら、《貂が見ていた》も含めて、終了点は軒並みアイボルトだったよ。ルート上部に動いてる石があるルートも多数。あー怖い。初心者が行く岩場ではないね、ここは。もうしばらくは行かないだろうなー。

《蟹もどき》の終了点

そうそう、《痒い霜焼け》あたりの上部のこの横長の岩、ちょこんと乗っかってるだけに見えるのは気のせい?




《モモンガキッド》(5.11b)

10台でアップするにも気持ちよく身体を動かせるルートはなさそうだし、プロテクションはいやな感じだし、アップはそこそこに本日の目標の1つである《モモンガキッド》に。

前傾クラック《モモンガキッド》

悪いよこれ。今までに登った5.11bの中で1番悪いかもしれない。

右下の岩を足で使っていいのか分からずムーブ探りに苦労。右下の岩を使ったら右アンダークリングで左上のガバに余裕で届いてしまって、限定ルートばかりのこの岩場でそりゃないだろってことで、右下の岩は使っちゃいけないと判断。常連の方にお聞きしたところ、やはり限定とのことであった。

2便出してもムーブは固まらなかったんだけど、その後常連の方が軽々と登るのを見たら、3便目で登れた。イメージって大事だね

こちらは松氏による《モモンガキッド》の様子。



やっぱり上半身が強い。


《合掌》(5.11c)

思いのほか苦労したけどなんとか1つ目の目標を達成したので、2つめの目標である《合掌》へ。

これまた悪い。めちゃ指にくる。2便出して、中間部のガチャフレークを持ってからの1手を出す体勢を作れなかった。ボルトは錆びついてるし、無理はしたくないので、敗退。弱いな〜。

松氏はフラッシュ。お見事。

さて、《合掌》の核心ムーブは今日は無理と判断。かといって、他に登りたいルートもない。この段階で残された選択肢は、ボルダーやるか、右奥のハイボルダーの《シュガートースト》(5.11b)をフリーソロするか、《貂が見ていた》の左のワイドクラックを登るか、3択。

《シュガートースト》はいけると思ったけど、よく見たらハングを左抜け。左下には岩があって、落ちたら死ぬので回避。

で、ボルダー。ボルダーは下地最高。傾斜が激強。7級はスタートのレイバック体勢で右掌がビキビキ痛んだので、敗退。

お隣の1級/初段は3トライで完投。苦手のこの傾斜でこれはあり得ないので、使っちゃいけないホールドを使った様子。しかし、手が届く範囲のホールドしか使ってないから、詳細は不明。

右の5級はヒーヒー言いながらなんとか完投。ボルダーは以上。


《梅ごのみ》(5.10b)

雨もぽつぽつ降って来たので、回収便で《梅ごのみ》。これまたホールドがつるつるで怖い。力ずくで登った。


《鯵唐》(5.11c?)

それでも時間があった。《貂が見ていた》の左に《鯵唐》というルートがあって、グレードは5.11c。2本目クリップ後は左のスラブのホールドを手で使わないという限定がある。しかし、右のクラックを使ってはいけないとの限定はない。少なくとも100岩には書かれていない。ということで、右のクラックを使って登ってみた。

2本目にクリップしてから一旦降りて、クラックへ。身体がすっぽり収まるチムニー。超楽しい。チムニーだから簡単なんだけどね。



めちゃ楽しいものの、地味だし、なんだかカビ臭いし、誰もやる人はいないだろうと思ったら、いたよ。ボルダーを見に行って帰って来たら、4人組の中の女の子がやってたよ。

これから流行るね、これ。

あ、そうそう。mrkmくんも頑張ってましたよ。



ちなみにこちらは《ウェーブ》のトラバースのアイボルト。終了点にアイボルトはよく見るけど、中間支点にアイボルトは初めてだ。



それからこちらは《越生ライン》の錆び錆びのボルト。表面だけなのか、中まで腐ってるのかは確認できなかったけど、この岩場はこういうの多いです。



成果は出ないしつるつるのホールドと嫌な感じの残置プロテクションでどんよりした気分で帰ることになるかと思いきや、最後の最後で超楽しいチムニー登りができて、大満足の1日でありました。

