2013年6月18日火曜日

サイファーの研究

久しぶりにインドアトレ。記録をみると、半月ぶりか。中指の調子が良かったので久しぶりに登ってみた。

取り組んだのは、過去に2日ほどトライして登れなかったサイファー・ムーブの課題。サイファー・ムーブ、苦手です。


サイファーの研究

サイファーと言えばBen Moon。



あと、たまたま見つけた永田乃由季さんの5.10の動画。



動画でサイファーの研究をしようと思ったんだけど、なかなか見つからないんですよね。出てくるのはサイファーと名付けられたズボンの情報ばかり。あとはこれくらい。




サイファーを使う条件

足が切れるくらいに遠いホールドを取りに行く時に跳ぶのがランジ。サイファーも足が切れるときにつかうからランジの一種で、1つ目の条件は、取りに行くホールドが遠くて、足が切れること。

ランジの時、普通は出す手と同じ側の足で踏み切る。右手で次のホールドに飛びつくなら、右足でフットホールドを蹴って跳ぶ。ところがサイファーの時は、そうではなくて、右手で次のホールドに飛びつくときに左足で蹴る。これはなぜかと言うと、sghr師によると、足が深くて右足では蹴る力が生まれないから。ということで、サイファーの条件の2つ目は、発射の時のフットホールドが深い位置にあること。3つ目は、出す手と逆の位置にあること。つまり、右手を出すなら、左側にフットホールドがある。

さらに、足が深くても出す手と逆の残す手のホールドが良ければキャンパ気味に飛べば良いので、出す手と同じ足で跳ぶことが可能。だから、サイファーの条件の4つ目は、残す手のホールドが悪いこと。小さいとか、スローピーとか、方向が悪いとか。実際、Moonのサイファーでは、右手はクソ悪いスローパー。あれがガバならキャンパでいいからサイファーは不要。

以上の通り、サイファーが要求されるのは、以下の条件が全て満たされる場合となる。

1. 次に取るホールドが遠くて足が切れる
2. フットホールドが深い位置にある
3. フットホールドが次に取るホールドと逆の位置にある
4. 残す手のホールドが悪い


サイファーの留意点

以上の条件の元で、出す手を同じ側の足を蹴り上げて発射するのがサイファー。で、なぜ蹴り上げるの?

足を蹴り上げてその勢いで跳ぶという人がいるんだけど、これがなかなか難しい。よく考えたら、足の蹴り上げでは人間の身体は浮かない。僕の体重は65キロで、足の重さはせいぜい20キロくらい?20キロの物体を振り回しても、65キロの物体が吹っ飛ぶなんてことはない。試しに片足で立って反対の足を蹴り上げてみても、身体は浮かない。もちろん、足をマッハのスピードで蹴り上げる筋力があればどこまででも吹っ飛ぶだろうけど、そんなのは僕には無理。あと、手で引き上げる力を加えれば足の蹴り上げで跳ぶことは可能だろうけど、サイファーの条件4で確認した通り、ホールドは悪いのでそれは期待出来ない。となると、サイファーで跳ぶ力を生み出すのは、蹴り上げる足でもなく、腕でもなく、フットホールドを蹴る方の足。右手を出して右足を蹴り上げるとしたら、左足。

じゃあなんで出す手の側の足を蹴り上げるのか?

これはケース・バイ・ケースでいろいろありそうなんだけど、跳ぶ力がフットホールドを蹴る足で生み出されることを考えると、一般的にはフットホールドを蹴る力を効率的に生み出すためと考えるのが妥当でしょう。

まず、Moonのサイファーは、左足をたいして蹴り上げていなくてぶらぶらさせてるだけ。これは、右足でわずかにと跳ぶための体勢を作っているだけではないだろうか。

永田さんの場合、思いっきり蹴り上げて大きく跳んでいる。でも、この蹴り上げであれだけ身体が跳ばされることはあり得なくて、跳ぶ力は左足で生み出されているはず。右足は何のためにあるかと言うと、蹴り上げることではなく、むしろ、蹴り上げる前に左に振って左足に貯めを作ることに意味があるのではないか。プライオメトリクスね。

そう考えると、発射の体勢を作れて、跳ぶ力を増幅する貯めをつくれれば、なにも足を蹴り上げることが唯一の方法ではないことも分かる。三つ目の動画は全身を振ることでこの2つの目標を達成してる。で、それができるのは、フットホールドが深くなくて、手のホールドが良い場合に限られるので、サイファーの条件を満たしません。この課題はたぶん普通に左足で跳べる。


結論

とまあ、ぐだぐだと考えてみたんですけど、結局分かったことは何かと言うと、大きく跳ぶサイファーでは、蹴り上げることより、その前に反対に振ることの方が重要ってことです。え?ごちゃごちゃ考えるより何も考えずに1000回跳んでコツを掴んだ方が良いって?おっしゃる通り。

小川山でスラブを登りたいけどいつまで立ったも行けないので、腹いせに書いてるのですよ。次回はサイファー・パンツの研究でもやります。

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