2018年8月5日日曜日

初めてのStanage North

ここのところ一緒に登っているニックと、夕刻からクライミングに行ってきた。最近二回はBurbage Northに行っていたが、今回はちょっと足を伸ばしてStanage Northに向かった。

Stanage Northは、ピークディストリクトの女王たるStanage Edgeの北の三分の一くらいのエリアを指す。ちなみに、真ん中はStanage Plantationで、南の三分の一はStanage Popularだ。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=99

Stanage Northはそこだけで600以上のルート・課題がある巨大なエリアだが、今回向かったのは、Stanage Northの中でもど真ん中に位置するHigh Neb。Quietusという三つ星のルートがあるので、あわよくばそれを登ってやろうと目論んでいた。

僕が持っているRockfaxのガイドブックではHigh Nebは徒歩12分ということになっていたが、実際は30分弱はある。なんで12分なんて書いちゃったのか、全くもって謎である。

High Neb Buttress VS 4c


https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=9995#overview

まずはニックがHigh Neb Buttressをリードした。初登はなんと1914年。すごすぎる。ニックはプロテクションセットに苦労して、核心と思われるセクションのスラブのムーブがなかなかできず、ビレーヤーの方が緊張した。粘りに粘って突破して、そのままオンサイトを決めた。これは最高のクライミングだったに違いない。超いいルート。僕はフォローだったので、また行ってリードしたいくらい。

Jeepers Creepers HVS 5b



次は僕がJeepers Creepersをリード。こちらはいかにも簡単そうなスラブの上にルーフがかぶさっていて、そこに一本のクラックが走っている。超かっこいい。想定通りにルーフの付け根まで楽々とたどり着き、ルーフにカムを2本突っ込んだ。で、クラックに手を突っ込んでルーフを越えようとしたけど、一筋縄ではいかない。行きつ戻りつしてよーく岩を観察し、ルーフの付け根から足を離して突き進んだ。ルーフの上がどうなっているかは下からは全く見えないので、出たとこ勝負。右手でつかんだ水平ホールドがヌメヌメですっぽ抜けそうだったけど、一瞬早く左手がガバをつかんでいた。オンサイト。超いいルート。

ここで、前に書いたブリティッシュ・トラッド・グレードの運用方法と照らし合わせてみたい。このルートのテクニカル・グレードは5b。そろばんグレードに直すと、5級。まあそんな感じ。HVSは、5bの中では最も低い形容詞グレード。先日立てた仮説ではプロテクションはひざ下ということになるけど、実際はそんなことはなかった。ルーフに入れたカムは、ロープドラッグ防止のために長スリングで伸ばしていたので、足下。ただ、UKのスタンダードであるダブルロープで登ればそこまで伸ばす必要はないだろうから、ひざ下くらいにはできる。ってことで、今のところ仮説は破られていない。

Inaccessible Crack VS 4c



二人ともリードにものすごく時間をかけてしまったので、あと一本だけということで、ニックがInaccessible Crackをリードした。初登は1915年。これもすごい。そこそこ苦労しつつ、ニックはオンサイト。僕はフォローした。

Stanage Northはこれまでに行った岩場の中では一番景色の素晴らしいところだった。岩の上に立って左を向けば、Stanage Edgeのほぼ末端まで見渡すことができる。右を向けた咲き始めたヘザーが地面を紫に染めている。日が暮れる頃には、正面にはHathersageの街の明かりが輝いている。控えめに行って最高だ。

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