2013年5月13日月曜日

《パワー&ストレッチ》の障子岩

障子岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。北秋川方面は野生の藤の花が綺麗でした。

午前中からの雨予報につき、雨でも登れる岩場ってことで南面狙い。聖人岩で《モモンガキッド》と《合掌》も考えたけど、雨に強い聖人岩の評判からすると混雑もあり得るかと思い、回避。前に障子岩でお会いしたうりうさんが行かれていたようで、ムーブを教えてもらうチャンスだったから、残念。

いつも通り岩場には一番乗り。めずらしく我々の直後に3人来て、計2パーティー、5名の大盛況。別パーティーは襖岩で《サイクリスト》をやってるようでした。嬉しいことです。


《バルジ大作戦》5.10d

まずは意外とまだ登っていなかった《バルジ大作戦》のオンサイト・トライ。楽々オンサイト。体感5.10a。松氏も余裕でフラッシュ。おかしいな~なんて話してたら、気づいてしまった。出だしを間違って、隣の《夏立ちぬ》(5.11a)から登っていた。斜め一直線に終了点に向かって弱点を突くラインだったので、てっきりこれが《バルジ大作戦》のラインだと勘違いしてしまった。5.11aと5.10dを途中からつないで5.10aってのも不思議な感じがするが、ガバをつないで自然に登れるので、アップには最適だ。思わぬ発見で収穫あり。


《夏立ちぬ》5.11a

いいアップが出来たということで、次は《夏立ちぬ》のオンサイト・トライ。下部は傾斜を感じるもののガバでグイグイのストレニ系。上部の最終クリップ後の傾斜が変わった辺りで核心部が到来。ムーブが見いだせず、テンション。オンサイト・グレードの更新はならず。よ〜く周りを見回すと、ちょっと楽になれるガバを見逃していた(というか、これは見えない)のと、脇にそれたキーホールドのカチを見逃していた。これを使ってムーブを組み立てたら、問題なくトップアウト出来た。終了点手前がちょい悪いけど。下部はハングをガバでグイグイ、上部の核心部は傾斜が落ちるルートということで、天王岩の《ニルバーナ》(5.11b)に似ているかな。上部核心のムーブが面白い分、《夏立ちぬ》のほうが楽しめた。

松氏はフラッシュ。

2便目。問題なくRP。オンサイトできないのは視野が狭いからか?


《パワー&ストレッチ》(5.11b)

次は、《パワー&ストレッチ》。松氏がオンサイト・トライ。テンションはいりつつトップアウト。ヌンがけお疲れ様でした。

僕はフラッシュ。凄い傾斜なんだけど、ステミングで傾斜を殺して腕はあまり使わずに登れるという他ではなかなか出会えない個性的なルート。これは面白かった。


《ボディ・ウェイト》(5.11d)

この日のメインイベント。《ボディ・ウェイト》のムーブ探り。《パワー&ストレッチ》を登った松氏に上からヌンチャクをかけてもらったんだけど、4本目のボルトが抜けかけていて大変危険。手で触るとグラグラ揺れる。これは使えないので、上のボルトからスリングをたらしてみたけど、傾斜がめちゃ強いので、クリップ・ポイントから離れてしまう。結局、4本目のクリップポイントまでムーブを探って、封印。そこまではムーブをこなせたので、成果あり。次はリボルトされてから、その上の核心ムーブを探る。


《オフ・ローダー》(5.11a)

雨も少々強くなってきて、南面で登るルートもなくなってしまったので撤収しようかとも思ったけど、まだ2時前。上まで偵察に行って、《オフ・ローダー》が乾いていたので、オンサイト・トライすることに。

