3年目になったWater Spider Project.
梅雨によって河又ボルダープロジェクトの断念を強いられて以来、注力してきた。
今年は大きく進歩があって、ランジが正解ではないかと判断するところまで進んでいる。
ところがこのランジが難しい。
果たしてどうなるか。
3年目になったWater Spider Project.
梅雨によって河又ボルダープロジェクトの断念を強いられて以来、注力してきた。
今年は大きく進歩があって、ランジが正解ではないかと判断するところまで進んでいる。
ところがこのランジが難しい。
西條さんと示し合わせて、瑞牆。
例によって土曜日のお昼に《ウォータースパイダー》をやって、夕刻に瑞牆の植樹祭Pに入った。濡れた洋服とかを乾かしてたらいちご農家がやってきて、翌日一緒に登るかもということになった。晩ごはんの準備を始めてたら、ロジャーさんも現れて、翌日一緒に登ることになった。ロジャーさんは雷火をやりたいとも言ってたけど、ともに敗退している《くまのプーさん》を登りに七面沢上流エリアにしようかということになった。行ったことないいちご農家も乗ってきた。急展開。
日曜日、遅れて到着する西條さんをおいて、ロジャーさん&いちご農家と先にエリアに上がった。ガイドブックでは《チョップスティック》まで65分くらいになってると思うけど、途中休み休み歩いたらちょうど120分かかった。エリアは肌寒いくらいで、ありがたかった。
いちご農家は《チョップスティック》を華麗に登っていた。クラックの中はヌメヌメだったらしい。前日夕刻から山の上の方は雲に包まれていたのが原因じゃないかという話し。めちゃくちゃ立派なクラックなのにクラックの中も外もまだ泥がついていて、登られ足りないんだと思う。たぶん遠いからだと思う。なお、《即決》も《トイストーリー》も濡れてたらしい。
そうこうしてるうちに西條さんが到着して、みんなで《くまのプーさん》方面に移動した。ロジャーさんは《クリボー》をやってたような気がする。ガイドブックによると「C3サイズの広めのハンドクラックが美しい好ルート」で「手の小さな人には厳しいサイズ」らしい。自分には無理。
いちご農家がビレーしてくれたので、《くまのプーさん》に取り付いた。前回発見したTスタック前進を目指して登り始めたけど、クラックの中は水が流れてびしょびしょで、そこまで到達できなかった。テンション。カムをつかんで抜けて、終了点を工作した。《くまのプーさん》の終了点は上の方の木2本からおろしたロープ&カラビナ2枚の残置あり。ロープの結び目が擦り切れていて芯が出ていたので、ロープを交換しておいた。2点から別経路で支点をおろしてて、左右の長さが揃わなかったのでカッコ悪いけど、勘弁してほしい。
そうこうしてるうちに、ロジャーさんが降りてきて、《くまのプーさん》をRPしてた。ナイスクライミング。コツは気合らしい。そのあと自分もRP。右のフィストとTスタックが決まる手前の抜けそうなチキンウィングで頑張るところがポイントだった。フィストがキマればTスタックも予定通りにキマって、順調に登れた。
無事にRPして安堵したので、そのあとトップロープで2回登った。1回目は右挿しのフィスト禁止で。自分のような高身長&腕長クライマーは、ワイドで普通のクライマーではフィストが届かないような場面でフィストがキマったり、早めにフィストがキマったり、ありがたいことも多いけど、だからといってフィストに頼っていると、どうやってもフィストが決まらないワイドでなんとかする技術の習得が遅れるので、フィスト禁止の試みは重要。今回はライトバルブチェンジャーでなんとかなることがわかった。テンション入ったけど。なお、フィストより10倍きつい。2回目は左挿しで。こちらは下部の岩の傾斜の影響で出だしからめちゃくちゃ辛かった。ほぼサイドワインダーに近い体勢になった。中間部はフィストがキマらなかった。前回の末端の末端でわかったんだけど、左のフィストは右のフィストより3ミリ位小さい。それでフィストがキマらない。しょうがないからハンド&フィストのリービテーションで、ところどころダブルフィストスタックで、ちょっとずつズリズリずり上がった。途中、足がキマらないところで、「Tスタックやったら?」ってロジャーさんが声をかけてくれて、リービテーションにTスタックっていう組み合わせもあることがわかった。左挿しも1テンションでトップアウト。なお、右挿しフィストの10倍きつい。ついでにもう一つの発見として、リービテーションでは下を通る腕の肘の位置取りが重要ってこともわかった。めちゃくちゃ勉強になった。
この間、いちご農家と西條さんは対岸の《マリーゴールド》に行ってて、キャッキャウフフと楽しそうな声が響いてきていた。こちらのうめき声とはえらい違いだった。あとで聞いたら、いちご農家はナッツが2本弾けとんでグラウンドフォールしたらしい。
といったところで終了。《くまのプーさん》を4回やって、帰りの歩きはヘロヘロだった。
コッシーと小川山でお気楽マルチでもと思ってたけど、西條さんに烏帽子&前烏帽子岩あたりと誘われて。
前烏帽子岩でジキルかハイドを通って上まで抜けるマルチ体験会にしようということになり、ジキルとハイドのアプローチピッチを登ろうとしたら、湿っていたこともあり意外と悪く、フォローが落ちたらブランと振られて大変なことになりそうと判断して、中止した。
かわりに、一つ右のルンゼを登ることにしたら、一段上に短いけどキレイになればキレイなワイドが出てきた。その下でピッチを切って、ビレー。キレイになればキレイなワイドは、本当に短いスクイーズを抜けた先でオフウィズスになり、その出だしはハンド&フィストのリービが唯一の解決策だった。ワイドを抜けたところでピッチを切ってビレー。リービ未体験のコッシーは苦戦し、何とか引き上げた。
ワイドを抜けた先、右には巨大なチムニー。後でガイドブックを確認したら、多分これは掲載されている5.6のチムニー《迷道》。左には泥ルンゼ。プロテクションが取れなそうな濡れたチムニーほど怖いのもはないので、迷わず簡単そうなルンゼを選択した。明るいところに抜けたら、そこはたぶんジキルとハイドの終了点。ここでピッチを切ってビレー。
そこから、《新緑荒野》の4P目と思われるボルダーの重なりを登って、テラスに出た。
その先、予定では、さらに上のテラスに上がって《イージー・スタート》を登ろうかと思ってたけど、晩秋荒野と共通の木の上はけっこう難しいのと、手持ちのビレイデバイスの都合でラペルが面倒なことになりそうだったので、テラスから歩いて降りた。
ここで昼寝。前夜は睡眠時間4.5hだったので眠気が強く、ぐっすり眠れたけど、寒かった。
そのあとは、志賀ランドと入口岩を見学し《あげこまるルート》5.10aにとりついたけど、湿っていたのもありコッシーには難しいかもしれないと判断し、方向転換。隣の《奈香良クラック》にとりついた。ガイドブックにはやや苔むしていると書かれているが、思ったよりキレイだった。しかし、ガイドブックにはやさしいワイドクラックと書かれてるのに、全然そんなことなかった。中間部、キャメ6番はギリギリ効かず、体は入らず、こんなにちょうど良く不都合なサイズのワイドは初めてだった。泣きながらクライムダウンで敗退。なお、ガイドブックにはキャメ2から5を1から2セットとあるが、キャメ5は使えなかった。中間部の終わり頃まで到達したら使えるのかもしれない。キャメ1は奥の側面にキマった。ガイドブックの記載は何一つ参考にならなかった。どうかしてるよ。
と言ったところで終了。コッシーは登りの面では物足りなかったようだが、マルチ体験でシステムは理解してくれたみたい。
また今度。
どうして、岩の名前は末端のまったんで後半はひらがななのに、ルートの名前は末端の末端で後半も漢字なのか?
