2014年9月30日火曜日

むかし道ボルダーに初めまして、から、遼@御岳

噴火を受けて小川山を回避し、奥多摩の岩場にトラッド初登を目指して向かっている最中に、ロープを忘れたことに気づいて、仕方がないのでそのまま「奥多摩町の村長さんも大絶賛」の秘密の花園へ。今はむかし道ボルダーなんて呼ばれてますね。

1986年にクライミングジャーナル25号で発表されています。


ぜひとも登りたかったのがこの岩。ホワイト・パレス。持てるところがなさそうで、面白そう。

どーーーーん。


しかし、何かが違う。よく見ると、傾きが違っていて、写真のように立つことはできなくなっていた。そして、もっとよく見ると。岩の場所自体が変わっていた。左の人が立っている場所に、今は岩があるんです。自然の力はすごい。いや、ダムの力か。


2005年頃に作成されたらしいトポでは、この面が《むかし道ペタシ》(4級)とされている。岩の傾きが当時と同じかは不明。

岩の前に立って一歩下がったところに小さな岩があって、これに乗って地ジャンで左足に乗って左手を出すと、4級くらいだった。後ろの岩を使わず地面からやってみたら、めちゃ難しい。右手も左手もホールドと呼べるものは全くなくて、ツルツルに磨かれた石灰岩に手の平全体を押し付けるのみ。写真で指を指しているところにスメアでの離陸がまず困難。ようやく離陸に成功して、右足が上がって、左手を出そうとしても、身体が剥がされたり、左足がすべったり。何もないリップをパンパンと叩くことを繰り返す。だって、もともと何もないところに手を置いてるのに、そこからデッドで何もないところを叩くんだもん。


なにもない右手。この岩に必要なのは、チョークでもブラシでもなく、水で濡らした雑巾です。


極小のへこみをカチるカチラー松氏。そこ、不正解ですよー。

かなーり苦労してなんとか完登。いやー、面白い。2級くらいか?いや、1級ある?カチラーの5.13クライマー(笑)の松氏は敗退。



動画にすると面白さがこれっぽっちも伝わらないおそれがあるな。


ペタシの合間に、後ろのフェースも登っておいた。この辺りは普通のカチの薄被り。あと、《むかし道ビターン》SD(1級)ってのも見てみたけど、どうも様子がおかしい。シットスタートの座りどころに岩があって、すわれない&フットホールドが隠されていた。岩の傾きも変わってるかもしれない。と思ったら、ここヒントがあった。やっぱり下の岩は後から流れてきたもののようで、隠されたフットホールドを使っていた。左下の斜めホールドスタートか。と思ってさらに情報をさがしたら、なんと、ボル中さんが2012年に登ってた。あの岩は2012年以降に流されてきたのか?

ボル中さん、相変わらず面白い。あ、ここにもホールドの情報があった

次は、ホワイトテーブル。


まずは右側のマントル。下の写真の右奥。


これまた厳しかった。手のホールドは、水流で磨かれた石灰岩の甘いエッジ。左足を深いフットホールドに置いて右足ヒールをかけるんだけど、ツルツルに磨かれた石灰岩にはヒールがかかるエッジなどない。わずかなシワを狙ってかけるけど旨く行かない。何もない面に押し付けて強引にかけると、サイズが大きいインティが脱げる。御岳の《マルガリ》を彷彿とさせる右足ヒールの根性マントルで、格闘の末完登。これは面白い。2級くらいか?いや、1級ある?

それから、その左。左手をハングしたのアンダー、右手をリップでスタートしてみた。本当は両手ハング下からできたらもっといいんだけど、苦手のアンダーで段クラスの課題になる。まずは右手リップから。


一手目で、左のリップ状の何もないところ。これ、ほんとに何もないです。持てるのが信じられないくらい、何もない。


そこから、上部カンテ状のところにランジでラップ持ち。さらにガバにキャンパしてマントル。何もないところを持つのが最高に面白かった。2級くらいか?いや、1級ある?

むかし道ボルダー、面白かった。ガバのどっかぶりとか、ルーフとかもあるんだけど、目が行くのはつるつるに磨かれた石灰岩のホールドが全然ないやつ。最近はジムでクリンプを禁止してて、スローパー系の課題を好んで登っているので、岩でもそういうのに興味津々。むかし道ボルダーはさらなる可能性がありそうだ。それから、大きな岩が密集してるから、ルーフのワイドクラックも可能性あり。

○日当りメモ

むかし道ボルダーは谷底。お昼前まで陽があたらず涼しかった。お昼頃から川の上流側に太陽が回って、燦々の日差し。暑かった。冬もお昼頃から午後は暖かそう。ただし、今回は行っていない対岸はずっと陽が当たらない予感。


暑くて疲れたので、その後は御岳に移動して、《遼》。1トライ目で左足上げまで行くという信じられない好調っぷり。しかし、左足を上げると半月板が割れた左膝関節が悲鳴をあげるという悲しい事態。左足フットホールドの気持ち奥目に置くと、そこまで痛くないことを発見。暗くなって打ち止め。

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