しかし、1本目のボルトが遠い。しかも、そこまでに顕著なホールドがない。1本目をクリップする前にフォールしたら斜面をどこまでも転がり落ちることになるので、お隣の《ロリータ桃子》のボルトを借りて、1本目を目指す。が、何度挑んでも1本目のボルトに到達できず、敗退。これは悪いよ。もしかしたら、右の《穴》に近い方から出るのか?それでも相当悪そう。ロープにテンションかけずに毎回クライムダウンしたから、一応オンサイト・トライ継続中。

ここで、本当に終了。2時過ぎに撤収。結局、雨は降ったけど、目論見通り濡れずに登ることができた。あ、《バルジ大作戦》を登ってない。

オンサイトとフラッシュの間にある高い壁を感じた1日でした。あと、5.11bと5.11cの間にある壁も。襖岩《お局様》の宿題もどうにかしないと。

2013年5月9日木曜日

CLIMBING joy No.10〜ガバ痛対策〜

○ガバ痛対策

4月末の白妙橋での敗退以来、ガバを持つと指が痛い。関節とかじゃなくて、表面に近い部分。かといって指皮にダメージがある訳じゃなくて、むしろ皮はしっかり厚い部分。皮の一段下の肉部分が、赤く腫れて痛む。

登り始めは痛くないんだけど、しばらく登ってると腫れてきて痛くなる。

ガバ痛はトレーニングの質と量を落とす。指がホールドを拒否して登れなくなるから。

てことで、ガバ痛対策について考え中。


ガバ痛が起こるのは、皮が厚い部分。いや、皮が厚く柔らかい部分と薄く柔らかい部分の落差がある部分で起こる気がする。僕の場合は、DIP関節付近の皮が厚くて、そことその手前あたりが痛くなる。そこで、ガバ痛対策として、皮を薄く柔らかくしておけば良いのではないか。普段からヤスリで皮を削っておくこと、ハンドクリームで保湿すること。

それから、ガバ痛が起こるとき、指の表面がガサガサに荒れていることが多い気がする。チョークで乾燥した皮をホールドで削ってガサガサのトゲトゲになって、それが肉を刺激して、痛くなる感じ。登っている最中に皮が荒れてきたら、ヤスリで削って滑らかにすること。

皮を削るのには紙ヤスリを使う人が多いけど、ぼくは女の子が爪を削る爪ヤスリ。半永久的に使えるところが良い。それに、いつも紙ヤスリを持ち歩いてる人は変態だけど、いつも爪ヤスリを持ち歩いてる人はオシャレに気を使う人っぽくてむしろ好感度大。ただ、爪ヤスリは削る力は弱い。

しばらく継続して効果を検証してみよっと。


○CLIMBING joy No.10

最近出たCLIMBING joy No.10。期待してなかったけど意外と面白い。

最近ちょいと必要性を感じていた体幹とオープンハンドの話し、ホールドを踏み込む足首の話し、これは良い。

歯ブラシ・インプレッションもなかなか。

「ゲレンデで登ろう」は僕には理解不能。初心者を日和田とか広沢寺で登らせて、リングボルトの使い方を真っ先に教えて、ヤマケイは何をしようとしているのだろう?

カナディアン・ロッキー、楽しそうでいいいな〜。

とまあいろいろ面白いんだけど、気になったのが、表紙のスペース・ボルダーで微笑むあきよちゃんの、ガバを持つ左手。


何だろうこれは?こんなガバの持ち方は僕はしていない気がする。

ガバの持ち方にも、ガバ痛防止の鍵が隠されているのではないかと思い、試案の最中。


書き忘れたので追記。その他にも内容盛りだくさん。

・クライミングがオリンピック競技に?
 北山真

・ボルダリング・ジャパンカップ レポート
 北山真

・ユース選手権”ミレーカップ”
 北山真

・こっそり、確実に上手くなる!
 ・教えて!遠藤先生 効率よくうまくなる方法
  小林千穂
 ・劇的上達のための必修セオリー5
  中根穂高
 ・インストラクターに学ぶシークレットトレーニング
  ・足首トレーニング
   小川郁美 米倉亜紀さんのコメント
  ・体幹トレーニング
   小林由理亞 矢崎慎一さんのコメント
  ・保持力トレーニング
   小林由理亞 加藤毅さんのコメント

