2015年1月3日土曜日

《ターゲット》完登@笠間ボルダー



大晦日は《ターゲット》を登りに笠間ボルダー!とツイッターで書いたら、長野からダイバーさんが来てくれた。

まずはシンプル岩で黒本33番の《フィンガークラック》(7級)をジャミング限定。なぜかフィンガーじゃなくて、ハンドジャム。ジャミングの感触を思い出した。

それから、ヒップ岩の後ろの黒本49番《チョックマン》(6級)。楽しい。



次は、ヒップ岩で黒本48番の《フィスト・クラック》(6級)。

フィストクラック

なぜかハンドジャムがバチ効き。しかし、高さもあって落ちると滞空時間長いし、上部は悩むし、《チョックマン》と同じグレードなのは不服である。

いよいよ《ターゲット》

ターゲット

グレードは3級/5.10cとなっている。3級というとあの恐怖のハイボルダー《ピノキオ》と同じ。5.10cというと散々苦労している《むかしクラック》と同じ。これは手強そうだ。しかも、下地は凶悪。取り付きの斜めの岩の上に落ちたらもれなくカカトが割れそうだし、地面には木の根が出ていて踏んだら足首を捻挫しそうだし、その上、斜面を転がり落ちる可能性もあり。さらに、ダイバーさんから「最近左足首を複雑骨折した人がいる」という聞きたくなかった重大情報まで提供された。

もちろんボルダーでトライ。

出だしが思ったより細くて、ハンドはうまく決まらなくて、フィンガージャムはやったことがないから不安で、一度クライムダウン。仕切り直して完登。登っている最中は落ち着いていたけれど、終わったら足がガクガク震え始めた。こわかったー。最高にいい課題でした。一日一回登りたい(下地が良ければ)。ダイバーさんも見事完登で喜びを分かち合った。

精神を消耗したところでお昼の休憩。日当り抜群で快適な石倉岩周辺で珈琲を飲みながらいろんな岩と岩の隙間に挟まって楽しく過ごし、ついでに《ラブタッチ》(3級)を登った。誰も使っていないと思われるリップとカンテの間的なところに左手を出したら良く効いた。リーチムーブだったのかな?

午後の部は、午前中に発見していた、ヒップ岩の後ろの黒本49番《チョックマン》(6級)のSDスタート・バージョンにトライ。

なぜか岩に背を向けて座って、フィストをきめて、足を天井にけり上げて両足をフックしてぶら下がる。上半身を反転させてハングから出して、頭を上げようとするけど腹筋が負けて逆さ吊り。

逆さ吊りのダイバーさん

これを無限にリピートして、腹筋がよれてもはやこれまでかと思った頃、ダイバーさんがジャミング真っ向勝負なムーブを発見し完登。僕もこれに続いた。デッドでハンドジャムが楽しくて、その他にも考えさせられるナイスな課題ができ上がった。



最後に珊瑚岩を見学。びしょ濡れの《樹海》でセッションして体を痛めつけて、ヨレヨレになって帰りました。一日中クラックボルダー三昧。一年の最後に最高に楽しい一日を過ごすことができました。


○ボルダーでも登れてリードでも不自然ではないクラックの楽しみ方

まえに《スーパームーン》を登る時に悶々と考えたことがあって、《ターゲット》を登ったこの機会に、メモ。

ボルダーでも登れてリードでも不自然でないクラックをボルダーとして登ることとリードすることには一長一短があるように思います。僕が勝手に敬愛するけんじりさんは、《雄鹿が鳴くと雨ずらよ》SD初登に際して、紐なしグラウンドアップを推奨されている。ボルダーとして登ることの楽しさは、リスクをコントロールする登りを要求される楽しさと、自分の身体ひとつで岩と向き合う楽しみをより味わうことができるといったあたりでしょうか。他方、室井登喜男さんは、不動沢でハイボルダーをリードで初登した際に、クラックはリードした方が楽しいと言っている。リードすると、プロテクションのセットのための力を要求されるし、セットのために安定した体勢を作らないといけない分ムーブが厳しくなる、またクラックらしいそのムーブが楽しいといったあたりが理由でしょうか。

強引にまとめると、ボルダーの良さは道具に頼らないこと、リードの良さはクラックらしいムーブを楽しめることとより難しいこと。これを踏まえて、ボルダーでも登れてリードでも不自然ではないクラックの楽しみ方を考える。ボルダーで登る楽しさは、ひとたびロープに頼った時点でスポイルされる。それがトップロープでもリードでも。他方、ボルダーで登れたクラックをリードで登れるとは限らないので、後からリードすることには意味があるかもしれない(やったことないから分からんけど)。

てことで、まずはボルダーが答えなんだけど、危険な場合はやめた方がいいのはもちろんのこと。高すぎるとか、下地が悪いとか。危険でもクライムダウンすればいいんだけど、下ることができないpoint of no returnを越えるような場合には止めた方がいい。これがひとまずの答えかな。ひとつ気をつけたいのは、point of no returnは登り手によって異なるってことで、クライムダウンの技術が高ければ、point of no returnは減らせるし高くできる。落ちない技術を高めることも必要。

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