2013年5月28日火曜日

石にかじりつけ〜北川の岩場で北落師門にこんにちは〜

菊池敏之さんの、我々はいかにして「石」にかじりついてきたか。

我々はいかにして「石」にかじりついてきたか

既に絶版となり幾ばくかのプレミアムを払わなければ読むことのできないこの名著を手にした。めちゃ面白い。黎明期のフリークライミングの現場の話に、ギャグ満載。笑いが止まらん。もっとも、あー面白いでは終わらせてもらえず、最後はフリークライミングというものへの熱い思いをひしひしと感じつつ一気に読み終えてしまった。

全てのクライマーが読む価値のあるものだと感じさせるこの本が既に絶版なのは、悲しいことだ。

さて、ついに終わりを迎えた奥多摩・奥武蔵のシーズンの余韻を楽しむべく、48さんとクライミング。《北落師門》(5.12a)にリーチがかかっている48さんのビレーをすべく、場所は北川の岩場。

北川の岩場は二度目。前回は一年半前、冬の寒さに心折れ人の多さに心折れ、《謙譲の美徳》RPに失敗し、《北落師門》に至っては、一度だけ長い順番待ちの末にお触りさせてもらい、上部のハングまで到達できずに帰ってきたのでした。

みんながやってるからとりあえず《北落師門》という安易な選択をしたバカな振る舞いへの反省から、現在のマイナー岩場&マイナー・ルートめぐりが始まったというのもあるんですよ。


《北落師門》(5.12a)

さて、この日はアップとムーブ探りを兼ねていきなり《北落師門》。3便出して、リップまでテンションなしで到達。4便目、5便目はマントルの最中にどか落ち。リップの下降用のボルトにクリップしないから、マントルの最中に落ちるとかなりの落下距離で、スリル満点。5便目は、リップ下に左足を置いて右手をクロス気味にデッドで出して落ちたもんだから、空中で回転しちゃったよ。ちょうど一回転したところで壁に激突。あー楽しい

48さんは早々にRP。トゥエルブ・クライマー誕生。長い間憧れたルートだったようで、その数字以上にめでたいことです。さらにこの日は《ミンボー》(5.12a)もRPして、トゥエルブ・クライマーになったその日に二本目の5.12を登るという快挙。素晴らしい。

12クライマーの背中

こちらはというと、気持ちよいそよ風のなかで小一時間ほどお昼寝して出した最終便はもうヨレヨレで、リップまで到達したけどマントル返す体力はなく、ロングフォールすると回収が大変になるから突っ込む気力もなく、リップの終了点のチェーンを掴んでテンション。そのまま回収。

いやー、大変。何が大変って、回収が大変。ハングしてるしトラバースしてるし、回収作業でめちゃ疲れた。登るより回収の方が大変だよ、これ。

巨大なハングを辿る名課題。一日でリップまで到達したとはいえ、このルートはマントル核心。マントルを返さないと、何もできてないに等しい。惜しくもなんともない。とはいえ、1000%僕の守備範囲外の強い傾斜に対応できたのはうれしいことだ。

マントルのムーブは未だ不明。最初からリップの終了点にクリップしてぶら下がってマントルのホールドとムーブを探れば、早々にRPできる可能性はある。でも、それをせずにリハーサルなしで下から繋げてマントルに挑むという非効率的なことをしたのは、菊池さんの本を読んだからかもしれない。

ところで、見つけてしまった。めちゃカッコいいルートを。この岩場の売り物の大ハングを無視するかのように右端の薄かぶりのフェース引かれたカチカチのライン《秋葉大権現》。グレードは(5.12b)。これは強くなっていつか登りたい。


○今日の北川の岩場

僕たちの他に、3組6名。いずれもご夫婦?皆さん強かった。気温は高く、指先にはうっすらと汗。シーズンは終わりかな。


○《北落師門》

《北落師門》

みんながこの岩場でこのルートを登りたがる理由が分かったような気がする。どっかぶりの人工壁を登るようなジムナスティックな動きが魅力なんだろう。僕は守備範囲外だけど。

リップまでは比較的容易に到達できて、マントルで落ちるもんだから、惜しいと思わされる。それで次はRPだと意気込んでトライするけど、核心はマントルだからまた落ちる。みんながどハマりする理由も分かったような気がする。

果たしてこの人気ルートを再度トライする日は来るのだろうか?

3 件のコメント:

  1. 秋葉大権現、わっっるいっすよ。しかし、珍味好きな宮氏にとっては大好物かも…僕も登れてないんで、いずれトライしましょう!

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  2. 秋葉大権現、わっっるいっすよ。しかし、珍味好きな宮氏にとっては大好物かも…僕も登れてないんで、いずれトライしましょう!

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  3. 極悪お買い損は望むところです。ぜひやりましょう。まずは氷川屏風でショットガンを登ってから。

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