2016年7月3日日曜日

長いクラックのオンサイトを目論む@KB岩から、美しい谷

久々に奥多摩を離れて、山梨方面のKB岩へ。いつものパートナー松氏と一緒。ターゲットは、全長30mのクラックのオンサイトトライ一本勝負。

こんなに長いクラックは登ったことがない僕にとって、難しいのがプロテクションのマネージメント。入念にオブザベをしたいところですが、ルート全体を見渡すことができません。出だしはごちゃごちゃっとしたところを5mほど登って、そこからコーナーのクラック。初めは細いです。それからハンドサイズ?中間部に小ハングが見えます。死角の先にコーナーから左に外れたクラック。ハンドジャムがボンバーか?その上は全く見えず。

しょうがないので登ります。コーナーのクラックに入るまではプロテクションは取れず、まずはコーナーにスモールカム&ナッツ。フィンガーをつないで、シンハンドに広がる。このクラックは、おそらく10年くらいは人の手が入っていなくて、その割に綺麗ではありますが、やはり少しホコリっぽい。狭い凹角に体を捻じ込んで窮屈な体勢でプロテクションをセットする間に、ズリズリっと。なんとかこらえて、えっちらほっちら。

手持ちのカムは、キャメ0.75から3と、マスターカム0から6。上部でハンドサイズのカムを使いそうなので、温存が必要です。下部はできるだけ小さいサイズ。ハンドサイズを入れて、1・2手上がってナッツ&ヘキセンを叩き込んで、下のカムを回収したり。持っててよかったDMMトルクナッツ。

途中、コーナーのクラックの形状が変則的で、プロテクションに大いに悩まされる。コーナークラックの奥にさらにクラックがあって、カムはなかなか効かず、パラレルで、ナッツもヘキセンもだめ。かろうじてカムがおさまってくれる位置を見つけ、勢いで突破。マスターカムが売り切れ、キャメ2までが残った状態で、ちょうど中間地点あたりと思われる小ハング下。

相変わらずシンハンドのジャムは抜けそうで、テンショーン!って言いたくなります。ハングの上がどうなっているか全く予想ができないし。それでも、わざわざこのルートだけのためにここまで歩いてきたのだ、自ら諦めるわけにはいかないと自分に言い聞かせ、小ハング越えに突入。

ハングにアンダーのジャムを挿し、右手をハング上に。浅い。左手をごにょごにょきめ直して、右手を飛ばしたら順手ボンバー。一気に乗っこすと、そこには下から見上げたコーナー左に走るハンドサイズのクラックが。思ったより傾斜が落ちていて助かった!でもシンハンド。

右のコーナーに体を預けつつ、手も足もシンハンドサイズのクラックにジャムしてじりじり進みます。完登を告げるテラスが上に見えた頃、クラックは完全に閉じて、その上にホールドのない小ハングが覆いかぶさっています。左カンテに活路を見いだし、ハング下のホールドを保持して、シンハンドには小さすぎる不安なカムを一本入れ、あとは右のスラブ面に乗り上がるだけ。握れるホールドは、ハング上の甘い小フレーク一つ。これを握って右足で乗り込めば実質終わり。でもやっぱ無理。

小ハング下まで戻って仕切り直し。何かないかと周囲を見渡すと、シンハンドのクラックの途中から右に抜けるラインを発見。右コーナーに体を預けていたので死角になっていたところ。左カンテをクライムダウンして一旦クラックに戻り、右に抜けることに成功しました。

粘りに粘ってオンサイト。会心のクライミングでした。ここのところ取り組んできたトラッド・クライミング、クラック・クライミングの成果が一つ出せました。

ロープスケール30mジャスト。終了点のテラスには、30年前のものと思われるスリングが、朽ち果てた松の木にかかっていました。


松氏をフォローで迎えて、懸垂で下降。

ヘキセン回収中

グレードは、トポに二つのバージョンがあって、一つは5.10a、もう一つは5.11aとなっています。登ってみた感触としては、5.10aか5.11aかが分からないグレード感覚のなさが遺憾です。

他にもこんなの。アプローチで迷っている最中に見つけた小川山のジョイフルジャムっぽい雰囲気のクラック。下が崖なのでカムでリードしました。フィストがギリギリ決まらなくて、傷心物語で習得したエルボーロックを使って登りました。


あとは、日本一つらい初段がある美し谷。日本一つらい初段は結露でびしょびしょでした。秋までだめか?

上流に歩いて、幾つかの岩を登ったり、敗退したり。



秋になったらまた行きたいですね。

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