2016年1月12日火曜日

《ワイルドハート》はじめ@障子岩から、《カバくん》完登@北秋川ボルダー

------障子岩を訪れる皆さんへ------

岩場でホールドにティックマークをつけ、それを残すことがどう評価されるかは、岩場によって異なるでしょう。何日もハングドッグを繰り返してジムナスティックな身体運動の限界に挑むことが目的となっている岩場では、ホールドを明確化する行為として歓迎されることもあるかもしれません。

障子岩は、そうではないクライミングを求める人も集まる岩場です。粉まみれの岩から自分でホールドを探し、ムーブを考え、岩と向き合う時間を求める人がいます。複雑なムーブを読み、初登者の体験に思いを馳せる人がいます。

ホールドにティックマークを残す行為は、そのようなクライミングの楽しみを奪う行為です。障子岩では、ティックマークは消して帰ってください。

分かっていても消し忘れることがあることは理解しています。僕の場合、RPの成功で高揚しているときや、失敗の悔しさにつつまれているときや、解決できないムーブのことで頭がいっぱいのときなど、つまりほとんどの場合、ティックマークを消すことは意識の外に飛んでしまいます。障子岩でも、ティックマークを消し忘れたことが何度もあります。ですから、ティックマークを消し忘れることを非難する資格はありません。

でも、消し忘れがちだからこそ、ティックマークを残さないという意識を強く持ちたいと思っています。みなさんも同じように思ってくれると嬉しいです。

より多くの人に、より豊かなクライミングを。よろしくお願いします。

------以上------

久々の障子岩、いつものパートナー松氏に加えて、やまとも一緒。ここのところ、障子岩にはいつも他のパーティーがいましたが、今回は貸切でした。

パワー&ストレッチのやまと

《ワイルドハート》。ホールドはコナコナ、ジャリジャリ、掃除しながらなんとか中間部のワイドクラックの入り口まで到達したものの、ギブアップ。上部のお掃除は松氏にお任せしました。下部は、この壁面に多く見られる指に優しいポジティブなポケット。上部の奥行きの浅いワイドクラックは、ワイド登りを許してくれるのか、レイバックか、登るのが楽しみです。

虫歯で腫れた顔を岩で冷やす人

早々に撤収したのち、北秋川ボルダー。《ワセリナー》は下地が悪化しており、勇気が必要。ムーブを思い出すこともできませんでした。もしかしたら、使ってた右手アンダーが欠けてるかも。

ワセリナー

僕が最初に《ワセリナー》の岩を見たのは2013年。そのとき、下地には流木は一本もなく、とても厳しいものでした。それが、2015年2月に再び訪れると、増水で大量の流木が流されて来て、ずいぶんマイルドになっていて、ダイバーさんに声をかけて挑んだのでした。そのときにダイバーさんは、二日間で、雨さえ降らなければ一日でも可能であったであろう素晴らしいクライミングで、見事に仕留めてくれました。そしてまた2015年夏の増水で、詰まっていた流木は多くが流されてしまい、2013年ほどではないものの、再び厳しいものになっています。登り時を逃した感があります。

《水滴穿石》の一帯は、上から覗き見た限り、下地が完全に水没しているようでした。この一帯は、2013年には下地がぎりぎり認められたものが、2015年2月には砂利が運ばれて来て立派な陸地が作られていました。《ワセリナー》とは逆に、こちらは短い登り時を捉えて登ることができたようです。

カバくん

《ワセリナー》の岩のすぐ脇に設定された《カバくん》は、2015年5月に僕が設定し、同日48さんが初登しました。京都の笠置にワニワニという逆上がりマントルの課題があり、それがフォンテーヌブローのCrocodileという課題のオマージュであると知った時から、奥多摩にも同じようなものができないかと考えていました。そんな中で発見したのが、この岩です。その時は僕は敗退し、その後、松氏らとともに一度訪れたものの再度敗退。今回、ようやく完登することができました。初登者の48さんは4級と言ってますが、大きな声で異議を申し立てたいです。平べったい形状からいっても、容易に岩を両足で挟める笠置のワニワニより厳しいのではないかと思います。京都までグレードの確認に足を運ぶ必要があります。3段クライマーやまとも、苦労の末に完登。松氏は宿題となりました。

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