例によって土曜日の夜に西條さんと行き先を相談して、末端のまったんへ。
アプローチがちょっとわかりにくい。ガイドブックには、「岩小屋から左の踏跡に入り屋根〔ママ〕を越えると石垣が見える」とあるので、岩小屋の左を進むと、大変危険な崖だった。崖の先には石垣が見えるが、これは不正解。正解は岩小屋の右上に上がって、岩小屋の上に右から回り込んで、左に進む。左への折り返しポイントにはケルンあり。左の石垣よりもっと立派な石垣がこちらにはある。屋根はおそらく尾根の誤植。
道に迷いつつたどり着いた頃には汗でびっしょり濡れていたが、岩場は日陰で、たいへん快適に登ることができた。ただし、取り付きは崖の上の斜面で、落ち着ける場所は少ないので注意。
このエリアのルートは5本。
一番左の《まったりクラック》5.6は、ピナクルに上がるところがノープロの予感がするし、ハイパーランナウトして隣の岩に飛び移らないといけない予感がする。
左から二番目の《まったりチムニー》5.6を石井さんが登ってた。終了点は立木のみらしく、下降は懸垂。チムニーの中を懸垂で下降するとロープスタック不可避。リード&フォローでフォローがプロテクションを回収して、左のフェース面を懸垂で下降するのが良さそう。。
三番目と四番目はルート図が逆じゃないかと思う。ルート図Cの《クリスタルクイーン》5.9が奥のチムニーに吸い込まれるやつで、Dの《クリスタルキング》5.10cが手前のルーフ部分をトラバースして外のワイドを登るやつなんじゃないかと思う。登ってないからわからないけど。そうだとしたら、ルーフ部分がなかなか手ごわそう。魅力的だが、取り付くには勇気がいる。なお、上部は日が当たる。
追記:《トラベルチャンス末端の末端》の終了点は立木。スリングやカラビナの残置なし。下降は懸垂。
最初に西條さんが取り付いて、厚い胸板にサイズが合わず降りてきた。その後、自分の番。
西條さんも石井さんも左挿しに違いないと言ってたけど、どう見ても右挿しだと思ったので、右挿しでやってみた。出だしは見た目以上に狭くて、体がギリギリ通るか通らないかのサイズだった。ここは体をナナメに倒して、右のチキンウィングと左のプッシュでずり上がった。上部でチキンウィングがキメづらくなったところで、上半身もクラックの中に押し込んで、ナナメから縦に切り替えて、Tスタック。このまえ七面沢プーさんで学んだ前進用Tスタックムーブを再現して、ずりずりと上がると、右のフィストが入った。ここは腕が長いとお得。右のフィストと左のガストンで数手進んで、右フィストを進めるための左ガストンに耐えられなくなったところで、強引に左フィストをねじ込んで、下半身を一度外に出して下半身を左挿しに切り替えて、右足をフェース面のフットホールドにおいたら、ぐいっと伸びて、左膝をねじ込んだ。あとは左膝をジリジリ上げながら広がるワイドに体をねじ込み、上部ルンゼに立った。完登。
更にその後、もう一回右挿しでやってみたら、やっぱりこっちのほうが楽だった。前進用Tスタックが有効。
で、帰り際にガイドブックを読んだら、右挿しでも左挿しでも登れるとか、リービが必要とか書かれてて、登る前にちゃんと読まなくて良かったと思った。読んでたらたぶんリービしようとして失敗してた。
といったところで終了。
急なルンゼの下りはつかれた帰り道ではラペルしたくなるくらい注意が必要。
一日涼しく登れて最高だった。
追記
中尾さんのブログで末端のまったんの記事を発見して、やっぱりCとDは逆だった。岩小屋の右っていう地図もあるので、見てほしい。
西條さんとコッシーと、瑞牆不動沢屏風岩。
よろめき対岸の《凍る月》はおもしろい。最下部のハンドセクションがちょっと登りにくくて、そこをがんばるのも楽しいけど、左から迂回すると楽に登れるので、それもいい。その先のワイドも楽しい。最後のワイドの入口も悩ませる。どっちも背が高いと楽。背が低いとより一層楽しめて良い。コッシーは奮闘していて、最高だった。
西條さんは《よろめきクラック》に奮闘していた。
最後に《不動の日々》に取り付いてみたら、上部のクラックもスラブ面も濡れていて、泣きながら敗退した。ハング部の左側には2つのホールドがあるけど向きがイマイチで、ハング下の面にはフットホールド乏しく、あっても高すぎて位置がイマイチで、ジャミングをキメたいハングの右寄りのクラックは遠く、たいへん厳しかった。
最後は不動沢下流の岩場の下のボルダーで遊んだ。駐車スペースのちょっと上の課題が秀逸で4回登った。クロスでスタートするやつ。駐車スペースすぐ上の大きな岩の左端のスラブの課題も秀逸だった。ビビり倒しながら登った。
次の瑞牆はどこに行こう?
小川山に木を燃やしに行った。
小川山は暑かった。かつて、小川山は避暑地だった。夏でも涼しく、朝晩は寒い、そんな場所。今や、小川山は6月でも暑い。大量の木を頑張って燃やしたが、とにかく暑かった。夕方から始めて、夜にはなんとか全部燃やし終わって、安堵した。
翌日はいつものポイントで泳いで大満足だった。小川山の水は冷たい。暑くなっても変わらず冷たい。最高だった。
合間にクライミングもした。
砦岩東門《海中エレベーター》はフォローで登った。
裏の《伊賀のガバ丸》はRPした。これはめちゃくちゃいいクラック。とても短いけど、クラックが広がったり狭まったりして、自分にとっていいサイズのところを選んでジャミングをキメる登り。練習に最適。ワイドに入るところも短いけど楽しい。こっちから登ってトンネルをくぐってあっちに行ってこっちに戻って来るところもシュールで楽しい。しかもずっと日陰で、風も通って、涼しい。
久々の小川山は結構楽しかったので、また機会があれば行きたい。
瑞牆・不動沢屏風岩周辺
よろめきクラックを登りに行ったら、上部は燦々と日を浴びていた。気温の高い一日で、今日は登らなくても良いかなと思って、よろめき右の洞窟にもぐったり、手前の汚いワイドを登ったりした。汚いワイドは意外とムーブがあって楽しかった。
そうこうしてるうちに太陽がよろめきの裏に回って日陰に入ってくれたので、登った。三日目だと思うけど、ようやくRPに至った。
そのあと、TRで上部と下部をそれぞれ5回づつくらい登って、楽しかった。上部は北平さんはリービと聞いたので、リービもやってみたら、確かにこれは楽だと理解した。
ワイドはまだまだ習得すべき技術があるし、技術と岩のマッチングも理解しないといけないし、一番楽しいのは、必死こいてRPしたあとにトップロープでしゃぶり尽くす時間。
【この記事は作成中です】
UKクライミングは楽しい。とりわけピークディストリクトのクライミングは素晴らしい。何よりも、トラッドクライミングの本場でのクライミング体験が素晴らしい。トラッドクライミングの本場といえばヨセミテと思うクライマーもおられるだろうが、そのヨセミテのトラッドがピークディストリクトから持ち込まれたものであるといえば、本物の本場がどこかご理解いただけるだろう。ヨセミテのトラッドクライミングは終了点のボルトがしっかり打たれたスポーツ的トラッドが多いようだが、ピークディストリクトのトラッドは終了点さえボルトのない本物のトラッドで、素晴らしいトラッド体験が約束されている。
最近、ピークディストリクトへのクライミング遠征を予定されている方からご連絡をいただいたこともあり、ピークディストリクト・クライミング遠征のことを書いておきたい。
移動
飛行機での移動
ピークディストリクトに向かう空港の候補は2つある。
第一は、一番近いマンチェスター空港。マンチェスター空港からピークディストリクトの西側はレンタカーで30分程度。クライミングのメインエリアである東側までは1時間程度。マンチェスター空港だったら、レンタカーも安いし、種類も豊富。ただし、日本からの直行便はない。マンチェスター空港を利用する場合には、乗り継ぎに注意が必要だ。ヒースロー空港での乗り継ぎは絶対に避けなければならない。ヒースローの乗り継ぎはターミナル間のバス移動が入って面倒な上、場合によっては乗継便に間に合わない。
第二の選択肢はヒースロー空港。ロンドン近郊のヒースロー空港からピークディストリクトまで3時間ちょっと。ヒースロー空港までに日本から直行便があるので、楽ちん。ただし、レンタカーはマンチェスターよりちょっと高くて、ハイエースクラスの大きなクルマは少ない(もっとも、少人数のグループなら、選択肢の少なさは問題ではないだろう。大所帯の場合は注意)。ちなみに、ヒースローとピークディストリクトのちょうど間くらいにForest Rockという有名なクライミングエリアがあって、立ち寄るのにちょうどいい。ものすごく小さなエリアなんだけど、ハードなボルダー課題でUKの洗礼を浴びるのもよし、比較的マイルドなトラッドルートを登るもよし。ここはスレートなので、北ウェールズのスレートの岩場までは足を伸ばせない場合でも、ちょっとしたスレート体験ができるのは嬉しい。
https://www.leicestershirebouldering.co.uk/forest-rock.html
現地での移動
これはレンタカー一択である。UKの自動車は右ハンドルで、道路は左側通行なので、日本人にはありがたい。厄介な点の一つはラウンダバウトで、これは予習した方が良い。あと、縦列駐車を多用することになる可能性があるので、練習しておいたほうがいい。それから、ワイパーと方向指示器の操作バーが左右逆で、絶対間違える。
