2017年7月11日火曜日

クレイジー・ジャム&Edge of Extinction a.k.a プラトニック・ラブ@小川山

梅雨の晴れ間に乗じて、のりさんと小川山。

前回は濡れていて取り付くことができなかったクレイジー・ジャムのオンサイト・トライを敢行した。長い間暖めてきた挑戦である。ここのところ小川山で5.10中盤のトラッド・ルートをロープソロでオンサイトしていて、準備は万端だ。

親指岩、かの有名な小川山レイバックの裏面にあるこの割れ目は、出だしのシンハンドから徐々に広がり、上部ではいかにもワルイ風貌のフレアしたオフウィズスに広がっている。堂々とした姿のメガ・クラシックの1つだ。

出だしのシンハンドは、僕が最も苦手とするサイズ。一手を出したところで早くも行き詰まる。一先ず精神の安定を与えてくれるカムを一本セットし、クライム・ダウン。仕切り直して苦手のシンハンドを試みるが、この苦手のサイズは如何ともしがたく、30分ほど可能性のないジャムの真似事を繰り返しただろうか。ようやくレイバックで勝負する決心がついた。

シンハンドサイズをレイバックで抜けると、そこにはバチ効きのハンドサイズが待っていた。下から予想した通り、確かに待っていた。わずか2手ほど。ハンドサイズのクラックはすぐにわずかに広がり、僕が最も苦手とするワイド・ハンド・サイズに広がった。禁断の虫様筋を駆使した力任せのハンド・ジャムを繰り出し、落ちそうになりながらカムをセットし、前進する。

クラックはそこからフレアしたオフウィズスに広がる。フットジャムが効きづらくなってきた。僕が最も苦手とするサイズだ。力任せのハンド・ジャムにコミットし続ける左手一本を頼りに、ズリズリと体を引き上げた。あと少しで、この苦行から逃れることができる。

フレアしたオフウィズスの最終局面、クラックは下びらきになり、最も辛い部分だ。ここで、ギアループからヘリウム・フレンズの4番を取り出した。キャメ3とキャメ4の間を埋める秘密兵器。効きは、イマイチ。不安を押し殺しわずかに体を引き上げ、次はこのセクションのプロテクションとしては最後に残ったキャメの4番をセット。効きは、イマイチ。

苦手のオフウィズスの終了まであと僅かだが、さっきから虫様筋頼りの力任せの ハンド・ジャムを続けている左手はもう限界だ。オフウィズスを抜けるが早いか、左手が力つきるが早いか。

その時、ナナメにねじれて引っかかって今にも抜けそうなキャメ4が語りかけてきた。

「これで突っ込むの?」

居心地悪そうに何とか割れ目に引っかかっているフレンズ4も語りかけてくる。

「マジで突っ込むの?」

僕は答えた。

「てんしょーーーーーーん」

はい、ダメでした。ひとたびテンションをかけるとあとはボロボロ。結局、オフウィズスの最後の1mを抜ける技術が僕にはなかったことが分かった。セットしたカムが「いいから突っ込め」とささやくのは、まだまだ先のことのようだ。他方で、のりさんはこの日の一回目で完登。クレイジーな粘りだった。お見事。

午後はレイバックでステミングの練習をして、さらに、Edge of Extinction、またの名をプラトニック・ラブ。

何ともならなかった。これっぽっちも分からなかった。

何なんだこれは?

0 件のコメント:

コメントを投稿