まずは、スラブの足慣らしということで、アプローチも近いおむすび山スラブへ。あわよくばこの岩の全ルートを登ってしまおうと密かに目論んでいましたが、そううまくはいかず、《無名ルート》(5.10a)、《ラベンダー》( 5.10a)、《メイストリーム》( 5.10b)の3本を登る留まりました。どれも素晴らしいルートでした。
《無名ルート》はオンサイト。ボルトは7本で、極端なランナウトです。トポにはボルトが4本しか書かれていませんが、本気でしょうか?《ラベンダー》は、3年前にフォローで登って以来のRP。下部の手に足マントリングが緊張感たっぷりで素晴らしいです。その上は当然のようにランナウト。《メイストリーム》はフラッシュ。スメアリングの練習に最適です。中間部のフレークから上に抜ける部分でかなり苦労しました。その上は当然のようにランナウト。とても良かったので2回登りました。
いつものパートナー松氏の《ジェイコブズ・ラダー》オンサイトトライは見所たっぷりでした。2本目のボルト付近のマントルが核心です。ここを、悩みに悩んで、手に足マントルを選択し、力でねじ伏せました。その上のダイクまでの小核心も突破。さらに続くいやらしいスラブを、粘りに粘って乗り越えて、中間の終了点もどきまで到着しました。ここまできたら、オンサイトを成功させてもらわないわけにはいきません。前年に僕がこのルートを登った時にはここで終わりにしていたのですが、実際にはこのルートはその上もあって、上部のワイドクラックを通って岩の上まで抜ける設定です。初登時の記録には、ワイドクラックに草が生えているが、そのままでも登れるので抜かないようにとの記載があります。今は、このクラックには、草どころがブッシュが生えています。散々粘った末に、ワイドクラックに突入する松氏。上体をクラックにねじ込み、左足をブッシュ付近に突っ込むと、飛び散る木の枝、舞う木の葉。ビレーヤーも緊張を強いられます。ずりずりとワイドクラックを進む松氏を、さらなるブッシュが阻みます。クラック上部のこのブッシュにより、クラックが完全にふさがれていて、残念ながらテンション。惜しいトライでした。
回収のために上部からラペルでおりましたが、ブッシュは強烈で、その上のスラブも岩茸にびっしりと覆われていて、酷い有様でした。
中間の支点が何のために付けられたのかはわかりません。結び替え用かとも思ったのですが、そもそもこの岩の上には終了点がないので、結び替え支点までのロワーダウンもできません。とすると、トップロープ用でしょうか。そこに一見したところ終了点と考えられるものがあることで、クライマーはそこから先を登ることをやめてしまって、そのために、そこから先に木は生えるし、岩茸で覆われるし、いいことないなと思います。そのうち掃除をしたいと思っています。
《ジェイコブズ・ラダー》を僕も登ろうと思っていたのですが、このような状況なのであきらめて、あとはお気楽クライミング。いつでも回収できる1日の終わりのお楽しみといえば、2峰の右下で《星と光》( 5.12a)。地面から3歩進みました。
梅雨時にこれだけ丸一日登ることができて、大満足の1日でした。
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