駐車スペースは有料の駐車場と路肩の駐車スペースがある。ガイドブックの記載に従おう。有料駐車場はPAY AND DISPLAY方式のところが多い。料金支払い機で先払いして、出てくる紙をダッシュボードあたりに置いとく方式。2018年頃までは支払いがコインの現金のみのところが多かったけど、2019年頃からだんだんクレジットカードのコンタクトレス(日本で言うタッチ決済)で支払えるところが増えていた。今はどこもコンタクトレスで行けるんじゃないかと思う。
宿泊
クライマーはStanageとHathersageの間のNorth Lees Campsiteでキャンプすることが多いのかもしれない。
https://www.peakdistrict.gov.uk/visiting/things-to-do/camping/camping-northlees
しかし、エアビー的なやつでキッチン付きの部屋を借りたほうがだんぜん楽しい。エアビーか、Booking.comか、Sykes Cottageあたりを使おう。
https://www.sykescottages.co.uk/
宿泊エリアはピークディストリクトの東側ならどこでもいいだろう。Hathersageという街がクライミングエリアに近いので、目印になる。HathersageにはOutsideというクライミングギアショップがあって、何でも買える。シェフィールド市内でもいいだろう。その場合、City Centerより西側が便利だ。治安も西側のほうが良い。市内でも、Ecclesall Roadあたりからだと、岩場まで車で20分程度で行ける。パブの近くに宿泊すれば、クライミング後にパブでビールを飲みながらその日のクライミングを振り返ることができて、最高だ。
なお、UKの家は日本と違ってセントラルヒーティングで、ヒーターはラジエーターだ。暖房は中央のスイッチと家の中の各所のラジエーターの二重管理なので、使い方を予習しておこう。冷房はない。あと、バスルームのライトと換気扇のスイッチは入り口辺りにぶら下がっているヒモだ。かなり引きが硬いヒモなので引いていいものかどうか緊張するが、思い切り引くとスイッチが入る。
食事
UKの飯は超絶うまいので、なんの心配もいらないのだが、いくつかシェフィールド近辺のおすすめを書いておく。
フィッシュ&チップスはシェフィールドのSharrowにあるTwo Stepsに行っておけば間違いがない。ここは開業以来同じ店舗で営業しているチッピーとしてはUK最古だとか聞いたことがある。
それから、Two Stepsのすぐ近くのパン屋Seven Hills Bakeryもめちゃくちゃ良い。ここのSourdoughとFougasseとバターだけで生きていける。スーパーで売ってるバターがうまい。ちなみに、生クリームも濃くてうまい。
コーヒーも美味しいところが多い。おすすめはOak Brook RoadにあるLa Coppola。マキアートがめちゃくちゃ美味い。
酒はエールだ。シェフィールド周辺ではAbbeydale BreweryとThornbridge Breweryが良い。前者はシェフィールド市内にあり、市内のパブでは比較的広くタップが提供されている。おすすめはMoonshine。後者はピークディストリクト内のBakewellという街にあり、結構たくさんのパブを買収している。おすすめはAM:PM
https://www.abbeydalebrewery.co.uk/
https://thornbridgebrewery.co.uk/
パブはとにかく楽しいので、外せない。ピークディストリクトの真ん中あたりにあるPack Horse Innというパブが200年くらい前からあるパブでとても良かったんだけど、最近経営が変わったようで、いまはどうなっているかわからない。
インド料理もうまい。ビリヤニが普通にある。テイクアウェイも多くて便利。
スーパーに行くとレンジでチンするだけのシェパーズパイとかラザニアとか売ってて、うまい。鶏一羽がまるごとパックに入ってるのが売ってて、温度設定したオーブンに放り込むだけで鶏の丸焼きができるので楽しい。ポテトチップスもうまいので、毎日食べたい。
お昼はサンドイッチを作って岩場に持っていくのがいいと思うが、HathersageのOutsideの2階のカフェに行ってもいい。Derbyshire Oatcakeは野菜がとれるのでとてもいい。せっかくなのでかの有名なChip ButtyをたべてUKの食を満喫するのもいいだろう。
https://www.outside.co.uk/
あと、Curberに近いCalverという村にはSparがある。このSparはただのコンビニではなく、地元産のうまいものをいろいろ売ってるので、ぜひチェックしたい。ビールも多種多様。
クライミングエリア
ピークディストリクトは広大な国立公園で、そのなかに多数のクライミングエリアが点在している。選びたい放題ではあるが、よほどのこだわりがない限り、Eastern Gritと呼ばれる東寄りのエリア群で登るのが良いだろう。ここはシェフィールドからも近く便利だし、古くから登られている歴史あるエリアが多く、クラシック課題が多数揃っている。ガイドブックは、ROCKFAX社のEastern Gritがあれば十分だ。デジタル版もある。
https://rockfax.com/climbing-guides/books/eastern-grit/
こだわり派の人は、BMCのガイドブックを買い揃えるのも良い。こちらはエリアごとにいくつかに分かれている。
主たるエリアは、Stanage, Burbage, Millstone, Froggatt, Curbar, Baslowあたり。ROCKFAX社のEastern Gritにはルートにスターグレードが付されていて、おすすめ度が明瞭。さらにTop50のルートも選定されていて(改版で変更なければ)、Top50を登るだけで大満足するはず。
他のエリアのことも一応書いておこう。
まず、ピークディストリクトにはグリットストーンと石灰岩(ライムストーン)がある。ものすごく大雑把に言うと、グリットストーンがあるのは東側と西側。東側の北側が上記の有力エリアで、南側にはBlack Rocksがある。有名なGaiaがあるところ。ボルダーだとThe Angel's Shareがある。西側のエリアは南部のRoachesとかRamshawが有名で、このあたりのグリットストーンのエリアをStaffordshire Gritなんて言うこともある。シェフィールドからは少し離れてるけど、とてもいいエリアだ。Eastern Gritよりも高さのある岩が多い。Staffordshire Gritについては、以下のビデオがおすすめ。これ見ると行きたくなること間違いなし。
石灰岩のエリアは基本的にスポーツルート。あとボルダー。有名なのはRaven Tor。かの有名なHubbleがある。ルートの岩の基部のボルダーも楽しめる。
クライミングのシーズン
まず確認しなければならないのが、雨季と乾季が日本とは逆ということ。UKは冬に雨が降る。夏は比較的晴れていることが多い。これが厄介だ。
グリットストーンはフリクション頼りのクライミングが多いので、シーズンは気温の低い冬とされている。ちなみに、UKの気候は穏やかなので、冬もそんなに寒くない。ここで問題なのが、冬は雨が多いという事情だ。運が悪いと、せっかく行ったは良いものの全然登れないということになりかねない。そこで、雨を避けて夏を狙うのも悪くない。UKの気候は穏やかなので、夏もそんなに暑くない。というより、日本人基準だと、全然暑くない。とりわけ早朝だと岩はキンキンに冷えていると言っても良い。昼間は流石に暑いかもしれないが、その場合は以下で述べる石灰岩のボルダーエリアに行けば良い。夏のグリットストーンで注意が必要なのが、虫。ミッジ—と呼ばれる吸血系の羽虫が現れる。これは強烈で、数が多いので出現すると避けることはできない。吸われてるあいだはちょっと煩わしい程度だが、時間差で皮膚が赤く腫れて強烈なかゆみが出る。ミッジーが現れたら退散するしかない。風の吹くエリアには現れないようなので、風向きとかを考えて場所を選ぶことはできるが、限界はある。
石灰岩のシーズンは夏(と春と秋)。冬は基本的にずっと染み出しで登れない。日本からわざわざUKの石灰岩のスポーツルートを登りに行く人はほとんどいないだろう。Hubbleとかの歴史的ルートを登りたい人に限られると思う。スペインの明るい石灰岩の岩場を想像してUKに言ってはいけない。常に暗くてジメジメしている。石灰岩ボルダーも見た目は良くない。だいたいがスポーツルートの岩場の基部か、斜面の側壁というイメージ。課題は面白いものも多い。ガバマッチで終了でトップアウトしないものが多い。ボルダリングのイメージを刷新してくれるという意味では登ってみる価値はある。
トラッド・クライミング
グリットストーンのトラッド・クライミングの話。もちろんクライミング自体はどの国の岩場でも同じなのだが、ピークディストリクトのグリットストーンの岩場では、日本では見られないビレーの方法が実践されていて、あるていど学習して行く必要がある。