・ジャック中根の道具選び クライミングシューズはかかとで選べ チョーク術
 小川郁代

・クライミングのボディケア
 ・上半身の疲労回復
  根本国彰
 ・アミノ酸
  滑川幸雄

・マイシューズを買って、本気で始める春
 小川郁代、小林由理亞

・アプローチシューズカタログ
 佐藤慶典

・ゲレンデで登ろう!日和田山、広沢寺、千石岩

・歯ブラシ インプレッション
 岩尾見岳三

・ワールドカップ2013開幕
 北山真
 ・小田桃花インタビュー
 ・野口啓代インタビュー

・カナディアン・ロッキー クライミング滞在記5(最終回)
 赤城淳也

・インフォメーション、新製品紹介、読者プレゼント

・クライミングジムガイド

・クライミングジムリスト

・読者の声

2013年5月5日日曜日

《お局様》に取りかかった障子岩

連休ももう終盤。交通渋滞を避けて、近場の障子岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。

障子岩

白妙橋の《ブラックマーケット》RP失敗により実力不足を痛感したので、5.11cあたりを積み重ねて実力を上げる計画。

襖岩の左面《お局様》(5.11c)が最初のターゲット。

いつも通り岩場には一番乗り。この日は他に、《野生の風》、《アーバンテイスト》辺りをトライしていたクライマーが一組。いい陽気の中、この日も静かな岩場を満喫しました。熊よけのラジオを響かせていましたが...


《襖の下張り》(5.10b)

まずは、前回濡れていてRPを諦めた《襖の下張り》。襖岩の右側の左から3番目。1便目から気合いを入れてRP。これは面白い。凄いかぶってるからパンプした。


《鹿ノ子》(5.10c)

《鹿ノ子》

次は、同じく前回濡れていて諦めた《鹿ノ子》。襖岩の右側の1番左。これまた凄いかぶってる。1便目はじっくりムーブを探って、2便目でRP。これまた面白い。ハングのガバで足ブラから身体が横向きになったりした。



松氏はお好みでないようで、パス。


《サイクリスト》(5.10d)

《サイクリスト》

さらに、《襖の下張り》の右の《サイクリスト》。カンテの抱えこみからスタート。こちらはスローパーとスメアのバランス系。欲しいところにフットホールドがなくて、バランシーで面白い。ヒール&トーなんてものを使ってしまった。個人的には三ツ星。

これまた松氏はお好みでないようで、パス。


アップはここまで。今回登った襖岩の右側の3本はどれもめちゃ面白い。襖岩は取り付きもそれなりに平らでビレーもしやすいし、10台で実力をつけるクライマーには最適ではないだろうか。《襖の下張り》以外の2本は登ってる人が全然いないようで、ホールドが粉粉だった。もったいないことです。綺麗にお掃除しておきました。100万回トライされてつるつるに磨かれたホールドにビクビクしながら登るより、粉粉のホールドを掃除しながら登る方が100倍楽しい。岩を登ってることを実感する。


《お局様》(5.11c)

