2020年5月20日水曜日
Pete Whittaker著 CRACK CLIMBINGを読もう(3) -マスターたちの言葉を聞く-
ちなみに、第一回はこちら。
https://lowfatclibmer.blogspot.com/2020/05/pete-whittaker-crack-climbing1.html
第二回はこちら。
https://lowfatclibmer.blogspot.com/2020/05/pete-whittaker-crack-climbing2.html
で、文字を読むと言っても、ジャムジャムするのはまだ早いです。まずは、10人のクラック・マスターたちの言葉を聞きましょう。
詳しいことは、タカトンさんのブログでまとめられてますので、そちらでどうぞ。一つだけ付け足すとすると、最後の質問は、出血に備えて赤いズボンを履くか、うんこ漏らすのに備えて茶色いズボンを履くか、ってことだと思います。
なお、イギリス英語ではズボンはtrousersです。ズボン一本はone pair of trousers、二本はtwo pairs of trousers。ズボンをpantsというのはアメリカ英語。pantsはイギリスではズボンの下に履くおパンツのことなので、気をつけてください。
ではまた。
2020年5月5日火曜日
Pete Whittaker著 CRACK CLIMBINGを読もう(2) -イラストを眺める-
第一回はこちら
https://lowfatclibmer.blogspot.com/2020/05/pete-whittaker-crack-climbing1.html
CRAKCK CLIMBINGには、解説の理解を助けるためのイラストが多数掲載されています。こんな感じ。
イラストを眺めて、「なるほどねー」と納得したり、「ナニコレ?」と悩んだりしましょう。
僕のオススメは以下の通り。
23ページのフィンガー・バー。絶対痛い。
77ページのティーカップ・ジャム。絶対痛い。
79ページのThumb extension: full extension。絶対効かない。
128ページのTrout tickeler。効くの?
144ページのsidewinder。どうした?
182ページのfull invert。おい、どうした?
さて、どうでしょう?前回は写真を眺め、今回はイラストを眺め、本文には何が書かれてるのか、気になって仕方がないですよね。そんなあなたは、CRACK CLIMBINGを楽しむ準備が万端です。ではそろそろ文字に取り掛かりましょう。
2020年5月3日日曜日
Pete Whittaker著 CRACK CLIMBINGを読もう(1) -写真を眺める-
CRACK CLIMBINGというクラック・クライミングの技術書が出版されました。2020年1月のことです。著者は、Pete Whittaker。言わずと知れたWideboyzのひとりで、世界有数のクラック・クライマーです。ピートさんは、広いのはCentury Crackから、細いのはRecovery Drinkまで、あらゆる幅の高難度クラックを登っています。
出版社は、Vertebrate Publishing。シェフィールドに本拠を置き、アウトドア関連の書籍を精力的に出版しています。クライミングに関しては、例えばJerry MoffattのRevelationsとか、Ben MoonのStatementとか、Peak Districtのクライミングを総覧するPeak Rockとか、Peak District Boulderingというボルダリングのトポとか。フリー・クライミングだけじゃなくて、マウンテニアリングとか、トレイルランニングとか、マウンテンバイクとかの書籍も手掛けていて、アウトドアに関してはUKで最も勢いのある出版社と言えるでしょう。
そのVertebrateとピートさんが手を組んだCRACK CLIMBINGには、実はUK版とUS版があります。それぞれに副題がついていて、UK版はMastering the skills + techniques、US版はThe definitive guideです。クラック・クライミングをマスターしたピートさんが知りうる限りの技術を言語化し、多数のイラストで図示して解説するこの本は、まさにクラッククライミング技術書の決定版といった風格を備えています。ちなみに、表紙の文字が白いのがUS版で、オレンジがUK版。中身は多分一緒。
さて、CRACK CLIMBINGはクライミング技術のdefinitive guideというだけあって、その内容は詳細かつ多岐に渡っています。ですから、この本をひとりで最初から最後まで通して読むのはなかなか難しいでしょう。買ったは良いものの通して読めていないという人も多いでしょう。また、この本の存在は知っているけど、そこまで詳しい解説を理解できるか自信がないから買っていないという人もいるでしょう。それはとてももったいない。なぜなら、CRACK CLIMBINGは、クラック・クライミングの上級者だけではなく、初心者や、さらにはクラック・クライミング未経験者でさえ楽しめる、素晴らしい本だからです。
そこで、このブログでは、数回に分けて、CRACK CLIMBINGの楽しみ方をご紹介したいと思います。第一回のテーマは、「写真を眺める」です。
CRACK CLIMBINGには、世界中のクラックとそれを登るクライマーの姿をとらえた写真が多数掲載されています。この本を楽しむ第一歩として、まずはその写真を眺めてみましょう。そして、クラックの走る岩とそれを登るクライマーの美しさを堪能しましょう。岩と岩が置かれたロケーションの美しさに息を飲むこともあるでしょう。クライマーの表情に共感することもあるでしょう。信じられなような技術に頭を抱えることもあるでしょう。