まず、グリットストーンの岩場には終了点のボルトがない。従って、自分で支点を構築しないといけない。しかも、登った先には木が生えていない。カム、ナッツ、岩角にスリングかロープが基本だ。ルートによっては登った先の地面にステークと呼ばれる棒が刺さっていることがあるし、登った先のずっと先のフェンスの支柱を支点にすることもあるが、これは例外。問題はその支点が登り終わった地点から数メートル離れていることがある点。それと同時に、セカンドのビレーは岩のリップで行わなければならない点。リップから離れたところでビレーすると、セカンドがテンションをかけたときにロープがリップにこすれて、グリットストーンのフリクションであっという間にだめになる。従って、支点からに接続したメインのロープを数メートル伸ばしてリップまで持ってきて、リップに座って(あるいは立って)ビレーすることになる。そして、リップでロープがこすれることを防ごうとすると、ビレーデバイスをマスターポイントに設置してセカンドのビレーモードを使うという日本で一般的に行われている方法がやりにくい。どうするかと言うと、下向きにATCでビレーする。言ってることがわからないと思うが、とりあえず、以下の資料を読むあたりから始めたらいいと思う。
https://www.gritstoneclub.org.uk/site/wp-content/uploads/2014/09/climbing_outside_leading.pdf
西條さんと瑞牆。
前日はWaterSpiderProjectに行くか、JETSETで開催された松島さんショートムービー上映会に行くか一瞬悩んで、松島さんの方に行くことにした。1時間だけ登った。それから家に帰ってお風呂に入って、諸々準備して、9時すぎだったかに瑞牆に向けて出発した。眠気と戦いつつ運転して深夜に到着。眠りは浅かった。
行き先は朝になってから西條さんと相談して、七面沢上流エリアに決定した。不動沢屏風岩でよろめきをやるとか、よろめきに人がいたら不動の日々をやるとか、考えてたけど、西條さんが《マリーゴールド》を見てみたいということで、乗った。
七面沢上流エリアはひたすら遠い。フロンティアスピリッツのガイドブックでは《マリーゴールド》まで60分ということになってるけど、アプローチ力が低いことで定評のある自分の足では、60分では済まない。クラック地獄までがまず辛い。そこから始まる上りがまた辛い。コルを越えた先の急登がまた辛い。辛い辛いで、到着したときにはたどり着いただけでもう大満足してしまった。しかも寒い。
西條さんは前回も登ったという《キャップロック》(5.9)でさらりとアップしていた。自分も、せっかく来たのでなにか登っておこうということで、登った。上部が抜けそうなフィストサイズになって、めちゃくちゃ辛かった。最後のマントルは、右の方のカチを握り倒してなんとか切り抜けた。フラッシュ。しかし寒い。
帰りに山を下りながら西條さんと話したんだけど、苦手なサイズってのがある。西條さんは0.75らしい。自分は大きめのフィスト。いつすっぽ抜けるかわからなくて、思い切って体を動かすことができなくなる。手が小さいから一般的なフィストサイズが苦手という苦手意識がさらにこのサイズを苦手にしている。なんとかしたい。
その後は、西條さんは二度目の《チョップスティック》(5.10b)を登ってた。自分は寒くて動けそうになかったのでやめておいた。《くまのプーさん》(5.10b)に移動。
《くまのプーさん》は短いけどきれいに割れたナイスなワイドだった。下部は下開きで、体がすっぽり入るサイズ、中間部で狭くなって、上部はまた広がる。狭くなってるところを超えるのが一見したところの核心で、一回目はムーブがわからず敗退。二回目はテンションかけまくってムーブを探り、一応理解した。登り始める前は寒くてもう無理かと思ったけど、ワイドに挟まると体が温まって、元気も出てきた。不思議。
そして、まえまえからこの手の傾斜のないワイドにはハサマリングでは身につかない基本技術が隠れているはずと思ってたけど、やっぱりあった。
狭くなってるところを超える核心部は、下開きなので足が効きにくい。スクイズチムニーの基本姿勢の両膝フリクションでは上がれなかった。使ったのはTスタック。Tスタックは止まっていることはできるけど進むことはできないかと思いきや、できた。帰ってからピート・ウィタカーのCRACK CLIMBINGを確認したら、Tスタックはレストには最適だけど前進するには向いていないと書かれていた(イギリス版143頁)。進めたけど。
やり方はTスタックで立ったら、上半身を固めて足ブラになれる体勢を作る。今回は、右挿しで、右手がフィスト、左手はガストン、そしたら胸を前壁にくっつけてフリクションを出す(なお、フィストが効かないともっと難しくなるので、フィスト無しで練習したい。アームバーかライトバルブチェンジャーになりそう)。そしたらTスタックを解除しても落ちないので、右足を上げる。具体的には、右膝を上げて、膝を曲げて、右足を左足のふくらはぎ位の高さに置く。そしたら、左足を上げて右足に合わせて、Tスタックが完成。そこに立つ。その繰り返し。
なお、ピート本にTスタックは進むのには不適と書かれてるのは、もしかしたら他にもっと楽な方法があるということなのかもしれない。例えば、レッグバーとか(イギリス版142頁)。これはまだうまくできないので、基本のレッグバーの使い方も練習したほうがいい。
なお、合間にいろいろ見学して楽しかった。《マリーゴールド》(5.11c)はボルダームーブ炸裂という感じじゃないかと。《パプリカ》(5.10b)は、わずか5mでもルートを設定したくなるのもうなずけるきれいな割れっぷり。悪いシンハンドが楽しそう。そのうち登りたい。《即決》(5.12a)は、すっぱり割れたきれいなフィンガーに見えた。ワイドの《トイストーリー》(5.10b)は広くなったり狭くなったりで悩みそう。長さもあって苦労しそうだったので、今回はパス。
西條さんも一回やって、終了。フラフラになりながら下山して、駐車場にへたり込んだ。寝不足と、長いアプローチの疲労と、寒さと、ワイドクラックが原因だと思う。夜の移動はやめておいたほうがいいのかもしれない。
また今度と言いたいところだが、この日は梅雨入り前最後の週末で、次回はしばらく先になってしまうかもしれない。
瑞牆ボルダー。しっかり雨の翌日で、どこが登れるだろうかと駐車場で相談して、まずはロジャーさんが登りたい岩があるらしい秘密の森に行くことになった。
猫頭ントルの左上(だっけ?左下?)の小さな岩のスラブを登った。ドルフィントラバース(3級)が秀逸だった。膝くらいの高さで横に続くダイクをフットホールドにしてトラバース。先に進むほどフットホールドが小さくなって、右足でわずかな感触を得る。
で、視界の先のホールドに飛びつく。
秀逸だった。なお、ダイクが外れやすいようで、欠けた痕跡があったし、我々が登ってる最中にも欠けた。
あと、ドルフィントラバースの左の丸っこいカンテを両腕で抱いたら、10年くらい前にダイバーさんと一緒に抱いたカンテであることを思い出した。あれはたしか、八千穂高原ボルダーのルーフクラックが濡れてて転戦して来たんだった。今回は雨後の湿り気が極度の乾燥肌にちょうどよくて、まあまあ可能性を感じたので、また行きたい。
それから、ロジャーさんが宿題にしている課題があるらしいちびぼるのあたりに移動した。ロジャーさんは宿題をさらっと登っていた。自分もやってみたけど、スタートのホールドが痛くて3回くらいでやめた。
それで、西條さんがいたちっちゃなスラブの岩を登った。丸っこいカンテが6級らしいけど、落ちるかと思った。6級のスラブってこんなに難しいっけ?その左のフェースも6級らしいけど、左のフレーク状ホールドを使うのか使わないのかわからない。使うとカンテと同じグレードにはならないし、使わないとめちゃくちゃ難しい。謎。右は7級だったか、そんなに難しくない。
最後は丸っこいカンテの右側をやってみた。さっき登ったのはカンテの左側。右側指定課題はトポにはないらしい。UKだとカンテがあったらその左と右に課題が作られるのが常なんだけど、ここではそうではないらしい。右も面白そうだからやってみたんだけど、めちゃくちゃ難しくて、しかも面白かった。また今度。
午後から雨予報かつ朝の動き出しは遅めということで、正統派に向かった。
メインは左からのトラバースで、左カンテからはじめて、きょじんが登ったカチカチの課題を横切って、正統派も横切って、右の岩に移って、そこからさらに過呼吸の岩に飛び移ってスラブを登る設定。
予想通りきょじんが登ったカチカチ課題のカチカチがちっちゃくって厳しく、ひとまずカチカチに半ば手をかけたところから右下の岩に飛び降りて終了という中間的な到達点課題を登っておいた。
本来のラインはまた今度。
あとは正統派を左挿し&右挿し、スタンド&シット、奥抜け&手前抜け、レイダウン・リービスタート・インバージョンとか、いろいろやってトレーニングして、終了。
石井さんと、瑞牆・前烏帽子岩・晩秋荒野。
一日目
短いアプローチピッチを上がった先のテラスは快適で素晴らしかった。ただし、強風でめちゃくちゃ寒い。コーヒーは温かくて正解。高速のPAで買ったクッキーを一緒に食べようと思ってたけど、寒すぎてゆっくり休んでる場合じゃなかった。