さてここで本題の《お局様》。先にトライを開始した松氏からホールドの情報を得つつ、トライ開始。

《お局様》

これ、めちゃ悪い。2トライして、なんとかムーブは確認できた。

以下、ムーブメモ。

1左でフレークをサイドプル、2右でコルネの一番下、3左で遠い丸いスローパーをガストン気味に、4右ですぐ右上のガバカチ、5右で右の白いコルネ奥の悪い突起、6左をガバカチに寄せ、7右足で乗り込んで右で右の黒いガバ、8左で左上のガチャ、9右をアンダーに寄せ、10左で遠い左の白いコルネ奥のカチをサイドプル、11右で右上のの外傾ホールド、12左をアンダー気味に持ち替えて右足を左の斜め面の奥に置いて遠いスローパーにデッドでドーーーーン、13左でガバポケット、14右をサイドガバに寄せ、15左で左上の手前のカチ、16右足を右の縦ジワに上げて乗り込んで右で奥のアンダー、16左足をねじ込んでクリップして左で上のカチ、17立ち上がって右奥のカチ、18左で左上のフレークをサイドプル、19右足で左に立って右で上のポケットスローパー、20後はガバをつないで終了点。

ムーブの難易度的には12のデッドが一番難しい。19のポケット取りはよれたところでやると左の脇が開いて落ちる可能性が大。この2つは同じムーブ。単純なムーブなんだけど苦手だ。

難しいよこれ。遠いホールドを大きなムーブでつなぐ下部、小さなホールドで耐える上部。また難儀な宿題を抱えてしまった。

2013年5月3日金曜日

2度目の榛名黒岩にお久しぶり

ゴールデンウィーク、諸般の事情により榛名黒岩でクライミング。いつものパートナー松氏と。

榛名黒岩

榛名黒岩は2度目。一度目は去年の夏にちょっとだけ、イプシロン下部でド敗退したのでした。

今回は、将来登ることになるであろう《エンド・オブ・ア・レインボー》(5.12b)の見学と、黒岩の岩質に慣れるのが目的。

岩場に着いて、まずは一通り岩場を見学。北面の《エンド・オブ・ア・レインボー》はスケールあるフェースの弱点を突く面白そうなルート。南面の左の方はすっきりしない。めぼしいルートは、東面と南面の中央あたりかな。ルート数が多い割に、すっきりしたルートは少ない印象。

まずは東面から。《チェス》(5.10a)、《アルカディア》(5.10b)、《ミニマックス》(5.10c)、《エルドラド》(5.10d)と手頃なルートが隣り合って並んでいるので、トポを見てオンサイト祭り開催を見込んでおりました。

最初に《チェス》。マスターでオンサイトトライ。スラブですね。一本目の上で早々にテンション。なんとかムーブを解析して上まで。松氏はフラッシュ。僕は2便目でRP。上部で左のカンテをがっつり使うと面白くないので、できるだけフェースを登りました。中間部で右のルートにかなり接近したのが良かったのか不明。しかし、手の届く範囲だから個人的には許容範囲。

次に《アルカディア》。マスターでオンサイトトライ。スラブですね。またもテンションはいりました。なんとかムーブを解析して上まで。松氏はフラッシュ。僕は2便目でRP。中間部で右のルートで使うホールドを使ったのは良かったのか不明。しかし、手の届く範囲だから個人的には許容範囲。これはなかなか面白いルート。オススメ。

さらに、《ミニマックス》。またスラブ。松氏がオンサイトトライして、失敗。僕はフラッシュ。出だし、1本目のボルトの上が少々いやらしい。上部は右の方のカチをつないだ。このルートはどこまでのホールドを使っていいか悩むことはないので、3本の中ではすっきりしてる。ムーブも面白くて、良いルート。オススメ。あまり登られていない様子でしたが、お掃除してキレイにしておきました。