気になる写真があったら、ルートの名前をググってみましょう。「ルートの名前 climbing」で画像検索がおすすめです。そのルートの全貌や、ルートにまつわるストーリーに出会うことができるかも知れません。
以下では僕のオススメをいくつか紹介します。
まずは、25ページのComes the Dervish。北ウェールズの石切場のクラックです。黒いスレートに走る一本の筋。点々と残る白いチョークの跡が、このクラックの人気を物語ります。初登は1981年、初登者はStevie Haston。以下のウェブページでは、声に出して読みたいダルビッシュの記録を発見することができます。
https://www.ukclimbing.com/articles/features/comes_the_dervish-12131
次は68ページのSeparate Realityを登るBarbara Zangerl。登っているのは、言わずと知れたヨセミテの超人気ルーフ・クラックです。ジャミングをきめるバーバラの両手に注目しましょう。手がほとんど入っていません。核心のシンハンドサイズ。ジャムはどのくらい効くのか?クラック・クライミングの経験のある人なら、そこに行って手を差し込んでみたくなること間違いなしです。Separate Realityの動画はyoutubeに大量にあります。そのいくつかを見比べて、登り方の違いを考えると、とても勉強になります。
一枚めくって、フィスト・ジャムをねじ込むクライマー。この顔が全てを物語っています。
110ページ。最高に楽しいクラックのムーブであるリービテーションの名前の由来となったRandy Leavittが狭いコーナーで岩に全身を擦り付ける姿。最高ですね。
137ページでは、light bulb changerというテクニックを繰り出すクライマーの姿を見ることができます。このテクニック、どのくらい効くんでしょう?
SquamishのThe Shadow。両手パーミング&両足ステミングでコーナーにへばり付くクライマーは、158ページ。次に動かすのは、どの手、どの足?
190-191ページの見開きでど迫力の写真は、ヨセミテはエルキャピタン、Salatheのヘッドウォールです。
210ページには、UK最難クラスのルーフのオフウィズスであるRay’s Roofを登るMari Augustaさん。女性初登ですが、その理由は彼女の両手の形状を見れば理解できるでしょう。ハンド&フィストのリービを決めるその小さな左手は、大きく「くの字」に曲がって最大限に膨らんでいます。今にもすっぽ抜けそう。腰はまだルーフの下に引っかかっていて、右足で踏むフットホールドも乏しそう。いったいどうやってここから体を引き上げるというのでしょうか?
ということで、まだまだありますが、素晴らしい写真の一部を紹介しました。皆さんも、
ENJOY!
2019年12月5日木曜日
3度目のElder Crack & Profit of Doom @Curbar
西からの強い風が吹いて超寒かったが、防風を強化する事でなんとかなるという学びを得たのは収穫だった。例によってElder Crackにフィックスを張ってアップ。間違ってヘルメットをつけて登ってしまったのでワイドに体がフィットせず、なんかうまくいかなかった。あと、次回はホールドとムーブを限定するともっといいかもしれない。
で、Profit of Doom。前回、あと一歩のムーブが解明されれば全体が繋がるはずとの予感があったんだけど、その一歩を解決して核心部のムーブが全て判明した。かぶったコーナーに体をめり込ませる超おもしろいムーブだった。
寒かったのでムーブ探りは一回で終わりにして、早々に撤収することにした。岩の上で片付けをしながらコーヒーを飲んでいたら、ハイカーに声をかけられてちょっとだけお話をした。そのハイカーはクライマーで、Profit of Doomは10年くらい前に登ったんだけど、その時は核心部のプロテクションはスモール・ワイヤーだったとか。今はメトリウスのパープルが効きそうだよって言ったら、そうかもねと。その部分は粒子が細かくて柔らかい岩で、プロテクションをセットすることでだんだんと広がっているみたい。ここ数日はグリットストーンのクライミングには絶好のコンディションなのに、全然クライマーがいないね、Curbarはbestなのにねって言ってて、ボルダラーは増えてるけどトラッド・クライマーは減っているようだ。それから、Profit of Doomの右となるのJanusはマイクロ・ワイヤーの二本のちょうど間のサイズでどっちもうまくいかなかったんだよねーなんて話も。今はどうなっているだろう?
さて、ムーブはできたけど、リードするかどうか?面白いムーブができて満足してしまったような気もする。
Monk Life f8B+という課題
https://www.ukclimbing.com/news/2019/11/two_font_8b+s_for_orrin_coley-72121
Monk LifeはNorthumberland(ノーサンバーランドもしくはノースアンバーランド)のKyloe-in-the-Woodsというエリアにある課題です。Kyloe-in-the-Woodsは林業を営む私有地にあって、雰囲気は奥多摩の杉林の中の岩場のような感じです。池田フェイスを思い浮かべていただければ大体の雰囲気は分かっていただけるでしょう。7Aから7Cあたりの課題が豊富で、The Yorkshiremanあたりが人気みたいです。
初登は2003年Malcolm Smith。最近はワールドカップで地味に活躍しているウィル・ボッシも16歳の時に登っています。
動画がいくつかあるので、見てみましょう。
Monk Life from Ben Freeman on Vimeo.