一回目、先にとりついて途中で降りてきた石井さんが残してくれたカムを使って登り始めた。一見したところ、下部の下開きのフレアしたワイドが核心部で、ここは右挿しだろうと思って右を入れてみたら、なんだかかぶりを食らって違うみたい。で、左差しにしたらそれはそれで辛い。石井さんによると手の大きい人はフィストで抜けるらしいけど、自分の小さい手ではスカスカ。ところどころ僅かに引っかかるところがなくはないけど、イヤなかんじ。助けになるポケットは1本指分で縁が立ってて指先が痛くなるからイヤなかんじ。リービテーションに可能性を見出して、降りてきた。
二回目、石井さんはトップアウトしてカムを回収して降りてきたので、カムをセットしながらリード。リービは大変、左差しはやっぱりイヤなかんじ。テンション。ここでもう一回右挿しを試してみたら、ずるずると上がっていった。左フィストより右フィストのほうが効くみたい。ただし、wideboyzのジャミンググローブを付けて。素手orテーピングだったらフィストは効かないと思う。その場合は、リービか。いろいろ試して練習してみたい。下部を右フィストで抜けたら、あとは上まで抜けて、懸垂で回収して、終了。
自分の都合で遅めの集合時間になったので2回ずつで終わりだったけど、久々の瑞牆ワイドでとても楽しかった。
駐車場でクッキーを食べて、解散。
また今度。
二日目
前回と同様に遅めのスタート。前回より気温が高くて、前回と同じ強風が涼しさを運んでくれてありがたかった。
石井さんの1回目、スカスカの左ファストを挿して、時折ズリズリと滑り落ちながらもジリジリと高度を上げ、ロープにテンションをかけることなく登りきった。ナイスクライミング。
で、自分の番。右フィストを挿したら、前回よりも更に効きが良く感じた。下半身をなんとか固定して、フィストを突き上げ、完登。とっても久々にルートを完登して、終了点のテラスで喜びを噛み締めた。
後は、下部の核心部の練習。左フィスト&右手ポケットのコンビネーションは、フィストがスカスカで嫌&一本指ポケットが痛くて嫌で、やっぱりダメ。これやった石井さん凄い。右挿しリービは、右膝が効くとスルスルと登れて、実は一番楽かも。もう一つ見つけたオプションは、左アームバー&右手プッシュ。問題は、核心の抜け口で上部ハンドに左手を入れることになってその体勢がいまいちなのでハンドをキメたはいいもののという事態になりかねない&アームバーはスペースを要するのでカムを乗り越えるのに難あり&めちゃくちゃ疲れる。
いろいろ試して、楽しかった。長い目で見ると、こういうセクションをアームバーで突破できるようになった方が良いのだろうと思う。
これで終了。帰りはルーフロックで東京粉末のチョークといい感じのチョークバッグと赤いジャミンググローブを手に入れた。
この先しばらく天気が悪そうだから最後のチャンスだろうかと思いつつ、雨の中傘を指して洞窟に向かった。洞窟の中は空気中を漂う水の粒が見えるくらいに湿気ていた。岩は染み出しと結露でびっしょり。
足抜きのあとでなんとかレストの態勢を作れないだろうかといろいろやってみたけどダメだった。つなげトライはなし。
よほどの好天が6月になって続かない限り、シーズンは終わりだろう。
4月以降、かなり頑張ったし、惜しいアテンプトもあったし、チャンスはあった。でもキメきれなかった。たいへん悔しい思いもあるが、久しぶりにこれだけ時間をかけて完登にこだわったクライミングができたことは良い体験だった。
ひとまず、洞窟を出て、渓谷に向かおう。
今度こそいよいよ登るぞってことで、ひとりで河又洞窟ボルダープロジェクト。
山全体がしっとりしていて、洞窟内も染み出しが抜けない。一週間前の38mの雨か。セパレートスタートの両手と足抜きアンダーガバとマッチからカチが湿り気。コンディションはバッドだった。
最初のアテンプトは、スイングに失敗。湿り気が原因。2回目と3回目は入念にホールドを乾かして臨んで、ダウンクライムで左手が出なくて失敗。右手の保持力がなかった。ここはきれぎれにムーブを練習するときは問題なくできるようになったけど、最初からつなげると保持力が売り切れていて無理。ここのところ毎回ここで落ちてる。
飯塚さんのアドバイスに従って即席持久力アップに励むのがいいようだ。
スタートからの湿り気でスムーズに登れないのも消耗につながっていると思うので、コンディションが改善したら事態は打開されるかもしれない。
完登は近い(って前回も思ったけど今回も思った)。
ところで、この洞窟のシーズンオフはいつから?前回は洞窟内がカマドウマパラダイスに近づいていてシーズンオフは近いかと思ったけど、今回は一匹も見なかった。どこに行ってしまったのか?洞窟内はまだ肌寒いくらいなので、気温は問題ではない。カマドウマによるシーズンオフまであとどれくらいあるだろうか?梅雨入りまで大丈夫なのか?
前回のムーブ探りで可能性を感じたので、いよいよ登るぞってことで、飯塚さんと一緒に。前日のびっしょりからの乾きを期待したけど、朝はびっしょりだった。
アテンプト1
結露で湿ったままトライして、失敗だった。完登態勢に入ったらコンディションの良い時を狙うべきと学んだ。
アテンプト2
飯塚さんが帰ったあと、お昼ごろになって随分乾きが進んでから。マッチまで行った段階で左手の指先の感覚がなくて、アウト。感覚がなくなるのは初めてのことだったのでなんでなのかわからなかったけど、多分、足入れで左手サイドガバをもって右手をシェイクする時間が長かったからか。サイドガバはガビガビだから。あと、左手薬指にテープを巻かなかったのも良くなかった。小指と薬指はテープ必須。
アテンプト3
右手カチから左手を寄せてスイングに耐えてた。ところが左足のフットホールドが視界に入らなくて消耗し、ようやく置けたけど時すでに遅し。右手の保持力不足で失敗した。原因はたぶん体が十分に下がっていなかったこと。あと、左手で持つ場所を間違った。左手は一番右、人差し指は右端のフラットで、中指薬指はエッジを意識するのが正解。ここは前回確認したホールディングを忘れてた。ムーブはちゃんとメモに残すべき。そして毎回読むべき。一応これまでで一番いいところまで行ったので、良しとする。
最後はムーブの確認&途中からつなげる練習。右手をマッチホールドに飛ばしたら胸を岩にこすりつけるのがいいみたい。右手カチを持ったら体を引き上げると左手の右端ホールディングをやりやすいみたい。右足トーフックをかけたらその段階で体を下げるのがいいみたい。最初のニーバーからゴールまでつなげることができて、大いにいい感じ。次回は登れそう(って毎回思ってる)。
また今度。
なお、今回、どうせ乾くの時間がかかるだろうから読書&コーヒーでゆっくりしようと思ってたのに、全部家に置き忘れた。大失敗。次回から対策を考える。
11日目(たぶん)。またまたまた飯塚さんと一緒。
天気は朝から雨。最高気温は14℃。
半袖Tシャツとカーディガンでアプローチ。汗はほとんどかかず、涼しい。
アップ後、つなげトライ。
一回目、フリクション優先でテープなしでやってみたら、やっぱり足抜きムーブのときに痛くてダメだった。
二回目、小指と薬指と親指根元と手首にテープでやってみた。万全。マッチからカチまで行って、スイングに失敗した。
三回目&四回目、スイングに成功して、左足を置くところまで行って、右手の保持ができなくて失敗。最高到達点(最低だけど)をマークした。あと一息。
あとは次回に向けたムーブの修正ってことで、足挿しあたりをニーバーで通過できないかといろいろいじったけど、結局ダメだった。足挿し&足抜きで頑張るしかない。スイング時のムーブには改善あり。マッチしたら左手の手首を縦エッジに引っ掛けると、スイングに耐えられる。その後、スイングから左足を置いたら、縦エッジを乗り越して右にずらす。
コンディションは終日バッド。外の雨の影響下、ケーブ内もしっとり。スタートのホールドは染み出しでじっとり。途中からアンダーホールド周辺も染み出しが始まった。マッチホールドもしっとり。
この染み出しは、当日朝の雨なのか?4日前の16ミリの雨なのか?どっちだ?どっちかによって、次いつ登れるかが変わってくる。
またまた飯塚さんと河又洞窟プロジェクト。ついに2桁台に突入。
アップ後、つなげトライ。
懸案の右足ブラインドフットホールドを捉えるのがやはり厳しい。飯塚さんのナビゲーションに助けられて捉えられたと思ったら、左手マッチからの寄せに違和感あり。寄せをなんとかこなしたと思ったら、右手の保持が厳しい。
最終的には、前腕の持久力向上が必要という結論を得た。
ともかく、右手カチを保持して左手を寄せてニーバーを解除するところまで行って、最高到達点を記録した。
また今度。
行こうかな—、どうしようかなー、と思ってたら、飯塚さんからお昼に行きますとの連絡あり、行くことにした4月下旬。ゆっくり目の10時30分頃駐車場着で、先に岩場に上がってゴムチューブでアップをしてたらあとから飯塚さんが上がってきた。岩場にはわれわれ二人と、左の洞窟前にリードクライマーの二人のみ。
最高気温は17℃で、快適。むしろ肌寒いくらい。関東地方のクライマーはどこに行ってしまったのか?