3本登って、ようやくスラブの登り方を思い出してきた。

この右の《エルドラド》はすっきりしないのでパス。お昼休憩。お湯を入れた水筒をキッチンに置き忘れるという大失態。

黒岩からの眺望

午後は、悪い悪いと噂の《トライ・アンド・エラー》(5.10b)へ。地雷と言われると踏んでみたくなるものですね。これもスラブ。ここは松氏がオンサイトトライ。そしてどハマり。あまりに長いトライで、ビレー中に身体が冷えちゃいましたよ。しかし、下部で右のカンテの奥の見えないカチを発見してくれて、僕は大助かり。中間部の、カンテの右奥の何にもないところに指先を添えてほぼ右足一本で立ち上がる辺りが核心かな。その後、左のルートにかなり近づくホールドを使ったのがすっきりしないけど、手が届く範囲だし、個人的には許容範囲。右回りのカンテ沿いでも登れそう。 リーチがないとグレードの割に難しく感じるかもしれない。足で立ち上がるスラブ登りがなかなか楽しい。オススメ。フラッシュ。松氏は2便目でRP。

カンテ沿いが《トライ・アンド・エラー》

この段階で13時過ぎ。松氏お昼寝。お昼寝後は、松氏の冷えた身体を温めるため、お散歩。ライオン岩の見学に行きました。ライオン岩はかなり立派でした。

ライオン岩

こちらはグランライオンの右手の岩。左側が《春の坂道》(5.10b)。どスラブで面白そう。右側が《ドラゴンの見張り台》(5.11a)。こちらはカンテ。かなり面白そう。

《春の坂道》と《ドラゴンの見張り台》

グランライオン右手の《フィッシャーマン》(5.10c)。

《フィッシャーマン》

そして、メインのグランライオン。《獅子王》(5.12a)と、《丑王》(5.11d)。

グランライオン下部

グランライオン上部

ライオン岩には面白そうなルートが満載。しかもロケーションは最高。今回は黒岩側からアプローチしたけど、県道からダイレクトにアプローチした方が楽みたい。


カーブ34あたりのこんな感じのところから入ってひたすら尾根を上に。

ライオン岩の入り口

身体も温まったところで、《トライ・アンド・エラー》の左隣の《マザーグース》(5.10d)へ。これまたスラブ。マスターでオンサイトトライ。激リーチムーブを連発してオンサイト成功。上部はかなり頑張った。松氏はお昼寝して調子が悪くなったようで、トライ回避。

中央が《マザーグース》

最後は身体をいじめるために《つる》(5.11b)へ。テンションまじりで1トライして、ムーブは一通り出来た。次回やればRPできそう。

○榛名黒岩
榛名黒岩は安山岩。火山系ですね。形状はチャートに似ていて、直角のエッジが多い。岩は気泡を含んでいるようで、表面に浮いた気泡のおかげでフリクションがちょっとある。ただし、気泡のおかげで、指先のチョークはあっという間に奪われる。安山岩は摩耗しやすいようで、みんなが使うホールドはフリクションが奪われていた。そうなるとつるつるで、チャートより持ちにくい。夏の暑い時期は辛いかな。

黒岩はルートの密度が高い。登っていると、隣り合うルートのボルトがすぐそこに。隣のルートと共有しているホールドも多数?使って良いのか、ダメなのか、分からない。手の届くホールドは使っても良いっていう感覚で登ると、なんだかもやもや。でもトレーニングと思えば自分が満足出来ればいいか。

黒岩はスラブ。《つる》とか《あひる》とか、薄かぶりもあるけど、折角黒岩くんだりまで行くんだったら、黒岩らしいスラブを登りたい。

まずは《ロックダンサー》(5.11c)を登れるようになりたい。

《ロックダンサー》

あ、そうそう。ライオン岩の100岩のトポは、間違ってます。3は《フィッシャーマン》(5.10c)。4が《獅子王》(5.12a)、5が《丑王》(5.11d)です。

2013年5月2日木曜日

トレーニング

白妙橋の《ブラックマーケット》(5.12a)のRP失敗により明らかな実力不足が露呈した。一からトレーニングしないと、次のステップには上がれない。

トレーニングだ。
































もちろん、目指すのはこれ。




強くなる!






あ、こんなのも。フィジカルさえ強くすれば登れるようになるってわけじゃないよってことで。