Monk Life, Font 8b+, Kyloe from Nigel Callender on Vimeo.
malcolm smith - monk life from beastmaker.co.uk on Vimeo.
マルコム・スミスの圧倒的な力を見て取る事ができます。その秘密は、こんなところにあるようです。
こちらの記事も参考に。
https://www.theprojectmagazine.com/features/2017/2/14/interview-malcolm-smith
2019年12月2日月曜日
2度目のElder Crack & Profit of Doom @Curbar
まずは前回登ったElder Crackにフィックスを張って、トップロープでアップしたが、これはいい。ワイドクラックは全身運動。芯から体が温まる。
それから、Profit of Doom。今回は核心の上部だけじゃなくて下からやってみた。一見したところ、一箇所だけハンドジャムが決まりそうだけど、そのほかにはホールドがないかぶったコーナーで、結構難しいんじゃないかと思ってたら、やっぱり難しかった。カンテにニーバーをかけて、コーナーに両足をスタックさせて、隠れたクラックに変則的なジャムをキメて、と超おもしろい感じだった。しかし、コーナーが閉じているのでプロテクションが不安。グラウンドフォール注意。
核心の上部は未だムーブが不明。出だしとフィニッシュはわかるけど、その間でどうやってステミングの足を二歩上げるか。もう一回行かないと。
2019年11月19日火曜日
Elder Crack & Profit of Doom @Curbar
向かった先はCurbar。狙いは、Elder Crackのオンサイトと、Profit of Doomのムーブ探り。
Profit of Doom
https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=11077娘を学校にドロップした後に岩場に向かった。Elder Crackの取り付きにはクライマーが二人いて、ご挨拶。二人ともElder Crackを登るようで、セラバンドで入念なウォーミングアップをしていた。時間がかかりそうだったので、先にProfit of Doomのムーブ探りをすることにした。
Froggatt、Curbar、Baslowは、Derwent Riverが削り取ってできた大きな谷の最上部に残された幕岩だ。その上はほぼフラットなMoorが広がっていて、数キロメーター続く岩場の上部には木は一本も生えていない。もちろん終了点のボルトはない。したがって、このエリアでのクライミングはトップ・アウトした後にナチュラルプロテクションでアンカーを構築してフォローを迎えて初めて完結する。ラペルでムーブを確認する際には、逆に最初に岩の上部でアンカーを構築するところから始めてロープをフィックスしないといけない。そして僕はそれが苦手だ。
まずは最上部にカムをセットして、そこから短いロープを使ってアンカーを伸ばし、少し下がったところにさらにカムをセットして、そこでイクオライズしてラビット・ノットを作ったロープをセットして完成。少々慎重にすぎるんじゃないかと思うんだけど、怖がりの僕にはこれくらい必要。次の問題は、岩のエッジをどうやって回避するか。リップの上の平坦な部分にアンカーを構築するので、ロープがエッジにかかることは不可避。そして、グリット・ストーンの質感は大根おろしみたいなものなので、ロープに荷重をかけるたびに、ロープが左右に振られるたびに、ジャリジャリとロープが削られる。今回は雑巾をエッジに被せることでごまかした。
この複雑な過程を僕の脳は十分に理解できていないようで、特にエッジに削られるロープへの不安が大きくて、ロープに体重をかけて動くことに恐怖感があった。日本にいた時は何度もやっていたことなんだけど、UKでは一度もやっていなかったので、なおさら。今回、二度ぶら下がって少しだけ慣れてきた。
で、ぶら下がって探った結果、ムーブは難しくて、ちびっこには少々辛く、プロテクションのセットは分からず、どうしたものか?グレードはE4 6Bだけど、ワイド・ボーイズのトムさんはE5と言ってるので、やっぱり難しいんじゃないだろうか。
Elder Crack
https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=11080Elder CrackはE2 5b。初登は1950年、Joe Brown。下部がうすかぶりで、上部は傾斜の落ちたコーナークラック。予想外にオフウィズスだった。ガイドブックにはでかいカムが有効と書かれてたので5番6番まで持っていってはいたけれど、登りはハンドくらいのサイズだと思っていた。オフウィズスは、ビレーデバイスを胸の位置にセットするロープソロには不向き。というか、やったことないのでどうなるか分からない。見合わせる他あるまいと思っていたところ、さっきのクライマーがビレーを申し出てくれた。ありがたくお言葉に甘えさせてもらって、登った。二人の登りを見てしまったのでオンサイトではないけど、このグレードのワイドを比較的スムーズに登れたのが嬉しかった。
といったところで、娘を学校からピックアップする時間が近づいてきたので、急いでギアを回収して、早足でで駐車場に向かった。
次は...
久々の日光を岩場で浴びることができて、幸せな時間だった。ただ、この季節の岩場は寒すぎる。気温は5度くらいだろうか?特に朝は岩がまだ冷えていた。さらに風もあってあっという間に体が冷えてしまった。やってられない。Eastern Gritの岩場はほとんどが西向き。朝日で温まる岩場を探すのはなかなか難しい。さてどうしましょう?