プロジェクトは染み出しでコンディション悪く、いまいち。
厄介な足抜きムーブに発見があり、左膝の外側を岩にこすりつけるとそのフリクションで落下衝撃がやわらぐことがわかった。
最初のニーバーは足首を上げるアクティブニーバー。効きが良くなるのと、体が上がって左ピンチを持ちやすくなる。また今度って思った翌日にヅッカーさんが河又に行くというので、2日連続。前回良い感触だったので、勢いに乗って進めてしまおうという魂胆で。
朝練なので、7時30分集合。登ったのは8時から10時30分といったところ。朝の気温は15℃くらい。前日のスタート時より10度以上低くて、かなり寒い。車にたまたま乗ってたジャンパーで寒さをしのいだ。天気は曇り。なぜかわからないけど染み出しが増えていて、逆さまレスト時の右手アンダーはびっしょり濡れていた。スタート周辺も染み出し。どういうメカニズムなのか謎。
この日のテーマは、スイング。
ピンチを持ったら足ブラで左足を左から右に180度スイングするムーブを試すこと。ここは以前一度できたんだけど、またできなくなっている。ここができたら、ムーブは全部解明完了ということになる(たぶん)。
で、いろいろやって、右手の甘いカチを持ったら、左の肩と脇を稼働させるように体を引き上げるのがコツらしいということがわかってきた。
この日はヅッカーさんがスポットしてくれてマットも貸してくれれ安心してトライできたので、勢いに乗ってスタートからのつなげトライもやってみた。
1回目は、逆さまレストから足抜きに成功したものの、右手アンダーが湿っていて、左手が出なかった。加えて言うと、本気トライ時はテープがない方がいいと思ってテープなしで登ったら、ガビガビホールドが激痛だった。今後は本気トライ時もテープ必須。で、2回目も足抜きには成功したけど、今度はニーバーがうまくキマらず、やはり左手が出なかった。
ということで、完登には至らなかったけど、全ムーブを理解し、足抜きに成功して最高(というより最右)到達点を更新したので、大いに成果のある朝となった。
4月中旬。11時頃岩場着。気温27度、晴れ。結露も染み出しも抜けていた。洞窟内に日差しが入り、ライトがなくても問題ないくらい明るい。
テーマはドロップダウンムーブの検討。
右カチを保持したら、左足をルーフ奥において、左手を岩にこすりつけてズルズルずらしながら降りるのがコツらしい。
そこから、右足のニーバーを穴にはめ、左手をとばしたら、右のニーバーをフレークの右側にかけて、右手。
そこから先はなんとかなりそう。
で、左手ピンチからつなげてみると、ドロップダウンムーブができない。原因は、マッチホールドのいいところを右手で使ってしまうので、左手でいいところを持てないことのようだ。あと、関連することとして、前腕の角度が斜めになってると、こすりつけズルズルドロップダウンムーブに入れない。前腕を下に向けないと。
また今度。
この日は西條さんと一緒に太刀岡山へ。登る気満々で現地に着いたものの、駐車場はすでに満車。まさかの駐車場敗退となった。
気を取り直して、西條さんと相談しながら昇仙峡ボルダーへ移動。のんびり岩場を見て回っていたら、西條さんのプロジェクトの隣で、岩と岩の隙間にできたルーフを発見。自然にラインが浮かんできて、「これ、やってみたいかも」とその場でトライ開始。ホールドの配置も独特で、ムーブを組み立てる時間が面白い。
ひとしきりルーフを触ったあとは、牙王を初めてトライしてみることに。名前は前から知っていたけど、今回が初めてのチャレンジ。実際に取り付いてみると、ムーブが思った以上に複雑で、いまいち核心が見えない。いろいろ試してみたけど、ムーブの解明に至らずこの日は敗退。
ルーフも牙王も登れなかったけど、西條さんとあれこれ話しながらトライできて、新しいラインも見つかって、充実した一日だった。登れてなくても、こういう日ってやっぱり楽しい。
たまった宿題は片付けていかなければならないんじゃないかということで神戸LOVERSを登って、次に片付けに入ったのが洞窟ボルダープロジェクト@河又の岩場。
3月下旬
洞窟内は染み出しと結露で真っ黒だった。大雪の影響か。外にはスポーツルートに取り組むクライマー1組3名がいた。外の空気はよく乾いていたので、扇風機で風を送れば洞窟内も乾きそうな気配であった。
前回ここに来たときは、《有朋・・・》と交差する穴から右足を抜くのが困難で、抜くと真っ逆さまに落ちていた。今回は左手をスローパーではなくサイドに変えて解決。サイドだと、抜いたあとにニーバーをかける場所を潰してしまうんだけど、別の場所にかけることでなんとかなりそう。体勢は悪くなるけど、頑張れるはず。
ニーバーで左手ピンチを持ったあとに右の遠いカチを右手で取るん。以前はできていたこのムーブができなかった。もしかしたらニーバーの位置が前回と違うからかもしれない。前回はニーバーを途中でかけかえていた。
ムーブの解読に取り組む際には指に巻くテープが重要。右手は、右足を抜く際のアンダーホールドで中指に穴があく。左手は、同じく右足を抜く際のサイドで小指と薬指に穴があく。本当は中指もテープを巻きたいけど、次のピンチが持てなくなるので、巻かないようがよい。
4月上旬
洞窟内はところどころ染み出し。結露は抜けていた。乾燥してコンディションは良好であった。気温は高く、アプローチでは汗をかくが、洞窟内は冷たい風が吹き出て、肌寒いくらい。
前回のセッションで不明だった最初のニーバーからのムーブ探りに取り組んだ。ニーバーで左ピンチを持ったら右足を左の丸棚に戻すと、体が右に倒れて、右のホールドに近づける、そんな仕組みらしい。一つ解決。
そこからニーバーを解除して足ブラで体を反対側に振るんだけど、足を外したときの振られに耐えられない。
しょうがないので、耐えられたと見立てて、その後のムーブ探りに移行した。右足トーフックで右手を出すのは元気なら問題なく、そこから二度目のニーバー。ここはかけどころがわかりにくいので、頑張る。左手を寄せるポイントがわかりにくかったけど、なるべく右。その後の右手のカチへのとばしでかなり悩んだが、ここもまた、右足をはずと体が右に倒れて、ニーバーがより良く効く、という仕組みらしい。ニーバー難しいよ。
右カチをもったら、ルーフの下に潜っていくんだけど、左手を出すムーブが不明だった。ここは以前一度できたような気もするんだけど、何も覚えてない。
左手を持てたら、三度目のニーバーで左手を送って、四度目のニーバーで右手もルーフ奥に。そこから右に出てくる。という感じ。
二箇所のブランクセクションを残してしまったけど、進歩があった。
テープはやっぱり大事。ニーバーのあとのピンチで左手の中指第一関節上左側に穴があく。人差し指第二関節上左側にも穴があく。結局、左手は全部の指にテープ。右手は中指。
また今度。
ものすごく久しぶりにスポーツルートを登った。太刀岡山・小山ロック。山森さん、村井さん、養蜂家さんと一緒。
スポーツクライミングを真面目にやっていたのは10年くらい前で、そのころは秋から春は奥多摩・秋川でスポーツルートをやって、夏は小川山でスラブをやっていたので、スポーツルートのシーズンに山梨に登りに行くという発想がなかった。さらに、その頃は太刀岡山の小山ロックは大人気の岩場で、行ってもルートに行列ができていて待ち時間が長いから楽しくないだろうという判断もあった。今回、初めて行ってみて、小山ロックは左右のルートが近くて隣のルートを登っている人がいると登れないので、当時の判断は正しかったのだろうと感じた。もっとも、今となっては小山ロックの訪れるクライマーは少ないようで、快適に登れるようになっているそうだ。
