奥平さんと昇仙峡。(たぶん)未登のワイドクラックを登った。
場所は、センチュリーバレー。センチュリー・フォー・カラーズのアプローチから分かれてアメジストを目指して沢を渡り、アメジスト直下で(今は)明瞭な踏み跡を右に分かれる。踏み跡はすぐに落ち葉で埋もれてしまうと思うけど、小さなボルダーが目印。しばらくトラバースして、アメジストの右のルンゼのさらに右の落ち葉ルンゼを上がる。クラックは、両ルンゼの間の巨大なスラブの右側面のハング帯にある。ルンゼの上部は落ち葉ルンゼから倒木ルンゼに変わる。クラックは右側面ハング帯の裏面にあるので、倒木ルンゼを最終局面まで上り詰めないと見えてこない。
この岩の割れっぷりは素晴らしい。下から上まで見事に割れ目が続いていて、傾斜は下部で135度。上部はちょっと緩め。核心部はホールドに乏しく、ワイドクラック特有の登りを求められる。残念ながらそんなに長くはない。どちらかというとテクニックよりのクラックというべきか。吉田さんが足跡を残したこの岩場で一つの成果を残すことができたことが、本当に嬉しい。ここにはまだ可能性がある。渓谷を歩き回った吉田さんが目をつけないルートの可能性は残されている。もう少し、その可能性を追求してみたい。
昇仙峡には今、岩を破砕するダイナマイトの大音量が轟いている。かつて「くさび」問題が起こったこの地で、岩がダイナマイトで破壊されている。ダイナマイトが良くて、わずか10mmあまりの穴がだめという理があるだろうか?
ダイナマイトの轟音と、雷光を思わせる岩の割れっぷりとで、渓谷に嵐が来たかのようだ。ということで、Electrical Stormとする。
0 件のコメント:
コメントを投稿