2016年12月15日木曜日

ROCK & SNOW #73 追悼・吉田和正

ロクスノ74号(2016年冬)。



○追悼・吉田和正
今回のメインはこれ。山野井泰史、杉野保、佐藤祐介、山村学、中根穂高、榎戸雄一、小檜山茂。城ヶ崎・MARS・岩と雪134号再掲。公表された初登ルートはそう多くはありません。それだけ難しいルートに時間をかけて挑み続けたということでしょう。

その他、なんだか盛りだくさんでした。

○御来光ノ滝左岸岸壁オールフリー「憑き物落とし」5.13a 阿部史明
バッタ先生の素晴らしい記録。5.13a、5ピッチ、130m。2008年から取り組み始め、8年間をかけて完成させた一つのルート。最終ピッチ、13aのルーフクラック。記録はこちら

○瑞牆山・文殊岩「BUM WAGON」高橋昭彦
5.11a 2ピッチ 40m。1ピッチ目が本題で、5.11aの25m。ワイド、ハンドからフィンガー?こうやって一つのルートを完成させることは、素晴らしいことです。岩の上まで抜けるために1ピッチ目の完成後に再訪して5.7の実質5mの2ピッチ目を登りに行ったっていうもの、とてもいい。記録はこちら

○トラッドで行こう
・The Millennium Arch 5.14, Canyonlandes, USA
Wide Boyz。UKCの翻訳記事。記事ではWide Boysになってるけど、Boyz。全長100mのルーフクラック。スケールがおかしい。しかも、これは彼らにとっては本題ではなく、本当の狙いはThe Crucifix Projectという別のルーフクラック。彼らの取り組みは登れたルートの記事も面白いけど、ルートを探すところから面白い。なんならこっちを紹介して欲しかった。
Hunting for The Unknown - The Holy Grail of Crack Climbing
The Millennium Archは、1ピッチで登るためには45個のカムが必要ということで、プリセットして登ってます。いつかこれをカムをセットしながら登る人が現れるでしょうか?

・Pure Pressure 5.14R, Escalante Canyon, USA
Ben Rueck。フォールのたびに3つ固め取りしたカムの2つが壊れるルートって、どういうことでしょう?ボルトルートをナチュプロで登るレトロトラッド。

・Blackbeard's Tears 5.14c, Promontory, USA
Ethan Pringle。

・Honeycomb Dome 5.13d, Liming, China
Logan Barber。

・Am I Evil? 5.13-, Boab Desert, USA
Pamela Shanti Pack。

・Thai Boxing 5.12c-5.13b, Le Couteray, France
Sean Villanueva O'Driscoll。スポーツルート全盛と思われるフランスにも、こんなワイドクラックが。やはり大陸はすごい。

・Lapoterapia 8c/5.14b, Osso, Italy
Jacopo Larcher。Prinzip HoffnungとかRhapsodyとかで話題のヤコポ・ラルケルさん。ボルトルートをナチュプロで登るレトロトラッド。

・Achemine E9 6c, Dumbarton Rock, Scotland
Barbara Zangerl。バーバラさん、Prinzip Hoffnungも登ってます。



○厳島 清盛クラック マルボーさん
西日本災難のワイド。5.11c、10m。

○ワイドクライマー返し 船山和志
松平林道のトラバースのワイドクラック。5.11b。興味アリアリ。

○三倉岳 パーフェクトスカイ 5.10d R マルボーさん
全13ピッチ中10ピッチがワイド。すごすぎる。

○僕らは考える石ころである 植田幹也 
とても面白いですね。問題は、このデータを受けて、個々のクライマーがどうすべきかですよ。縦軸に保持力、横軸に最高グレードをプロットしたグラフと、縦軸に岩場日数、横軸に最高グレードをプロットしたグラフを別々に用意した方が、わかりやすいと思います。


左が保持力、右が岩場日数。ラインは適当に引きましたけど、だいたい標準的なライン。

左のグラフでラインよりも左にいる人は、岩場日数を増やしたほうがいい。ちなみに、保持力10kgで2段の人たちは標準以上の成果を出していることがわかります。だから、岩場不足ではなさそう。

右のグラフでラインより左にいる人は、保持力を上げたほうがいい。本当は統計的な処理が必要なんでしょうけど、僕には能力ないです。

岩場日数を増やしてもグレードは上がるし、保持力を上げてのグレードは上がるとしたら、そのどちらを上げることがより効率的かを、この調査は教えてくれるのだと思います。

ただし、これはとても大事なことですが、岩場日数を上げたほうが良いと言われても、仕事が忙しくて行けない人もいます。保持力を上げたほうがいいと言われても、食が細くて上がらない人もいます。もっと言うと、岩場日数、保持力を規定する別の要素があるかもしれません。例えば、子供を持って、配偶者にも愛されまくっている人は岩場にも行きにくいし、保持力も上げにくいでしょう。他の要素も調べると、実は「独身男性は強い」が結論かもしれません。「収入が多い人が強い」かもしれません。

そのあたり、今後の調査が待たれるところです。

○インタビュー・楢崎智亜 植田幹也
とても面白い。クライマーの動きの個性とか、身体感覚とか。

○小川山・東俣沢ボルダー 青島賢一
「愛しのジョリエッタ」3段など。

○瑞牆山・宝冠岩「アショーカの樹」 福田宗一郎
5.13d 3ピッチ 100m。

○スーパー赤蜘蛛・フリーソロ 佐藤祐介

○錫杖岳・アニバーサリー、フリー化 神林裕

○たまにはマルチ 調和の幻想

○スコーミッシュ Pipeline 5.10d マルボーさん

○辺くら第6弾=佐渡島・大ザレの滝 小坂健一郎

○称名川単独完全遡行 大西良治

○フランケンユーラ Corona 小山田大

○ナーレ・フッカタイバル、Burden of Dreams 9Aを初登
UKCの記事の翻訳

○ギア・ベスト3
いまいち興味なし。

○武庫川・Chilled Out Midnight V4 一宮大介



参考に

クライミング ダイアリー
「吉田和正のこと 1 出会った時のこと」
http://stonefree47.dreamlog.jp/archives/5263051.html
「吉田和正のこと2 「40で死んでも」」
「吉田和正のこと3 後悔」
「吉田和正のこと4 一緒に登った20代」
http://stonefree47.dreamlog.jp/archives/5264650.html
「吉田和正のこと5 ローリング30」
http://stonefree47.dreamlog.jp/archives/5265182.html

Meditation Climbing~岩登りから道を見出す~「鬼才の死に捧ぐ」
http://iwaazuki.blog.fc2.com/blog-entry-201.html

岩にバッタ「吉田さん」

サルモネラ登攀日記「灯し火」
http://saruzaemon.exblog.jp/23273051/

こーどれす らいふ「デイドリーム」

雪山大好きっ子。+「吉田和正、肺ガンで死去」
http://yukiyama.co.jp/mountain/2016/09/kazumasa-yoshida-rip.php

mickipedia「眠れぬ夜に吉田和正さんの過去記事を読み返す」
http://mickipedia.blog113.fc2.com/blog-entry-154.html

さちのひとりごと「追悼:吉田和正さん」

日記 - プロヴァンス滞在記「吉田和正さん」

わたしのBlog_家族と山の日々:「追悼 吉田和正」

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