前日の雨により快適にアップとして登れそうなルートは限られていて、最初に取り付いたのは《チェリーブロッサム》(5.10b/c)。これは厳しかった。ボルト一本目あたりがかなりシビア。上部は苔で汚れているけど快適なスラブ。テンション混じりでチェーンへ。岩の上に立って終われるので、天気の良い日に登ったら気持ちいいと思う。グレードは怪しい。
それから、《ルートキラー》(5.11c)。これは難しかった。特にボルト5本目(6本目だっけ?)のあたり。左から入るとクリップは容易だけど、向きの悪いホールドにクロスで出して耐える事になりそう。右から入るとムーブはより素直になるけど、クリップが厳しい。3回やって、登れなかった。
なお、この日はめちゃくちゃ寒くて、コンディションは最悪だった。登り始めてまもなく指先の感覚がなくなって、ダメ。テンションかけて指先を温めて、各駅停車のクライミングになった。そして、登り終わって地面につくと、指先が温まってくる。ところが、ビレーと休憩してる間に指先が冷えて、冷えた指先の登り始めて、すぐに感覚がなくなって、ダメ。地面に降りると温まる。この繰り返し。登り始める前に指先を温める方策を考えないといけない。
また今度。
神戸LOVERS、4日目。山森さんはスポーツルートをバシバシ登ってた。
まずは前回失敗した後半1/3の繋げから。ナイスなレストポジションを発見して、成功した。その後、3/5の繋げにも成功。さらに、クライムダウンセクションでレストスポットに向かって斜めに真っ直ぐ降りて一挙に5手くらいショートカットするナイスなムーブを発見した。完登に向けて大きく前進。
最後は、序盤の厳しいセクションのムーブをコネコネして、染み出しホールドを回避するムーブを考えた。左手で持ってたアンダー近くのサイドプルを右手で、上のコブを左手、右手をひとつ先のアンダーへ、左手アンダー寄せ、右手右下、左手クロス。うまくいくかどうか、よく分からない。
若手一流B面クライマー奥平さんと、昇仙峡。かねてより懸案であったセンチュリーバレーの鏡餅スラブを登りに行った。前回はちょうど1年前、1本目のボルトに決死の覚悟でクリップして、立ち上がったところで断念したのだった。
今回は、トップロープで確認することにした(妥協してゴメンナサイ。ほうぼうに宿題を大量に抱えていて、そろそろ解消していかないと)。左から岩の上に回って、終了点に最適な木からロープの切れ端で支点を下ろすこと8mくらいか。そこから60mロープで懸垂して、地面まであと1m。ということは、地面から木まで39mくらい?
地面から12mほどのところの松の木の一段下の右のテラスをビレー点とした。1本目のボルトがビレー点から8mくらい上なので、間にカム。奥平さんがZ4(だっけ?)の青いのを入れといてくれた。フレアしたクラックで、ちょっと不安。もう一つ小さいサイズでもいいかもしれないなんて話をした。2本目のボルトの左にはキャメ赤が入る。なお、ボルトはいにしえのRCCなので、できるだけカムでバックアップを取りたい。
一回目、一本目のボルトのところに立ち上がって、このルートに特徴的なダイクをこねくり回していたら、薄いダイクが吹き飛んだ。トップロープで良かった。その後も、テンション混じりで、ムーブが可能であることを確認した。
二回目、迷ったけど、奥平さんがもうやらないというので、じゃあこの際ということでリードした。久々にめちゃくちゃ緊張したけど、完登。なお、Z4の青はプリプレースで登った。キャメ赤は登りながらセットした。どうせボルトを使うんだから、カムはプリプレースでいいんじゃないかと思う。登りはすこぶる面白い。小川山あたりに出しても恥ずかしくない。ビレー点までの12m程はブッシュまみれだけど、そこから先は車道から見上げる通りのスッキリしたスラブになって、素晴らしい。
残る課題はボルトレスのオールNPでの完登だけど、我々はしばらくやらないので誰かやってください。
なお、アプローチは、センチュリーバレーに入ってすぐ左に上って、メゴスの左のルンゼを上がる。木に残した白テープが目印。
ということで首尾よく鏡餅スラブを登ったので、次は右裏のワイドを登った。こちらは優しすぎたようで、奥平さんがアプローチシューズでオンサイトしてた。終始8番サイズ。
神戸LOVERS(仮)のこと。
初回は随分前、雨の日(だったか雨後だったか)にヅッカーさんとスポーツルートを登りに行って、岩が濡れてたのでスポーツルートは早々に諦めて、トラバースでもやるかって始めた。このときは、左から右トラバースの最終局面に手を付けて、ヅッカーさんは後半1/3位をつなげてたような気がする。
最近になって2回目。最高気温は17度、木漏れ日、微風で、最高のボルダリング日和だった。全体のムーブ確認で、左から右まで全部つなげることは可能であることがあることがわかった。全部で約70手。65手目くらいの2本指ポッケへのデッドが核心か。長袖肌着と半袖Tシャツ。
で、第3回。大雪の数日後、染み出しの様子を確認に行ってきた。染み出しは序盤のホールド一箇所のみ。雪解けの水がまだ下まで届いていないのかもしれない。濡れていたのは序盤の核心部のホールド。長い目で見ると、このホールドを使わないムーブを作っておいたほうがいいかもしれない。気温は最高気温は10度、木漏れ日、時々東からの強風で、結構寒かった。長袖肌着、半袖Tシャツ、ネルシャツ。レスト中はダウンジャケット。中盤1/3でウォーミングアップ。ここは落ちはしないけど、最適化が必要。後半1/3のつなげを試みて、核心の2本指ポッケへ手が届かず失敗。
またこんど。
ガミケンさん、西條さんと山頂ボルダー。
今回はともだちの側から登った。ともだち周辺でアップして、ガミケンさんはともだちの岩のラインを登ってた。
それから、後ろの木が気になる課題を登った。《木だけに気になる、なんてね》ってことで。
で、大きく移動して、逆さまカンテへ。前回到達したマッチからの一手がわからなかったけど、ガミケンさんのナイスアドバイスにより解決。ホールドを持ったら引くことが必要らしい。ただ、この一手を出してもその次に動けない。ガミケンさんはそこも楽々とこなしていた。
山森さんとバイソン周辺再び。
少ないアテンプトでプロジェクト完登を目指す山森さんは昼頃到着するということで、先にエリアに上がって、前回目をつけていた丸っこいダブルカンテに着手した。
デッドでバシバシを数手で、行き詰まった。岩自体はそんなに大きくないんだけど、下地が斜面で、落下距離がそこそこ。万一斜面を滑り落ちると崖で、緊張感が高まる。
あーでもないこうでもないといくつかのムーブを試していると、山森さんが登場した。ムーブについて意見交換して、山森さんは少し離れたプロジェクトに向かった。
右手を出すか、左手を出すか、何度か両方を試して、左カンテの奥のV字状ホールドに狙いを定めた。ブラインドホールドへのデッド。なんとかホールドを捉えたものの持ちどころが悪かったアテンプトでは、強引に右手を頂点に伸ばしたが、そこから動けずフォール。斜面に敷いたマットでバウンドして、一段下にとばされ、ヒヤリ。次のアテンプトでブラインドホールドの良いところに手が届き、完登。上の方にガバがあるねと山森さんが言ってなかったらアウトだった。このガバもブラインド。一か八かで手を伸ばしたら指がかかって、岩の上にずり上がったら、プロジェクトの山森さんが見え、完登の喜びを叫んだ。
この課題、今の実力にマッチしていて、良い取り組みができた。掃除は木の棒につけたブラシで。棒が届かないところは掃除なし。苔まみれのカンテで中継したり、ビクトリーガバには落ち葉が積もっていたり、グラウンドアップの難しさに負けずに登れた。次に登る人(いれば)は、自由に掃除してください。
