2019年5月19日日曜日

Shipley Glenという岩場

Shipley GlenはYorkshire Gritの岩場。

https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=1343

Yorkshire Gritっていうのは、その名の通りヨークシャーに散在するグリットストーンの岩場を一まとめにした言い方。北のほうにはCypherで有名なSlipstoneが、中央部には景色のいいAlmscliffeがある。南の端は、シェフィールドの境界線あたり。Total Climbingが出版したYorkshire Gritstone Boulderingというガイドブックの収録範囲が大体それ。
https://www.ukclimbing.com/logbook/books/yorkshire_gritstone_bouldering-513

シェフィールド周辺の岩場はヨークシャー・グリットからは除外されていて、シェフィールドはヨークシャーの南西の端に収まってはいるものの、クライミングの観点からするとピークディストリクトっていう一大エリアに近い(一部は重なっている)からだと思う。

ちなみに、ヨークシャーにはグリットストーン以外の岩もあって、西側にはMalham CoveとかKilnseyとかの石灰岩があって、北東に行くとNorth York Moorの砂岩がある。


今回行ったのは、ヨークシャー・グリットの中でも中央部の南寄りに位置するShipley Glen。Total Climbingのガイドブックによると、Almscliffeと並んで人気の岩場らしい。すごく難し課題は多くなくて、ほとんどは7Bくらいまで。日本にはなかなかないスパッと切れたカンテの課題が豊富。

エリアの特徴は、初登された時にヨークシャーでは当時の最難に近い課題だったクラシックがあること。Manson's Wall 6C、Red Baron 7A+、Millstone Grit 7Bあたりがそれ。5あたりの優しい課題にも、明瞭なラインのクラシックが多い。課題の数は250くらい。アプローチは最短の岩で30秒。

岩場は西向きの斜面のてっぺん。岩の前には森が広がっていて、夏には木陰が提供される。冬は夕陽を浴びながらのクライミングを楽しめそう。下地は概ね平らから少々ナナメくらいで、フレンドリー。緊張する高さの課題も結構多い。

岩場の近くには、Cable Tramwayがあるので、子供はおおよろこび間違いなし。世界遺産に登録されているヴィクトリア時代の産業地域であるSaltaireもすぐ近く。
https://www.shipleyglentramway.co.uk
http://www.saltairevillage.info

ということで、誰が訪れても、いつ訪れても楽しめるエリアだと思う。

今回登ったのは、Manson's Wallの岩とそのすぐ隣のRed Baronの岩だけ。

最初にやったのはManson's Wall 6C。初登はAl Mansonで1970年代。垂直とスラブの間の壁に極小ホールドが散りばめられていて結構厳しい。その上、上部はチョークが一切付いていないので、どれがホールドかもわからない。かなり頑張ってムーブに進展は見たけど、一旦パス。

次にやったのは、Red Baron 7A+。初登はMike Hammillで1976年。小さなハングの上にカンテ。出だしがパワフルなムーブで消耗するので、慎重にムーブを考えて、完登。さすがクラシック。超面白い。


それから、Vim 6A+。初登はKen Woodで1960年代。こちらは垂直のスラブ。一見したところ全然難しそうじゃないのに、やってみると難解。Yorkshire Mountaineering ClubのYorkshire Gritstone Vol.2というガイドブックには、「プライドを捨ててローカル・クライマーにムーブを聞け」というコメントが掲載されている。残念ながらこの日はローカルはいなかったが、Total Climbingのガイドブックには、John Dunneが登っている写真がある。この写真からヒントを得て、完登。隣のManson's Wallにボルダラーが来てお話しして、一回やってダメならそっちに合流しようと思った最後のトライで登れた。諦めなくてよかった。


で、もう一度のManson's Wallはやっぱり難しかった。太陽が岩の正面に回って日差しを受けてコンディションも悪化して、結局敗退。

宿題を作ってしまったし、この岩場には楽しそうな課題が山ほどある。また行くことがあるかもしれない。

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