午後は山森さんPの横の逆さまカンテ。前回は逆さまムーブでヒールをかけていたブロックがごっそり落ちて、振り出しに戻ったのだった。ヒールがかからなくなって一気に難しくなってたけど、ピンチフックでギリギリムーブができることが確認された。
また今度。
もっとかかるかと思ってたら数日後には到着したので、前回また今度って書いたもう一足のスクワマとジェネレーターミッドの話し。
こっちはバーチ。
12月13日:発送
12月16日:到着連絡
14日に到着、現状確認&見積もりまで一ヶ月くらいとの連絡
1月10日:見積もり
スクワマは、基本リソール6,700円と両足のトーパッチの接着660円×2で、8020円。安い。なお、ソール中央の穴はなし。
ジェネレーターミッドは、基本リソール6,700円のみ。安い。
1月12日:決済
クレジットカード。
2月6日:発送連絡
2月8日:到着
こちらの発送から戻ってくるまで、約8週間。ガミケンさんに案内してもらって、山森さんとバイソン&その周辺。
バイソンは難しかった。
で、その右の被ったカンテ。足が悪いって言うので、バイソンスタートでできるんじゃない?ってことでああでもないこうでもないとやってたら、できそうになった。ミラクルなライン。ガミケンさんはトップアウト寸前まで迫ってたけどヨレて落ちてた。
終日陽当り最高、眺望良し、課題は無尽蔵、徒歩40分という好条件で、最高だった。秋川にもこんなところがあればいいのに。
山森さん&キビちゃんと、白岩滝ボルダー。
まずは手前のサンライズ・ボルダーで、山森さんが《麻生グルーブ(仮)》を登った。前回はリップに手が届いて大いに可能性を感じさせるセッションがあり、今回は早々にリップをコントロールして、下からつなげてのトライにも成功。課題を完成させていた。すごい。
この課題のいいところは、壁にあいたポケット。いかにもホールドとして使ってくださいと言わんばかりの奥深いポケットを本当に使って登るのがめちゃくちゃいい。サンライズボルダーにまた一ついい課題ができて嬉しい限りだ。残るは、サンライズ・クリスタル・フェイスの左スタートバリエーションと、リップトラバースと、(たぶんやらないけど)左面か。背後の岩もあり。それから、上のヘンプ・ボルダーまで上がって、僕がカンテラインに挑んだ。前回はリップに手を出す態勢を整えられなかった。デッドで出すことはできるけど、失敗すると左に大きく振られて落ちることになりそうで、しかも次のホールドは見えづらくほとんどブラインドになる。できればスタティックに手を出す態勢を整えたい。
で、いろいろやってみて、山森さんがナイスなホールド&ムーブの提案をしてくれたおかげで、スタティックにリップを保持することに成功した。上部は蔦を使ってトップアウト。個人的にはクライミングにおいて木や蔦は使っていいと思ってるのでこれでひとまず完成。バリエーションとして蔦なしバージョンもあってもいいので、いずれロープを使ってムーブとホールドを探りに行きたいと思う。今は、緊張感を保ってこの課題を登れたことを喜びたい。掃除とホールド探しで一度ロープにぶら下がってるから、主観的でわずかな満足だけど。
追記
《麻生グルーブ(仮)》は、《ワームホール・パッシン》と命名された。パッシンはpassin'とリップを叩く音のダブルミーニングで、アクセントはシにあるそうだ。グレードは7b。
陽当たりが良くて暖かいともっぱらの評判の甲府の岩場に行った。山森さんと村井さんとキビちゃんと一緒。
ここはスラブが多いらしい。《アラベスク》に備えてスクワマビーガンを買ったので、スラブで試してみようというのが今回の趣旨。
駐車スペースから徒歩10分の至近でアクセス良好。前回の御前山砦とは大違いだ。
まずは、たぶんCエリアの真ん中あたりの複合カンテ状スラブ。なんだけど、ここで早速トラブル発生。スクワマビーガンが片方見つからない。しょうがないからTNプロで登った。ルートは、カンテをどう使うかが悩ましくて面白い。たぶん5.9くらい。FL。TNプロは柔らかすぎて極小エッジに負ける。
それから、その左のリングボルトをトップロープ。たぶん5.10くらい。
で、たぶんDエリアの馬の背状ルート。背を越えるラインの採り方が悩ましくて面白い。たぶん5.10くらい。FL
ここで、一旦車にもどってスクワマビーガンを持ってきた。
そのあとは、たぶん馬の背の左にあったRCCボルトのルートをトップロープ。二本目の左ボルト直上は無理だった。右のボルトに寄って登った。二本目の左ボルトは打ってはみたものの不可能だったということじゃないかと、山森さんの弁。
次は、村井さんが《デザイア》(だっけ?表記は知らない)をやってた。スカスカフィストとの格闘がめちゃくちゃ面白そうだった。僕は今回はスラブのつもりで来てたので触らなかったけど、次に来たらやりたい。
ここで、山森さんは行方不明になったキビちゃんを探しに行った。
さいごは《ミ・アモーレ》(だっけ?表記は知らない)。人気のルートらしいけど、その理由を容易に理解できる面白さだった。たぶん5.10くらい。OS。
スクワマビーガンは硬くて最初は違和感があったけど、履きなれるといいんじゃないかと思う。1サイズ小さいスクワマと違って、スラブを登っても足が痛くならない。
なお、岩場はちゃんと寒かった。気づいたんだけど、陽当りがいいと言っても、体の半分は必ず日陰。
初回は一人で岩探し。手前の小ピークの小ぶりなボルダーを登ったのだった。
小ピークボルダー |
左は結構いい課題。右の課題は石にノーハンドスタート。
第二回はiwa-rockさん&ジョシュ君と。
ここでトラブル発生。手前の小ピークの小ぶりボルダーの左課題のフットホールドがスコンと抜けて、顎を岩に強打した。左課題はこれで大幅に難易度が上昇した。
消えたフットホールド |
ビーストメーカー |
そして第三回、山森さんと。
まずは手前小ピーク小ボルダー。山森さんは左課題を右抜けで登っていた。確かにそのラインも良い。勉強になった。僕は登らなかったので、左抜けはまた今度。この小ピークボルダーはアプローチの休憩にちょうどいい。
小ピークボルダー左・右抜け |
まずは手前のハイボル壁から。左の方の課題は難しいみたい。で、右寄りの課題をやった。前回まで上に木が乗ってたけど、今回はそれがなくなっていた。ありがたい。しかし木が乗っていたところにたまった砂が流れ落ちてきていて、ホールドはジャリジャリで、トップアウトは不可能だった。
なくなった木 |
とりあえず、途中のガバまで山森さんが登った。僕は敗退。右足のひねりで膝が痛むので、ひねらない登り方を習得しないといけない。またこんど。次回はロープを持っていく。
なくなった木の下課題 |
それから、更に上へ。山森さんはビーストメーカーをさらっと登ってた。強い。僕は本題のルーフ。ああでもないこうでもないとホールドをこねくり回して、やっと下部のムーブを発見した。初手はキャンパ、それから右足を添えて右手寄せ。多分ここで落ちる。落ちなかったら、右足ヒールを右手のスタートホールドにかけて、右手クロス。そのまま左手を先に。右足ヒールをかけかえて、左手をとばし。右足でフットホールドを踏んで、左足トーをかけて、右手を寄せる。みたいなかんじ。
このプロジェクトを大筒ルーフPと呼ぼう。
大筒ルーフP |
なお、大筒ルーフPは北向きで陽が当たらない。そして爆風の抜け道になっていて超寒い。上部は掃除が必要。次回はロープを持っていく。またこんど。